BADON(バードン)のネタバレ解説・考察まとめ

『BADON』とは、2019年より『月刊ビッグガンガン』にて連載された、オノ・ナツメによる漫画作品である。前科持ちの男たち四人が刑務所で出会い第二の人生を歩もうと意気投合し奮起していく群像劇として、バードンで開店した高級煙草店「プリミエラ」を中心に繰り広げていく、男たちの再起と絆の物語である。

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エリオ・ユーカー

ドラドの弟。「ユーカー」の最古参の一人で、他の人間からの信頼が厚い。「ユーカー」にハートを引き入れた後はよく目にかけていた。
妻子がいたが、妻がドラドと通じていたことを知り射殺、赤子であった子どもを窒息死させる。ドラドに子が生まれ、後継ぎについて組織が揉めることを危惧しての判断であった。
ドラドの死後、マルティが「ユーカー」の分裂を招きかねることを危惧した組織の人間により首領の座を強く勧められる。血筋を重んじ、首領となることを固辞していたがマルティの自死により後を継ぐこととなる。

マルティ・ユーカー

ドラドの息子。頭の切れる若者であるが、臨死状態になる薬を実験的にためらいなく他人に使用する、ジャコモの正体を知りながらあえて泳がせて面白がるなど冷酷な一面が目立つ。己の忠犬として配下に置きたいがためにエリオからハートを譲り受けた。しかしハートが組織から脱退した後は脱退を幇助したエリオを強く恨むようになり、やがてハート自身に恨みを向け固執するようになる。幼少期に誘拐された過去があり、助けてくれたハートが父のドラドに溺愛されていることも恨みを増長させる一因であった。
「ユーカー」の古株たちには「人心のついていない問題児」と評されており、組織内ではほとんど支持を得られていない。首領として求められていないと幼い頃より悟っており、最期はハートとビデオ通話をした状態で自死を遂げる。

ジャコモ・トス

エリオの側近の男性。ハートが刑務所に入る数年前から「ユーカー」にいたが、当時は下っ端だったため面識はない。マルティの手綱をエリオに任されているが、マルティにはよく振り回されている。
かつては「ユーカー」と懇意にしていた武器商の護衛をしていたが、武器商を狙ったカジノホテルの火災事件に巻き込まれて死亡する。その正体は、「ユーカー」及び闇組織の力関係の現状を把握するために警察より派遣された内偵だった。ジャコモ本人が死亡した後は、同じく火災事件に巻き込まれ重傷を負ったダリオがジャコモに成り代わる。ジャコモ本人は警察ではなく、過去に組織同士の抗争で家族を失い、その後に結ばれた協定で訪れたヤッカラの平和を守りたいと内偵になった。
ダリオがジャコモとして活動を始めるにあたり、ツテを使って「ユーカー」に入り、適切な距離で内偵の任を続けていた。しかし働きぶりがエリオに気に入られ、側近になったことにより状況は大きく変わることとなる。

テレビ局「BHK」の関係者

コリー・カイト

「BHK」の人気キャスターの一人で、平日夕方のニュースを担当している男性。ピノとパットとは大学時代からの腐れ縁だった。
声がよく容姿も秀麗だったことから国民の人気を集め、局の顔である夕方のニュースを任される名物キャスターとして名を馳せていた。しかしエルモが演技指導をしたドラマの撮影中に煙草に毒を盛られ急死、突然の訃報はバードン区民に衝撃を与えた。
品行方正な姿が目立つが、ピノやパットを上から煽ってくる裏の顔があった。

パット・ジェイ

「BHK」の人気キャスターの一人で平日夜のニュースを担当している男性。コリーとピノとは大学時代からの腐れ縁だった。感情的になりすぎるためキャスターとして失格、と自戒しているが、キレがあって見ていて退屈しないと視聴者からの人気は高い。
かつては平日夕方のニュースを担当していたが突如としてコリーに変更が決まり、この一件からコリーとの不仲説が局内に広がっていった。
重度のナッツアレルギーで、過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある。

ピノ・コルヴォ

「BHK」の人気キャスターの一人で、朝のニュースを担当している男性。コリーとパットとは大学時代からの腐れ縁だった。ハート曰く「口先だけ」の人間で、コリーを悼む様子に嘘が見られるとハートには見抜かれていた。
コリーに対して積年の恨みがあり、ずっと昔に入手していた毒を煙草に仕込んでコリーを殺害した。自らが犯した罪の重さは認識しており、せめてもの償いにコリーの裏の顔は誰にも話さないとパットに告げて警察に逮捕された。
既婚者であったが服役中に離婚している。甘党で、「ハチクマ」のクッキーを好んで食べていた。

ミード

ドラマの監督を務める男性。神経質だが面白い作品を作ると評判。
昔、別の名義で煙草業界を騒がせた脚本を手掛けたことがある。

「ツタ・アパート」の関係者

ガイ・フェザント

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