「荒井由実」時代のユーミンが好きだ!

「少女」から「大人の女性」へと変わるほんのつかのまの、瑞々しい感性。
荒井由実時代のユーミンの作品には、そんなキラキラした美しい感性の結晶たちがいっぱい詰まっています。
2015年9月末には16年ぶりに「荒井由実」名義でのライブも予定されているユーミンの、「その時代」を振り返っていきたいと思います。

ユーミンの略歴

1954年1月19日生まれ
愛称はユーミン。 1972年にシングル返事はいらないで荒井由実としてデビュー。他アーティストへの作品提供の際には、本名の他、呉田 軽穂(くれた かるほ)というペンネームを使用する場合もある。
オリコンでは、女性最多となるアルバムミリオン「通算9作」、アルバム首位「通算22作目」の記録を持つ。

出典: middle-edge.jp

「ユーミン」こと、松任谷由実さんはおそらく日本人なら知らぬ人はないと思われるほど有名なミュージシャン/アーティスト。
彼女の作る作品はこれまで数多くのメディアで取り上げられ、またいろいろなドラマや映画でテーマソングとして使われています。
中でも特に有名なのは多分、ジブリ絡みでしょう。

2014年公開、宮崎駿の「風立ちぬ」のテーマソングになった「ひこうき雲」。
ちょっと遡ると、「魔女の宅急便」のエンディングテーマソング、「やさしさに包まれたなら」。

どちらもユーミンの曲ですが、この2曲が作られた時、ユーミンは「松任谷由実」ではなく「荒井由実」でした。

画質が悪くて申し訳ありませんが、こちらの画像は彼女が「荒井」だった頃の一枚です。

当時からお洒落感は群を抜いていて、蛇足ですが私も彼女がよく着ていた「ふんわりしたギャザースカート+白いブラウス+帽子」というスタイルに憧れました。

当時のことを音楽評論家の上柴とおるさんがこのように回想されています。

時は1975年(昭和50年)の7月27日(日)。この年の2月20日に出した「ルージュの伝言」がそこそこのヒットになって(オリコンNo.45)少しは世間にも知られて来た頃でしたがまだ‘スターというあれでもなかったんで取材もわりとすんなりOK(このあともっぺん取材をあれしたけどその時は。。。事務所の態度が変わってたぁ~)。単独のあれではなかったかと思うけど(なにせフェスティバル・ホールやったし)、楽屋を訪ねましたわ。そん時の日記をまんまなにしときまひょか。
『荒井由実はフシギなカワイサをもっている、まさに‘タレント’やった。ステージであんなにアクションするとは知らんかった。キャシャでカ細い体をクネらせて―。‘作詩・作曲家’などというと、とかく、かわい気のないものだが、まだ21歳という若さのせいか、茶目っけたっぷりのステージぶりやった。‘ボーイ・スカウト’みたいなボーイッシュなスタイルで、ステージ狭しと動き回るユーミンの姿はとってもキマッてた。しゃべるのはハキハキしていて、とてもイイのだが、ただ、ちょっと急に売れて来て、少々テングになっているようなフシがなくもなかった。けれど、とても‘スター’になる要素の強い人間だと思った。日ヨウビにわざわざ出かけて行ったけど、まぁヨカッタ。』

出典: www.clinck.co.jp

当時のステージでのワンシーン。
やっぱりものすごくお洒落です。

16年ぶり!荒井由実名義でのライブコンサート決定!

ところで、つい最近びっくりなニュースを目にしました。それはユーミンが「荒井由実」名義でライブをする、というもの。
しかも競演者が超豪華で二度びっくり!詳細は次の通りです。

ALFA MUSIC LIVE

出演
荒井由実(松任谷由実) / 大野真澄(元GARO) / 加橋かつみ / 小坂忠 / コシミハル / 後藤悦治郎(赤い鳥&紙ふうせん) / サーカス / シーナ&ロケッツ / 鈴木茂(Tin Pan Alley) / 高橋幸宏(YMO) / 浜口茂外也 / 林立夫(Tin Pan Alley) / 日向大介 with encounter / 平山泰代(赤い鳥&紙ふうせん) / ブレッド&バター / 細野晴臣(YMO&Tin Pan Alley) / 松任谷正隆(Tin Pan Alley) / 村井邦彦 / 村上"ポンタ"秀一(赤い鳥) / 山本達彦 / 雪村いづみ / 吉田美奈子 / 他 ※五十音順
総合演出
松任谷正隆
プロデューサー
村井邦彦
開催日時
2015年9月28日(月) 18:00 OPEN 18:30 START
会場
Bunkamuraオーチャードホール

出典: www.red-hot.ne.jp

なお、チケットは既にソールドアウト。
そりゃ、そうだ。細野晴臣さんや高橋幸宏さんという「YMO」組まで主演するなんて、こんなステージこの先もなかなか実現するのは難しいでしょう。

筆者も行きたかったのですが、残念ながら出遅れてしまいました…orz

荒井由実時代に出された4枚のアルバム

ユーミンは、独身時代に4枚のアルバムを発売しました。

1st ひこうき雲

1973年11月20日発売。
Side A
1ひこうき雲
2曇り空
3恋のスーパーパラシューター
4空と海の輝きに向けて(album version)
5きっと言える

Side B
1 ベルベット・イースター
2 紙ヒコーキ
3 雨の街を
4 返事はいらない(album version)
5 そのまま
6 ひこうき雲(デモテープの音源を短く収録)

作詞・作曲:荒井由実 編曲:荒井由実、キャラメル・ママ

☆「ひこうき雲」は、もともと往年の名歌手雪村いづみのために書き下ろされた曲だったそうです。
しかし諸事情により発売中止となり、作曲者であるユーミンが自ら歌うことになりました。
この曲は国内外を問わず、多くの人達にカバーされています。

☆「返事はいらない」は、シングルで発売当時300枚しか売れなかったという「幻のデビュー曲」。

2nd MISSLIM

1974年10月5日発売。
「MISSLIM」というタイトルは、「MISS SLIM」の造語。

Side A
1 生まれた街で
2 瞳を閉じて
3 やさしさに包まれたなら(album version)
4 海を見ていた午後
5 12月の雨

Side B
1あなただけのもの
2 魔法の鏡(album version)
3 たぶんあなたはむかえに来ない
4私のフランソワーズ
5 旅立つ秋

☆「生まれた街で」の「街」は、ユーミンが生まれ育った八王子のこと。
☆「瞳を閉じて」は、長崎県立奈留高等学校からの依頼で作られた作品で、現在同校の校歌となっています。歌詞が刻まれたモニュメントもあります。
☆「やさしさに包まれたなら」は、1989年『魔女の宅急便』のエンディングテーマにアルバムバージョンが使用されたため、現在ではそちらのバージョンの方が一般的によく知られています。
☆「海を見ていた午後」に出てくる「山手のドルフィン」は実在するレストラン。
☆「私のフランソワーズ 」は、フランスの女性シンガー、フランソワーズ・アルディのことを歌った作品。

3rd COBALT HOUR

1975年6月20日発売。
ジャケットは柔らかなタッチで人気のあったペーター佐藤(故人)によるもの。

Side A
1 COBALT HOUR
2 卒業写真
3 花紀行
4 何もきかないで
5 ルージュの伝言

Side B
1航海日誌
2CHINESE SOUP
3少しだけ片想い
4雨のステイション
5 アフリカヘ行きたい

☆ 「COBALT HOUR」は、情景が目の前に浮かぶような色彩感に富んだ作品。「あなたは昔湘南ボーイ 私は昔横須賀ガール」という歌詞が印象的。
☆ 「卒業写真」は、ハイ・ファイ・セットがシングルでリリースし、大ヒット。現在は卒業式の定番ソング。
☆ 「ルージュの伝言」この曲も「魔女の宅急便」で採用されています。50’sムードの軽目なロックで、口紅で鏡に浮気な恋人への伝言を書く、というお洒落な歌詞でヒットしました。
☆ 「CHINESE SOUP」は、吉田美奈子がアップテンポでカバーしていてこちらも秀逸。
☆ 「雨のステイション」は、JR青梅線の西立川駅のことを歌っています。

4th 14番目の月

1976年11月20日発売。
ユーミンが独身時代に発表した最後のアルバムです。
当時彼女はこのアルバムを最後に引退し、主婦業に専念するつもりだったそうです。

Side A
1さざ波
214番目の月
3 さみしさのゆくえ
4朝陽の中で微笑んで
5中央フリーウェイ

Side B
1 何もなかったように
2 天気雨
3 避暑地の出来事
4 グッド・ラック・アンド・グッド・バイ
5 晩夏(ひとりの季節

・ 作詞・作曲 : 荒井由実 編曲 : 松任谷正隆

☆「さざ波」
個人的に大変好きな作品。
歌詞の中に出てくる「私だけの10月」が印象的で、10月になると必ず聞き直したくなる。乙女チックなイメージがめいっぱい詰め込まれた「秋」の曲。
☆「14番目の月」は、ユーミンのライブ終盤を盛り上げる定番ソング。
☆ 「中央フリーウェイ」は、中央自動車道を八王子方面に向かう時に見える景色が歌詞に盛り込まれています。
☆ 「グッド・ラック・アンド・グッド・バイ」は、岡崎友紀に提供された曲。
「最後の春休み」同様の、甘く切ない「別れ」の情景が胸をきゅんとさせます。

matsurika
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