パリ、テキサス(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『パリ、テキサス』とは1984年に製作された西ドイツとフランスの合作映画である。監督はヴィム・ヴェンダース。1984年の第37回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。テキサスを放浪していた男、トラヴィス。記憶も曖昧なまま彷徨い続けていたトラヴィスの妻子との別れや再会を描いた傑作のロードムービー。カラカラに心の乾いた男が家族との再会によって蘇っていく過程の描かれ方が絶妙である。息子や妻との再会は彼にとってテキサスの中のパリスに辿り着いたかのようであった。
非常に兄思いなトラヴィスの弟。妻のアンと広告看板の制作会社を経営しており、それなりの収入を得ていた。トラヴィスとジェーンがハンターを置いて行方をくらませた後、ウォルトとアンがハンターを我が子のように育ててきた。
アン・ヘンダースン(演:オーロール・クレマン)
出典: eiga-pop.com
ウォルトの妻。ハンターをとても大切に育ててきた女性。その為トラヴィスが帰ってきたことに喜びながらも、ハンターと離れなければならないことに苦しんでいた。その後、ハンターはトラヴィスと共に家を出てジェーンを探すことを決断する。ハンターのとった行動を受け入れることのできないアンなのであった。
その他
ガソリンスタンドの男(演:サム・ベリー)
トラヴィスが倒れたガソリンスタンドにいたお腹の出ている男性。彼がいなければトラヴィスはそのまま死んでいたかもしれない。
ウルマー医師(演:ベルンハルト・ヴィッキ)
トラヴィスが運ばれた病院の医師。何も話そうとしないトラヴィスに対し、彼が隠し事を抱えているのだとすぐに理解する。こうしてウルマーからウォルトへ連絡が入った。
カーレンタル職員(演:クラッシー・モビリー)
アフロヘアの大きなサングラスをかけた女性。ウォルトがトラヴィスを迎えに行く際、利用した車のレンタルショップの店員。一度レンタルした車を飛行機に乗るために返却したトラヴィスたちであったが飛行機から降りた後、どうしても最初に乗っていた車でなければダメだと引かないトラヴィスに負けて、同じ車を用意する。
テレビの中の女(演:ヴィヴァ)
ウォルトが不在の隙に逃げ出したトラヴィス。彼を連れ戻した後に車を停めたオフィスの中に設置されているテレビ画面に映る女性。
カメリータ(演:ソコロ・バルデス)
ウォルトの家の家政婦の女性。ハンターの迎えに行こうとするトラヴィスに、お金持ちの男性のファッションや振る舞いをレクチャーする。
ハンターの友人(演:エドワード・フェイトン)
ハンターと一緒に下校していた少年。ハンターは迎えにきたトラヴィスを見るなり、その友人の車に乗せてもらえるよう頼み、一緒に車に乗って行ってしまう。
叫ぶ男(演:トム・ファレル)
安全地帯などどこにもないとひたすらに叫び続けていた男性。自分はおかしくないと言い張りながら、トラヴィス以外に誰も聞いていない場所で警告し続けていた。
スレイター(演:ジョン・ルーリー)
テレフォンクラブの上の階へ行ったトラヴィスを追い返したスーツの男性。トラヴィスと遭遇した時、彼の横にはこちらに背を向けて立つジェーンがいた。
ストレッチャー(演:ジェニ・ヴィシ)
テレフォンクラブで働くブロンドヘアの女性。トラヴィスが一番最初に客として通話をした人物である。24室あるうちの23室も回っているという人気キャスト。
『パリ、テキサス』の用語
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目次 - Contents
- 『パリ、テキサス』の概要
- 『パリ、テキサス』のあらすじ・ストーリー
- ウォルトのトラヴィスを想う強さによって実現した親子の再会
- ハンターの後押しがあり叶ったジェーンとの再会
- 『パリ、テキサス』の登場人物・キャラクター
- トラヴィス一家
- トラヴィス・ヘンダースン(演:ハリー・ディーン・スタントン)
- ジェーン・ヘンダースン(演:ナスターシャ・キンスキー)
- ハンター・ヘンダースン(演:ハンター・カーソン)
- 3歳のハンター・ヘンダースン(演:ジャスティン・ホッグ)
- ウォルト夫妻
- ウォルト・ヘンダースン(演:ディーン・ストックウェル)
- アン・ヘンダースン(演:オーロール・クレマン)
- その他
- ガソリンスタンドの男(演:サム・ベリー)
- ウルマー医師(演:ベルンハルト・ヴィッキ)
- カーレンタル職員(演:クラッシー・モビリー)
- テレビの中の女(演:ヴィヴァ)
- カメリータ(演:ソコロ・バルデス)
- ハンターの友人(演:エドワード・フェイトン)
- 叫ぶ男(演:トム・ファレル)
- スレイター(演:ジョン・ルーリー)
- ストレッチャー(演:ジェニ・ヴィシ)
- 『パリ、テキサス』の用語
- テキサス州パリス
- テレフォンクラブ
- のぞき部屋
- 『パリ、テキサス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 兄弟の再会後再び逃げ出したトラヴィスを引き止めるため線路で待ち伏せをしていたウォルト
- トラヴィスとハンターの深まっていく親子の絆
- マジックミラーを挟み受話器越しに過去の告白をするトラヴィスとジェーン
- 『パリ、テキサス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- サム・シェパードからのヒントを基に作られたエンディング
- エンドクレジットに添えられている「ロッテ・H・アイスナーへ」
- ジョイ・ストックウェルへの敬意を表すアナウンス
- 『パリ、テキサス』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:ライ・クーダー「ダーク・ワズ・ザ・ナイト」