司波達也（魔法科高校の劣等生）の徹底解説・考察まとめ

司波達也の概要

司波達也は佐島勤によるライトノベル『魔法科高校の劣等生』の主人公。日本の魔法界で大きな力を持つ十師族の1つ「四葉家」の生まれ。しかし達也は生来使える魔法は分解と再構築の2つだけで、状態の変更と定義される通常の魔法の才能は持たなかった。そのことなどから四葉家の一員としては認められておらず、妹の深雪のガーディアンという低い立場にあった。
生来使える分解と再構築（再成）の魔法に関しては四葉家直系の名に恥じない特級の処理能力を持つ。現代魔法は通常、CADと呼ばれるデバイスを用いて使用するのだが、達也はCADを介さずに素早く分解と再成を使うこともできるほどだ。また魔法を使用する際に消費する想子（サイオン）の保有量が生まれつきけた外れであり、その扱いにも長けている。しかし他の魔法についてはさっぱりで、性能的にはぎりぎり魔法科高校に合格できる程度しかない。
他にも魔法工学のエンジニアとして優れた才能を持っており、エンジニアの「トーラス・シルバー」のソフト面担当として、数々のCADや関連技術を生み出している。
妹の深雪とは仲が良く、彼女のことを何よりも大切にしている。

『魔法科高校の劣等生』では達也が国立魔法大学付属第一高等学校に補欠とされる二科生として入学するところから始まる。二科生でありながらも達也は四葉家で鍛えられた戦闘技術や、魔法工学のエンジニアとしての優れた才能などから、常識を覆すような波乱を巻き起こしていく。

魔法科高校の劣等生（ラノベ・漫画・アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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『魔法科高校の劣等生』とは2008年より佐島勤がWebサイト「小説家になろう」で掲載しているライトノベル、およびそれを原作とした漫画やアニメ作品である。魔法科高校を舞台に繰り広げられる異色の青春学園ストーリー。魔法に関する技術と知識、さらに類い稀な格闘センスを持つ主人公が、不当な評価を受けつつも、愛する妹や仲間達とたくましく成長していく姿が描かれている。原作のシリーズ累計発行部数は2000万部を超える人気作である 。

司波達也のプロフィール・人物像

身長：175cm（入学時）→178cm（「九校戦」時）→182cm（24巻）
体重：70kg（入学時）→73kg（「九校戦」時）
誕生日：2079年4月24日
好きなもの：魔法工学機械の改造、読書（技術書）
苦手なもの：小さな子ども
異名：摩醯首羅、悪魔の右手、神の左手、トーラス・シルバー、ハロウィンの魔王
CV：中村悠一

達也は切れ長の鋭い眼元が特徴的な容姿をしており、ルックスは中程度。一方で作中の登場人物からイケメンと評されることもある。存在感は絶世の美女と評される深雪と並んでいても見劣りしないほどだという。中学時代にはその大人びた雰囲気でモテていたが、告白する者はわずかしかいなかった。周囲からは「いつも真面目な顔をしている」「老成している」などと言われる。
性格は良く言えばクール、悪く言えば冷徹。これは達也の強い情動を司る部分が消失していることに起因する。達也は生来2つの魔法しか使えなかった。だが6歳のとき「人造魔法師実験」の被験者にされ、魔法を行使するために必要な「魔法演算領域」を強い情動を司る部分を消して植え付けられたのだ。この人工魔法演算領域は生来持つ魔法演算領域と比べて著しく劣っており、他の魔法を使えるようになったものの、性能は今一つだった。

強い情動を司る部分が消失したことで、達也は「最低限の情緒」しかなくなった。唯一の残ったものが「深雪への兄妹愛」であり、深雪に関することになると普段の態度からは考えられない行動をとる。特に深雪に危機が迫った場合は、敵に対して過剰な攻撃性を見せる。
感情は抑えられているが、全く機能しないわけではなく、ジョークを言ったりすることもある。

司波達也の魔法・必殺技

分解

術式解散（グラム・ディスパージョン）

起動式や魔法式を無意味なサイオン粒子に分解する魔法。魔法式は事象に付随する情報体に作用するという性質上、その情報構造が露出していなければならない。それを分解することによって魔法を無効化する。相手が使う魔法の構成を瞬時に特定する必要があるため、実戦で使用できるのは魔法式を直接読み取れる達也くらいだとされる。

雲散霧消（ミスト・ディスパージョン）

殺傷性ランク「A」相当に分類される分解魔法。軍事機密指定されており、公の場で使用することは基本的に許されていない。
物質の構造情報に干渉することにより、物質を元素レベルの分子に分解する。情報体の一部分のみを分解することもでき、対象の体に穴をあけるといった使い方もできる。

大深度雲散霧消（ディープ・ミスト・ディスパージョン）

劇場版『星を呼ぶ少女』で披露された魔法。分解の通用しない相手を制するために開発されたもので、物質を分子レベルに分解する雲散霧消を強化し、物質を原子・陽子・中性子に分解する。

トライデント

他者からの魔法による事象改変を防止する対抗魔法「領域干渉」の分解、エイドスの可変性を抑制する対抗魔法「情報強化」の分解、標的の元素レベルの分解という3段階の分解魔法を1つの魔法の工程として放つ3連分解魔法。傍から見ると人間が一瞬で消滅したように見える。
同名の別種の魔法が国立魔法大学編纂「インデックス」に登録されている。

ベータ・ディケイ・ディスパージョン・トライデント

劇場版『星を呼ぶ少女』で使用された放射性物質を完全に無害化させる魔法。物質を第1段階で原子に、第2段階に原子核を陽子と中性子に分解し、第3段階で中性子をベータ崩壊させる。

質量爆散（マテリアル・バースト）

質量をエネルギーに分解する究極の分解魔法。アインシュタイン公式の通りに質量を光速度の2乗の倍率でエネルギーに変換する魔法であり、比喩ではなく世界を滅ぼすことすらも可能な、世界最強の威力を誇る戦略級魔法である。対消滅反応ではない為、エネルギーの転換ロスもない。使用には長距離微細精密照準の補助デバイスとしてサード・アイを併用する。

バリオン・ランス

分解が効かない相手を退ける為に開発した殺傷魔法。CADのトライデントの先端に取り付けた炭素鋼の杭を陽子・電子・中性子まで分解して陽子に電子を吸収させ、中性子を拡散する前に薄い円盤状に収束させ、対象に射出する。
最終的には炭素鋼の杭を再成するため、放射能汚染は起こらない点が特徴。過程には「魔法で改変された結果として生じる事象は、本来無いはずの事象である故に、改変直後は物理法則が作用するにはごく短いタイムラグが存在する。その物理法則が作用する前に新たな事象を定義できれば、物理法則に抗うことなく定義を加えることができる」というFAE理論が用いられている。
バリオン・ランスには中性子バリアを分解するプロセスが含まれているので、中性子バリアで防ぐことはできない。