魔法科高校の劣等生の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『魔法科高校の劣等生』とは、佐島勤(さとうつとむ)によるライトノベル、及びそれを原作としたアニメ、漫画等のメディアミックス作品。
魔法師が職業として存在する架空の近未来の地球が舞台で、日本の魔法師育成機関の一つである「国立魔法大学付属第一高校」に、入試トップの司波深雪が優秀者の集まりである「一科生」として、兄の司波達也が補欠の集まりとして揶揄される「二科生」として入学する所から物語は始まる。
二つのクラスの間には能力差から生じる絶対的差別が存在し、その中からは数々の名言が生まれている。

『魔法科高校の劣等生』の概要

『魔法科高校の劣等生』とは、佐島勤(さとうつとむ)によるライトノベル、及びそれを原作としたアニメ、漫画等のメディアミックス作品。
原作者である佐島勤の手により書かれたライトノベルの『魔法科高校の劣等生』は、2011年7月より電撃文庫から出版され、同氏の商業デビュー作となった作品である。
アニメ『魔法科高校の劣等生』の制作は、1973年「エースをねらえ!」など数々の名作を世に送り出した老舗である「マッドハウス」が手掛け、監督は『咲-Saki-』で総監督をした小野学(おのまなぶ)が務めた。
作中に登場する魔法師とは正式名称「魔法技能士」の略称で、魔法を扱える者達の総称であり、魔法が職業技能の一部として認知されている架空の近未来の地球が舞台となっている。
その世界における日本の魔法師育成機関の一つの「国立魔法大学付属第一高校」に、入試の成績がトップであった司波深雪(しば みゆき)が優秀なエリートの集まりの「一科生」として、兄の司波達也(しばたつや)が補欠の集まりと揶揄される「二科生」として入学する所から物語は始まる。
学校が定めた入試課題の成績により分けられた二つのクラスの間には、一科生クラスのみに指導教員がつき、制服に刺繍されたエンブレムに関しても、一科生には学校のシンボルである八枚花弁が施され、二科生には刺繍が無いなど、目に見える形の差別が存在した。エンブレムを持つ自分達の事を「ブルーム(花冠)」と呼び、二科生の事を「ウィード(雑草)」と呼び、蔑む一科生。
その様な学校に入学した司波兄妹であったが、学校の規範では測る事が出来ない達也の圧倒的魔法センスと、他の追随を許さない魔法力を持った深雪が、兄妹愛以上の愛情を以って、差別に満ちた学校内の固定観念を打破して行く。
既成概念に囚われない司波兄妹の姿に刺激を受け、徐々に改善して行く一科生と二科生の関係。
しかし、長きに渡り差別の歴史を繰り返して来た一科生と二科生の関係改善は容易でなく、ぶつかり合う二つのクラスの生徒達からは、様々な名言が生まれている。

『魔法科高校の劣等生』の名言・名セリフ

何故お兄様が補欠なのですか!? 入試はトップだったじゃないですか!

第一話から深雪のセリフ。
司波兄妹は国立魔法大学付属第一高校に合格したものの、筆記の成績がトップであった筈の達也は補欠と称される「二科生」クラスになる。
上記名言は納得がいかない深雪から出た一言であるが、達也は「魔法高校はペーパーテストより魔法実技が優先される」と宥める。
学校の運営自体が、差別の温床を生んでいる事を感じさせるセリフである。

お兄様、早速デートですか?

第一話から深雪のセリフ。
入学式で講堂に集まる達也を含めた第一高校の生徒達。
そんな中、新入生代表として壇上で挨拶する深雪。
深雪の晴れ舞台を客席から見守る達也であったが、隣に座った女子生徒二人に声を掛けられる。
同じ「二科生」クラスになる千葉エリカ(ちばえりか)と柴田美月(しばたみづき)と知る達也。
式が終わり次第帰れる日であったが、エリカと美月に教室の下見に誘われる。
上記名言は、達也が深雪との待ち合わせを理由に断る最中、三人の下に姿を現した深雪が、達也に言った嫉妬から出た一言。
深雪の達也に対する兄妹以上の愛情を感じさせるセリフである。
この一言以降、エリカ達は司波兄妹の兄弟愛以上の愛情表現を、度々目撃する事となる。

怒る事が出来ない俺の代わりにお前が怒ってくれるから、俺は救われているんだ。

第二話から達也のセリフ。
生徒会会長の七草真由美(さえぐさまゆみ)と、風紀委員長である渡辺摩利(わたなべまり)に、一科生と二科生の諍いを治めた実力を買われ、風紀委員に指名される達也。
しかし副会長の服部刑部少丞範蔵(はっとりぎょうぶしょうじょうはんぞう)は、学校の顔である一科生のみで構成された役員の中に二科生が入る事に納得出来ず、深雪の前で達也を見下した発言をする。
怒った深雪は、学校の基準では測れない達也の魔法師としての実力を服部に語るが、逆に「身内びいきで目を曇らせてはいけない」とたしなめられてしまう。
そんな中、達也は深雪の汚名を晴らす為、服部に生徒会役員立ち合いの模擬試合を申し込む。
感情的な発言が引き金で、達也に一科生との試合をさせてしまった事を後悔する深雪であったが、達也は上記名言で慰めた。
二科生でありながら、一科生と渡り合う事が出来る実力を持つ達也。
彼がその代価として、肉体的な物か、精神的な物かは定かではないが、何かを支払い大きなチカラを得ている事を示唆する一言である。
後に劇中のモノローグで、魔法を行使する為の魔法演算領域のスペースを確保する代償として、感情の大半を消去されている事が徐々に語られて行く。

多変数化は、処理速度としても、演算規模としても、干渉強度としても、この学校では評価されない項目ですからね

第三話から達也のセリフ。
服部が深雪に発した「身内びいきで目を曇らせてはいけない」との言葉を撤回させ、深雪の目が曇っていない事を証明する為に、生徒会立ち合いの下で服部と模擬試合をする達也。
生徒会会長真由美による試合開始の合図と同時に達也は服部の背後に回り込み、気絶させる魔法攻撃を行って戦闘不能状態にし、勝利する。
一瞬のうちに達也の圧勝で終った試合に、服部を戦闘不能にした過程の解説を求める真由美達、生徒会役員。
しかし達也の口から語られた魔法の使用方法は一年生のしかも二科生の生徒が行えるような魔法術式ではなく、何故その様な技量を持った達也が二科生に割り振られてしまったのか疑問を呈する真由美達に、達也は上記名言の様に答えた。
真由美達に学校側の持つ見識の狭さを痛感させ、補欠と揶揄される二科生の中には、学校の基準では測れない才能を持った生徒達がいる事を、改めて認識させた一言である。

ここは君にとっても居心地の悪くない場所だと思うよ

第三話から風紀委員長 摩利のセリフ。
達也が、生徒会立ち合いの正式な模擬試合で服部に勝った事で、生徒会役員内から異論は出ず、心置きなく達也を風紀委員の一人に任命する摩利。
早速風紀委員の部屋へ達也を連れて行き、仕事について説明するさ中、風紀委員で三年一科生の辰巳鋼太郎(たつみこうたろう)と二年一科生の沢木碧(さわきみどり)が定期巡回を終え戻って来る。
達也を二人に紹介する摩利であったが、達也の制服にエンブレムが無い事から二科生と知った辰巳は怪訝な顔をする。
辰巳と沢木の微妙な空気に、風紀委員にも差別がある事を感じる達也。
しかし二人は、達也が服部を倒した話を摩利から聞いた途端に態度が一変し、「腕が立つ人間は大歓迎だ」と自ら自己紹介し、好意的に迎い入れる。
一科生である二人が、差別的目線で達也を見ていたのではなく、単に実力を憂慮していただけであった事に驚く達也。
そんな達也に摩利は、自身が予てより学校内にはびこる一科生と二科生の間の差別意識について改善したいと思っていた事と、風紀委員のメンバーには差別意識の薄い一科生を厳選して任命している事を伝える。
入学初日から根深い差別意識を目の当たりにして来た達也が意外そうな顔をすると、摩利は上記名言で話を締め括った。
学校が定めた基準においての差別が横行する学校内で、一科生と二科生のクラス分けに関係なく、個人の力量を見てくれている人間が複数いる事を、達也が改めて知った一言である。

魔法の成績が最優先される、それだけで決められるのは間違ってると思わない? 魔法がうまく使えないからって私の剣まで否定されるのは耐えられない

第四話から壬生 紗耶香(みぶさやか)のセリフ。
二年の「二科生」クラスで剣道部に所属する紗耶香は、中等部剣道大会の女子部で全国二位を取った事がある実力の持ち主。
そんな彼女は、二科生である達也が風紀委員として、学校内の規則に反し、魔法を校内で不正に使った剣術部一科生達を取り押さえる姿を目の当たりにし、剣道部へ勧誘する。
しかしそれは達也を部員として勧誘したのではなかった。その真意は、二科生の有志を集めて団体を作り、学校側に待遇改善を訴え出る為の構成メンバーの一人としてであった。
しかし達也は即答で断った。団体を作る理由を紗耶香に尋ねると、上記名言の様に答えた。
「二科生」クラスの生徒が、学校と「一科生」クラスに抱く不満の根深さが感じられる一言である。

何人たりとも、俺とお前の今の生活を壊させやしない

第四話から達也のセリフ。
紗耶香の勧誘を断り、風紀委員として学内における魔法の不正使用を取締り続ける達也であったが、騒動の現場に駆け付ける途中、魔法による狙撃を受ける。
難なくかわす達也は狙撃犯を追う中、犯人の手首に、特定のテロリスト集団が身に付けるリストバンドがあるのを目撃する。
テロリスト集団の名は「エガリテ」と言い、世界各国で魔法師排斥運動を行う反魔法組織「ブランシュ」の下部組織である。
学校内に魔法師排斥運動を行うテロリスト集団の一員が紛れ込んでいるとなれば、深雪も無関係ではいられないと判断した達也は、狙撃を受けた事や、学校内にテロリストの構成員が紛れ込んでいる事と、その背後にある組織など、包み隠さず話した。
不安を滲ませる深雪であったが、達也は上記名言で深雪の心を落ち着かせた。
国際的なテロリストに狙われているにもかかわらず、動じる様子も見せない達也。
それ程のチカラを達也と深雪が持っている表れではあるが、名言は、そんな二人の高校生活を脅かす存在がいる事を匂わせる一言であり、学校生活が破綻すると、二人だけの日常生活も破綻する事を連想させ、二人が魔法を職業とする為に入学した普通の学生ではない事を示唆するセリフでもある。
物語りが進む中で、深雪が日本国内屈指の魔法師集団である十師族(じゅっしぞく)の中でも最強と謳われる、四葉家(よつばけ)の次期頭首候補である事が徐々に明らかになって行き、達也は物語の終盤、武装テロリスト集団が横浜の町を襲撃した時に日本の国防陸軍から召集を受け、仲間達に軍人であった事を知られる。

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