アラジン（実写映画）のネタバレ解説・考察まとめ

アグラバー

砂漠にあるサルタン王が統治する王国。城下町はたくさんの人で賑わっているが、犯罪が横行する無法地帯ともなっている。アラジン曰く「国民に愛された王妃が亡くなってから、国全体がピリピリした緊張感に包まれている」という。現状では国の存続が難しく、異国と同盟を結ぶために、ジャスミンが異国の王子と結婚することが求められている。また国の法律で女性が王になること、王女が王子以外と結婚することは認められていない。

魔法のランプ

魔人ジーニーを封印している魔法のランプ。ランプを手に入れ擦った者は、ジーニーの魔法で願いを3つ叶えられる。ただし願いを増やすこと、人を惚れさせること、死者を生き返らせることはできない。魔人ジーニーは強大な魔力を持つが、ランプの持ち主の願いを叶えるためにしか魔法を使えないルールがある。魔法のランプがある魔法の洞窟の中には、「ダイヤの原石」のように内に可能性を秘めた人物でなければ入れない。

アバブワ

ジーニーが考え出した架空の王国。アラジンはアバブワのアリ王子をいう設定で王子に変身する。ジャスミンとジャファーは国名を聞いて「聞いたこともない」と訝しがるが、サルタンは「情勢は日々変化している」とアバブワの存在を信じた。ジャスミンが地図でアバブワを調べた際は、居合わせたアラジンがジーニーに頼んで急遽地図上にアバブワを出現させ誤魔化した。しかしジャファーにも知らない内に地図を調べられ、「アバブワという国は地図のどこにも載っていない」と気付かれる。アリ王子の正体がばれる一因となった。

『アラジン』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

ジーニー「俺の望みは人間になること」

アラジンとジーニーは魔法の洞窟から砂漠に脱出する。早速ジーニーはアラジンに願いを尋ねたが、急に願いを叶える権利を得たアラジンは、すぐには願いを思い付かない。代わりにアラジンが「ジーニーの願い」は何か尋ねると、ジーニーは「俺の望みは人間になること」と返した。アラジンは「自分の魔法で人間になればいい」とアラジンは助言するが、ジーニーは契約に縛られているため、人間の姿になることはできても、自分の願いを叶えて本当に人間になることはできないという。ジーニーが人間になる唯一の方法は、他人に願いを使ってもらって契約から自由にしてもらうことだった。それを知ったアラジンは自分が最後の願いでジーニーを自由にすると言った。原作アニメでもジーニーは自由になることを望むが、その象徴として人間になりたがるのは本作オリジナルの表現である。明るいジーニーの、ランプの魔人としての苦悩が垣間見える名セリフ。

ジーニー「嘘で固めりゃ固めるだけ大事な物は逃げていくんだぜ」

アラジンはジーニーの助けを借りて、ジャファーを失脚に追い込んだ。この働きでアラジンはサルタンに認められ、ジャスミンとの結婚を許される。しかしこの成功のせいで自分を見失ったアラジンは、ジャスミンに自身の正体が町の泥棒である事実を生涯隠し抜こうと考えるようになった。「愛する人に隠し事をするべきではない」と考えるジーニーは、アラジンの考えに反対する。アラジンはそれを聞いて、「ジーニーは最後の願いを自分のために使ってほしいだけだ」と言い放つ。アラジンに友情を感じていただけに傷ついたジーニーは、最後に「嘘で固めりゃ固めるだけ大事な物は逃げていくんだぜ」と念を押して忠告し、魔法のランプの中に引っ込んでしまった。魔法の力に魅せられ、自分を見失っていたアラジンの目を覚ます名セリフ。

ジャスミンがサラームを説得するシーン

魔法のランプを手に入れたジャファーは城に乗り込み、ジーニーの魔法でアグラバーの王になる。王に従う決まりになっている衛兵達は、ジャファーの指示に従い出した。ジャファーは衛兵を意のままに操り、シラバードへの侵略を開始し、ジャスミンを城からつまみ出そうとする。以前から政治への介入を性別を理由に許されなかったジャスミンは、この時我慢の限界に達する。「今こそ声を上げるべき」と奮い立つと、衛兵のリーダー格サラームを呼ぶ。ジャスミンはサラームを「決まりに縛られるよりも、自分が王と認める人に従う勇気を持ってほしい」と説得した。するとサラームは衛兵達を引き連れ、サルタンに付くことを決意した。ジャスミンが初めて政治的な手腕を発揮して、ジャファーから王国を守るために戦った名シーン。本作で力強く先進的なヒロインとしてリメイクされたジャスミンを印象付ける象徴的なシーンとなっている。

アラジン「ジーニー、きみに自由を」

ジャファーとの激しい戦いの末、アラジン達は見事勝利を収めた。戦いの最中、自身の正体が町の泥棒だとジャファーに明かされたアラジンは、ジャスミンから身を引こうとしていた。それを見たジーニーは3つ目の願いで「アグラバーの法を変え、王子ではなくても王女と結婚できるようにしよう」とアラジンに提案する。しかしジャファーとの戦いの中で清らかな心を取り戻していたアラジンは、ジーニーの提案には乗らなかった。ジーニーに正式に3つ目の願いを聞かれたアラジンは、「ジーニー、きみに自由を」と願う。するとジーニーは瞬く間にランプの魔法から解放され、人間の姿になった。魔法の力や恋に踊らされていたアラジンが、本来の心の美しさを取り戻し、ジーニーへの感謝と友情を表した際の名セリフ。

サルタン「お前はアグラバーの未来なのだ」