GAMERA -Rebirth-（ガメラ リバース）のネタバレ解説・考察まとめ

バイラスによって攻撃されたシャトルはコントロールを失い、大気圏の中を落下しつつあった。慌てて脱出ポッドの中に移動するボコたちだったが、射出装置が故障していて動かない。このままでは脱出できないと一行が焦る中、ジョーは何も言わずにシャトルの中へと戻り、手動で射出装置を作動させる。
ずっと一緒にいた兄貴分が自分たちを救うために命を捨てようとしていることに気付いたボコは、慌ててそれを止めようとする。しかし一瞬早くジョーは操作を終えてしまい、小さな小窓越しに「どうして」と言わんばかりのボコと、「これしかなかった」と言いたげなジョーの視線が交差する。

ジョーの覚悟と、彼とボコとの絆が垣間見える、物語終盤の名シーンである。

藍子「お子さんを失うのと軍法会議のどっちが大事なんですか！」

検査という名目でボコがユースタス財団と共に旅立ってから数日。まったく連絡が無く、財団に問い合わせても知らぬ存ぜぬ部署が違うで通され、あげく目的地である海上プラントが怪獣に襲われてと聞いて居ても立ってもいられなくなったボコの母である藍子は、一緒に旅立っていったブロディを案ずる彼の父親の下を訪れる。
子供たちを探すために、助けるために力になってほしいと訴える藍子。在日米軍の司令官でもあるブロディの父親は、「私も同じ気持ちではあるが、私情で動くわけにはいかない」と協力はできないと伝える。しかし藍子の「お子さんを失うのと軍法会議のどっちが大事なんですか！」との啖呵に息を飲み、子供たちを救うために部隊を動かすことを決意する。

子供が勇気を振り絞る様も心震わせるものがあるが、大人が大人としてちゃんと責任を取ろうとする様も同じくらい感動を呼び起こすものである。我が子と世界を救うためにルールを破る決断をする藍子たちの姿は、文句なくカッコいい。

ガメラの最期

エスギャオスによってコマンドを書き換えられ、かつての人を襲う狂暴な怪獣へと成り果てたガメラは、コードの保有者であるボコを食べようと彼に近づく。しかしなおガメラを信じて「負けないでくれ」と声を張り上げる彼を見ている内にわずかながら正気を取り戻し、夜空を見上げて眩い光線を放つ。月面の施設に隠れ潜み、談笑しながら世界が破滅する様を見物しようとしていたユースタス財団の首脳部を的確に捉えたその一撃は、彼らの命と野望を消し去る。同時に満身創痍で戦い続けたガメラも力尽き、風に溶けるように散っていく。

この時のガメラは瞳の色こそ作中でボコたちを守り続けた際の緑色だが、体の色は黒く変色したままになっており、「かつての自我は取り戻したが、コード保有者の肉を求めるコマンドにはいつまでも逆らうことができない」といった状態だったと思われる。物語の黒幕であるユースタス財団の首脳部を消し去ると共に、ボコたちに危害を加えないよう己の命も使い切ったガメラの勇姿は、言ってしまえば“でっかい亀”でしかないはずなのに雄々しく、痛ましく、そしてどこまでも誇りに溢れている。

『GAMERA -Rebirth-』（ガメラ リバース）の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

本作への『ガメラシリーズ』平成3部作の影響

本作の設定は、特撮好きの間では傑作として名高い『ガメラシリーズ』の平成3部作の影響が所々に見られる。「前足を海亀状にして飛行するガメラ」、「超古代文明の生体兵器であるガメラ」、「最後の敵はギャオスの変異個体」といった部分は平成の『ガメラシリーズ』の特徴であり、本作でもそのまま取り入れられている。

『GAMERA -Rebirth-』（ガメラ リバース）の主題歌・挿入歌

主題歌：WANIMA「夏暁」

ED（エンディング）：WANIMA「FLY & DIVE」