シュライヤ・バスクード（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

シュライヤが目を覚ますと、そこは小さな船の上だった。どこまでも広がる青い空を見上げて、シュライヤは何故自分が生きているのかを考えた。

シュライヤが気を失った後、ガスパーデとルフィの戦いが始まった。巨大なサイクロンも近づいてきて場が混乱する中も戦いは続き、ルフィが見事にガスパーデに勝利した。しかしその時既にかなりサイクロンが近くまで来ていたのでゴーイング・メリー号は「サラマンダー号」から離れており、「サラマンダー号」はサイクロンの直撃を食らった。

船の上にはシュライヤの他に意識を失ったルフィと、浮き輪を何個も体に巻き付けたビエラがいた。ビエラが気を失ったシュライヤとルフィを船に運び、サイクロンが来る前に脱出したのだ。ビエラから事の顛末を聞いたシュライヤは深い溜息を吐く。家族や友達、故郷の仇だったガスパーデはもういない。ならば、これ以上自分は生きている意味がない。絶望するシュライヤにビエラは、不意に8年前の話をし始めた。

ビエラは8年前、ガスパーデが造船の街エレナを襲撃した際に、川を流されてきた少女を助けた。以来、その子を側に置き、ガスパーデに支配されながらも一緒に生きていた。ビエラが拾った少女の名は、アデル・バスクード。8年前のあの日、死んだと思っていたシュライヤの妹だった。

ゴーイング・メリー号にて保護されていたアデルとシュライヤは再会した。しかし8年ぶりの再会で、お互い戸惑ってなかなか話せない。シュライヤは自身はこれまでたくさんの人を殺してきた。そんな自分には妹と一緒にいる資格はない。シュライヤはそう思っていた。しかしアデルのほうは一歩を踏み出そうとしている。アデルはシュライヤに歩み寄ろうとしていた。

ルフィ達と別れる時、シュライヤは何か覚悟を決めたような表情を見せる。そしてビエラに向かって「うまくは言えねぇけどよ 俺も一歩ってやつを踏み出そうと思う」と呟いた。

シュライヤ・バスクードの関連人物・キャラクター

アデル・バスクード／アナグマ

CV：酒井美紀（特別出演）

劇場版『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』（ワンピース ザ ムービー デッドエンドのぼうけん）のオリジナルキャラクター。

シュライヤ・バスクードの生き別れの妹。造船の街エレナで、兄のシュライヤや両親と共に暮らしていた。8年前、アデルが3歳の時にガスパーデが街を襲撃。その時に川に流され、そこをボイラーマンのビエラ（通称：モグラ）に拾われた。ビエラが働いていた船がガスパーデに奪われ、そこからずっと少年のような格好で海賊船で暮らしている。人生に希望を持っていなかったが、麦わらの一味に出会ってから前向きに生きるようになった。

8年ぶりにシュライヤと再会した時、お互いどう接すればいいかわからずに踏み出せないでいたが、勇気を出して一歩踏み出し、シュライヤに歩み寄った。

アデル・バスクード／アナグマ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

アデル・バスクードとは、海賊漫画『ONE PIECE』を原作とした劇場版第4弾『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』の登場人物。ガスパーデ海賊団の船「サラマンダー号」のボイラーマン・ビエラの助手。ガスパーデ海賊団のメンバーからはビエラが”モグラ”、アデルは”アナグマ”と呼ばれている。少年のような格好をしているが、実は少女。帽子の中に長い髪の毛をしまっている。
3歳の時に故郷がガスパーデの襲撃を受け、兄シュライヤ・バスクードと生き別れとなった。物語の最後で再会する。

ガスパーデ

CV：石田太郎

劇場版『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』（ワンピース ザ ムービー デッドエンドのぼうけん）のオリジナルキャラクター。

ガスパーデ海賊団の船長。懸賞金は9500万ベリーで、「将軍」の異名を持つ。もともとは海軍に所属する海兵だった。権力や金を手っ取り早く手にするために、乗っていた船を襲って海賊へ転身。「海軍最大の汚点」と呼ばれている。悪魔の実「アメアメの実」の能力者で、身体を水飴に変化させることが可能。

8年前にシュライヤが住んでいた造船の街エレナを襲った張本人。シュライヤはニードルスによって背中を斬りつけられ、妹・アデル（本当は生きていた）や家族、友人をたくさん殺された。以来、シュライヤはガスパーデへの復讐のために生きることになる。

ガスパーデ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

ガスパーデとは、海賊漫画『ONE PIECE』を原作とした劇場版第4弾『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』の登場人物。「海軍最大の汚点」と言われる冷酷な海賊。もともと海軍に所属する海兵だったが、手っ取り早く”力”を手に入れるため、自身が乗っていた軍艦を奪って海賊に転身した。懸賞金は9500万ベリー。「将軍」という異名を持つ。
偉大なる航路のハンナバルで行われた海賊のレース「デッドエンド」で主人公モンキー・D・ルフィと戦い敗れる。

モンキー・D・ルフィ

CV：田中真弓

『ONE PIECE』（ワンピース）の主人公の少年。東の海（イーストブルー）のゴア王国フーシャ村の出身で、17歳の時に海賊になるために海に出た。悪魔の実「ゴムゴムの実」（ワノ国編で本当の名が「ヒトヒトの実 モデル”ニカ”」であることが判明した）を食べた能力者で、全身をゴムのように伸び縮みさせることができる。

劇場版『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』（ワンピース ザ ムービー デッドエンドのぼうけん）は、アラバスタ王国出港直後とされている。この頃のルフィは17歳で、懸賞金は1億ベリー。ただし、本人はまだ懸賞金が1億ベリーに上がっていることを知らず、3000万ベリーの賞金首として物語は進んでいく。

シュライヤとは、ハンナバルの酒場で出会った。最初は本当のケンカから始まったが、お互い強さを認め、ケンカ仲間っぽい関係になる。

モンキー・D・ルフィ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

モンキー・D・ルフィとは、『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE』の登場人物であり、主人公。左目の下にある傷と麦わら帽子がトレードマーク。「麦わらのルフィ」という異名を持つ。悪魔の実「ゴムゴムの実」の能力者で、全身が伸び縮みするゴム人間である。
海賊王ゴール・D・ロジャーが残した「ひとつなぎの財宝（ワンピース）」を手に入れて海賊王になるという夢を叶えるために17歳で海に出た。そして愉快な仲間達と共に大海原を冒険するのだった。

シュライヤ・バスクードの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「血の匂いがたっぷり染みついちまってる。技も磨いた、人も騙した。こんな自分にもケリをつけてぇんだ」

8年前、故郷の街も家族も友達も、全てをガスパーデに奪われたシュライヤは、ガスパーデに復讐するためだけに生きてきた。己を鍛え、技を磨き、賞金稼ぎとして海賊を狩る瞬間も、復讐のことだけを考えていた。復讐はシュライヤにとって生きる目的だった。しかしその傍らでどんどん自分の心が疲弊していくのをシュライヤは感じていたのか、復讐のためだけに生きる人生に疲れていたようだった。

相打ち覚悟でガスパーデに挑もうとする自分を止めようとするビエラに吐いた「血の匂いがたっぷり染みついちまってる。技も磨いた、人も騙した。こんな自分にもケリをつけてぇんだ」というセリフは、シュライヤが自分の人生に疲れてしまったことや、本来であれば人を傷つけるようなことはしたくない優しい人物であることを言外に語っている。

「うまくは言えねぇけどよ 俺も一歩ってやつを踏み出そうと思う」

ガスパーデへの復讐という生きる目的を失ったシュライヤに告げられた、妹・アデルが生きているという真実。8年という月日の隔たりもあって、シュライヤとアデルはすぐに打ち解けることはできなかった。それに大切だった妹が生きていたことはシュライヤにとってとても喜ばしいことだったが、血に塗れた8年間を送ってきた自分は、アデルと一緒にいる資格はないとシュライヤは考えた。しかしアデルのほうは違っていた。シュライヤが本当は優しい人物であることを見抜いたアデルは、シュライヤに歩み寄ろうと既に一歩を踏み出していた。シュライヤはそれに驚き、戸惑う。

そしてルフィ達との別れの時。シュライヤは何かを覚悟したような晴れやかな表情を見せた。呟くように零した「うまくは言えねぇけどよ 俺も一歩ってやつを踏み出そうと思う」という言葉は、これから新たな人生を歩んでいく覚悟を秘めていた。

シュライヤ・バスクードの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

劇場版オリジナルキャラクターでありながら人気爆発