バガボンドの武器と奥義・必殺技まとめ

穂先が三又に分かれた、十字型の刃物を帯びた槍。通常の槍の弱点は、基本の技である刺突を避けられると大きな隙ができることだが、十字槍の場合は大きく避けない限り分かれた刃が相手の体を切り裂く仕組みになっている。
刃が増えている分重量が増しており、刺突の速度そのものは低下する。

遣い手：宝蔵院胤舜（宝蔵院流槍術）

宝蔵院流槍術を受け継ぐ僧侶。天性の才能の持ち主で、道場では敵無しの存在で、真剣での立ち合いでも一方的に勝利するばかりだった。
武蔵との立ち合いで初めて“命の奪い合い”になりうる戦いを経験し、「もう1度あれをやってみたい、あの時逃げられた武蔵を殺して自分の力を確かめたい」との執念に取り憑かれる。武蔵が自分との再戦のために胤栄と修行していることを知ると、喜々として十字槍を持ち出して彼に挑戦。木刀で額を強打されて昏倒するも息を吹き返し、武蔵と互いの力を認め合って別れることとなった。

鎖鎌（くさりがま）

長い鎖の一端に分銅、もう一端に鎌をつけた武器。振り回して遠心力を乗せた分銅を相手に投げつけて攻撃する。熟練者が繰り出す分銅は当たれば骨が砕けて頭蓋が割れるほどの威力があり、これを避けても鎖による防御、鎖を絡みつかせて動きを封じた上での鎌での一撃など、多様な攻撃手段を持つ。
強力な武器ではあるが扱いが難しく、歴史上に有名な遣い手は少ない。

遣い手：辻風黄平（我流）

「死神」と呼ばれる野盗。旅に出たばかりの武蔵を襲って返り討ちにされた兄の仇討ちのため、幾度となく彼の前に現れては命を狙った。
しかし自分を超える武芸者たちと出会って次第に虚しさを感じ、武蔵を狙うことをやめて山奥に隠遁。そこで鎖鎌の遣い方を学び、噂を聞いてやってきた武蔵と対戦。敗北した後、「もう俺は殺し合いの輪から降りる」と宣言した。

杖（じょう）

樫などの硬い木で作られた、なんの変哲もない真っ直ぐな杖。木刀よりは長いが槍よりは短い。しかし木刀と同様に「気勢を乗せて当てれば骨を砕く」ほどの威力があり、また構造がシンプルな分使い方のバリエーションが非常に多い。「突けば槍、払えば薙刀、打てば剣」と称され、熟練した達人が使えば変幻自在の恐るべき武器となる。

遣い手：夢想権之助（神道夢想流杖術）

「兵法天下一」と記した服を好んで身に着ける、杖術の遣い手。武蔵と立ち会って生き延びた数少ない人物の1人で、彼とはその後も武芸者仲間として親しく交流した。伝承によっては「武蔵に勝った」とするものもあるが真偽は不明。後に神道夢想流杖術の創始者となる。

投石（とうせき）／印字打ち（いんじうち）

戦国時代の戦場でたびたび用いられた、「その辺りにある石を投げる」という攻撃。子供の喧嘩のような攻撃だが侮れない威力があり、投げる石の大きさや重さ、速度によっては頭蓋骨を砕くほどの威力を出す。
実は武蔵は2度参加した戦のどちらも投石によって負傷し戦線離脱しており、『バガボンド』でもそれについて軽く触れられている。