槙島聖護（PSYCHO-PASS）の徹底解説・考察まとめ

槙島聖護の概要

槙島聖護（まきしま しょうご）とは、『PHYCHO-PASS』の登場人物であり、様々な事件の裏で暗躍する実質的な黒幕である。
細身で手足の長い見た目をしている。髪色は白で襟足の長いウルフカットとなっており、瞳の色は金。アニメではあまり言及されていないが、小説版では「過剰なほど整った顔立ち」（『PSYCHO-PASS 上』より引用）などと書かれており、美しい容姿を持つことが分かる。主人公やヒロインよりも衣装のバリエーションの多いキャラクターであり、登場するたびに服装が変わるのも特徴の1つだ。
趣味は不明だが、かなり多くの書籍を読んでおり、知識量が豊富である。会話の中で本の内容を引用することが多く、引用元の本も哲学から戯曲、小説等幅広いジャンルの本を読んでいることが分かる。また、作中では電子書籍ではなく紙の本を好んでいた。
インターネット上の人気アバターが変化することを嫌い、自分自身こそがそのアバターにふさわしい、と考える御堂に力を貸したり、桜霜学園の生徒である王陵璃華子が、自身の学園の生徒をプラスチック樹脂で標本化する事件に手を貸したりするなど、様々な事件の裏で暗躍していた。また、藤間幸三郎とともに、プラスチック樹脂を使った猟奇殺人を行っている。この事件では狡噛の同僚も被害にあった。
その後周囲の人の犯罪係数をコピーするヘルメットを使用し、集団パニックを起こさせ、シビュラシステムの真実を知るためにチェ・グソンらとともに厚生省のナノタワーに行く。ナノタワーの最上階で狡噛と初めて顔を合わせ、2人の戦いが始まる。途中で負傷した狡噛相手に肉弾戦をおこない勝利するが、彼に気を取られているうちに常守に後ろから殴られ気絶し逮捕されてしまう。輸送中に、シビュラシステムの一部となった藤間に同じようにシビュラシステムの一部になることを提案される。しかし、審判は趣味でないと断り輸送中の飛行機から逃走。シビュラシステムの真実を知った槙島は、守る価値のないものだと狡噛に知らせ次の行動に移った。
最後の目的は、日本の食料を支えているハイパーオーツの脆弱性をつきバイオテロをおこすことであった。そのことに気が付いた狡噛と常守が槙島を追い詰める。以前は常守に失望した槙島だったが、自身の信念を持ち行動を起こした彼女を見て殺害する事を辞め逃亡する。その後、狡噛の手によってその生涯に幕を閉じた。

槙島聖護のプロフィール・人物像

身長：180㎝
体重：65kg
血液型：O型
年齢：不明
一人称：僕
CV：櫻井孝宏

狡噛には、「シビュラシステムの誕生以降、最悪の犯罪者」と評されている。
見た目は細くて手足が長く、スタイルが良い。髪色は白で襟足の長いウルフカットとなっており、瞳の色は金。小説版では「芸術のような美貌」「過剰なほど整った顔立ち」などと書かれており、整った容姿であることが分かる。基本的に白基調の衣装を身につけているが、そのバリエーションは様々で、主人公やヒロインよりも衣装の種類が多い。
外面は穏やかで常に笑みを浮かべているが、その内面は冷酷で、人殺しも平気でするような人物。滅多なことでは感情を露わにせず、他人の殺人現場に居合わせた際も、まるで当然のことのように受け入れている。

槙島聖護の能力

身体能力

槙島聖護は、厚生省ノナタワーで狡噛と肉弾を行い勝利している。狡噛が傷をおっていたことも勝因の1つではあるが、彼は普段から体を鍛えているため、それに張り合える槙島の戦闘能力もかなりの戦闘力を持っているとされる。
複数対単独の戦闘でも難なくこなしており、ヘルメットを配布する際には半ぐれ相手に圧勝している。また、槙島の格闘技は、軍隊や警察が使用することもある「プンチャック・シラット」というインドネシアの伝統武術を用いている。好きな技は後ろ回し蹴りで、武器は銀色の剃刀を愛用していた。ドラマCD内では、仲間のハッカーであり元軍人であるチェ・グソンにトレーニングをつけてもらっているため、元々の素質に加え努力で身につけたものであることがわかる。

知能

何気ない会話にも様々な本の内容を引用することなどから、知識が豊富にある人物だということが分かる。
狡噛に対してパスカルの『パンセ』の内容を引用し、「正義は議論の種になるが、力は非常にはっきりしている。そのため、人は正義に力を当てえることができなかった」と語り、対する狡噛もオルテガの『大衆の反逆』から引用し、「誰かがパスカルを引用したら用心すべきだとかなり前に学んでいる」と返しているシーンがある。この会話で互いに意思疎通ができているため、知識だけでなく理解力なども高いと言われている。
バイオテロを起こした際は、哲学や文学系の文系的な知識だけでなく、理系的な知識も所有していることも証明された。

カリスマ性

狡噛から「英雄的」「預言者的資質」と評価されるほど、特殊なカリスマ性を持っている。
「一緒にいて気持ちが良い」と思わせる空間演出能力や、あらゆるものを雄弁に語るための知性を持ち合わせており、手を貸していた犯罪者たちからの信頼も厚い。
しかし、槙島は自身について「ごく普通で本質的にありきたりな人間」と語っている。

免罪体質者

槙島聖護は200万人に1人の免罪体質者であるため、犯罪行為を行っても犯罪係数は上昇しない。免罪体質者の存在は、表向きでは隠されていたため、国の上層部しか知らないこととなっていた。直接的な関係は不明だが、槙島は自身の自己顕示欲が限りなく0に近いと評価しており、そのことが犯罪係数の上昇を抑えている可能性について示唆していた。
狡噛は、槙島のことを「シビュラシステム誕生以来最悪の犯罪者だ」と評しており、「自分が特異体質だと知ったとき、疎外感を覚えたのではないか」と考察している。「孤独に耐えられなかったからシビュラを憎み犯行に及んだんじゃないのか」と問われた槙島は、「孤独だと？それは僕に限った話か？この社会に孤独でない人間など誰がいる？」と返しており、「孤独で疎外感を感じた」ということは否定しなかった。

槙島聖護の来歴・活躍

標本事件

「標本事件」とは、殺害して解体した死体を特殊な薬剤でプラスティネーション加工し、公衆に晒した連続猟奇殺人事件のことで、この事件の黒幕として「マキシマ」という名前が挙がっている。実行犯は元私立桜霜学園の社会科教員藤間幸三郎だが、薬剤の提供などは槙島が行っていた。
当時、監視官であった狡噛は、相棒の執行官・佐々山がこの事件の捜査中に標本化され殉職する。それにより潜在犯化を誘発され、狡噛は執行官に降格となった。

御堂将剛に助力

アニメ1期の4話、5話に登場した殺人犯の男性・御堂将剛に助力している青年として、初めて槙島の姿が登場した。
御堂に犯行のアドバイスをしていたが、彼が公安局に追い詰められ自宅に逃げ込むと「内面が空虚であることが個性」と喝破し、見捨てる。その後、1人で錯乱状態となった御堂は、駆けつけた宜野座たちにドミネーターのエリミネーターモードで執行され死亡した。

常守朱との邂逅

常守の友人・船原を連れ去り、常守の目の前で殺害する。槙島は凶悪犯でありながら、シビュラシステムにその犯罪動向に見合った犯罪係数が計測されることのない「免罪体質」と呼ばれる特異な体質だ。そのため、常守は目の前で友人が殺害されているにも関わらず、ドミネーターが反応せず、槙島の逃亡を許してしまう。

ノナタワーを妨害ヘルメットを被った武装集団とともに襲撃

槙島はシビュラの正体を暴くため、仲間のチェ・グソンとともに製作したシビュラに感知されない「妨害ヘルメット」を各地に配布して犯罪を頻発させた。そして、街中でサイコハザードを引き起こし、その隙に自分たちはシビュラの本体があると推測した厚生省ノナタワーを襲撃する。これは、槙島が個々の犯罪者に手を貸すのではなく、自ら動いた初めての事件である。
犯行の目的に気付いた狡噛と常守が駆けつけ、死闘の末に槙島は逮捕されてしまった。
その後、槙島の身柄は、厚生省公安局から厚生大臣直下の特別チームに移される。そこで、元仲間である藤間から「脳をユニット化して統合運用させた有機演算システム」の話を聞き、そのユニット脳への参加を勧められる。しかし槙島はそれを断り、藤間を殺害して逃亡した。

槙島聖護の関連人物・キャラクター

チェ・グソン