オバケのQ太郎(オバQ)のネタバレ解説・考察まとめ
『オバケのQ太郎』とは藤子不二雄が1964年に『週刊少年サンデー』で連載を開始した、「怖くないオバケ」を主人公にしたドタバタギャグ漫画、および漫画を原作としたアニメ作品である。」地上に現れたQ太郎が大原正太と出会った事で大原家に住むが、Q太郎のドジやあわてんぼうぶりに周囲が翻弄されてしまう。Q太郎を中心としたドタバタぶりを笑うだけでなく、時には人情味に溢れるQ太郎の優しさが読み取れる回もある。
『オバケのQ太郎』の概要
『オバケのQ太郎』とは藤子不二雄が1964年に『週刊少年サンデー』で連載を開始した、「怖くないオバケ」を主人公にしたドタバタギャグ漫画、および漫画を原作としたアニメ作品である。オバケの国から地上に落ちて来たドジでマヌケなQ太郎が、居候をする大原家の人達や周辺の人達を巻き込んではドタバタな騒動を起こす。
1964年に『週刊少年サンデー』で連載開始されたのを皮切りに、『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』などの小学館の学習雑誌に連載された。また、1965年・1971年・1985年と、3回TVアニメ化されている。主題歌や絵描き唄などが大ヒットし、アニメソング初の「日本レコード大賞」を受賞している。Q太郎の他にも、正太を始めとする大原一家・弟のO次郎やドロンパと言ったオバケ仲間・ラーメン好きの男や正太の友達等、個性的なキャラクターも登場する。Q太郎のドタバタに周囲が振り回されるギャグ漫画だが、時には人情味や哀愁も感じさせる回もある。
『オバケのQ太郎』のあらすじ・ストーリー
Q太郎との出会い
ママの目を盗んで忍者ごっこに現れた小学生・大原正太(おおはらしょうた)は、ユウちゃんを始めとするお友達に虐められてしまう。逃げた正太が隠れる場所を探していると「キュウキュウ」と音がする大きな卵を見つけた。
正太が持ち上げて地面に投げつけると、中から身体の白い、頭に毛が6本生えたオバケが現れる。これが、オバケのQ太郎が誕生した瞬間である。
不気味がる正太だが、人懐こいQ太郎は正太から離れようとしない。2人が騒いでいるうちにユウちゃん達に見つかってしまい、また標的にされてしまう。
手裏剣を避けようと草むらに隠れては火遁の術で燃やされ、池の中に潜って隠れたが咥えていた筒にミミズを入れられるなど、やられっ放しの正太。それを見かねたQ太郎は、相手側をやっつける作戦に出る。
大きな息を吐いて吹き飛ばし、木に隠れる為に身体を透明にしてから振り落とす等、Q太郎自身の持っている技を使って正太を助ける。
但し、隠れたつもりで相手の仕掛けた落とし穴にハマってしまう。Q太郎のドジを鬱陶しく感じた正太は、Q太郎と絶交してしまう。
その隙を見たユウちゃん達は、また手裏剣を投げつけ、正太を虐め出す。観念した正太がQ太郎に助けを求めると、Q太郎はユウちゃん達のママを呼んで来る。
「いつまで遊んでいるの」と、怒ったママが子供達をつねりながら、家路に連れて行く。「まとめてめんどうみたよ」と、正太の前で得意気に振る舞うQ太郎だった。
Q太郎と正太の出会いが描かれたオバケのQ太郎第1作目は、Q太郎の活躍ぶりが目立っている。
Q太郎の事を家族に言い出せない
正太はQ太郎を大原家に連れて来たのはいいが、事情を知らない家族に見つかるのを恐れて、隠れている様にお願いをする。
Q太郎は姿を消せるので、正太の兄・大原伸一(おおはらしんいち)が急に部屋に入って来ても、それ程慌てる事は無かった。
そんな大原家に突然、父の旧友を装った謎の大家族が、どやどやと上がり込んでくる。
食卓もテレビの前も占領され兄弟喧嘩をすれば大人数で暴れ出し、勝手に就寝してはオネショした蒲団を何枚も干す羽目になる。
困惑する大原家の住人達。
居候の分際だがそれでも我慢出来なくなったQ太郎は、透明になりながら大家族を追い出そうとする。
大食いのQ太郎は大家族が何か食べようとするのを先回りし、冷蔵庫の中身や炊いたばかりのご飯や大家族が注文した店屋物等を全て食べ尽くす。
怒りが頂点に達した大家族だが隣りの家から漂って来たすき焼きの匂いに誘われてアッサリと家を出て行き、大家族は隣の家に居候しようとする。
実はこれもQ太郎の仕業だった。Q太郎は大原家を救ったものの、大原家の面々は、まだその事にまだ気づいていない。
追い出されたQ太郎
家族にQ太郎の存在を隠し通していた正太だったが、動物嫌いの父・大原正助(おおはらしょうすけ)に見つかってしまい、Q太郎は追い出されてしまう。頭に来た正太も、Q太郎と一緒に家出をする。
家出しただけでは生活が出来ないと2人でアルバイト先を探し、牛乳屋さんで仕事を始める。
ところが、新聞配達の要領で牛乳瓶を放り投げては瓶を割る。配達先にいた犬を怖がってQ太郎が逃げる。その隙に、家の子供に盗み飲みされるなどの騒動を起こし、即クビとなった。
次はソバ屋でのバイトが決まり、早速出前を配達する事になった。ところが配達先は牛乳の時と同じ家で、再び犬と出くわしたQ太郎は、岡持ちを放り出して逃げてしまう。
ソバが1本足りないからまけろと難癖をつけられたり、犬に吠えられたタイミングでソバをひっくり返すなど、牛乳屋の時と同じ様な騒動を起こして、またクビになってしまう。
今度はQ太郎が、ゴミ屑拾いの仕事を見つけてくる。籠を担ぎながら声掛けしていると、また同じ家からお呼びがかかり、掃除機の中のゴミを片付けろと虐められる。
遂に怒った正太は掃除機を奪い取り、家族を掃除機の中に吸い込んで退治した。その様子を見た押し売りが「俺と組まないか」と話を持ちかけ、2人は早速仕事に取り掛かる。
「持って来た物を買え」と脅したはいいが、実はそこは大原家だった。押し売りに怒ったQ太郎は掃除機で押し売りを吸い込んで、見事に撃退する。
「あのオバケ、役に立つだろ」と自慢する正太のひと言で、大原家にQ太郎が住む事になった。
王子さまになりかけたQちゃん
Q太郎は誰かに付け回されている気配に気づくが、全く心当たりが無い。
Q太郎を付けていたのは、ネプチャ国の関係者だった。ネプチャ国の王様は2年前に王子を亡くしており、その王子様がQ太郎にそっくりだったのである。
Q太郎を連れて行きたいネプチャ国側だが、Q太郎も大原家から出て行きたくない。あの手この手を使うネプチャ国だが、Q太郎はどんな手にも屈しなかった。しかし、パパが路上で5000万円するネプチャ国の宝の壺を割ってしまい、その弁償としてQ太郎を差し出す羽目になってしまう。
しぶしぶ承諾したQ太郎は、日本にあるネプチャ国大使館に赴く。亡き王子を見るかの様に喜ぶ王様はQ太郎にテレビや漫画を与えて可愛がるが、Q太郎の本心は「大原家に帰りたい」だった。Q太郎は、王様に嫌われて追い出されようと考える。その為に、花壇をメチャメチャにしたりダイナマイトを爆発させたりした。
しかし王様には、余計に王子とQ太郎の姿が重なってしまい、Q太郎も王様の気持ちを察し、同情に回ってしまう。そこへ正太が現れQ太郎を連れて帰ろうとするが、王様を気の毒に思ったQ太郎は居残りを決め、正太と喧嘩をする。
しかしQ太郎は大原家が忘れられなかった。
ベッドの中で、泣きながら正太の名前を寝言で口にする。王様はその様子を見て、Q太郎も大原家が恋しいんだなと悟る。
翌朝、帰国の途に就く王様の車にQ太郎も一緒に乗った。羽田空港へ行くかと思ったが、通る道がおかしいと気づく。行先は、Q太郎を帰宅させる為に赴いた大原家の前だった。
「わしが寂しいのを我慢出来なくてどうする」と言い残し、王様は去って行った。Q太郎は、また日本に来たら会おうと約束をして、大原家全員で王様を見送った。
Q太郎の優しさが垣間見えた回である。
生まれ故郷「オバケの国」へ行く
正太の部屋に、懸賞が当たって喜ぶ大原伸一(おおはらしんいち)がやって来る。賞品はマッシロ歯みがきの1等賞で、飛行機による東京一周遊覧旅行だった。
懸賞を当てたくなった正太はママに歯みがきをおねだりするが、相手にしてもらえない。わざと歯みがきを使い切って買い物に行ったが、お店で「懸賞は終わった」と言われてしまう。
ガッカリした正太だが、どうしても空の旅が諦めきれない。
そこにQ太郎の妹・P子が現れ、Q太郎とP子のパパ・X蔵がみんなを「オバケの国」へ招待していると明かす。正太は行かせてほしいとママ・節子にお願いするが、反対されてしまう。ところが正太のパパ・正助が賛成をし、Q太郎達とオバケの国へ出発する事になった。実はこの正太のパパは、一計を案じたP子の化けた姿だった。
雲の上にあるオバケの国に到着すると、Q太郎のパパ・X蔵とママ・おZが出迎えてくれた。オバケ銀座を案内し、食用雲のおもてなしを受ける正太は、オバケの国を物珍しがって楽しむ。
「オバケの国なのに一つ目小僧や幽霊はいないんだ」と訝しがる正太だが、P子は「それは迷信よ」と説明を始める。
遥か昔、地球にはオバケ族と人間族が住んでいた。しかし、のんびり屋のオバケ族は人間に適わないと思い知る。
オバケ族は人間を脅かして懲らしめようとしたが、身の丈に合わないのを悟り、雲の上に自分達の住む場所を作った。
これが、P子が教えたオバケの国の歴史である。
その頃地上では伸一が、賞品の飛行機旅行に参加していた。ところがその裏側ではエンジンの調子がおかしいと騒ぎになりだし、予定を変更して1人ずつ乗せる等と、怪しい雰囲気が漂い始めていた。
そんな事も知らないQ太郎達は、オバケの国で野球や釣りを楽しんでいる。そこに突然、故障して空中を旋回していた飛行機が現れる。その飛行機には伸一が搭乗していた。
釣り竿で飛行機を釣り上げたQ太郎達はこれに乗って帰ろうと提案し、気絶していた伸一と一緒に、無事に大原家へ帰宅した。
バケ連事務総会開かれる
正太と伸一が2階の窓から突然現れ、大原家の間取りや家族構成を調査し始めた。この2人は、アメリカ生まれのオバケ・ドロンパと、ドロンパが連れてきたバケ連事務総長のクニャラ氏の化けた姿だった。
「何しに来たの」とQ太郎が尋ねると、世界中のオバケが加盟する「国際オバケ連合」が毎年開く「バケ連事務総会」の会場に、大原家が選ばれたとの報告であった。100ヶ国のオバケが集まるパーティ用に1日だけ大原家を空けろと提案をされる。嫌がるQ太郎だったが、ドロンパによって強引に開催が決まってしまった。
Q太郎が一家の様子を探るが、全員「特に予定は無い」の一点張りで、困惑してしまう。そこに突然、日にちを間違えたウラネシヤ代表の黒いオバケ・ボンガが現れた。
Q太郎は寒さが苦手なボンガの為に家中のストーブを集め、ボンガを暖めてあげる。
そこにまた、日にちを間違えて、アラスカから来たエスキモーのオバケ・アマンガがやって来た。アマンガは暑いのが我慢出来ないからと、家じゅうの窓を全開にしてしまう。両極端なオバケを満足させる為に翻弄されるQ太郎だった。
「アイツはバケ食いオバケだから気をつけな」とアマンガのひと言にビビっているところへ、カンツオーネを唄いながらイタリア代表のオバケ・マカローニが現れる。前日の深夜から現れたオバケ達の騒動に業を煮やしたQ太郎は激怒し、この先を思いやる。
翌朝、なかなか家から出ていかない大原家の人達に苦労するQ太郎だが、ドロンパ達の力を借りて、どうにか出て行かせることに成功する。そして家が空いたと同時に、世界中からオバケがやって来て、世界平和をテーマとしたバケ連総会が開催される運びとなった。
戦争をテーマにした総会は侃々諤々の議論となるが、ケンカの道具が無くなれば解決すると結論付けて閉会し、その後のパーティが盛大に開催された。
大原家の騒ぎを聞きつけた警察が様子見に来たが、たまたま中国のオバケが披露した手品で家を消した為、難を逃れる。
一方出て行かされた大原家の人達は何かががおかしい事に気づき、家に帰ろうとする。しかし、パーティ後の家は荒れ放題と化していた。
困ったQ太郎だったがマナーの良いオバケ達は清掃をしっかりこなし、外装まで綺麗にして大原家を去って行った。ちょっとだけ寂しがるQ太郎の元に大原家の面々が戻ってしかししかしオバケ達が外装まで綺麗にし過ぎたせいで、家がどこにあるのか迷ってしまった。
さようならQちゃん
「やるか、やめるか、うーん、迷う」と、Q太郎はいつになく深刻な顔で悩んでいた。心配になった正太はパパや伸一に相談する。2人ともQ太郎の様子がおかしい事に気づいていたが「どうせ食べ物の事だろう」と、軽く見ていた。
しかし思い詰めたQ太郎の意志は固く、「後の事はキチンとしなくては」と外へ出て行く。目的は、Q太郎を囲んでいた友達への、貸し借りの清算だった。
ゴジラの元へ行き、貸していた30円を返せと迫る。シラを切ったゴジラはQ太郎を殴って追い払う。それでもめげないQ太郎は透明になってゴジラを追いかけ、50円持っていたのを見つけて、無事に返してもらう。
更にQ太郎は別の少年達の元へ行き、次々に貸していたお金を返してもらう。
Q太郎はその足でハカセの元へ行き、自分が借りていたお金をハカセに返して安心する。
今度は木佐の家へ行き、借りていた漫画本を返す。木佐は漫画を読んでいたのを親に見つかって迷惑するが、今のQ太郎にはそんな事はお構いなしだった。
大原家に戻って来たQ太郎は、食欲も無く、相変わらず元気のないままだった。漫画やテレビばかり見ている正太に向かって「勉強しろ」と𠮟る。正太が無視して草野球に行けば「このままでは心配だから」と、勉強机を持って行く。
明らかにQ太郎の様子がおかしいと訝しがる正太達の元へドロンパが現れ、事情を聞く。
ドロンパは普段の様にQ太郎をイジメるがQ太郎は無反応のまま去り、自分が大切に溜めていたお菓子をP子にあげてしまう。周りのオバケ達にも、Q太郎の態度のおかしさが伝わって行く。
その夜、Q太郎は正太を夜更かしに誘う。出逢った頃の思い出を語り合いたかったが、正太は布団の中に潜り込み、寝てしまう。最後の夜なのに会話が続かないと寂しがるQ太郎だった。
翌朝、パパやママ達が、Q太郎が朝ごはんの時間に起きてこない事を心配する。正太が部屋を覗きに行くと、Q太郎の姿が見当たらない。Q太郎は置き手紙を残して、家出をしていた。
「自分は世の中の事を何も知らず、大原家の人達に甘えてばかりいるわけにもいかない。広い世界へ飛び出して、もっと勉強がしたい」と言うのが主な理由だった。
Q太郎の別れを惜しむ正太は泣きながら家を飛び出し、みんなに事情を説明する。ライバルだったドロンパまで泣き出したところで、物語は終了する。
その筈だったが、何故か家出したQ太郎がみんなの元へ戻って来る。
みんなはQ太郎が家出をやめたのかと思った。しかしQ太郎は、昨日受けた仕打ちを思い返して腹が立ち、仕返しに来ただけだった。ついでに、P子にあげたお菓子も「半分返せ」と取り上げた。
スッキリしたQ太郎は、正太達に見送られながら、今度こそ本当に飛び立って行った。
15年後のQ太郎の姿
Q太郎が大原家を去ってから15年後。正太は大会社のサラリーマンとして働いていた。
ある夜、正太の元に若ハゲと近眼が進行した博勢(ハカセ)が現れた。博勢の目的は、新事業を立ち上げたいから正太に協力してほしいと言うものだった。
困惑しながら家路へ戻る正太の背後から「大原家はどこですか」と問いかけるオバケの姿があった。よく見ると、身体中に皺の寄った、少し老けた体裁のQ太郎だった。
久々の再会を喜び合いながら、正太は自宅にQ太郎を連れて行き、妻に紹介をする。正太は既に結婚していた。
2人は食卓を囲みながら、昔話に花を咲かせる。Q太郎は父親のコネでオバケ銀行への就職が決まっていたが、何か変わった事がやりたくなったので地上に戻って来たと言い、昔とちっとも変わっていない様子だった。
ドロンパはアメリカへ、ガールフレンドだったU子は空手の修行へ、神成さんは既に亡くなったなどQ太郎が去った後の話も聞く事が出来た。
暫くQ太郎は正太の家に居候をするが、妻は怪訝な様子だった。ある夜、なかなか寝付けないQ太郎が正太の部屋に行くと、正太の妻がQ太郎に迷惑している会話を耳にする。
ご飯を20杯食べる事や寝ている時の大いびきが我慢出来ないと正太に打ち明けるが、正太は「暫く我慢してくれ」と言うのが精一杯だった。
Q太郎は15年間で正太の暮らしが変わり、自分とのズレが起きている事に感づいてしまう。食事も遠慮をして少しだけにし、だんだんと元気を失くしてしまう。
トボトボと町を歩いていると、後ろからQ太郎に呼び掛ける大きな男が現れる。かつてのガキ大将・西郷強(ゴジラ)だった。Q太郎との再会を喜ぶゴジラは、かつて一緒に遊んだ友達を家に呼び、Q太郎の歓迎パーティを始める。
キザな態度だった木佐はキザのまま、正太の憧れていた女の子・よっちゃんは既にママになりと、大人になったみんなを懐かしがる。遅れて博勢がやって来ると、「Q」と書かれた布切れを取り出して、みんなに見せる。それは昔、全員で無人島に行った時に掲げた旗だった。
当時の事を思い出して全員が童心に帰るが、大人になってしまい、いつしか童心を忘れている事に気づかされる。あの頃の様に、もう一度みんなで頑張ろうと団結したところで、会がお開きとなる。
正太は酔った勢いで脱サラを決め、明日、その件を告げると宣言して寝てしまう。
翌朝。酔いが醒めた正太の元に妻が現れ、お腹に赤ちゃんがいると告げる。昨日の件を完全に忘れて有頂天になる正太だった。
「正ちゃんも大人になるんだな」と思ったQ太郎は、もう昔の様に戻れないなと気づき、何も言わずにオバケの国へ飛び去っていった。
Q太郎がドラえもんやパーマンと家出をした
藤子不二雄の産み出したキャラクターである『オバケのQ太郎』『ドラえもん』『パーマン』の共通点は「相棒が怠け者」である。
夏休みのある日、ドラえもんは宿題を全くやらない野比(のび)のび太に痺れを切らし「さいなんくんれん機」でわざと地震を起こして、のび太を驚かせる。
その頃オバケのQ太郎の家では、正太が頭の良いO次郎に宿題を片付けさせていた。須羽(すわ)ミツ夫ことパーマンの家では、自身の分身であるコピーロボットに宿題を任せていた。しかし、O次郎はわざとデタラメな解答を書き、コピーロボットはしっかりサボっていた。
悪知恵が上手くいっていなかったとは言え、ドラえもん、オバケのQ太郎、パーマン達は愛想を尽かしてしまう。同じ悩みを抱えた3人は一緒に家出を決め、とある山奥に行く。
キャンプを始めた3人は、それぞれの胸の内を明かし、すぐに意気投合する。
一方、ドラえもんがいなくなって不安を感じたのび太は、同じ不安を抱えた正太とコピーロボットのミツ夫と一緒に探しに出かける。陽が落ちたところでドラえもんが一曲唄い出すと、ドラ声の反動で近くの山が噴火し、大洪水が発生する。木の上に避難した3人の視界には、水没した町の景色しか見えなかった。
相棒も巻き込まれたものと捉えて泣きじゃくる3人に、のび太が話しかける。実はこの景色、3人を懲らしめようと、ドラえもんが置いて行った「さいなんくんれん機」を使ったものだった。
ほっとする3人の元にO次郎・ドロンパ・パーマン2号・パー子達も現れる。みんな揃ったところで改めてキャンプが始まり、楽しい一夜を過ごす事となった。
『コロコロコミック(1979年8月号)』に掲載された、漫画家・しのだひでおの手による作品である。『ドラえもん』がテレビ朝日でアニメ放映されるのを機に、この作品も1980年4月8日にアニメ放映された。
オバケのQ太郎がスピン・オフとして出てくる、稀有な作品である。
『オバケのQ太郎』の登場人物・キャラクター
オバケ(Q太郎の家族)
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目次 - Contents
- 『オバケのQ太郎』の概要
- 『オバケのQ太郎』のあらすじ・ストーリー
- Q太郎との出会い
- Q太郎の事を家族に言い出せない
- 追い出されたQ太郎
- 王子さまになりかけたQちゃん
- 生まれ故郷「オバケの国」へ行く
- バケ連事務総会開かれる
- さようならQちゃん
- 15年後のQ太郎の姿
- Q太郎がドラえもんやパーマンと家出をした
- 『オバケのQ太郎』の登場人物・キャラクター
- オバケ(Q太郎の家族)
- Q太郎(キューたろう)
- O次郎(オーじろう)
- P子(ピーこ)
- X蔵(エックスぞう)
- おZ(おゼット)
- Y助(ワイすけ)
- Q助(キューすけ)
- その他のオバケ
- ドロンパ
- U子(ユーこ)
- ベロンパ
- クニャラ
- ボンガ
- アマンガ
- ボロンパ
- 大原家の人々
- 大原正太(おおはらしょうた)
- 大原伸一(おおはらしんいち)
- 大原正助(おおはらしょうすけ)
- 大原節子(おおはらせつこ)
- 正太の友達
- 西郷強/ゴジラ(さいごうつよし)
- 木佐キザ夫/キザオ(きざきざお)
- 博勢/ハカセ(はかせ)
- 小泉美子/よっちゃん(こいずみよしこ)
- 近所の人達
- 神成雷蔵(かみなりらいぞう)
- ラーメンを食べているアパートの住人
- ネプチャ王
- ユカリ
- 河伊伊奈子(かわいいなこ)
- ヒョーロク
- 岩見さん(いわみさん)
- 青山ミドリ(あおやまみどり)
- エジサン
- 『オバケのQ太郎』の用語
- バケラッタ
- オバケの国
- バケトロン
- 『オバケのQ太郎』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- Q太郎「ぼくはオバケのQ太郎さ。卵から出るめんどうをみてくれて感謝ね」
- Q太郎「犬こわーい」
- Q太郎「 「ぼ、ぼくはひょっとして…、日本一の大金持ちじゃなかろうか!」
- Q太郎の別れの手紙
- 『オバケのQ太郎』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 恐怖のQQタイムと呼ばれた日曜19時台のTBS
- 最初は6本あったQ太郎の髪の毛
- ラーメン大好きなのは小池さんではなく鈴木さん
- 絶版時期が長く続いた本作
- 激ムズと評判のファミコンゲーム『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』
- 優れた音楽性が高く評価された主題歌・挿入歌
- 『オバケのQ太郎』の主題歌・挿入歌
- 1965年放送『オバケのQ太郎』
- OP(オープニング):石川進「オバケのQ太郎」 (前期/放送開始直後ではED)
- OP(オープニング):石川進/曽我町子「オバQ音頭」(後期)
- 曽我町子「オバQかぞえ歌」
- チビッコエイト/ヤング・フレッシュ「オバケのQ太郎マーチ」
- 田上和枝/曽我町子「ぼくは正太だい」
- 曽我町子「オバQマーチ」
- 水垣洋子「オバケのP子」
- 1971年放送『新・オバケのQ太郎』
- OP:堀絢子/ニューロイヤル「新・オバケのQ太郎」
- ED:ザ・グリンピース「オバQえかきうた」
- 1985年放送『オバケのQ太郎』
- OP(オープニング) :天地総子「大人になんかならないよ」 (前期 第1話~第134話)
- OP(オープニング):天地総子「ぼくはオバQノンキなオバケ」(後期 第135話 - 第510話)
- ED(エンディング):浜田良美「BELIEVE ME」(前期 第1話 - 第134話)
- ED(エンディング):天地総子「あいうえオバQ」 (後期 第135話 - 第510話)
- 天地総子/こおろぎ'73「Qちゃん音頭」
- 天地総子「Qちゃんえかきうた」