バーソロミュー・くま（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

ソルベ王国へ帰還

くまはイワンコフとジニーと共に故郷のソルベ王国へと帰ってきた。イワンコフは自由を求めて海へと出たため、すぐに別れることとなったが、ジニーはソルベ王国に残り、くまと一緒にくまの実家の教会で暮らすことになった。くまはジニーと働きお金を稼いでごはんを買う。そしてお腹いっぱい食べ、そのことが幸せだとジニーと2人、涙を流す。くまは悪魔の実「ニキュニキュの実」の能力を使って、教会の近隣に住む老人達から痛みを取り、そのお礼に食べ物をわけてもらって生活をしていた。その間にくまとジニーの仲は深まり、くまは22歳の時にジニーに結婚しようとプロポーズされる。しかしくまは自分がバッカニア族であり、その血筋のせいでジニーを不幸にしてしまうのではないかとジニーのプロポーズを断っていた。

革命軍への入隊

22年前、くまが25歳の時だった。ソルベ王国に奴隷制度が敷かれた。国の南部には年寄りが多く、天竜人への貢金である”天上金”の払いが少ない。そのためソルベ王国の国王ベコリは、南部を切り捨て南部の人間を奴隷として好きにして良いという制度を作った。これにくまは大激怒。攫われた南部の人達を助けるために大暴れして、牢獄に入れられた。ジニーや他の南部の人間も捕まったくまを返せと暴れたため投獄された。そんな時、ソルベ王国は何者かの襲撃を受けた。モンキー・D・ドラゴンとエンポリオ・イワンコフ率いる”自由軍”である。イワンコフは世界を変えるためにくまを迎えに来たのだ。くまはドラゴンやイワンコフと共に後に「革命軍」と呼ばれるようになるその組織の旗揚げメンバーとなった。ジニーもくまについて「革命軍」に入隊。くまは時折ソルベ王国に顔を出しながら、「革命軍」のメンバーとして活躍していった。

攫われたジニー

そこから8年経った14年前。くまが「革命軍」の柱として活躍する中、ジニーは「革命軍」”東軍”軍隊長を務めていた。明日には久しぶりにくまの部隊と合流。ジニーはそれを楽しみにしていた。しかし思わぬ敵が現れ、ジニーは攫われてしまう。その美しさが天竜人の目に留まり、妻にと望まれたのだ。攫われたジニーを助けに行くだけの戦力はまだ「革命軍」になく、ジニーを助けに行くことができないまま2年の歳月がすぎる。その間、くまは以前にも増して任務に打ち込むようになった。

ジニーの死とボニーとの出会い

12年前のある日、突然ジニーからの連絡が入った。ジニーが言うには病気になってしまったため、天竜人に用済みとされ下界に戻されたとのことだった。そしてその通信は最期の別れのものでもあった。ジニーの病気はもう助からないものであり、これから自分は死ぬので絶対に会いに来ないでほしいとジニーは言う。くまはジニーがいるであろう、故郷のソルベ王国の教会へと戻る。そこにはくまの予想通りジニーはいた。そこでくまはジニーの変わり果てた姿を見た。ジニーの病気は太陽などの自然の光を浴びると皮膚が青く石のように固まるという病気だった。ジニーは顔も身体も全身青い石のように固まっていた。

ジニーは女の子の赤ん坊を連れていた。それはジニーの娘・ボニーだった。ジニーは自分に何かあってもボニーが生きていけるようにと最期の力を振り絞ってソルベ王国へ帰ってきたのだ。それを聞いたくまは涙を流し、赤ん坊は自分が育てると誓う。その後、くまは「革命軍」の任務に当たりながら、ボニーを育てていく。子育てなどしたことはなかったが、ソルベ王国で世話になって老人達が手伝ってくれて、ボニーはすくすくと育っていくのだった。

ボニーの病気

何年か経って、ボニーはジニーと同じ病気を発症した。右目の下の皮膚が青い石のようになっているのを見て、くまは光が教会内に入らないように窓という窓を塞いだ。しかし病名も対処法もわからない。くまはボニーと一緒にいるために「革命軍」をやめることを決意。ドラゴンもイワンコフも快く送り出してくれた。

そしボニーが5歳になった時、くまはやってきた医者からボニーの病気のことを聞かされた。ボニーやジニーの病気は「青玉鱗（せいぎょくりん）」という難病だった。太陽や月などの自然の光を浴びると、皮膚が青く石のように固くなってしまい、やがて死に至る。この時の時点での治療法はなく、ボニーは10歳の誕生日を迎えることはできないだろうと医者は診断した。くまは絶望に打ちひしがれながらも、ボニーの病を治す術を探し続けるのだった。

ソルベ王国国王に即位

6年前、ボニーの病を治す術を探し続けていたある日、ソルベ王国の国王ベコリが足手まといだったソルベ王国の南部を焼き払うという施策を強行した。くまは炎の中から人々を救い、そのまま王宮へと向かう。そしてベコリに手を上げ、国を救った。これは後にソルベ王国の「一人革命」として有名な事件となる。ベコリがいなくなってから国民の願いを断りきれず、くまはそのままソルベ王国の国王に即位する。それでもくまは教会に住み続け、実質的な政治は先々代の国王ブルドッグがとっていた。しかしそれから間もなく、ベコリがソルベ王国に戻ってくるという知らせが入る。くまはボニーをブルドッグや王太后コニーに託し、ベコリを迎え撃つ覚悟を決める。その時、どこで食べたのか、ボニーは悪魔の実「トシトシの実」を食べて、自身の年齢を操作できるようになっていた。くまはそれに驚きながらも、ソルベ王国にやってきたベコリと海軍を返り討ちにし、犯罪者となった。海へ逃げたくまは海賊として指名手配され、懸賞金もどんどん上がっていく。その逃亡生活の中でもくまはボニーの病気を治す方法を探し続けた。

ドラゴンとの再会とDr.ベガパンクとの出会い

海を旅している途中、くまは革命軍の面々と再会した。その頃、イワンコフとイワンコフの副官であるイナズマは投獄されていた。ドラゴンはくまに海軍の科学者Dr.ベガパンクを紹介する。ボニーを治す方法はもうないかもと諦めかけていたくまは再び希望を持つようになった。そしてソルベ王国へ帰り、ボニーと共に当時海軍科学班の第8研究所（後にエッグヘッドと呼ばれる場所）を尋ねた。Dr.ベガパンクは「青玉鱗」のボニーを見て治ると言ってくれた。しかしそれには莫大な費用がかかる。ベガパンクはバッカニア族であるくまの血液提供とくまのクローン兵を作るのと引き換えにその費用をタダにしてくれるという。くまはその条件を飲み、いつか自分のクローン兵が海兵となって人々を救うのであれば、自分が生まれた意味もあるかもしれないとその条件を飲む。自分のことを聖人と呼ぶベガパンクに、くまは「聖人…？…おれはただの気弱な”平和主義者（パシフィスタ）”だ」と笑って答えた。ベガパンクはその呼び名が気に入り、自分が作る「未来の戦士」を”平和主義者（パシフィスタ）”と呼ぶことを決めるのだった。

しかしことはそう簡単に運ばなかった。くまを素体にクローン兵を作るというベガパンクの計画は、世界征服・最高機関「五老星（ごろうせい）」のジェイガルシア・サターン聖の耳に入ったのだ。サターン聖は、くまが素体として優れていることは認めるが、同時に世界政府が海賊であるくまのクローン兵を持つと面目が立たないと懸念する。そこでサターン聖はくまに王下七武海への加盟を要請。さらに自身も改造されて「人間兵器」になること、そして最終的に思考と自我を捨てることを条件に加えた。ベガパンクは猛反対したが、くまはボニーのためにその条件を受け入れる。そしてくまはベガパンクの改造手術を受けながら、日々のできごとを手紙につづりボニーへと送るのだった。

偉大なる航路（グランドライン）編

空島編

サー・クロコダイルが王下七武海の称号を剥奪された後、後任を決めるための会議に出席する様子が描かれた。

スリラーバーグ編

クロコダイルの後任が決まったことをゲッコー・モリアに伝えるため、スリラーバークに上陸。侵入者であるくまを排除しようとしたペローナを、一瞬で遠くの土地へ飛ばした。その後、麦わらの一味がモリアを倒し辺りが歓喜に包まれる中、静かに一味の前に登場。そこで政府から麦わらの一味を抹殺せよとの命令がくだるが、くまは一味を見逃す代わりに麦わらのルフィの首を差し出すよう交渉を持ちかける。一味はそれを反対したため、交渉は決裂。くまは周囲の大気を使って大爆発を起こす技「熊の衝撃（ウルススショック）」を放ち、麦わらの一味およびスリラーバーグにいた海賊を一瞬で気絶させた。その後ルフィの殺害を試みるが、気絶をまぬがれたゾロに阻止される。ゾロは自分が命を差し出す代わりに、ルフィを見逃してほしいと頼む。くまは「これで麦わらに手を出せば恥をかくのはおれだな」と、ゾロの提案をのんだ。そしてルフィの体から痛みと疲労を取り出し、ゾロに同じ苦痛を受けるよう命じた。仲間のために自らを犠牲にするゾロを目にしたくまは、「いい仲間を持っている。さすがはあんたの息子だな…ドラゴン」と言葉を残し、島を去っていった。

シャボンディ諸島編

ルフィが天竜人に手を出したことをきっかけに、黄猿及び黄猿の直属の部下で海軍本部科学部隊隊長でもある戦桃丸（せんとうまる）と共に麦わらの一味を抹殺するためシャボンディ諸島に現れる。しかし命令に反して、くまは一味を別の土地（一味それぞれが自分の力を高められそうな場所）へ飛ばした。戦桃丸や黄猿は、くまのこの行動を大問題であると捉えている。後にレイリーには「おれは革命軍の幹部、縁あってこの一味を逃がしたい」と言っていた事がわかった。最後にルフィを飛ばす際、「もう会うこともない…さらばだ」と言い残している。その後、言葉通りにくまは自我を持たない完全な人間兵器パシフィスタとなった。