宇宙戦艦ヤマトの旧作とリメイクの違い・相違点まとめ【2199 / 2202】

『宇宙戦艦ヤマト』とは、1974年に読売テレビに制作され、日本テレビ系列で放送されたSFアニメである。謎の宇宙人による侵略により人類滅亡まであと1年という危機に瀕した地球。限られた猶予の中で、人類最後の希望を託された宇宙戦艦ヤマトは往復29万6千光年の旅に発つ。『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品として制作された『宇宙戦艦ヤマト2199』では旧作の矛盾点を解消しており、そのために両者にはさまざまな相違点が存在している。

●旧作:ドメルが長年構想しガミラスの兵器開発部に開発させていた物質移送空間発生装置。七色星団会戦で初めて実戦投入された。(旧作第21話)
●リメイク:名称は「瞬間物質移送器」では無く「物質転送機」。最高機密の試作兵器。タラン(ヴェルテ・タラン:タラン兄弟の兄)が兵器開発局を説き伏せドメルに供与した。転送の原理は艦の波動主機を一時的に過付加状態で駆動、波動主機の外部に次元の重複領域を拡張させそれを物質転送波(ゲシュタムの穴)として照射する。ゲシュタムジャンプ(ワープ)機能を持たない小型兵器をゲシュタムジャンプ(ワープ)させることが可能となる。

ドメル艦隊の第三次攻撃

出典: blog.livedoor.jp

●旧作:第三次攻撃は第三空母から発艦した雷撃隊(艦攻:ドメル式DMT-97型雷撃機)によって行われた。瞬間物質移送器によって直掩機の居ないヤマトに左舷に出現し攻撃。(旧22話)
●リメイク:第三次攻撃はゲルバデス級航宙戦闘母艦ダロルド(旧作における戦闘空母)から発艦した空間重爆撃機DBG88ガルントを「物質転送機(旧作における瞬間物質移送器)」によってヤマトの正面に転送、爆装した特殊削岩弾を発射した。操縦は旧作ではハイデルンであったがリメイク版は爆撃指揮官はヴェム・ハイデルンの旧知の老兵ヴァンス・バーレンに変更となっている。ただし特殊削岩弾による攻撃は第三次攻撃ではなくその後に行われる雷撃機による攻撃が第三次攻撃となる。

ガミラス艦載機の発艦

●旧作:宇宙空間にも関わらず空母から発艦する攻撃機がまるで重力の影響ある洋上艦からの発進のような描写がある。(旧作第22話)
●リメイク:旧作と同様にガミラス艦載機の発艦シーンや戦闘シーンに洋上艦艇のような描写があるが、リメイクでは濃密な星間物質や七つの縮退星の影響があるこの空域(七色星団)をまるで雲海や海上のようなビジュアル表現をすることによって20世紀の海上艦の戦闘のような描写を違和感なく描いている。

旧作では無重力の宇宙空間でありながらガミラス艦載機が発進時に重力の影響があるかのように下方向に落ちながら飛び立つシーンはツッコミどころとして有名であったが、その不自然なシーンをカットせずにツッコミどころのをだけを排除している。

特殊削岩弾(旧作のドリルミサイル)

●旧作:ガミラス兵器開発部でヤマト対策兵器として急遽特別に開発された兵器。波動砲を封じ込め同時に爆発しヤマトを撃破することを目的とした対ヤマト専用兵器である。またドリルミサイルを搭載する重爆撃機も特別に開発した機体である。瞬間物質移送器によってヤマト正面に現れ波動砲口に命中した。(旧作第22話)
●リメイク:小惑星鉱山用の特殊削岩弾を爆装したものでリメイクではドリルミサイルという呼び名は登場しない。特殊削岩弾を搭載する空間重爆撃機DBG88 ガルントは民間の惑星開発用特殊削岩弾の専用輸送機での改造機という設定である。特殊削岩弾をドリル回転の逆方向にロケット噴射で固定させるなど描写もリアルティを持たせている。物質転送機によってヤマト正面にゲシュタムアウトしたガルントから発射された。

特殊削岩弾(ドリルミサイル)の排除作業

出典: ameblo.jp

●旧作:真田とアナライザーが排除作業にあたった。(旧作第22話)
●リメイク:新見とアナライザーが起爆装置の解除作業にあたる。真田は波動防壁の復旧作業に。

ガミラス人のヤマト艦内への潜入

●旧作:無い。初期設定段階でのガミラス人潜入エピソードはカットされている。
●リメイク:二等ガミラス人(ザルツ人)がユリーシャ誘拐(森雪をユリーシャと14話の精神攻撃の際に誤認)のためヤマトに乗り込む。森雪をユリーシャと誤認したまま任務遂行3人の戦死者を出すも作成は成功する。ザルツ人は地球人に肌の色が近いためこの特殊任務が与えられた。

旧作は制作当初はドリルミサイルにガミラスの破壊工作員たちが乗り込み、着弾後にヤマトを内部から攪乱するというエピソードが予定されていたが、放送期間の短縮により省略された。前述の出入口はそのためのものであるが、このエピソードが割愛されたために単純な弱点となってしまった。しかし、ひおあきらの描く漫画版では割愛されず、ほぼ当初のままに描かれている。

特殊削岩弾(ドリルミサイル)発射後の重爆撃機の撃墜

●旧作:ドリルミサイル発射後の重爆撃機は無事に戦闘空母へ帰還。(旧作第22話)
●リメイク:空間重爆撃機DBG88ガルント(旧作における重爆撃機)は帰還途中で山本のコスモゼロから攻撃を受けイオン乱流の中へ墜落。

ドメル艦隊バルグレイ(旧作における第1空母)撃沈

●旧作:無し。ドメル艦隊は終始、三段空母と戦闘空母は行動をともにしているため単独行動中の第一空母の撃沈はない。(旧22話)
●リメイク:先行して単独行動中のガイペロン級多層式航宙母艦バルグレイ(旧作における第1空母)はヤマト艦載機をヤマトから引き離すことに成功するがヤマト艦載機2機に発見される。ヤマト艦載機にバルグレイは対空砲で応戦し1機を撃墜するも直前に発射された対艦ミサイルの迎撃に失敗被弾。直後に2機目の対艦ミサイルも被弾、さらにヤマト艦載機の機関砲で艦橋を破壊されて撃沈された。

ドメル艦隊戦闘機戦によるゲットー機の撃墜

●旧作:無し。(旧22話)
●リメイク:ヤマト戦闘機コスモファルコン(加藤乗機)とドックファイト中にバルグレイ撃沈の報を聞いたせいか隙ができコスモファルコンに後ろを取られ撃墜された。最後の言葉は「ドメル万歳」。

ドメル艦隊、第四次攻撃

出典: ameblo.jp

●旧作:第四次攻撃は戦闘空母から発艦したドリルミサイルを搭載したハイデルンの乗る重爆撃機によって行われた。瞬間物質移送器によってヤマトに正面に出現し波動砲口にドリルミサイルを撃ち込んだ。(旧22話)
●リメイク:ドメルのもとへ特殊任務成功の報が入りは特殊削岩弾(旧作でいうところのドリルミサイル)の爆発を待つのみとなったが、「戦場に絶対はない」と考えるドメルはシュデルグに雷撃機隊(空間雷撃機FWG97ドルシーラ)の発艦命令を出した。特殊削岩弾による攻撃は第三次攻撃ということではなく正確にはこの雷撃機隊による攻撃が第三次攻撃である。

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