宇宙戦艦ヤマトの旧作とリメイクの違い・相違点まとめ【2199 / 2202】

『宇宙戦艦ヤマト』とは、1974年に読売テレビに制作され、日本テレビ系列で放送されたSFアニメである。謎の宇宙人による侵略により人類滅亡まであと1年という危機に瀕した地球。限られた猶予の中で、人類最後の希望を託された宇宙戦艦ヤマトは往復29万6千光年の旅に発つ。『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品として制作された『宇宙戦艦ヤマト2199』では旧作の矛盾点を解消しており、そのために両者にはさまざまな相違点が存在している。

森雪の意味深発言

●旧作:マゼラン雲を前にして記念写真撮っていた古代と森の会話。古代の手を払いのけた瞬間が写真に写り「ひでぇな」って言う古代に向かって森が言った言葉。『いいじゃないの。子供たちにパパとママの青春を語るときの思い出になってよ。』(旧23話)
●リメイク:ミレーネルの精神攻撃からヤマトを守った古代と森の物語最後に会話される内容は旧作23話の記念撮影時の森の意味深発言と対になると考えられる。「私も会ったよ。大切な人に。最後に来てくれたでしょ?古代君」

第20話「七色の陽のもとに」

旧作の第22話「決戦!!七色星団の攻防戦!!」に相当

出典: newslounge.net

宇宙の難所・七色星団でドメル将軍率いる空母艦隊と対峙したヤマト。ドメルの繰り出す奇策にヤマトは翻弄される。絶体絶命の中、沖田が採った策とは。

リメイク版20話は旧作の第22話「決戦!!七色星団の攻防戦!!」に相当するが、TV放映版では、放送時間の都合で冒頭の重要なシーンが大幅にカットされている。劇場公開版を観るのがおすすめ。

なお、七色星団の決戦は第二次世界大戦のミッドウェー海戦を参考にしたものである。大日本帝国はこの戦いで航空母艦4隻を失い、致命的な損害を被る。航宙母艦4隻を失うドメル機動部隊は、ここでは大日本帝国海軍である。つまりリメイク版第20話のガミラスは日本であり、ヤマトはやはり米国に位置付けられる。

七色星団

出典: ameblo.jp

ガミラス第一次攻撃隊と会敵するヤマト航空隊。
このシーンはリメイク20話TV版ではカットされている。

●旧作:七色星団の正式名称は「七色混成発光星域」。七色星団はそれぞれ違った習性に基づく6つの星と、ガス状の暗黒星雲とからなる混成星団。(旧作第21・22話)
●リメイク:タランチュラ星雲の一角で7つの恒星(縮退星)で形成されている。濃密な星間物質やイオン乱流が吹き荒れレーダーにも障害が発生するためヤマトと航空隊は有視界での戦闘を強いられる。

ドメル艦隊旗艦に座乗するドメルの副官

●旧作:副官はゲール。(旧作第21・22話)
●リメイク:副官はヴェム・ハイデルン。リメイクではドメル幕僚では古参である。常にドメルの右腕的存在で七色星団会戦時もドメル艦隊参謀兼艦隊旗艦ドメラーズIII世の艦長であった。

グレムト・ゲール(旧作におけるゲール)は亜空間ゲートが破壊されてバラン星の宙域に取り残された為(18話)参戦しえない。

戦闘空母指揮官

●旧作:艦長兼戦闘隊長はハイデルン(旧作第21・22話)
●リメイク:ゲルバデス級航宙戦闘母艦ダロルド(旧作における戦闘空母)の艦長はドーラ・バレク。ヴェム・ハイデルン(旧作におけるハイデルン)はドメル艦隊参謀兼艦隊旗艦ドメラーズIII世の艦長。

ガミラスドメル艦体によるヤマト発見

出典: www.mbs.jp

出典: ameblo.jp

●旧作:描写無し。ただし七色星団会戦では終始ヤマトの行動をドメル艦隊は把握しておりなんらかの偵察行動が行なわれていると推測される。(旧作第22話)
●リメイク:ヤマトは七色星団にワープアウトした時点(19話)ですでに次元潜航艦UX-01に発見されドメル艦隊へ『羊は迷いの森に入った』と七色星団に入ったことを打電されている。またヤマト艦載機発艦後にも ガミラス軍の偵察13号(FG156スマルヒ)にヤマトは発見されている。

ドメル艦隊・空母一隻の先行単独行動

●旧作:無し。三段空母と戦闘空母は終始密集して行動している。(旧22話)
●リメイク:ガイペロン級多層式航宙母艦(後期仕様)バルグレイ(旧作における第1空母)はヤマト艦載機をヤマトから引き離すために艦隊から先行して単独行動をとった。作戦は成功、ヤマト艦載機をヤマトから引き離した。

※リメイク20話TV版ではバルクレイの先行単独行動シーンはカットされている。

ドメル艦隊の第一次攻撃

●旧作:第一次攻撃は第一空母から発艦した戦闘機(ガミラスファイター:ドメル式DMF-3型高速戦闘機)によって行われヤマト艦載機(ブラックタイガー)をヤマトから引き離すのが主たる目的。ヤマトによって発見されコスモタイガーが迎撃した。(旧22話)
●リメイク:ドメル艦隊の第一次攻撃は戦闘機(空間艦上戦闘機DW19デバッケ)によるもので旧作同様ヤマトから航空隊を引き離すことを目的している。旧作との違いは第一次攻撃隊の発艦する空母(バルグレイ)はドメル艦隊から先行し単独行動であったことと、発見はヤマト航空隊(コスモファルコン)によるものだという点。

旧作では戦闘班長の古代がガミラス機の迎撃にブラックタイガー隊とともにコスモゼロで出撃してしまった。これも旧作のツッコミどころである。
※リメイク20話TV版ではガミラスの第一次攻撃隊とのヤマト航空隊の戦闘シーンはカットされている。

ドメル艦隊の第二次攻撃

●旧作:第二次攻撃は第二空母から発艦した急降下爆撃機(艦爆:ドメル式DMB-87型急降下爆撃機)によって行われた。瞬間物質移送器によって直掩機の無いヤマトに上方に出現し攻撃。迎撃のため戻ってきたブラックタイガー隊はガミラスの急降下爆撃機を追ってまたヤマトから引き離された。(旧22話)
●リメイク:第二次攻撃はガイペロン級多層式航宙母艦ランベア(旧作における第二空母)から発進した爆撃機(空間艦上攻撃機DMB87スヌーカ)よる攻撃。試作兵器「物質転送機(旧作における瞬間物質移送器)」による初めての戦闘でヤマトの直上に転送された。旧作との違いは万が一のために待機中の山本玲のコスモゼロが迎撃にあたっていること。

瞬間物質移送器

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