ヘンリー・ヘンダーソン（SPY×FAMILY）の徹底解説・考察まとめ

ヘンリー・ヘンダーソンのプロフィール・人物像

性別：男
年齢：66歳
職業：イーデン校歴史教師
役職：1年3組担任兼第3寮セシルの寮長（ハウスマスター）
CV：山路和弘

ヘンリー・ヘンダーソンとは、『SPY×FAMILY』（スパイファミリー）の登場人物で、エレガントであることを至上の価値観と信じる教師。
整った口髭に片眼鏡がトレードマークの痩身の老人。毎朝ジョギングして体を鍛え、プライベートでは紅茶を嗜むなど、まさに“紳士”といった雰囲気の人物。

東人民共和国屈指の名門イーデン校で歴史を教えており、第3寮セシルの寮長を兼任している。自分にも他人にもエレガントであることを求め、生徒にも厳しい態度で臨んでいるため、彼らから恐れられている。しかしただ厳しいだけでなく、勉強に打ち込みすぎて疲弊している生徒をそれとなく休ませるよう配慮するなど、教育者としての務めをしっかりと果たしている。
面接試験で同僚が見せた“エレガントの欠片も無い”醜悪な態度に内心怒り心頭だったところ、ロイド・フォージャーが見せた毅然とした態度に“理想のエレガント”を感じ取る。詫びと期待を兼ねて本来不合格でほぼ確定だったロイドの娘のアーニャを特別に合格させ、自身も相応のペナルティを受けるも意に介さず、担任として彼女たちを相手に教鞭を振るっている。

SPY×FAMILY（スパイファミリー）のイーデン校まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

イーデン校とは、遠藤達哉の漫画『SPY×FAMILY』（スパイファミリー）に登場する、東人民共和国屈指の名門校。物語の中心人物の1人であるアーニャ・フォージャーが入学し、以後多くの時間を過ごすこととなる場所である。
男女共学で、授業は13年制となっており、生徒のほとんどは名家や有力者の子女である。未来の国士を育てるため、愛国教育にも力を入れている。入学には厳しい試験を突破する必要があり、劣等生を強制的に途中退学させる仕組みも存在するなど、名門に相応の峻厳な教育システムで知られている。

ヘンリー・ヘンダーソンの来歴・活躍

学生時代

子供の頃はイーデン校に生徒として通っていた。生成優秀者の証である星（ステラ）をいくつも獲得し、「皇帝の学徒」（インペリアル・スカラー）という学園屈指の優等生となり、その特例として授業前に1人でティータイムを楽しむ許可をもらう。
11年生になった時、3つ年下のマーサ・マリオットという少女がバレエの奨学生としてイーデン校に編入。この時実際にバレエを踊る彼女を見て、思わず「エレガント」とつぶやいた。その後偶然授業前に鉢合わせたマーサをに誘い、毎朝一緒にティータイムを楽しむのが2人の日常となっていく。

マーサとの交流を重ね、彼女に対する想いを膨らませていくが、それが恋だとは気づかず、また彼女からも同様に愛されていることにも気づかないまま卒業。この頃には「教師を目指す」という夢を抱いており、3年後に新人教師として再びイーデン校に舞い戻る。戦争の長期化により人手不足が深刻化し、本来4年必要なところを特例により3年で教職を得ることになったのだった。ここで自分の後を追うように皇帝の学徒になっていたマーサと再会したヘンリーは、彼女との交流を復活させる。
しかしこの頃、東西両国の戦争は泥沼化していた。敵国の攻撃は東国の首都にあるイーデン校の周囲にまで及ぶようになっており、マーサが「いつかここで踊るダンサーになる」と憧れていた劇場も爆撃により崩壊。夢見た未来を失ったマーサは、半ばヤケになって軍人になる道を選ぶ。それでも「戦争に行く前にヘンリーに自分の気持ちを伝えよう」と考えていたマーサだったが、アクシデントによりこれは果たせず、2人はそのまま別れることとなった。

マーサは戦場から手紙を送り続けるが、前線に配備されて命の危険を感じ始めると次第に弱音を吐いていく。ヘンリーはこの時になって初めて「自分の手でマーサを守りたい、生きて帰ってきてほしい」という自分の本心に気づくが、“マーサの所属する部隊が壊滅した”という報せを聞いて絶望。諦観を抱えたまま、家の都合で結婚する。

イーデン校の教師として教鞭を振るう

東人民共和国屈指の名門イーデン校に務め、教師として長年働く。自他にエレガントさを求めるその教育理念は名門にふさわしいものだと評価され、寮長という責任ある立場を任される。しかしイーデン校の内部にも様々な権力闘争があり、エレガントというある種の高潔さを保ちたいと考えるあまりにそれらから距離を取っていたヘンリーは次第に弱い立場へと追い込まれる。
先代ヘッドマスターの一人息子であるマードック・スワンについては、「言動があまりにエレガントさに欠ける」と特に頭を悩ませていたが、自分の立場では何も言えないことと、この状況を覆すために足掻くこともまたエレガントとは言えないとの想いもあって、黙認に近い状態が続いていた。

面接試験

ある年の新入生試験において、ロイド・フォージャーと彼の一家に出会う。ロイドは名家の生まれではなかったが、ヘンリーの考える「理想のエレガントさ」を体現したかのような人物で、彼の後妻のヨルや実際に試験を受ける娘のアーニャも含めて高く評価する。
面接試験で直接話す機会に恵まれ、ロイドの態度には感心し、娘のアーニャにも及第点を与える。しかしここで同じ場で試験官をしていたマードックが「前の母親と今の母親とどちらが好きか」とあまりにも不躾な質問をアーニャに投げかけ、死別した親のことを思い出してかアーニャが泣き出してしまう。

あまりに無礼な質問だと感じたヘンリーはマードックを糾弾するが、何を質問するかは試験官の自由だと言い張られる。それを見たロイドは面接場の机を叩き割り、「子どもの気持ちを軽んじるのが貴校の教育理念なら 選ぶ学校を間違えました」と言い放って家族と共に引き上げていく。
当然これはイーデン校の面接試験としては到底褒められたものではないが、ヘンリーは「そもそもの責任はフォージャー家を侮辱したマードックにある。ロイドは家族を守るために毅然とした態度を示しただけだ」と考え、マードックを鉄拳制裁。「理想のエレガンスを持つ者」と認めたロイドに、自身もまたエレガンスを示すため、アーニャを特別に合格させる。

1年3組の担任となる

マードックを殴ったことと、アーニャの合格を捻じ込んだことはイーデン校でも相応の問題となり、ペナルティとして新入生の担任を押し付けられる。これを泰然と受け入れ、ロイドの娘として注目していたアーニャ、政府要人の息子であるダミアン・デズモンド、大手軍事産業CEOの令嬢ベッキー・ブラックベルらが所属する1年3組を受け持つ。
その初日、アーニャがダミアンを殴り飛ばすという事件が発生。ダミアンはアーニャを庶民の子と見て散々に挑発しており、アーニャはこれを受け流していたのだが、「ベッキーの足を踏んでいたのを見て我慢できなかった」と彼女は釈明。自分への非難は我慢できても他人が虐げられるのは我慢できなかったというアーニャの姿に、ロイドの娘らしい気質だと感じ入りつつ、それでも暴力は良くないと叱責して軽めの処罰を与える。

アーニャは自由奔放な性格で、成績も赤点スレスレが定位置という有様で、その後もたびたび妙な騒動の当事者となる。これに頭を抱え、「ロイドの娘なのだからまったくの考え無しということもないのだろう」と自分に言い聞かせ、時に諭し、時に遠慮なく罰する。
ダミアンはダミアンで、「親の期待に応えたい」との思いが強過ぎるあまり無理をして勉強するようになり、これを案じて彼の学友たち共々特別課外授業としてピクニックに赴くことを命じる。まだ幼い新入生たちを厳しくも優しく見守り、彼らを導いていく。

星と雷

その後アーニャは人命救助の功績で星を獲得する一方、こっそりダミアンを庇ったせいで2つ目の雷をもらうなど、良くも悪くも手のかかる生徒になっていく。それでも「早くたくさん星を取って皇帝の学徒になりたい」と意気込む彼女に、ヘンダーソンはそれが容易な道ではないこと、日々の積み重ねが大切であることを諭す。
分かっているのかいないのか、話の途中で帰ってしまったアーニャを見送り、ヘンダーソンは1年生の相手をするのは難しいとどこか満ち足りた様子で嘆息するのだった。

イーデン校バスジャック事件

イーデン校の1年生が博物館に社会科見学に出掛けることとなり、ヘンリーは引率を他の教師たちに任せて彼らを見送る立場となった。しかし彼らの乗るバスは、極左組織「赤いサーカス」の幹部ビリー・スクワイアに目をつけられており、運転手も生徒たちが乗り込んだ時点で彼の手下と入れ替わっていた。首尾よくバスジャックを果たしたビリーは、人質となった生徒たちに銃を突き付けて自分に従うよう脅してくる。

第一報を受けたヘンリーは驚愕し、警察への連絡とその指示に従うことを厳命。自分たちにできる限りでなんとか事件解決に貢献するべく、迅速に対応をまとめていく。
やがて警察がジャックされたバスを包囲するとその場に駆け付け、犯人グループとのギリギリの交渉を見守る。この際、ブラックベル家に仕えるマーサと旧知の間柄であることが明らかとなった。人質の生徒たちと犯人グループに水と食料を届けることとなった際、相手を刺激しないためにも自分が適任だと判断したヘンリーはこの役を買って出る。バス内にいた怪我人の代わりに自分が人質となることを提案し、これを受け入れたビリーたちによって拘束されるも、毅然とした態度で生徒たちを励ます。

「子供たちは解放してほしい」と自分なりにビリーとの交渉を試みるも、彼から「俺の娘は政府の弾圧によって殺された」という衝撃の過去を聞かされ、思わず言葉を飲み込んだ。
その間にも事態は進行し、一行と同じタイミングでジャックされたバスが違う場所で解放されていた。これを知った警官隊が強行突入の準備をする一方、別働隊が制圧されたことを知った犯人一味は「いざとなれば自分たちごと爆弾で吹き飛ばしてやる」と息巻く。己の知らないところで一気に状況が動く中、超能力でこれらの情報をつかんだアーニャが「このままだとみんな死ぬ、自分がなんとかするしかない」とビリーに向かって進み出るのを唖然としながら見守る。

アーニャなりに必死に知恵を絞った交渉はとんちんかんなものだったが、相手の思考を読んで咄嗟に紡いだその言葉は、期せずしてビリーが過去に失った娘の言葉と似通ったものになっていた。東国の政治を正すために戦い命を落とした娘が、自分のことを誇りに思いながら死んでいったことを思い出したビリーは、「娘と同じ志を持つ者を殺すことはできない」と闘志を失い、警察に投降。なお足掻く赤いサーカスのメンバーも制圧され、事件は無事に解決する。
その後人質にされた子供たちの親が次々に現場へと駆け付け、我が子の無事を涙ながらに喜ぶ。アーニャも大急ぎでやってきたヨルの胸の中で今さらながら恐怖と安堵に泣き出してしまい、それを見たヘンリーは「高い理想に向かって歩み続けてはいるが、本人はまだ年相応なのだな」との感慨を漏らした。こうして事件は犠牲者を出さずに解決するも、学校側の人間として生徒のケアや保護者への説明などで、しばらくの間忙しい日々を送る。

生徒たちとの茶会

バスジャック事件の際にアーニャから気遣われたことを「大きな借り」と認識したダミアンは、これを返そうとメリンダからの贈り物の高級お菓子を彼女にプレゼントしようと考える。しかし「誰かに渡すところを見られたら恥ずかしい、誤解されるかもしれない」とも考えたダミアンは、アーニャと2人きりになれる状況を作ろうとして空回りを繰り返す。
超能力でダミアンの意図を見抜いて早くお菓子が欲しいアーニャ、そのダミアンを心配してこっそり尾行するエミールとユーイン、おもしろがってこれに続くベッキーらが事態を引っ掻き回すも、最終的にこの騒ぎに気付いたヘンリーが「学校への持ち込み禁止の品である」とお菓子を没収する。

しかし、このお菓子がダミアンからアーニャへの贈り物であることを察したヘンリーは、2人に居残りで反省文を書かせた上で茶会に誘う。そこでこのお菓子を出してそれとなく話し合うよう促すと、アーニャたちは「これで貸し借り無し、これまで通り」と和解する。ところがここでダミアンが騒ぎの中でアーニャに抱き着かれたことを思い出して赤面し、これを超能力で感じ取ったアーニャも慌てふためき、2人は結局ケンカ友達のような間柄に元通り。元気に口論する2人を、ヘンリーは呆れながらも見守るのだった。

イーデン校の期末テスト

イーデン校の期末テストの日が迫ってくる。これは後期のクラス分けの指標にもなるため、生徒たちはそれぞれに気合を入れる。成績劣等生のアーニャは特に奮闘し、隣の部屋に引っ越してきた元大学教授のジークムント・オーセンから勉強を教わり、全体的な成績を大きく上昇させて周囲を驚かせる。
しかし、この時アーニャは「古語では学年2位、数学では赤点」という極端な点を取ってしまい、星と雷を同時に獲得。「こんな生徒は初めてかもしれない」と、ヘンリーはまたまた呆れるのだった。