リナリー・リー(D.Gray-man)の徹底解説・考察まとめ

リナリー・リーとは、『D.Gray-man』の登場人物であり、本作のヒロインにあたる黒の教団のエクソシスト。主人公アレンにとって大切な女性でもある。両親をAKUMAに殺された後、イノセンスの適合者だということがわかり強制的に教団に入団させられた。入団直後は教団による監禁で精神的・肉体的にボロボロになっていたが、リナリーを追って科学者として入団した兄のコムイ・リーのおかげで立ち直り、AKUMAと戦うエクソシストとしての道を生きるようになった。

「それでも私は 私の世界の為に」

レベル3のAKUMA・エシとの戦闘中、世界(仲間)の為に戦おうとするリナリー

クロス部隊に所属し、日本・江戸に向かう船でレベル3のAKUMA・エシと戦うことになったリナリー。シンクロ値(イノセンスと適合者がどれくらい繋がっているかを数値で表したもの。最高は100%)が85%の状態で使用するのは危険な解放を行い、エシを倒そうとする。自分の命すら消えてしまうかもしれない状況の中、「それでも私は 私の世界の為に」と言いながら、最後まで仲間の為に戦おうとした。

「いってきます 兄さん」

結晶化した自らのイノセンスを飲み込むリナリー

レベル3のAKUMA・エシとの戦いに無事勝利したリナリー。
しかし、この戦闘によってイノセンスはリナリーの命を助ける代わりにまったく機能しなくなってしまった。辿り着いた日本での方舟内でも戦えず、教団が襲撃される事態になるまで長い間戦うことが出来なかった。だが、教団が襲撃されエクソシスト不足に陥ったことから、再度リナリーにイノセンスを適合させる話が浮上した。リナリーを守りたいコムイの引き留めを振り払い、彼女にとってトラウマでもあったルベリエ長官からの指令を受け、仲間を守りたいという思いからイノセンスとの適合をはかろうとした。その時、エシとの戦いで結晶化(イノセンスが黒い四角形の物体になる状態)していたイノセンスを飲み込もうとしながら、最悪の場合死んでしまうかもしれないけれど、笑顔で「いってきます 兄さん」とコムイに言うのだった。

リナリー・リーの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

キャラクター設定

初期の設定では、リナリーの髪型はもともと短髪の予定であったそうだ。作者・星野桂が語るには、リナリーを短髪にしたのは『D.Gray-man』の舞台上、長髪の女性キャラクターが多くなると思われていた為、短髪の美少女が目立つだろうという理由からだった。しかし、担当者であるY氏の助言によって最終的には長髪でツインテールになったようである。また、作者は単行本2巻において、”理想としたモデルがいるが、担当に鼻で笑われたので誰にも口外しない”と発言していて、リナリーが誰をモデルとして作られたのかは明かされていない。ファンの間でまことしやかに語られている考察では、モデルは「作者本人」、「小西真奈美(たまたま描かれた絵が似ていた為)」などではないかと言われていたりするが、真相は定かではない。
さらに、リナリーというキャラクター自体はとても古くから考えられていたようで、アレンよりも前から出来上がっていたそうである。その証拠に、『D.Gray-man』のプロトタイプであり、星野桂のデビュー作である『ZONE』という作品において、アレンとクロスと共にリナリーも登場しているのが確認できる。『ZONE』登場時の髪型は長髪のツインテールで、『D.Gray-man』内での初期のリナリーを彷彿とさせる風貌だった。人種的にも、”日本で育ったが、半分異人”という発言をしており、中国人であるはずのリナリーの設定はこの時ほとんど完成していたようである。そのほか、3サイズは公表されておらず身長と体重のみのプロフィールだが、クロス・マリアンがリナリーに抱きつかれた時に推定「Cカップ」であることが判明した。

キャラクターランキング4位

リナリーは、第1~3回公式キャラクターランキングすべてでずっと4位だった。キャラクターランキングブック「キャラグレ」で、2011年度のキャラクター総選挙でも4位にランクインしており、4という数字に縁があるようだ。

ハートの可能性

リナリーは、黒の教団や千年伯爵、ノアの一族からも「ハート」だと思われている人物である。そもそも彼女が「ハート」だと疑われるようになった原因は、”イノセンスが救命行為をしたから”だった。
クロス部隊に所属していたリナリー達一同は、クロスが向かった先である日本・江戸を目指して航海する。そして、その途中でレベル3のAKUMA・エシと戦うことになる。リナリーは一人でエシと戦い勝利を収めるが、多くの打撃を食らったリナリーはひん死状態に陥ってしまう。ところが、イノセンスが結晶となりひん死状態の彼女を救う行為をした結果、一命を取り止めるのであった。
このような”イノセンスが適合者の命を救う”という行為は今まで起きなかったため、裏歴史を記録し教団の内部事情にも詳しいブックマンさえ驚くほどだった。そのため、この一件からリナリーは「ハート」かもしれないと疑われるようになった。

公式上、上記がリナリーが「ハート」だと思われる理由になっている。しかし、これ以外にもファンの考察や面白い疑惑が2つ存在する。
1つ目は、「結晶型」という点である。元々装備型であったリナリーの「黒い靴(ダークブーツ)」は、イノセンスの救命行為のあと、リナリーの強い意志によって適合を図った際に「結晶型」へと進化している。結晶型だったエクソシストは今まで存在せず、100年もの長い歴史を持つ教団の中で、進化をとげたのは彼女が初めてだった。また、神田が自らの結晶化したイノセンスと適合しようとした時にも、リナリーが関わっていた。結晶になった神田のイノセンスをリナリーが掌で潰してしまい、その掌から液体化したイノセンスを神田が飲み込む、というシーンが描かれていた。”初めて結晶型になったのはリナリー”、”リナリーの掌の中で結晶のイノセンスが液体化した”、という2点から、リナリーにはなんらかの特別な能力があるのではないかと思われる。そして、その特別な力を発揮できるのは「ハート」だからなのでは、とファンの間で考えられているようである。

2つ目は、「不可解な部分が多い」という点である。例えば、「ハート」を守るためだけに存在する自立型イノセンス・アポクリフォスは、アレンが教団によって収監された際に不思議な言動をとっていた。食堂でアレンを心配して食事をしているリナリー含む団員の前を通り過ぎた後、アレンに合体を迫ったアポクリフォス。彼は、「ハートの御方が一番心配していた」とアレンに伝えており、まるでさっき通り過ぎてきた食堂に「ハート」がいるかのような発言をしていた。
さらに、リナリーは両親を幼い頃に亡くしているが、キャラクターブックには「両親をAKUMAに殺される前の記憶は一切ない」とわざわざ書かれている。
それ以外では”単行本8巻までの表紙には伏線が隠されている”という話が存在する。3巻の表紙であるリナリーは小さな花を持ち、体はパズルのピースのような形でボロボロに崩れてしまっている。リナリーが”特別な花を一つだけ持っている”、という構図が「ハート」であることを暗に示しているように見える。同様に単行本7巻では兄であるコムイの表紙もパズルのピースのようになっている。
そして、コムイは赤ん坊を抱えているのだが、その子供からはつぎはぎの縫い目のついた手がはみ出していた。コムイが抱えている赤ん坊は妹であるリナリーだと考えるのが妥当である。単行本7巻の表紙ではつぎはぎの赤ん坊、単行本3巻の表紙では水面に映ったリナリーの影が髑髏になっていることからも、実は彼女は一度死んだ身である、ということを示している可能性も高い。そして、何かの方法をとって生き返らせた為に幼い頃の記憶がないのではないか、とも考えられる。
以前コムイはリナリーが教団にいることを「自分のせいでこうなった」と話していたことがあったため、もしもリナリーが「ハート」なのであれば、コムイが彼女を「ハート」にさせた可能性も否定できない。

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