禪院扇（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

「死滅回遊」の平定に備え、真希は禪院本家に戻ってきていた。自分達の戦力を強化するために、禪院家の忌庫にある呪具を物色しに来たのだ。忌庫とは、危険度の高い呪物や呪具が保管されている蔵のことで、御三家の禪院家であればこれからの戦闘に役立つようなかなり等級の高い呪具があるはずだった。忌庫へ向かう途中、真希は母親である女性に戻るように警告されるがそのまま歩みを進める。しかし真希が忌庫の鍵をあけ扉を開くと、そこに格納されているはずの呪物は一つもなかった。代わりに待っていたのは、父である扇とその傍らで傷を負い地に伏している妹の真依だった。扇はここにやってくるであろう真希を待ち構えていたのだ。

直哉は東京での伏黒恵の暗殺に失敗し、禪院本家に戻ってきていた。そこで直哉は甚壱から扇の立てた企てを聞かされる。それは渋谷事変後に呪術界上層部から出た通達を利用して、禪院家次期当主の伏黒恵と真希、真依姉妹を殺すというものだった。
呪術界上層部は渋谷事変後全部で五つの通達を出した。そのうち「二、五条悟を渋谷事変共同正犯とし、呪術界から永久追放。かつ封印を解く行為も罪と決定する」というものがある。扇は伏黒恵、真希、真依が五条悟の封印を解こうとしており、呪術界に逆らったためこれを誅殺するというもっともらしい筋書きを描き、自分達の邪魔な人間を一気に殺すことを決めたのだ。娘の真希と真依も殺したほうが、呪術界に説明する時に説得力が増すと直哉は解釈したが、そもそも扇にとって真希と真依は最初から邪魔な人間だったのだ。

扇は兄の直毘人が当主に選ばれた時、真希と真依という不出来な子供を持ってしまったことで自分が選ばれなかったと思っている。実際禪院家の中で陰口を言われたり、真希と真依のせいで甥である直哉にも馬鹿にされたりしてきた。扇にとって真希と真依は人生最大の汚点。その汚点を拭う（殺す）ことができるなら、それは願ったり叶ったりだったのだ。

扇は呪具・竜骨（りゅうこつ）を持つ真希と対峙し、腰に差した刀に手をかける。真希は扇の居合勝負に乗ったと見せかけて竜骨の効力を使って一気に勝負を決めようとした。竜骨は刃に受けた衝撃と呪力を蓄積し、使用者の意図に沿って峰に付いた噴射口からそれを噴出することができる呪具だ。つまり真希の力に竜骨の力を上乗せして刀を振ることができるのだ。

対する扇は御三家に伝わる秘伝「落花の情（らっかのじょう）」を発動させる。「落花の情」は対領域用の技で、相手が発動した必中効果のある術式に触れた瞬間、自身のまとった呪力を解放。これによって迎撃するというものだ。扇はこれを居合に転用し、真希の技が自分のまとう呪力に触れた瞬間に渾身の一撃を放った。真希はこれをなんとかかわし、竜骨から呪力を噴出させて扇の刀に振り下ろす。その力に耐えられず扇の刀は刀身の半ばで真っ二つに折れ、切っ先はどこかに弾き飛ばされた。そして真希が扇の背後に回り込み、トドメをさそうとしたその時。真希は折ったはずの扇の刀に斬られていた。何が起こったかわからない真希はその場に倒れる。そんな真希に扇は、「何故私が当主になれなかったか…それは子供のオマエ達が出来損ないだからだ…！！」と言い捨て、涙を流した。

扇は真希と真依を引きずり運び、とある部屋へと放り込む。そこは訓練と懲罰に使われるという部屋だった。部屋には二級以下の無数の呪霊が飼われており、扇の力に怯えて部屋の柱の影から出てこようとしない。しかし扇がその場を離れた瞬間、呪霊達は瀕死の真希と真依を襲い始めるだろう。扇は実の娘である真希と真依に「さらば、我が人生の汚点。」と言い残してその場を去った。

しかし部屋から数十歩離れたところで、部屋にいたはずの呪霊達の気配が突如として消えた。扇はその異変に身構え振り返り、部屋の奥を見据える。部屋からは異様な気配が溢れ出し、扇の体にいつか味わった恐怖が蘇る。部屋の入り口に立っていたのは真希だった。その真希に扇は、かつて禪院家の血を持ちながら呪力を持たず蔑まれていた甚爾の姿を重ねる。その瞬間扇の体に言いようのない恐怖が駆け巡り、扇は咄嗟に術式解放「焦眉之糾」を発動していた。折れた刃を炎のような呪力で型取り、剣を構える扇。扇は過去の恐怖を断ち切るために、自分に言い聞かせるように「いいだろう！！今一度この手で骨の髄まで焼き尽くしてくれる！！」と真希に叫ぶ。そして「来い！！！出来損ない！！！」という言葉を口にしたのと同時に、扇の顔面は横一線に真っ二つになり絶命した。

禪院扇の関連人物・キャラクター

禪院真希（ぜんいんまき）

呪術高専東京校の二年生。扇の娘、長女。
御三家・禪院家という呪術のエリート家系に生まれた身でありながら、呪力をほぼ持たずに生まれた。呪いも見えないほどの微弱な呪力しかないが、それは「天与呪縛（てんよじゅばく）」と呼ばれる先天的な「縛り（しばり）」の影響だった。呪力をほぼ持たない代わりに驚異的な身体能力を持つフィジカルギフテッドという能力を持っているが、禪院家では術式を持たない人間は日陰者と扱われるため、幼い頃から蔑まれて育った。そのため禪院家が大嫌いで、父である扇にも敬意など微塵もない。禪院本家の忌庫で対決する時は扇に「何故前当主が私ではなく直毘人（あに）だったか、知っているか？」と問われるも、「テメェが子供を殺せるクソ野郎だからだろ。」と即答している。
扇から見た真希はただの出来損ないの娘で、自分の人生の汚点でしかない。そのため真希は渋谷事変後の呪術界の混乱に乗じて扇に殺されそうになる。しかし双子の妹の真依の死と引き換えに力に覚醒。扇の顔面を真依が構築術式で残した刀で横真っ二つにして殺した。

禪院真希（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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禪院真希（ぜんいん まき）とは、『呪術廻戦』の登場人物で、東京都立呪術高等専門学校で呪術師を目指す主人公虎杖悠仁の先輩。
気風の良い姉御肌の少女。口は悪いが判断力と行動力に優れ、仲間たちから頼りにされている。呪具を用いた近接戦闘を得意とし、その実力は二級相当の呪霊を軽く祓うほど。
呪術師の名門禪院家の血筋ながら、生まれつき呪力を持たない“天与呪縛”という特殊な体質の持ち主。このため実家から疎まれており、彼女が呪術師を目指すのもこれを見返すことが目的である。双子の妹の真依とは愛憎半ばする間柄。

禪院真依（ぜんいんまい）

呪術高専京都校の二年生。扇の娘、次女。
双子の姉である真希同様、御三家・禪院家という呪術のエリート家系に生まれた身でありながら、その血に見合わないほど呪力が引く、また生来の術式（生得術式）も持っていなかった。姉妹校交流会では「構築術式」を使用しているが、この術式がいつごろ発現したのか、禪院家は、扇は、真依の術式のことを知っているのかは不明である。真希と一緒に幼い頃は禪院家の中で肩身の狭い思いをしていたが、禪院家で適当にこき使われて適当に生きることを悪くは思っていなかった。
しかし真希が呪いが見えない身でありながら呪術師を志し、禪院家を出たことから妹である真依もそれを強要されることになる。真依は呪術高専京都校に進学し、大嫌いな痛い思いや怖い思いをしながら、やりたくもない努力を続けるが、次第に自分がこんなふうに生きなくてはいけなくなった原因・真希を恨むようになった。
真希が禪院本家の忌庫に行く前に既に乗り込み、扇に重症を負わされた。その後真希も扇に重症を負わされ、二人一緒に死ぬところだったが、真依は心の奥底では慕っていた真希を助けるために自身の限界を超えて「構築術式」を使用。一振りの刀と「全部壊して。全部だからね、お姉ちゃん。」という呪いを真希に残して死亡した。

禪院真依（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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禪院真依（ぜんいんまい）とは、集英社の『週刊少年ジャンプ』の芥見下々によるダークファンタジー・バトル漫画『呪術廻戦』の登場人物。呪霊と呼ばれる人間の負の感情から生まれる化け物・呪霊を祓う能力（術式）を持った呪術師と呼ばれる人間の一人だ。
自分のもとを去った双子の姉である禪院真希（ぜんいんまき）のことを恨んでいるが、心の底では慕っている節が要所要所で垣間見える。渋谷事変後の呪術界の勢力争いの中で姉妹そろって、死の淵に追いやられた際、真希を助けるために死亡した。

妻（真希と真依の母親）

扇の妻、真希と真依の母親。名前、年齢、出自、経歴などは一切不明。
本編では扇、真依との絡みはないが、扇や他の禪院家の人間の真希と真依への態度からして、禪院家では身の置き所がなかったのではないかと推測される。出来損ないの、しかも凶兆とされる双子を産んだことで相当苦労をしたことが見てとれ、忌庫に真希には「一度くらい産んで良かったと思わせてよ…真希。」と言い放っている。
真依が死んだことで覚醒した真希が禪院家の人間を皆殺しにする際に、台所にいたところを真希に襲われる。真希は少しだけ会話を試みたが、母親である彼女は拒むばかりで最後までまともな会話ができない状態だった。真希に重症を負わされた後は、瀕死の状態の直哉のもとまで行き、その背中に刃物を突き立てる。直哉はそのまま死亡したと思われ、彼女自身もそのまま絶命した。最後は先程紹介した「一度くらい産んで良かったと思わせてよ…真希。」とは対照的に、「あ゛ぁ……産んで……よかった……。」と呟き、花畑の中で幼い真希と真依が遊んでいるのを見守る情景が描かれた。真希や真依のおかげで自身も禪院家に復讐できたことを喜んでいるのか、はたまた死によって全てから解放されたことへの感謝なのか、この「産んでよかった」という言葉に真意は謎のままである。

伏黒恵（ふしぐろめぐみ）

呪術高専東京校の一年生。禪院直毘人の遺言状の但し書きにより、第27代目の禪院家の当主に就任した。
禪院家の血を持つ伏黒甚爾／禪院甚爾を父に持っており、禪院家の外で生まれ育ちながらも、本家の人間と遜色ないほどの才能や実力を持っている。本編で扇との直接の絡みはないが、幼い頃に五条悟に連れられて禪院家に足を運んだことがあり、その時に真希や真依とは会っているようなので、扇と面識はあったのかもしれない。
本人は禪院家絡みのことは面倒で、当主に任命されたと真希に聞かされた時は心底嫌そうな顔をしてこれを拒否。すぐさま真希に譲ろうとしたが、真希は自分の実力ではまだダメだと突き返す。
「死滅回遊」に義姉の伏黒津美紀（ふしぐろ つみき）が巻き込まれる前に事態を収束させようと動いており、真希が禪院本家の忌庫から呪具を持ち出した後は合流する予定だった。真希が禪院家の人間を皆殺しにしたことや真依が死亡したことを知っているかどうかは不明である。

伏黒恵（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）は、『呪術廻戦』の登場人物で、呪術の名門禪院家の血筋を引く麒麟児。東京都立呪術高等専門学校の一年生にして二級呪術師の資格を有し、主人公虎杖悠仁とはクラスメイト。
一見するとクールで真面目な優等生ながら、内には激しい情動を秘める。善人だった姉が呪いによって倒れたことが呪術師を目指す動機となっており、最強の呪術師五条悟に師事する。自身を救うために特級呪霊両面宿儺の宿主となった虎杖を庇い、彼の善性と呪術師としての潜在的な才能を信じて、宿儺の力を求めるあまたの敵と戦っていく。

禪院直毘人（ぜんいんなおびと）

扇の二番目の兄。第26代目禪院家の当主。呪術師等級は特別1級術師。
71歳という老齢でありながら、それを感じさせないバイタリティを持つ老人。いつも着物を着ており、当主としての威厳も十分の、武人肌で豪放磊落な好漢。ただ任務に酒を持ち込むなど不真面目な側面もある。術式「投射呪法（とうしゃじゅほう）」の使い手で、見たり触れたりした対象を二次元フレームに捕縛し、フレームを破壊しつつ対象に攻撃をする。この術式を用いた直毘人は五条悟を除く呪術師の中で最速と呼ばれ、息子の直哉もこの術式を受け継いでおり使用できる。

渋谷事変では招集がかかり、東京へ出向。事態平定のために真希、釘崎野薔薇（くぎさき のばら）と最初はチームを組んで行動していた。その後野薔薇は別行動、代わりに一級呪術師・七海建人（ななみけんと）と三人で動くことになる。その最中、人々の水や海に対する恐れから発生した特級呪霊・陀艮（だごん）と戦闘になり、最初は有利だったが堕胎した陀艮に領域に引きずり込まれる。陀艮の領域「死累累湧軍（しるるゆうぐん）」内での戦闘で、秘伝「落花の情」などを用いて対応するが、右腕を失う重症を負う。その後紆余曲折を経て陀艮の領域から脱出することができたが、今度は人々の大地に対する恐れから発生した特級呪霊・漏瑚（じょうご）に遭遇し全身を焼かれた。
渋谷事変後、生死をさまよった果てに死亡。扇、甚壱、直哉に遺言を残していたが、これに納得がいかなかった3人が私欲のために動いた結果、禪院家は滅ぶ結果になる。