サイン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイン』とは2002年に公開されたアメリカのSFサスペンス映画。一時期大きな話題となったミステリーサークルの謎を題材にした映画で、宇宙人襲来のパニックを描きつつ、ある家族の再生と主人公の信仰心を扱った異色作。妻の不慮の死で信仰心を失った男グラハムの営む農場に、ある日突然ミステリーサークルが出現する。それと共に世界中でUFOや宇宙人が目撃。人々は宇宙人の襲来から神の啓示によって救われるのか、それともただの不幸な出来事となるのか。宇宙人から家族を守る鍵はなんとグラハムの信仰心だった。

トレーシー(演:メリット・ウェヴァー)

吹き替え:阿部桐子(ソフト版)/横尾まり(フジテレビ版)

街の薬局に勤める女の子。
街を訪れたグラハムは、モーガンの喘息の薬を処方してもらうためにこの薬局に立ち寄った。
UFOの襲来に怯えたトレーシーは、いきなり泣きながらグラハムに懺悔をし始める。
もう牧師ではないグラハムは、この懺悔に辟易としてしまう。

カニンガム(演:テッド・サットン)

吹き替え:稲葉実(ソフト版)/堀井真吾(フジテレビ版)

街にある軍の事務所で働く男。
メリルは街を訪れた際、入隊案内のパンフレットを貰うためにこの事務所に立ち寄った。
カニンガムはメリルに、UFOの襲来は偵察という軍事行動だと主張する。

ライオネル(演:ライオネル マイケル・ショーウォルター)

陸軍の事務所でメリル(中央)をバカにするライオネル(左)

吹き替え:川本克彦(ソフト版)/あご勇(フジテレビ版)

近所の農場主の息子。
兄弟で悪戯ばかりしている村で有名な人物である。
街にある軍の事務所で偶然メリルに会い、「マイナー・リーグの三振記録保持者」とメリルを小ばかにする。

ラジオ番組の司会者(演:ホセ・L・ ロドリゲス)

吹き替え:相沢正輝

宇宙人から逃れ、ヘス一家が避難していた地下室で聞いたラジオ番組の司会者。
宇宙人が撤退し始めたことなどを伝える。

宇宙人

目撃された宇宙人のニュース映像

侵略を目的として地球に襲来してきた。
事前に田畑などに目印となる幾何学模様を描き、それを地図として続々とUFOがやってきた。
UFOは高度な技術で作られており、透明のシールドで覆われ防御している。
身長が2m近くある巨体だが、全体的にスリムな印象である。
屋根から地上まで一瞬で移動できるという、オリンピックの高跳び選手並みの能力がある。
容姿は全体的に爬虫類のような姿で、カメレオンのような擬態能力があり、周囲と同化できる。
「ケロロッ」「ピロロッ」という、カエルとも鳥ともつかないような鳴き声を出す。
手の爪から毒ガスを出すという特殊能力があるが、水に弱いという意外な弱点を持つ。

『サイン』の用語

サイン

グラハムの畑に現れたサイン

畑などに突然現れる大きな幾何学模様。
実際に1980年代に謎の現象としてイギリスを中心に突如数か所に出現し、ミステリーサークルと呼ばれた。
田畑の穀物の一部が倒され、上空からみると円形が組み合わさったような形状に見える。
宇宙人説やいたずら説、超常現象説などが浮上した。

今作では世界で同時多発的に発生し、インドでは72時間で18件報告されている。
それは宇宙人が襲来するための地図のような目印(サイン)であった。
またグラハムは神の啓示をサインとも表現している。
シャマラン監督自身も本作のタイトル『サイン』には二種類の意味合いが込められていると語った。
1つは宇宙人襲来を予感させる「前兆」であり、もう一つは神の「啓示」という意味でサインというワードを使っている。

ベビーモニター

宇宙人の交信をベビーモニターでキャッチしようとするモーガン(右)

乳幼児が発した音をリモートで聞くことが出来るラジオシステム。
モニターを乳幼児の近くに配置すると、離れていても親は受信機で子どもの様子がわかるというベビーグッズとして使われる。
モーガンは警官であるキャロラインの無線機を真似て、ベビーモニターをおもちゃにして遊ぶ。
このベビーモニターが偶然にも宇宙人の交信を拾ったり、地下室に避難している時に表の様子を探るために使うなど、今作で頻繁に登場する。

ビンブー博士

ビンブー博士の教えに従って銀紙で出来た帽子を被るモーガン(左)メリル(中央)ボー(右)

異端科学者グループのメンバーで、宇宙人に関する本を出版している人物。
モーガンがこの本を街の本屋で買い求め、宇宙人について学ぶ。
この本によると「宇宙人が地球に来る目的は2つ。宇宙に関する知識を深め、更に探索を進めるため。もう1つの目的は侵略」だと書かれていた。

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