涅マユリ（BLEACH）の徹底解説・考察まとめ

涅マユリのプロフィール・人物像

性別：男
一人称：私
所属：護廷十三隊十二番隊隊長・技術開発局二代目局長
身長：174cm
体重：54kg
誕生日：3月30日
斬魄刀：疋殺地蔵（アシソギジソウ）
隊花：薊（アザミ）
羽裏色：木賊（トクサ）
好きな食べ物：サンマ
嫌いな食べ物：ネギ

涅マユリ（くろつちまゆり）とは週刊少年ジャンプで2001年から2016年まで連載していた『BLEACH』の登場人物。
護廷十三隊十二番隊隊長であり、技術開発局二代目局長も兼任している。
隊長服の羽裏色は木賊色（茎のような青みがかった濃い緑色）をしており、羽織は袖のあるタイプ。
容姿は白い肌に奇抜な黒い化粧を施したような姿で、髪型も特徴的だ。耳と顎は特殊なパーツに改造されており、右手中指の爪だけが不自然に長いことが特徴的である。
自身の肉体の改造を行っており、筋肉や内臓、歯から骨に到る細部に武器や仕掛けを組み込んでいる。改造の度に見た目も変化している。

隊長として理知的に隊をまとめているが、その本性はかなりのマッドサイエンティストである。科学者という性分のせいで歯止めが利かないことも多く、研究や実験を好む強い好奇心の持ち主である。
中でも人体実験を好んでおり、敵として戦う相手を実験材料として認識している。

他の死神との仲はあまり良好ではないようで、なぜか更木剣八とは行動を共にする機会が多くあるが終始険悪になる。

マユリは目的のためには情に左右されることがないため、自隊の隊士すら平気で捨て駒として利用したりもする。
尸魂界篇では旅禍の情報を教えようとしない護廷十三隊十一番隊第三席の班目一角（まだらめいっかく）を独断で処刑しようとした。非倫理的な面が多くみられるマユリだが、破面篇以降では冷静に物事を判断し、有益な情報や助言をする場面が増えている。

また、尸魂界内で発売されている瀞霊廷通信内では実験レポートを掲載するコーナー「脳にキく薬」を連載しており、読者からファンレターが送られるほど支持されている。

涅マユリの能力

マユリの身体には多くの改造が施されている。筋肉や内臓をはじめとし、歯から骨に到る細部までに様々な武器や仕掛けが隠されている。
「補肉剤（ほじくざい）」という失った肉体を再生させる薬を持っている。
この薬により、鬼道を使わず肉体の再生・補助や解毒などが行える。つまり、場所を選ばずに即時・即効性のある高位の治療が可能ということだ。隊長格の中でも治療行為が可能なのは護廷十三隊四番隊の「卯ノ花烈（うのはなれつ）」とマユリのみ。

見た目のイメージ通り、マユリ自身の戦闘能力はそこまで高いとは言えない。事実『BLEACH OFFICIAL BOOTLEG カラブリ+』でのステータス表示では鬼道（きどう）・霊圧（れいあつ）が100あるものの他の数値は低めだ。
では、マユリの強さ・能力とは何か。それは、護廷十三隊のなかでも優秀な頭脳の持ち主で、周囲の状況や敵の情報を観察・分析し、打開策を持ち出せる手札の多さである。
そのため、マユリの戦闘のほとんどが相手の手の内を調べて万全の対策をしたうえで赴くため勝率が高い。
戦闘においては用心深く、用意周到なマユリは、自身の斬魄刀である「金色疋殺地蔵（こんじきあしそぎじぞう）」の毒の配合を毎回変えたり、一度戦った相手に監視用の菌を感染させたりもしている。
自分が死なず邪魔者を倒せればそれで良いという考えの立ち回りのため、パワーで押し切る更木剣八など、他の隊長格に比べると純粋な戦闘力は低いといえる。

マユリは斬魄刀の研究にも力を入れており、研究のために全隊士の卍解を全て把握している。

斬魄刀「疋殺地蔵（あしそぎじぞう）」

マユリの斬魄刀の名は「疋殺地蔵（あしそぎじぞう）」という。解放状態になると金色の三本分かれた歪んだ刀身になる。その根元に赤子のような顔が浮かんでいる。刀の鞘は破面篇までは普通であったが、千年血戦篇以降は手術痕のある臓物のような形状になっている。
携帯時、鞘は股間の辺りに下げている。
千年血戦編では改造されセンサーが付いて自動で相手の剣を受け止めるようになった。
そのセンサーは自身の周囲2尺以内に侵入した刃に対して常時60度以上の角度をつけて自動的に接触するように設定されているため、修業を積んできた護廷十三隊十番隊隊長の日番谷冬獅郎（ひつがやとうしろう）の攻撃をも防いだ。

涅マユリの必殺技

始解

斬魄刀にはそれぞれ解号があり、それを持ち主が詠唱することで能力を開放する。
疋殺地蔵の始解の解号は「掻き毟れ（かきむしれ）『疋殺地蔵』」。
能力は斬りつけた相手の脳から出る信号のうち「四肢を動かせ」という命令のみを検出して遮断し、四肢の動きを封じるというものだ。
麻痺とは異なり、痛みはまったくない。斬られた傷を治癒させても、四肢の動きを封じる効果は消えないのが厄介なところである。
その能力を利用して例えば敵に操られた味方の動きを止めるという使い方もできるため、典型的な攻撃型の斬魄刀とは言い難い。

疋殺地蔵・恐度四（あしそぎじぞう・きょうどよん）

「疋殺地蔵」の左目を指で押し潰し、その泣き叫ぶ声を四秒聴いた者を全身麻酔により麻痺させる。いわばマンドレイクのような効果である。
マユリ本人やネムを除く、周囲に複数いる人物にも有効な技である。しかし対処法は簡単で単純に耳を塞げば逃れることができる。元々耳や聴覚といった器官がない者には無効化される。千年血戦篇では星十字騎士団（シュテルンリッター）の中でも零番隊とも渡り合える実力を持つ四人の親衛隊の一人ペルニダ・パルンカジャスには効いた様子はなかった。

卍解 金色疋殺地蔵（こんじきあしそぎじぞう）

卍解すると、鞘からイモ虫のような身体に赤子のような頭を持つ巨大な生物を召喚する。
能力は、周囲100間（約182メートル）にマユリ自身の血から生成された致死毒を撒き散らすというもの。あたり一面が紫色の毒の靄で覆われる。この毒はマユリの血から生成されているため、マユリ本人とマユリと同じ血を持つ涅ネムには効果がない。抗体を作らせないため、毒の配合は毎回変えている。
赤子の巨大生物の胸部からは無数の刃を生やして攻撃することが可能。図体がかなり巨大なためそのまま押しつぶす、毒を撒きながら相手を追い詰める、などの攻撃方法も可能。また、敵をそのまま捕食することもできる。

マユリの卍解は他の卍解と異なり、マユリ自身によって改造が施されている。
例えば敵に操られるような場面も想定し、マユリを襲うことがあれば自動的に消滅する仕組みになっている。これは卍解時の破損対策も兼ねている。よってマユリは卍解なしでも戦える斬魄刀の持ち主といえるだろう。
また、金色疋殺地蔵は、他の卍解と違って歴代の「眠号（ねむりごう）」の研究を重ねた結果生み出したものであるということが、十二番隊副隊長兼技術開発局に所属する「阿近（あこん）」の口から語られている。
また眠号とはマユリが被造死神の到達点を目指す「眠（ねむり）計画」の中で作った人工魂魄のことで、十二番隊副隊長のネムはその成果物である。

改造卍解 金色疋殺地蔵・魔胎伏印症体（こんじきあしそぎじぞう・またいふくいんしょうたい）

ペルニダ戦で使用。名前の元ネタはおそらく旧約聖書の『マタイ福音書』からとされている。
金色疋殺地蔵の「改造卍解」とマユリ自身が話している。見た目は浅黒い肌と臨月のような腹部に、帝王切開を思わせる傷跡と「伏」の文字が刻まれた姿をしている。
能力も元の卍解とは異なる仕様に改造されており、その能力は「マユリが交戦して得た情報を送り込むことで、その情報を基に新たな疋殺地蔵を産み落とすこと」である。能力を発動するには斬魄刀の鍔の部分にあたる突起物を掌で握り潰す必要がある。
ペルニダ戦では能力を完全に打破するために七万もの剥き出しの神経層をもつ、黒い両目に体の各部が筋張った姿の疋殺地蔵を造り、ペルニダの神経攻撃を事実上無力化して捕食することに成功する。しかし分析時点で未解明だった能力がマユリの想定範囲を大きく上回ったため思うような成果は得られず、相手の能力を取り込むというペルニダの能力により、疋殺地蔵を丸ごと飲み込まれ、能力も取り込まれてしまう結果となった。

虫喰玉（むしくいだま）

バレーボール大の霊弾を飛ばし爆発させ、球状の被害を与える技。

贋膚（にせはだ）