怪獣8号(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『怪獣8号』とは、『少年ジャンプ+』で2020年より連載している松本直也による漫画作品。シン・ゴジラやパシフィック・リム等の怪獣を自然災害に暗喩した作品の系譜にある。怪獣の発生する世界で、怪獣から国を守る防衛隊に入る事が叶わずに怪獣の死体清掃の仕事を続ける主人公・カフカが、もう一度防衛隊を目指そうと決意するも、謎の小型怪獣に体内へ侵入され、人知を超えた怪獣の力を手にする。「怪獣8号」と呼ばれるようになってしまったカフカがその力と怪獣の知識を駆使して、怪獣に立ち向かっていくバトル漫画である。

怪獣の姿で、怪獣に襲われる親子を助けた後に「俺やっぱ諦めない アイツの隣に行かなきゃなんねぇ」と言ったカフカ。怪獣に変化したことで防衛隊員になる事はやはり無理なのかと諦め掛けた後の言葉で、折れかけた心を奮い立たせた事が伝わってくる。

四宮 キコル「誰かがコイツ足止めしないと 何人も死ぬじゃない」

深傷を負いながらも強い意志を見せるキコル

キコル自身が入試試験で討伐した大型怪獣が蘇生してしまうが、「誰かがコイツ足止めしないと 何人も死ぬじゃない」と再び怪獣に対峙したキコル。退避命令が下され、周りの受験生が退避する中、「完璧であらねばならない」という気持ちと、人を助けるという気持ちの強さが現れている。

日比野 カフカ「夢を追うってのは 一番譲れない大事な物で毎分毎秒誰かに負け続ける事なんだ」

共に入院するレノに語るカフカ

試験後、入院している時に「夢を追うってのは 一番譲れない大事な物で毎分毎秒誰かに負け続ける事なんだ」とレノに語るカフカ。夢を追う事を一度は諦めたカフカの気付きと、そんな中でも諦めずに追い続けるべきだという気持ちが伝わる。

市川 レノ「俺のなりたい隊員はこんな時 仲間の為に体張れる男だ」

強敵相手に自分を奮い立たせるレノ

怪獣9号から伊春を逃がした後、「俺のなりたい隊員はこんな時 仲間の為に体張れる男だ」と1人怪獣に立ち向かうレノ。清掃業者でのアルバイト時、カフカに助けられた事を思い出しながら、いつの間にか自分の目標となっている事を確信する一言である。

保科 宗四郎「1%位は期待しといたる」

少しずつカフカへの信頼を深める保科

カフカが正式に防衛隊員となった後、後押ししてくれたのが保科であると知り、お礼を言いに行った時に言われた「1%位は期待しといたる」。解放戦力としては1%で全くと言っていい程戦力にはならないが、これまでのカフカなりの戦い方や気持ちを知り、正隊員へ後押しした保科としての期待を込めた一言である。

市川 レノ「どうか無茶なことはしないで 正隊員になったんですから仲間を信じましょう」

まるでカフカの気持ちを察したように、通信で思いを伝えるレノ

怪獣が基地への奇襲を仕掛けてきた際に非番の隊員が次々と駆け付け始め、状況を覆し始めた時に「どうか無茶なことはしないで 正隊員になったんですから仲間を信じましょう」と言葉を掛けるレノ。これまで危機が訪れると怪獣8号となって戦って来たカフカへ、力があるからと全て背負おうとしなくていいと言う気持ちが篭っている。

東雲 りん「私の誇り」

大泉エリアに出現した識別怪獣に成す統べもなく主力隊員がやられていく中、恐怖に囚われ絶望していた東雲。本部からの指示に奮起して怪獣に立ち向かうが、あっさりと返り討ちにあってしまう。圧倒的な戦力差に心が折れそうになった時、彼女の頭に浮かんだのは鳴海を振り向かせたかったという思いだった。彼に認められるためだけに努力を続けてきたのだ。その鳴海から小隊長に任命されたことを「私の誇り」と言い、勝てないことは分かっていても再び識別怪獣に立ち向かっていく。鳴海への想いが込められているだけでなく、絶望的な状況でも誇りをかけて戦おうとする東雲の姿に心が動かされるセリフである。

日比野 カフカ「お前を信じる」

識別怪獣が同時に出現し、各地域を襲撃。隊長・副隊長クラスでも苦戦する中、「怪獣9号に狙われている」という理由で、出撃を許可されないカフカ。しかし次々と隊員がやられていくのを目にした彼は意を決し、変身。各地で戦う仲間と強大な敵の気配を感じ、キコルが窮地に立たされていることに気付く。以前、どんな強敵も必ず自分で倒すと決意していた彼女の姿を思い出したカフカは「お前を信じる」と通信機を通してキコルに告げた。この言葉によって精神攻撃を受けていたキコルもまた、戦意を取り戻す。仲間を信じるカフカの心の強さが感じられる名言である。

四ノ宮 キコル「ありがとう15号 私の弱さを突いてくれて」

キコルにとって怪獣15号との戦いは、自分自身との戦いでもあった。

15号から精神攻撃を受けた際、自分の努力を認めてくれる両親はいなくなり、頑張ることに意味があるのか分からなくなっていたキコル。その時に耳に届いたのは、仲間を助けるために立ち上がったカフカの声だった。それをきっかけに戦意を取り戻したキコルは、今は仲間のために胸を張れる自分でいたいと覚醒し、15号に猛攻を仕掛ける。「ありがとう15号 私の弱さを突いてくれて」と呟くと、隊式斧術6式達磨落十段で敵を討伐した。弱さを受け入れたことで、もっと強くなれた。キコルの成長を感じさせるセリフである。

四宮 キコル「私がアンタの分も9号をぶん殴ってきてあげる」

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