麻倉葉(シャーマンキング)の徹底解説・考察まとめ

麻倉葉とは、『シャーマンキング』の主人公で、「なんとかなる」が口癖の心優しいシャーマンの少年。侍の霊・阿弥陀丸を相棒に、「楽に生きられる世界」を作るため、500年に一度行われるシャーマンの頂点を決める戦い「シャーマンファイト」に参加する。人類滅亡を目論む宿敵にして兄・ハオを止めるべく奔走する。争いごとを好まない穏やかな性格で、特に人殺しは決して許容しない。多くの出会いと戦いを通して成長し、自分の行いの結果を受け止める覚悟を持つようになる。

シャーマンファイト第一次予選 ホロホロ

シャーマンファイト第一次予選、葉の相手はホロホロという少年だった。彼は大地の精霊「コロポックル」のコロロを持霊とし、雪や氷を操るアイヌのシャーマンだ。ホロホロがシャーマンキングを目指す目的は、広大なフキ畑を作ること。コロポックルとは「フキの葉の下の小人」という意味で、人間たちの土地開発を受けてその住処は激減し、絶滅の危機に瀕している。ホロホロは友達の一族を救うためにシャーマンファイトに参加したのだった。
ホロホロの事情を聞いた葉はいたく感動し、自分がシャーマンキングになったらホロホロの夢を叶えてやると請け負う。
互いの実力が拮抗し、互角の戦いとなるが、ホロホロの巫力(ふりょく/シャーマンのエネルギー)切れで試合は葉の勝利となる。
ホロホロは葉の優しい心やシャーマンとしての実力を認め、ふたりは友情を結ぶのだった。

シャーマンファイト第二次予選 ファウストVIII世(はっせい)

シャーマンファイト第二次予選、葉の対戦相手はドイツからやってきた医師兼ネクロマンサーのファウストVIII世。ネクロマンサーとは死体に魂を呼び戻して使役するシャーマンの呼び名だ。かつてこの世の全ての知識を得るために悪魔と契約したと言われているヨハン・ファウストの子孫である彼は、最愛の妻を強盗に殺されたことで正気を失い、医師としての好奇心の赴くまま殺人をも厭わない狂人となってしまった。
シャーマンキングとなって妻エリザを蘇らせることを目的とするファウストVIII世は、葉を見守るために試合に居合わせたまん太を「歳の割に小柄すぎるので肉体の構造が気になる」という理由で生きたまま切り開き、重傷を負わせてしまう。激怒した葉は冷静さを失って巫力を消耗し、圧倒的不利な状況に追い込まれる。しかしファウストの使役するエリザを「ただの人形」と呼んで挑発し、激昂させることで巫力のコントロールを失わせ、エリザの骨を破壊することに成功する。だがそこで葉の巫力は尽き、試合はファウストの勝利となった。

シャーマンファイト第三次予選 道蓮(タオ レン)

宿命のライバル、蓮のO.S.。

シャーマンファイトの予選は二戦勝つことで本戦に出場することができるルールだ。ファウストに敗北したために後がない葉の最後の対戦相手は宿敵、蓮だった。
まん太を巻き込んでしまった葉は二度と友達を傷つけないために、出雲の実家に戻って巫力を上げる修行に励み、蓮との勝負に挑む。
巫力・技術共に突出した蓮だが、何度大技を叩き込んでも平然としている葉に精神を揺さぶられる。「何があっても揺らがない」という、風や水のような葉の心の強さに、破壊することでしか自分を証明できない自分は決して勝てないと蓮は悟るのだった。
しかし両者同時に巫力が切れたことで試合は引き分けとなり、運営委員のパッチ族の判断で両者共に予選通過となった。

アメリカの旅

本戦を目前に、葉を始めとするシャーマンファイトの参加者たちはアメリカ大陸のど真ん中に置き去りにされてしまう。3か月以内に国内のどこかにあるパッチ族の村へ辿りつけなければ失格という条件の元、仲間たちと共にあてもなくアメリカを彷徨うことになる葉。パッチ族の情報を集める中で、500年前のシャーマンファイトにパッチ族の一員として現れた「ハオ」という男が、優れたシャーマンだけを残して人類を滅ぼすという野望を持っていたことを知る。そして転生したハオは野望の実現のため、今回のシャーマンファイトにも参加しているのだった。
ハオに殺された両親の仇を取ろうとする少年・リゼルグとの出会い、ハオの手下との戦闘、ハオを倒すために結成された組織「X-LAWS」との接触など、ハオという存在を嫌でも意識させられながら葉たちはパッチ族の村に辿りついた。

シャーマンファイト第一次トーナメント

シャーマンファイトのトーナメント戦は3対3のフリーバトルだ。葉は東京で知り合った竜と予選で戦ったファウストの2人とチームを組み、試合に挑む。
第一戦の相手は北国のシャーマンのチーム「ICEMEN」。シャーマンとして相当な実力とセンスを持つ相手だったが、かつてハオが麻倉家に残した巫術書「超・占事略決(ちょう・せんじりゃっけつ)」をマスターした葉はO.S.「スピリットオブソード」と全てを受け流す巫力で圧倒的な実力差をつけ、勝利する。

恐山ル・ヴォワール

ねこまたのマタムネと共に、アンナを救うべく大鬼と対峙する葉。

10歳の頃の葉が、麻倉家に仕えるねこまたのマタムネと共に、祖母の弟子にして許嫁候補の恐山アンナに会いに行く。
アンナは生まれつきの霊能力の高さから人の本心が嫌でも見えてしまい、その恐れと恨みから鬼を生みだしてしまう業を背負っていた。誰にも心を開こうとしないアンナだったが、葉はアンナが好きで鬼を生んでいるわけではないことを理解し、ふたりで初詣に行こうと誘う。しかし、初詣の人込みで人間の欲望や妬みが大量に集まってしまい、アンナはこれまでとは比べ物にならないほど巨大な大鬼を生みだしてしまう。
ハオの莫大な巫力でこの世に残されたO.S.であるマタムネは、この世から消えることと引き換えに葉に力を貸し、大鬼を打ち倒す。
自身の恐怖を乗り越えたアンナは葉をシャーマンキングにすることを決め、葉はいつかシャーマンキングになってマタムネと再会することを誓うのだった。

ゴーレム

葉の仲間のひとり、コメディアン兼シャーマンのチョコラブは、3年前強盗だった。そのとき殺したひとりの男の子ども達が、シャーマンとしてシャーマンファイトに参加していた。巫力で動く兵器・ゴーレムを操る子ども達、ルドセブとセイラームは復讐のためにチョコラブを殺してしまう。その直後、チョコラブを追ってきた葉がゴーレムとの戦いを通して説得することでルドセブを止めることができたが、セイラームはルドセブすら知らずにいたゴーレムの力を使い、葉に重傷を負わせる。
さらにゴーレムの持つ巫力を狙ってハオと手下たちが現れるが、蓮やホロホロ、リゼルグの助太刀で窮地を切り抜ける。葉のスピリットオブソードにかつて共に過ごしたマタムネを思い出したハオは、多くを語らずにその場を去った。

地獄修行

ハオを止める戦士となるため、神クラスのシャーマン・サティによって阿弥陀丸と共にあの世に送られた葉。現世では「地獄」と呼ばれるその場所で、麻倉家の先祖・葉賢(ようけん)と戦う。
500年前のシャーマンファイトでハオを倒した葉賢に、葉は新型のO.S.「スピリットオブソード 白鵠(びゃっこう)」で立ち向かい、勝利を収める。ハオの魂を消滅させるのではなく、その心を解放することでハオを止めたいと言う葉を、葉賢は笑って送り出す。
その直後に現れた地獄を支配する「超鬼」たちとの戦いをも制した葉は、さらに強くなって現世に帰還する。

蓮・ホロホロとの戦い

シャーマンファイト第一次トーナメントの二回戦、蓮・ホロホロ・チョコラブの「チーム・THE蓮」と戦うことになった葉。ハオを倒すのではなく心で勝ちたいという葉の覚悟を試すべく、本気で向かってくる蓮たちを「スピリットオブソード 白鵠」と「無無明亦無(むむみょうやくむ)」で翻弄するが、地獄での修行を通して自然の力を身に着けたふたりに圧倒される。
互角の激戦を繰り広げる両チームだったが、とうとう決着がつくかと思われたそのとき、地獄での修行を終えたリゼルグと、世界の平和と調和を保つべく活動する組織「ガンダーラ」が割って入る。ガンダーラの目的はハオの暴走を止める戦士を見定めることで、そのために葉たちに手を貸していた。ガンダーラの見定めた戦士が揃ったことでガンダーラはシャーマンファイトから辞退し、そのためハオの「星組」、葉の「ふんばり温泉チーム」、蓮の「チーム・THE蓮」、そしてX-LAWSのリーダー・メイデンの率いる「X-I(エックスワン)」の4チームが揃ったことで、葉と蓮たちの試合は中止となり、シャーマンファイト第一次トーナメントは終了となった。

ラジム

葉たちは確実にハオを倒すため、シャーマンファイトの第二次トーナメントを辞退し、ハオがシャーマンキングとなる儀式へ入って仮死状態になったところを叩く作戦を取る。シャーマンキングとなったハオの後を追う葉たちは、海底に沈んだムー大陸の上で地球のあらゆる環境を再現した10のプラントを進んでいくことになる。それぞれのプラントにはひとりずつパッチ族の番人がおり、それらを全員倒して進まなければならない。
湖のプラントで待ち構えていたラジムは、第一次トーナメントの司会を務めていた男だった。マイクにペリカンの精霊「プラチナムソード」をO.S.させ、巫力を一点に集中させた刃を使うラジムは、誰にも捕捉できないスピードで葉の甲縛式O.S.「スピリットオブソード 白鵠」を破り、さらにはファウストの「エリザ オペレーリン」をも破る。そしてファウストを倒したラジムは葉と一騎打ちとなる。
強力なO.S.とそれを使いこなす並外れた体術を持つラジムだが、葉は怒りでも悲しみでもない「浄」の力で食らいつき、巫力を無効化する攻撃「無無明亦無(むむみょうやくむ)」でラジムを倒す。

シルバとの決着

第9の氷河のプラントで待ち受けていたのは、葉のシャーマンファイトのはじまりでもあったシルバだった。葉はシャーマンファイトの参加資格を得るためにシルバと戦い、O.S.を会得したのだ。シルバは自分が葉に与えてやれる最後の試練として、本気で葉との一騎打ちを挑んでくる。
本気のシルバに極寒の海に叩き落された葉は、「スピリットオブソード 白鵠」を一度は破壊されるが、息をするように再びO.S.を作り出してシルバに切りかかる。
勝負は一瞬でつき、シルバは自分が導いた少年が自分より遥かな高みまで到達したことを知り、万感の思いで敗北した。

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