大神(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『大神』とは2006年にCAPCOMより発売されたPlayStation 2用アドベンチャーゲーム。
古代日本や昔話をモチーフにした世界観であり、水墨画を思わせるグラフィックが特徴。伝説の大神であるアマテラスが、イッスンら仲間たちと共に妖怪たちと戦い、荒廃した世界を蘇らせていく。第10回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞受賞、2007年度日本ゲーム大賞優秀賞受賞など、高い評価を受けている。

鬼ヶ島

鬼ヶ島への橋渡しをする水龍(オトヒメ)

ツヅラオを救うため、アマテラスたちは餡国寺へ駆けつける。ツヅラオに手招きされるまま抜け道を進み、たどり着いたのはヒミコの神殿だった。
アマテラスたちはそこでヒミコの死体を目の当たりにする。
ヒミコを殺したのはツヅラオに化けていた妖魔王・キュウビ。龍玉が映し出した場面は、過去にキュウビが本物のツヅラオを殺した時の映像だったのだ。
キュウビに立ち向かうアマテラスだが、その妖力はすさまじく取り逃がしてしまう。
ヒミコが死んだことで、鬼ヶ島に乗り込む手段は永遠に失われたかと思われた。
しかし、それこそがヒミコの作戦だったのだ。「千里水晶」もろとも自らの魂をキュウビに飲み込ませることで、キュウビの強大な妖力を利用したのである。
アマテラスがツヅラオに「キツネ管」を渡したのも、すべてはヒミコの計算によるもの。鬼ヶ島の居場所を特定したあと、力を使い果たした「千里水晶」は砕け散り、水晶に宿っていたヒミコの魂は天に召された。

鬼ヶ島の現れた天望岬へと急ぐアマテラスたち。天望岬にはオトヒメの姿があった。
オトヒメは、水龍へと変化し鬼ヶ島への道を作る。
ヒミコとオトヒメの助力を受けて、ついに鬼ヶ島へ突入したアマテラスたち。
妖魔王・キュウビを倒し両島原に平和を取り戻した。
しかしまたしてもキュウビと金釘の怨霊は空の彼方へと飛んで行ってしまった。
怨霊の向かった先を目指して、アマテラスたちは北国カムイに足を踏み入れる。

常闇の皇との決戦

カムイ

打ち出の小槌の力で小さくなるアマテラス

神州平原から地下通路を抜けると、そこは極寒の地カムイだった。
そこで出会ったオイナ族の戦士・オキクルミはカムイに危機が迫っていると語る。
イリワク神殿の双魔神モシレチク・コタネチクが復活したせいで、エゾフジから猛吹雪が吹き荒れていた。このままではカムイの地もオイナ族も氷漬けになってしまう。
オキクルミは双魔神を倒すため、宝剣「クトネシリカ」を持ち出し、妖怪狩りを続けているのだという。

オキクルミと別れた後、アマテラスたちはエゾフジの麓にあるオイナ族の村・ウエペケレへ向かった。
そこでウエペケレの長老・ケムシリ爺から、ピリカという少女を探し出してほしいと依頼される。ピリカは強い霊力を持っており、エゾフジを活発化させる「山興し(やまおこし)」の儀式に欠かせない存在。数日後に訪れる「玄冬の蝕(げんとうのしょく)」までにピリカを見つけ出し、「山興し」を行わなければ、カムイの生き物は死に絶えてしまう。
ピリカを求めて、異界の森ヨシペタイに向かうアマテラスたち。ピリカの姉・カイポクの案内でたどり着いたのはコロポックルの里・ポンコタンだった。
なぜか入ろうとしないイッスンを置いて、アマテラスは打ち出の小槌で小さくなりポンコタンに潜入する。
そこで、ピリカがヨシペタイの奥にある幽門扉(ゆうもんぴ)に吸い込まれたことを知る。
同時に、イッスンの祖父イッシャクと出会い、イッスンの過去を聞かされる。
イッスンは、「第7代天道太子」として絵の力で神の威光を人々に知らしめる役目を負っていたが、祖父の厳しい指導に耐えかねて里を飛び出したのだという。

100年前の神木村~イリワク神殿

アマテラス(左奥)と共闘する白野威(右手前)

ポンコタンを出た後、イッスンに導かれ幽門扉へ。
扉を開いた先は、100年前の神木村に繋がっていた。そこでアマテラスたちは100年前のヤマタノオロチ退治伝説を目の当たりにする。
英雄イザナギと共に、全盛期のヤマタノオロチと対決するアマテラス。オロチの身の内にはピリカが囚われていた。
そこへ、アマテラスと共に幽門扉を通ってきていたオキクルミが躍り出る。しかしオキクルミの攻撃はオロチに通用せず、弾き飛ばされてしまう。
激闘の末、ヤマタノオロチを封印し、ピリカを助け出したイザナギとアマテラス。
崩落する十六夜の祠で、アマテラスは100年前の自分の姿を見るのだった。

現代へ戻ってくると、すでに「玄冬の蝕」が始まり、太陽が欠け始めていた。
さらにオキクルミがエゾフジと村とを隔てる大門を開けてしまったことにより、ヨシペタイは今まさに凍り付こうとしていた。アマテラスたちは大門を抜けてイリワク神殿に急ぐ。
神殿の頂上にいたのは、白銀魔神・コタネチク。100年前の世界からやってきた白野威と共闘し、コタネチクを圧倒する。しかし、乱入してきたモシレチクの攻撃からオキクルミをかばったせいで、白野威は重傷を負ってしまう。オキクルミは、傷ついた白野威を守るため剣を振るう。その瞬間、宝剣クトネシリカの刀身が青鈍色に輝き始めた。
「クトネシリカが青鈍色に輝く時 氷壁は砕かれ天への道は拓かれん」という伝承に従い、妖怪を斬り続けていたオキクルミだったが、それは間違いだったことに気づく。
そして今までの独りよがりな行動を悔い改め、今度こそ双魔神を倒すためアマテラスに力を貸すのだった。
白銀魔神・コタネチクと黄金魔神・モシレチク。手ごわい相手だったが、アマテラスとオキクルミの共闘によりこれを退けた。
ピリカによる「山興し」の祈祷も成功し、氷漬けの危機を乗り越えたかに思えたカムイ。
しかし本当の戦いはこれからだった。

箱舟ヤマト

箱舟ヤマトに乗り込むウシワカ(左)とアマテラス(右)

オキクルミが剣を祭壇に刺すと、地響きが起こりラヲチ湖の氷の中から箱舟ヤマトがその全貌を現した。
古くから、妖怪の生まれる場所とされ恐れられてきた箱舟ヤマト。キュウビ・妖刀金釘・双魔神の怨霊が最後に飛んで行ったのも湖の方角だった。
あの箱舟ヤマトにこそ、すべての元凶があるに違いない。そう確信したアマテラスたちは舟へと架かった虹の橋を進む。
だが、最終決戦を目前として突如イッスンが別れを切り出す。元々自分の目的は筆しらべの技を目で見て盗むこと。すべての筆しらべを取り戻した今、同行する理由はないとイッスンは言う。
イッスンを引き留めようとするアマテラス。そこへウシワカが姿を見せる。
ウシワカは、箱舟ヤマトに乗れるのは天の道を行く資格のあるものだけと語る。そして、成すべき自分の使命に背を向けた今のイッスンには、箱舟に入る資格がないとも。
イッスンを置いて、箱舟ヤマトの扉は閉ざされた。
そして、長い因縁に決着をつけるため、アマテラスとウシワカは箱舟の奥へ進む。

箱舟ヤマトの最深部で待ち受けていたのは、すべての妖怪を束ねる君主「常闇の皇(とこやみのすめらぎ)」。
ウシワカは、アマテラスに先んじて常闇の皇と戦っていたが、あまりの強さに歯が立たない。それでも一歩も引かず立ち向かうのには理由があった。
実はウシワカの正体は月の民であり、箱舟ヤマトを天の国タカマガハラに持ち込んだ張本人だった。しかし、箱舟ヤマトに潜んでいた妖怪のせいで、タカマガハラは滅亡。箱舟に乗って逃げ出した人々も食い殺されてしまった。そして下界においても、箱舟ヤマトから生まれた妖怪が人々を苦しめ続けている。
自分のせいで多くの人々が命を失った責任を感じ、ウシワカは自分の手で悲劇を終わらせようとしていた。しかし、そんなウシワカの奮闘もむなしく、はるか下層へと落とされてしまう。

一方、アマテラスは「玄冬の蝕」の影響で霊力を失い、すべての筆しらべを奪われてしまう。
それでも筆しらべを奪い返しながら抗戦を続けるものの、常闇の皇の力はあまりに強大だった。
絶体絶命かと思われたその時、今まで出会った人々の声が聞こえてくる。
天道太子となったイッスンが、各地を回ってアマテラスの絵を描き、人々に信仰を呼び掛けていたのだ。
人々の祈りによって、全盛期の力を取り戻したアマテラス。
ついに常闇の皇を打ち倒し、世界に平和を取り戻す。
そしてウシワカと共に、箱舟ヤマトに乗りタカマガハラへと帰っていくのだった。

『大神』のゲームシステム

筆しらべ

筆しらべの使用時は、時間が止まり画面がモノクロになる

画面上に特定の図形を描くことで、様々な効果が発動する。
全13種類あるが、アマテラスの力が失われているだめ、最初は「光明」だけしか使用できない。
ストーリーを進めることで「筆神」と出会い、新たな筆しらべを使えるようになる。

光明(こうみょう)

アマテラスが最初から使える筆しらべ。空に円を描くことで太陽を昇らせ、夜を朝に変えられる。

画竜(がりょう)

龍の筆神・蘇神(よみがみ)から得られる筆しらべ。失ったものを修復できる力で、壊れた橋や柱などを元通りに直すことができる。

一閃(いっせん)

鼠の筆神・断神(たちがみ)から得られる筆しらべ。木や岩などを斬って先に進めるほか、妖怪に対しては斬撃でダメージを与えられる。

輝玉(てかだま)

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