浜崎あゆみ（Ayumi Hamasaki）の徹底解説まとめ

2000年はコーセー「VISSE」やKDDI「ツーカー」など、数々のCMキャラクターとして起用される。
メディアにおける存在感を更に発揮し、4月から6月にかけて絶望三部作と称して『vogue』、『Far away』、『SEASONS』3枚のシングルを3ヶ月連続でリリースした。
絶望三部作は、当時「若者のカリスマ」とマスコミから祭り上げられ世間に与える影響の大きさ、プレッシャーから身動きがとれず、引退を考え遺書のようなつもりで作り上げた作品であることが由来である。

中でも6月7日発売の16thシングル『SEASONS』は136万枚のミリオンセラーを記録。
この曲らを収録した2000年9月27日発売の3rdアルバム『Duty』は同時発売の17thシングル『SURREAL』と共に豹柄のジャケットやPVが大きな話題となり予約が殺到。後にオリジナルアルバム自身最高の290万枚を記録した。

衰えない人気

2001年2月28日には1stシングル『poker face』から8thシングル『TO BE』までの計8作品が12cmシングルとしてリミックスを追加して再発売された。全作がオリコン週間ランキング20位〜31位にランクインし、いずれも売り上げを2〜3万枚伸ばすなど人気は上がる一方であった。
同年3月28日、デビュー丸3年目にして自身初のベストアルバム『A BEST』を発売した。その際、宇多田ヒカルの2ndアルバムの発売日にぶつけるなどの過去最大級規模のプロモーションを実施したことでマスコミは両者の総売上枚数を連日追い続け報道し、自身最高の400万枚以上の売り上げという結果を残した。

アメリカ同時多発テロ事件を受けて、チャリティープロジェクト『songnation』に参加

2001年12月12日には、”アメリカ同時多発テロ事件”を受けて小室哲哉と松浦勝人が立ち上げたチャリティープロジェクト『songnation』に参加し、小室哲哉の作曲と浜崎あゆみ作詞のもとチャリティーシングル『a song is born』をglobeのKEIKOとの共作でリリースした。二人の圧巻の高音ボイスが大きな話題となった。
デビューからCDリリースラッシュの勢いを止めることなく同年もシングル6枚にアルバム5枚を発売し、史上初2年連続CD総売上げ200億円を突破した。

音楽業界全体の低迷期にも活躍ぶりは止まらない

2002年1月1日発売の4thアルバム『I am...』がダブルミリオンを記録した。
同年4月24日発売の26thシングル『Free & Easy』はイーストライツ社の雑誌「Free & Easy」とのコラボレーション企画であり、同時に雑誌の別刊「浜崎共和国」を発売した。当雑誌では、お金の管理については「無頓着でマミーに任せてる」、「お金は無いと困るだろうけど、無きゃ無いで、そこに戻る事は全然怖くない。ただ、あり過ぎることの方がはるかに怖い。何も分からなくなってしまう気がする」などと語っている。
2002年7月24日発売の27thシングル『H』では、日本でのシングルCD売り上げが全体的に低迷する中、2002年において唯一オリコン・日本レコード協会でのシングルミリオンセラーを記録した。

『月に沈む』で映画主演

2002年9月26日発売の28thシングル『Voyage』に合わせて、女優として短編映画『月に沈む』に主演。
同年10月26日〜11月4日までの10日間のみ、東京・渋谷パルコパート3内のシネクイントにて限定公開された。
浜崎あゆみは当映画で、喪失感を抱え精神を病み、精神病院に入院している少女「みなも」を演じた。
精神科の医師から前世の記憶を蘇らせる治療を受け、夢の中で前世の記憶を探っていくストーリーとなっている。
『Voyage』のミュージックビデオでは、当映画を5分間に濃縮したものを起用した。

自身初のバラエティ番組総合司会『ayu ready?』など更に活躍

2002年10月12日、自身初のレギュラー及び総合司会を務めるバラエティ番組『ayu ready?』がスタート。番組に訪れたゲストと浜崎あゆみがトークを繰り広げたり、生バンドによるライブセッションを行っていた。

同年12月18日発売の5thアルバム『RAINBOW』では初の英語歌詞にも挑戦し、ミリオンセラーを記録した。

2003年3月12日発売のバラードベスト『A BALLADS』は、ファン投票により選曲された。
また、5thアルバム『RAINBOW』の初回版購入者のみがインターネット上で視聴することのできた”歌詞がまだついていないインスト楽曲「RAINBOW」”の感想を募集し、10万人以上のメッセージを浜崎あゆみ自身が読み、それを参考に詩をつけて完成させた「RAINBOW」が収録された。この頃から歌番組などでコーラスがつくようになる。
同年10月にはシングル30枚発売を記念して、スペシャルライブ『A museum 〜30th single collection live〜』が行われた。
同年12月17日には初のミニアルバム『Memorial addess』を発売し、ミリオンセラーを記録。
ボーナストラック以外の収録曲全てに対してのミュージックビデオが作られるなど、億単位の制作費を投入しこの頃からミュージックビデオの制作に力を入れるようになった。

2004年3月20日、自身が総合司会を務めていたバラエティ番組『ayu ready?』が終了。
この頃からCM出演などメディアへの露出をやめ、歌手活動に専念している。

エイベックスお家事件

2004年7月末、エイベックスお家騒動が起こり、浜崎あゆみの事情とは直接的には無関係ではあるが、それを発端に、以降日本レコード大賞の賞レースを辞退している。

これは、当時エイベックスの常務であり子会社のアクシヴ社長であった千葉龍平が、自身や特定のアーティストの利益のためのみに会社に不当な損害を与えているとして、当時のエイベックス会長、依田巽が取締役会で千葉龍平の解任動議を提案、可決されたことが発端となっている。
エイベックス社創業時から会社の中心として活躍していた当時の専務、浜崎あゆみの恩人でもある松浦勝人が千葉龍平の解任に激怒し、逆に依田巽の解任を提案。
当然否決され、その日に松浦勝人と千葉龍平は辞表を提出している。
浜崎あゆみやEXILEなど有名アーティストはマスコミに対し、松浦支持を表明しておりアーティストの大量移籍へと発展すると見られ、当時のエイベックス社の株価は大暴落した。

数々の挑戦

2004年12月15日発売の6thアルバム『MT STORY』がミリオンセラーを記録。これが2020年現在では自身最後のミリオンとなっている。

2005年には「愛・地球博開会式」第三部にて「a song is born」を披露した。

2006年6月21日発売の40thシングル『BLUE BIRD』ではソロ歌手及び女性ボーカルでは史上初のシングル総売上2000万枚を達成した。

2007年2月28日、アルバム『A BEST 2 -BLACK-』、『A BEST 2 WHITE-』が発売。オリコンチャート1位及び2位を初登場で獲得。また、自身初のアジアツアー（香港、台湾、上海）を開催した。
同年7月18日発売の41stシングル『glitter』のDVDには香港の俳優余文楽（ショーン・ユー）と共演したショートフィルムが収録された。
同年12月5日は、初のデジタルダウンロード規格のみのシングル『Together When...』を発売。

2008年4月8日にはデビュー10周年を迎え、それを記念してシングルコレクションアルバム『A COMPLETE 〜ALL SINGLES〜』を発売。

2009年3月25日発売の10thアルバム『NEXT LEVEL』では、日本人アーティストとしては初となるUSBメモリ形態の発売をした。

2010年、『ayumi hamasaki Rock'n'Roll Circus Tour FINAL 〜7days Special〜』と題して、代々木体育館で7日間開催。
8月より、日本のアーティストとしては初のデジタル3Dでのライブコンサート映画『A3D ayumi hamasaki ARENA TOUR 2009 A 〜NEXT LEVEL〜』が公開された。

2012年8月8日、ベストアルバム『A SUMMER BEST』をリリース。このベストアルバムのリリースによりシングル、アルバムの総売上枚数が5000万枚を突破し、B'z、Mr.Childrenに続き史上3組目、5年5か月ぶりの記録を達成。ソロアーティスト並びに女性アーティストとしては史上初の快挙であった。

活動路線の変更

2013年4月8日にはデビュー15周年を迎えた。
それを記念し、2012年11月8日から2013年3月8日までの毎月8日に、5ヶ月連続で様々なリリースを行った。
第1弾として、11月8日にはミニアルバム『LOVE』を、第2弾の12月8日にはミニアルバム『again』、第3弾の1月8日にはアルバム『Classical』、第4弾の2月8日にはアルバム『LOVE again』、第5弾の3月8日にはライブDVD『ARENA TOUR 2012 A ～HOTEL Love songs～』を発売した。

同年にはデビュー15周年記念として『ayumi hamasaki 15th Anniversary TOUR 〜A BEST LIVE〜』を開催した。
同年末には、6年連続で紅白歌合戦にてトップバッターを務めた。
しかし翌年2014年11月23日、15年連続で出場、史上最多となる6度のトップバッターを務めた紅白歌合戦の選考から漏れることをNHK側から事前に通達される。
浜崎あゆみはこれを「ひとつの終焉」として受け止め、同番組の卒業を自身のツイッターにて発表した。
この頃からCDの制作に時間をかけるようになり、シングルのリリースを控え、アルバムに専念するようになった。

2015年4月22日、法務省の特別矯正監を務める杉良太郎の呼びかけで、刑務所や少年院へ慰問し講演、歌唱などを通じて受刑者の改善更生を図ることを目的とした同省初の「矯正支援官」に就任した。

2016年3月28日には、年末恒例となっていたカウントダウンライブの会場である国立代々木競技場第一体育館が、2017年春より約2年間の耐震補強工事のため使用することが出来ず、同会場にてのカウントダウンライブが17年目である本年度の公演をもって一旦終了となった。
この頃からアルバムや新譜制作などを控え、ライブやイベントなどを重点的に活動。
ツイッターやInstgramといったSNSをメインに発信するようになった。

2018年4月には、デビュー20周年を迎えた。
それを記念して全国アリーナツアー『ayumi hamasaki ARENA TOUR 2018 〜POWER of MUSIC 20th Anniversary〜』が開催された。

2019年8月1日、浜崎あゆみおよび松浦勝人への取材を元にまとめた小松成美の小説『M 愛すべき人がいて』が発売され、初週3.8万部を売り上げた。
当小説を原作としたテレビドラマが2020年4月から放送開始された。

2020年7月5日、配信限定シングル『オヒアの木』をリリース。
母となった浜崎あゆみが、我が子への思いを歌詞に込めた一作となっている。

受賞歴

日本レコード大賞
・大賞（2001年、2002年、2003年）

日本ゴールドディスク大賞
・アーティスト・オブ・ザイヤー（2001年、2002年、2004年）

日本有線大賞
・大賞（2001年、2002年）
・グランプリ（2000年、2001年、2002年「ポップス部門」、2003年「ポップス部門」）

ワールド・ミュージック・アワード
・Best-selling Artist/Japan（2001年、2005年）、Best-selling Artist/Asia（2002年）
・Best Pops Singer/Japan（2003年）

ベストドレッサー賞（2000年）
ベストジーニスト一般選出部門（2000年、2001年、2003年、2003年、2004年、2005年）
ネイルクィーン 殿堂入り（2001年、2002年、2003年）
ハッピーアワード 第1回受賞（2001年）
第14回日本メガネベストドレッサー賞 サングラス部門（2001年）
世界で最も美しい顔100人 60位（2013年）

浜崎あゆみのディスコグラフィー

アルバム