零〜濡鴉ノ巫女〜(Fatal Frame V)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零~濡鴉ノ巫女~』は任天堂発売の和風ホラーゲーム『零』シリーズの第6作目(通算9作目)である。キャッチコピーは「死の山、幽婚、神隠し すべては水でつながっている。」。不来方夕莉、雛咲深羽、放生蓮の3名が操作キャラクター。日上山という水をご神体として崇める霊山が舞台。夕莉は消えた恩人や依頼人を、深紅は母を、蓮は死者を写した弔写真を追い、それぞれの事情から怨霊が徘徊する日上山へ踏み込んで怨霊との戦闘や探索をくり広げる。映画さながらの美麗グラフィックと陰鬱な雰囲気がファンを集めている。

榊一哉(さかき かずや)

CV:西健亮
蓮の学生時代からの友人で繁華街で働いている。普段から蓮の資料集めのアルバイトを請け負っていたが、弔写真を調べるうちに方不明となった。
元から放浪癖があるのと事前調査で軽薄な人柄を知った密花は、蓮に彼との付き合いを控えるよう忠告すべきか迷っている。弔写真の逢世に魅入られ幽婚を果たすべく日上山にのぼったが、土壇場になって夜泉に侵された彼女の姿に恐怖し失敗に終わる。

渡会啓示(わたらい けいじ)

CV:星野貴紀
日上山の伝承を研究していた民俗学者で英国人の父と日本人の母の間に生まれた混血。元は英国在住だったが、日本の民俗学に惹かれて来日。日上山の伝承を研究する為に山中に家を建てる。散歩中に彼岸花の咲く小道で拾った弔写真の逢世に一目惚れするも、怨霊化した逢世に恐怖が勝ってしまったせいで幽婚は失敗し怨霊となりはてる。

枢木恭蔵(くるるぎ きょうぞう)

CV:星野貴紀
本作の惨劇の元凶ともいえる人物。日上山の濡鴉ノ巫女たちを殺戮した犯人。
日上山近在の村の住人で実姉に横恋慕した挙句その婚約者を殺害、それが原因で姉も自殺に追い込んでいる。己の秘密と罪が暴かれるのを生涯恐れていたが、日上山の巫女に全てを看取られて逆上。巫女を皆殺しにしたあと焼身自殺を遂げる。
彼が濡鴉ノ巫女たちを血祭に上げる凶行に走った事で、夜泉の結界に破れ目が生じ逢世の封印が緩んだのだった。

片品紡(かたしな つむぎ)

CV:高森奈津美
日上山に入って行方不明になった少女。密花が捜索していた一人。大事に育てられた異父姉と違って家庭内で疎外されており、自暴自棄の自殺未遂を繰り返した挙句日上山に消えた。

黒澤逢世(くろさわ おうせ)

CV:桑島法子
本作のラスボスにして濡鴉ノ巫女の中で最も強力な大柱。
日上山の巫女の中でも特に強い霊媒体質だった逢世は、幽世そのものである黒キ澤に沈められる事になった。夜泉の中を永遠に落ち続ける柱がすぐに融けてしまわないために幽婚の儀式が組まれたが、見合いにふさわしい絵馬を描く絵師が必要になり、魂を写す射影機を持った麻生邦彦に白羽の矢が立った。
逢世と麻生は恋に落ちたが、彼と共に生きたいと願ってしまった未練が仇となったのに加え、儀式と同刻に枢木恭蔵が惨殺した巫女全てが引き受けた死者の想いが流れ込んできたために夜泉が氾濫する災厄を引き起こした。
元々は謙虚で慈悲深い女性であり、大柱への選出が何を意味するか知る周囲の巫女が泣くのを逆に宥めている。日上山近在の村の出身だが、大水で類縁を亡くし一人生き残ってしまった。その生い立ちが夕莉と似通る為か、夕莉は度々彼女の夢を見て山に誘われる。

麻生邦彦(あそう くにひこ)

CV:鈴木達央
江戸末期から明治初期にかけて活動していた神秘科学者。
魂や霊魂と総称される目に見えないが実在すると思われる存在や、常世・幽世などの異界の研究を進めるうちに、それらの撮影が可能な射影機を発明した。科学者としては異端視され、その著書や研究の記録はあまり残されていない。日本各地を探訪しながら製作した射影機を現地に託したり、同好の士に寄贈してきたために今でも複数が存在する。
日上山の近在の陽炎山周辺で育ち、白菊とよく遊んだ。二人は親しい間柄となり、彼女が人柱として日上山に送られる儀式の際は白菊の髪を寄香として預かって幽婚の約束を交わした。
その後、大人になった麻生はフィールドワークを兼ねて各地を回っていたが日上山で弔写真の撮影の依頼を受ける。当時射影機は試作中だったが、これで撮られると写真に魂をも写すと言わしめるほどの性能を誇っていた。
結ノ家に招かれた麻生は逢世の写真を撮り、彼女の儚げな美しさと、人柱のさだめを従容と受け入れる清らかな心根に魅了される。しかし逢世が望んだのは彼と共に生きる事であり彼と終わる事ではなかった故に、唯一日上山から生きて帰されたマレビトとなった。

雛咲深紅(ひなさき みく)

CV:わくさわりか
雛咲深羽の実母。昔から霊感が強くありえないものを霊視してきた女性。
『零』シリーズ一作目で唯一の肉親である兄を失い、その後は兄の知人宅に居候し写真家助手として活動。深羽を授かったのを機に助手を辞し、縁のあった老婆の家で一人出産。深羽が3歳の時に彼女を抱き締めたあと行方不明となる。
実の兄であり最大の理解者の真冬に禁断の想いを抱いていたが、家族として一緒に暮らす間は隠し通していた。しかし『零』シリーズ2作目『刺青の聲』で彼と接触し、夜泉子である深羽を授かる。夜泉子を孕んだ女性は大幅に寿命が削られる為、この時点で深紅の寿命は残り僅かだったが、最期は最愛の兄といたい自分の気持ちを優先し、幼い娘をおいて幽婚を果たしに行った。
箱に封じられていた間は永久花として時を止めていたので、深羽に救出された時も若く美しいままだった。

あやね

CV:山崎和佳奈
霧幻天神流「覇神門」の天才くノ一。異父姉のかすみに対し、自分とは逆に恵まれて育った事への嫉妬と劣等感、激しい殺意を抱いていた。
失踪前の片品紡と出会い、似た生い立ちに縁を感じたあやねはまた会えるまじないだと彼女の手に紫糸(ユカリイト)を結ぶ。その後紡が日上山に消えたのを知り、見殺しにできず救出に赴く。

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