零〜濡鴉ノ巫女〜(Fatal Frame V)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零~濡鴉ノ巫女~』は任天堂発売の和風ホラーゲーム『零』シリーズの第6作目(通算9作目)である。キャッチコピーは「死の山、幽婚、神隠し すべては水でつながっている。」。不来方夕莉、雛咲深羽、放生蓮の3名が操作キャラクター。日上山という水をご神体として崇める霊山が舞台。夕莉は消えた恩人や依頼人を、深紅は母を、蓮は死者を写した弔写真を追い、それぞれの事情から怨霊が徘徊する日上山へ踏み込んで怨霊との戦闘や探索をくり広げる。映画さながらの美麗グラフィックと陰鬱な雰囲気がファンを集めている。

影見を行った際に見える白く光る人影。この軌跡を辿って失踪者を捜す。

幼巫女(おさなみこ)

数え年で七歳までの少女を巫女とする日上山周辺の陽炎山の風習。当時はまだ乳幼児の死亡率が高く、子供は現世と幽世の境界で魂が不安定とされた。本作では白菊が該当する。

幽婚(ゆうこん)

死後婚、あるいは冥婚とも呼ばれる。若くして他界するなど生前に伴侶を得られなかった者に死後に伴侶を添え冥福を祈る儀式。絵馬に婚礼の光景を描き奉納する、人形や写真を相手に見立て婚礼を挙げるなど地方により差異がある。日上山では永久花として柩籠の中で孤独に苦しむ巫女を鎮める為、山外のマレビトを招き入れ幽婚を行ってきた。巫女に拒まれる、または拒んでしまった男は渡会や榊のように怨霊化する。

マレビト

本作では山外の人物、特に濡鴉ノ巫女の幽婚の伴侶として招かれた男性を指す。

弔写真(とむらいしゃしん)

死後写真、没後写真とも呼ばれカメラの黎明期に西洋で流行った風習。死体が腐る前に着飾らせ化粧を施した姿を写す事で、故人の美しい姿を残した。
射影機の試作品を製作していた麻生邦彦はこれの撮影にのめりこんで各地を探訪し、日上山を訪れた際に逢世を撮った。

永久花(とこしえばな)

黒キ澤に沈められる巫女、即ち人柱。黒い匪、柩籠に入り沈められた巫女は夜泉に浸ることで死に近付いて身体が夜泉に融けていくが、巫女が意識を保ち続ける間は原形を留め続ける。その間巫女は年をとらず、永遠に生と死の狭間をたゆたうとされた。永久花とは夜泉の中で永久に咲き続ける花のように美しく在り続ける願いをこめた名前。

濡鴉ノ巫女(ぬれがらすのみこ)

日上山に入った者を死へと誘う役割だった巫女が、ある老人に惨殺され怨霊化した姿。彼女たちは今も己の役目を全うし続け、故に怨霊の目を見ると死に引き込まれる。日上山信仰においては水に濡れる事でさらに力が強まるとされた為、全身濡れそぼった姿でおり、その事から濡鴉ノ巫女と名付けられた。老人の殺戮を免れた一部の巫女は里を下り、影見の力を広めたらしい。その子孫が密花や夕莉、深羽と思われる。

禍津陽(まがつひ)

現世と幽世との間にある永遠の夕陽。常夜の世界である幽世との境界で黒キ澤の水面を照らし続ける。死に誘われた者だけに見え、人々は妖しく美しい夕陽に心奪われて幽世に赴く。禍津陽の下には誘われた魂たちが影のように佇んで禍津陽を仰ぎ続ける。春河は高校時代の自殺の失敗時にこれを見て、死への誘惑にとらわれてしまった。

看取り(みとり)

影見よりさらに上位の力。人の考えている事はおろか記憶や想い、秘密までも暴き立てる。影身の中でもごく一部だけが使える能力で、多くの場合は接触した相手の感情だけが漠然と伝わる程度。

マヨイガ

遠野物語にでてくる伝承。山道に迷った娘が山奥で富裕な屋敷を発見する。助けを求めて入ってみると誰もいないが、今しがたまで団欒していたように夕餉の支度が整えてられている。怯えた娘が何も盗らず逃げ帰ると後日川の上流から秤の椀が流れて来て、これで米を量ると尽きなかったという逸話。本作では深い霧に沈み神出鬼没の渡会邸がそう呼ばれている。

隠行(おんぎょう)

本編クリア後に開放される外伝の主人公・あやねが謎の老婆に施される禁断の術式。激痛に耐え隠行紋を身に刻む事で身体が死に近付く代わりに怨霊の気配を悟り、自身の気配を消せるようになる。

紫糸(ゆかりいと)

あやねが紡に贈った不思議な糸。くノ一のからくりらしく、あやねはこの糸を辿って紡を追跡した。

『零~濡鴉ノ巫女~』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

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