心にグサリとくるサイコ・サスペンス映画まとめ！『ブラック・スワン』など

”実際に行われた心理実験の被験者が体験する、完全に異常な狂気の世界！”

『ヒトラー～最後の12日間～』のドイツ人監督オリヴァー・ヒルシュビーゲルが手掛けた2001年の作品。模擬刑務所を舞台に、看守役と囚人役に分かれて行われる心理実験。高い報酬につられて集まって来た被験者たちは、当初はお遊び気分だったが、徐々に実験は異常をきたし始め、囚人たちを支配する看守役の人間達の行動がエスカレートし、遂には死亡者まで出てしまう...。

実際に行われた心理実験「スタンフォード監獄実験」をベースに、完全に均衡を失った被験者たちの心理は狂気の域。14日の予定だった実験は、たったの5日で強制終了を余儀なくされたのだが、最後まで続いたら一体どうなってしまったのだろうか...。

”優美な白鳥と表裏一体の邪悪な黒鳥を演じるプリマドンナが陥る狂気とは？

ダーレン・アロノフスキー監督、ナタリー・ポートマン主演による2010年の作品。元ダンサーの母親を持ち、ニューヨークのバレエ・カンパニーでバレエに打ち込むニナ。彼女は新作の「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れるが、それは純真な白鳥の女王と、邪悪で官能的な黒鳥の2役を演じる難しい役でああった。彼女は必死に役作りに励むが、やがて精神的に追いつめられ、遂には幻想と悪夢の中で狂気とも言える自己世界へと入っていく...。

かの『レクイエム・フォー・ドリーム』のアロノフスキー氏は、白鳥の華麗な舞いよりもダークな黒鳥をメインに据え、狂気に堕ちて行くヒロインを描いた。このセンスはやはり凄い。

”既に365日も寝ていないという、主人公が陥る痛々しい狂気の世界！”

ブラッド・アンダーソン監督、クリスチャン・ベール、ジェニファー・ジェイソン・リー主演による2004年の作品。工場で機械工として働く主人公は、極度の不眠症に陥り365日もの間、睡眠をとっていない。体がやせ細り、精神的にも不安定な彼は、ある日、自分だけが見える男と出会い、その日から奇妙な事件が次々と起こり...。それらは現実なのか妄想なのか？そして彼が不眠症に陥った理由が明らかになる...。

とにかくクリスチャン・ベイルのやせ細った狂気の演技が凄い。そもそも、1年以上も睡眠を取れない生活って...考えただけで精神的にくるなあ...。