ドールズフロントライン(ドルフロ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ドールズフロントライン』とは、中国のサンボーンが開発しているスマートフォン用のゲームアプリである。民間軍事会社の指揮官であるプレイヤーは、第三次世界大戦により荒廃した近未来を舞台に、人工知能の反乱により襲い来る機械の兵士たちを撃退するため、銃の名前を冠する戦術人形と呼ばれる機械の少女を率いて戦うことになる。

Girls Frontline NEURAL CLOUD(少女前線:云図計劃)

ジャンル:オートチェス+ローグライク+箱庭シミュレーション
プラットフォーム:未定

「ドールズフロントライン」のスピンオフ作品であり、時系列的には本編の前史、グリフィン草創期の出来事となる。
詳細はまだはっきりしていないが、若き日のペルシカや「ドールズフロントライン」本編でおなじみの戦術人形たちがまだ民生人形であった頃の姿が描かれるという。

『ドールズフロントライン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

実銃についてのトリビア

M16A1とHK416について

作中でM16A1やAR小隊のことを激しく憎悪している416だが、それにはキャラクター同士の対立のモチーフになった事件が存在する。
アメリカ軍や北大西洋条約機構(NATO)軍で長らく制式自動小銃として使用されてきたM16A2(M16A1の新弾薬対応修正型)の後継として開発されたのがM4であり、それを改修しフルオート射撃可能となったのがM4A1である。HK416は、そのM4の改修型ライセンス生産品としてドイツのH&K社が開発した自動小銃である。当初は「HKM4」という名称になる予定であったが、M16やM4の開発元であるコルト社がその名称を商標権の侵害であるとして「HK416」へと変更された。更に、M4よりも高い信頼性と耐久性を持つという評価を得ながらも「M4には全面的更新をするほどの欠陥はない」としてHK416は一部の特殊部隊への納入に留まった。(ドイツ製ということがアメリカ軍での採用にとって障害になったとも言われる)
これらの経緯が416というキャラクターの「自己評価が極めて高いが恨みがましい言動が目立つ」「(銃としては腹違いの姉妹とも言える)M16やM4とその派生型へ強い憎しみを持つ」という性格付けを生み出したのではないかと言われている。

ST AR-15の出自

AR小隊の戦術人形はAR-15を除き皆16Labの特別製で彼女だけが民生品ベースであるという設定だが、それは実銃のST AR-15だけがコルト社の製品でないからというところの反映ではないかと思われる。
AR-15はアーマライト社によって開発された自動小銃だがコルト社に権利を売却、「Colt ArmaLite AR-15」となる。それをSpike's Tactical社がライセンス生産したクローン品がこのST AR-15である。つまりコルト社の製品ではないのだが、戦術人形の彼女が自身の肩書を「コルトAR-15」と名乗るのはクローン品であるということへの抵抗だろうか。(ちなみに「Colt AR-15」という名前の銃はフルオート機能を撤廃したM16の民生品として存在する)

RO635は短機関銃なのにM16A1の姉妹?

「ドールズフロントライン」の主人公チームであるAR小隊はM16A1とその後継であるM4A1の縁者、つまりはコルト社と関わりがある突撃銃がモチーフになっている。しかしEP07から登場する追加メンバーのRO635はSMG、つまりは短機関銃である。それは何故かというと、このRO635がM16をベースに作られた短機関銃だからである。M16を短銃身(カービン)化した通称コルト・コマンドーはM16と同様に5.56mmのアサルトライフル用弾を使用するが、RO635は外観的にはコルト・コマンドーに類似しているものの弾薬は拳銃用の9mmパラベラム弾を使用している。そのため弾倉が細く排莢口が大きいのがコルト・コマンドーとの違いである。また作動方式もM16とは異なるシステムを使用している。作動方式が違うとはいえ使用方法がM16とほぼ同じであるためM16の使用訓練を受けた者は訓練なしで使用可能というのがRO635とその派生型の長所であり、軍だけでなく麻薬取締局や連邦保安官などの法執行組織にも広く使用されている。

M1911対M9対P226

可愛らしい外見と振る舞いながらも陰でM1911のことを「オワコン」「BBA」と呼ぶM9。この対立にも、元ネタとして実銃同士の因縁があった。
M9のモデルとなったベレッタM9は9mm拳銃の大ヒット商品であるベレッタ92Fをアメリカ軍制式採用モデルにしたものである。その前のアメリカ軍制式拳銃が、1911年から1985年まで74年間その座にあったコルトM1911A1である。しかし堅牢で安全性が高く、さらに大口径で対人用途に優れたM1911A1を愛好する軍人は多く、正式採用から外れてもその後2016年までの31年間はM1911用の.45ACP弾がアメリカ軍に供用され続けた。M9からしてみれば30年以上も姑に居座られたようなものである。面白く思わないのも当然だろう。
そして、この戦いに新たに加わったのがP226である。自分を「エリート」と呼び、M9のことを「流行りのわからない田舎者」と罵倒するP226のモデルとなったSIG SAUER P226RはM9とアメリカ軍制式拳銃トライアルを争って敗北しており、そのこともあってP226はM9に対して恨み骨髄のような態度を取っている。なおアメリカ海軍特殊部隊SEALsはかつてスライド破損事故を起こしたM9を信頼に足りない銃であるとして採用せず、P226Rを採用している。戦術人形のP226がアザラシのぬいぐるみを常に持ち歩いているのは、SEALsとSeal(アザラシの英名)をかけたネタである。

「臭い銃なんて言わないでください」

戦闘中にスキルを使用するたびに「臭い銃なんて言わないでください」と叫ぶステンMK-II。彼女が「臭い銃」という呼び名を気にするのは、実銃であるステンMK-IIの不名誉な評判が原因であろう。
ステンMK-IIは第二次世界大戦、多くの武器を戦場に残したままダンケルクから撤退したイギリス軍が銃火器の量産を急いだことによって開発された銃である。アメリカから支援物資として提供されたトンプソン短機関銃はドイツ潜水艦による通商破壊でイギリスに無事届いた数が少なく、充分な数の火器を兵士に行き渡らせるために生産性を重視した短機関銃の開発が急務となった。そこで幾度かのバージョンアップを経て完成したのがステンMK-IIである。しかし量産性のために工程を単純化したステンMK-IIは鉄パイプを繋いだような武骨な外見であり戦時急造品ということで精度も良くなかった。兵士たちはトンプソン短機関銃の方を使いたがり、ステンMK-IIのことを愛称の「Sten Gun」ではなく「Stench Gun」(悪臭のする銃)と呼んだ。(パイプ状の外観が下水管を思わせたともされる)

同様の戦時急造銃がモチーフの戦術人形に同じSMGのM3がある。しかしM3の方はゼネラル・モータース製ということもあって簡素なプレス加工品ながら信頼性が高い優秀な銃としてトンプソン短機関銃の後継を務め、第二次世界大戦後も西側諸国のみならず東側諸国にもコピー品として使用され現在も一部の国で正規採用されている。にも関わらず戦術人形のM3は外観からついた綽名の「グリースガン」(潤滑油注入器という意味)を過剰に毛嫌いする被害妄想気味の性格となっている。ここらへんは「臭い銃~」発言以外は割と呑気に暮らしているステンMK-IIの方がうまく適応できているのではないだろうか。

悲劇のIDW

ゲーム中においては「どの製造レシピでも出る低レア」であり独特の第一声でネタキャラとして親しまれているIDW。しかし、ユーモラスなキャラとは裏腹にその台詞には見捨てられることへの怯えが多々見られる。これは「IDW」という銃が辿った悲しい運命が由来となっていた。
Bushman Ltd.によって開発された「Individual Defence Weapon」ことIDWは発射機構を電子制御することで小型短機関銃の欠点(機構上やむを得ない早過ぎる連射速度とそれによる反動)を抑えるという画期的な機構を内蔵した銃だったが、Bushman Ltdには生産能力がなかったためParker Hale社へと権利が売却され改良モデル「Parker Hale PDW」として試作された。長所である発射機構の電子制御はバッテリー切れによってフルオート射撃が不可能になるという欠点と背中合わせであったが、乗員用の護身火器としてイギリス軍との契約締結も視野に入っていた。しかしParker Hale社が資金難により倒産したため製造は停止。Parker Hale PDWは世に出ることのないままその命運が尽きてしまった。(そのParker Hale社もまたその後引受先から売却されている)
これらの経緯を背負っているからか、見捨てられないためには活躍するしかないという強迫観念に捉われた性格が形成されたのだろう。

韓国ユーザーのトラウマ銃・K2

ゲーム中においては特異なスキルを持つ☆5ARであり、優しく頼れるお姉さんタイプのキャラ付けであるK2。しかし、韓国ユーザーからは複雑な目で見られている。というのも、韓国では徴兵制度があり、健康な男子はほとんどの場合軍隊生活を一時期行うことになる。そして、現在の韓国軍の制式自動小銃として採用されているのが戦術人形K2のモチーフであるK2アサルトライフルなのだ。
そのため、多くの軍隊経験者であった韓国ユーザーにとっては、K2は軍隊生活のつらい思い出と紐付けられた銃としてトラウマを想起させるものとなっている。韓国では、軍隊生活での嫌な体験談をK2に代弁させるファンアートが多く描かれている。また、ゲーム内四コマの作者としておなじみ韓国出身のMADCORE氏も、K2を「水虫銃」と呼ぶ漫画を描いている。軍隊生活では長時間ブーツの着用を強いられるため、湿度が高い東アジアに位置する韓国軍では職業病として水虫が蔓延しているのが原因である。

作中の小ネタ

「喫茶店」の怪しいメニュー

看板にはP7の姿が描かれている

家具「喫茶店」シリーズでは戦術人形たちが宿舎でカフェの真似事をしている様子が描写されている(後にスプリングフィールドをマスターにして正式開店する)が、戦術人形たちが勝手に考えたメニューにはなかなか物騒なものが並んでいる。
飲食物のコーナーでは危なっかしいものはイタズラ好きのP7が淹れた「P7 Special Coffee」(たぶん胡椒か唐辛子が死ぬほど入ってる)ぐらいであるが、「その他のサービス」は本当に危険である。
「Assasin by 404」:「404小隊に暗殺させる」。飲食店のサービスとしてどうなのか。そして高い。でもコーヒー12杯分なので安いか。
「Roast Chopstick」:「焼いた箸」。P7がペットとして飼育している鹵獲ダイナーゲートの名前が「箸」ということなので色々と物騒な想像が捗る。
「Beat Commander up」:「指揮官を殴る」。指揮官逃げて。超逃げて。

「喫茶店」シリーズの家具には説明文でどうやって調達したか等の記述があり、ジュース類は廃棄倉庫などからの回収品であるがコーヒー豆については「クルーガーさんの倉庫から命がけで調達した」とある。部下にコーヒー豆を盗まれるクルーガーも大変である。

自分を型番で呼ばない女、漢陽88式

yuku_sakana
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