レディ・プレイヤー1(レディプレ)のネタバレ解説・考察まとめ

『レディ・プレイヤー1』とは、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督による近未来SFアクション映画である。
荒廃した近未来におけるVR世界「オアシス」を舞台に、オアシスの世界を愛する少年を主人公とした冒険を通し、VR世界と現実世界それぞれを模索していく様子が描かれる。80年代をメインとした映画をはじめ、あらゆるポップカルチャー要素が登場する。VRを取り扱った映画では最も成功した作品。

映画『市民ケーン』で登場する謎の単語で、作品におけるキーワード。
転じて、「イースターエッグを手に入れるために最も重要な鍵」という意味で劇中ウェイドが使用。

当初はキーラ(カレン・アンダーウッド)が該当すると考えていたが、エッグを手に入れた後で鍵はモローだとウェイドは理解する。

『レディ・プレイヤー1』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「目指せ鍵」「目指せエッグ」

ガンター(エッグハンター)の間で使用されるセリフ。
パーシヴァルとエイチをはじめとした多くのガンターが使用しており、最終決戦では惑星ドゥームに集まった大勢のガンター達がパーシヴァルに呼応して叫んでいた。

深い意味はないが、ただ純粋にイースターエッグを求める精神を表現した言葉であり、利益のみを求めるIOIとは違うという意志が表現されている。

レース・シーン

冒頭で描かれるレース・シーン。クリアして第一の試練の鍵を手に入れるため、多数のガンターが競い合う。あらゆるトラップが散りばめられ、長年クリアした者は1人もいないほどの難関レース。
パーシヴァルのデロリアン(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』)をはじめ、V8インターセプター、バットモービル、カネダバイク、キング・コングなど人気映画の要素が次々と登場する。観客をオアシスの世界に引き込む、スピード感あふれる展開が押し寄せる。
映画ファンが長年待ち望みながらも、これまで実現されたことのなかった映像である。

シャイニング

左:本作、右:『シャイニング』

1980年に公開された、スタンリー・キューブリック監督によるホラー映画。原作はスティーブン・キングによる小説だが、原作からは大幅に変更されていて、ほとんど別作品となっている。そのためキングは映画化された作品を嫌っていたことで有名で、1997年に自身が製作総指揮を務めてTVシリーズの『シャイニング』を制作している。

中盤、第2の試練の場として映画の世界が登場する。主演のジャック・トランス(演:ジャック・ニコルソン)などは姿を見せないが、双子の少女の幽霊、エレベーターから溢れ出る大量の血、237号室、同じ文面を延々と打つタイプライターなどが再現された。
エイチはホラーが苦手であるため未見。ショウは観賞済みだったが、「指の隙間から見てた」と語っている。

監督のキューブリックは生前スピルバーグと非常に仲が良く、スピルバーグは『2001年 宇宙の旅』をオールタイムベストの一つに挙げていて、「彼の映画は一度見始めると目が離せられない」と語っている。2001年には他界した本来の監督であるキューブリックの後を引き継ぎ、『A.I.』を監督している。
『シャイニング』についてもBlu-rayの特典映像などでスピルバーグは絶賛のコメントをしている。

トシロウ「俺はガンダムで行く!」

終盤、最終決戦で戦闘に参加せず瞑想したままだったトシロウが満を持して参戦する際に突然口走った言葉にして、劇中で数少ない日本語のセリフ(序盤でも「ありがとう」などで日本語を口にしている)。このシーンのみ英語字幕が表示される。

この後、トシロウことダイトウは『機動戦士ガンダム』の「RX-78-2ガンダム(初代ガンダム)」に変身し、メカゴジラを相手に大活躍する。また、このシーンはソレントのメカゴジラなどと異なりマシンに搭乗するのではなく、姿を変える「変身」が描かれる。
公開時に日本の観客の度肝を抜いたシーン。劇中でも特に印象に残るシーンとして、本作の代名詞的セリフとなった。ネットでは「俺は○○で行く!」というフレーズが流行した。
また、登場シーンでポーズを決めているが、このポーズは『ΖΖガンダム』のもの。

原作でもガンダムは登場しているが、メカゴジラには通用せずすぐに撤退している。

本来の脚本では英語の予定だったが、スピルバーグが急遽このシーンで日本語を使用したいと主張し、変更された。セリフの内容は演じる森崎ウィンに任されたため、彼が考えた。
このセリフはガンダムシリーズでは登場せず、当初はシリーズの有名なセリフ「アムロいきまーす!」なども検討したらしいが、最終的にはパロディではなく森崎によるオリジナルとなった。理由は「ガンダムファンを不愉快にさせる可能性を考慮」「ギャグっぽくなる」というもので、このシーンはパロディにするべきではないと考えたという。

日本では後に公開された映画『デッドプール2』公開にあたり、上記画像のようにネタにされている。

パーシヴァル「ジェームズ・ハリデーの名において…共にオアシスを救おう!」

最終決戦でアノラックの城を占領するIOIを倒すための兵を集めるために、パーシヴァルがオアシスの全エリアに向けて呼び掛けたセリフ。

主人公の意志がはっきりと表現されたシーンである。
もともとは、ただつらい現実から逃れたくてオアシスに来ただけだった。その点ではハリデーも同様だった。しかし、ただのゲームだったはずが、その世界で親友のエイチ、ダイトウ、ショウ、愛する人サマンサのように、自分自身よりもずっと大切なものを見つけられた。もはやオアシスはパーシヴァルにとってもう一つの生きるべき世界となっていた。
そんな世界を愛するからこそ、ソレントに奪わせるわけにはいかない。自分達の生きがいとなるほどの世界を作ってくれたハリデーが引き継がせたかったのは、断じてソレントのような人間ではないからだ。
パーシヴァルは、たとえアバターが消滅して今まで積み重ねたものをすべて失ってでもオアシスは救う価値のある世界だと信じたのだ。
後に、この言葉に応えて無数のガンター達が集まるシーンは圧巻。

ハリデー「現実だけが… リアルだから」

ラストシーンで、遂にイースターエッグまでたどり着いたパーシヴァルに、ジェームズ・ハリデーが語る言葉で、本作を象徴するセリフ。
詳細な意味は語られず、非常に哲学的で曖昧な言葉だが、誰よりもハリデーを理解していたパーシヴァルは漠然とだがその意味を理解していた。

聞く者によって捉え方が大きく異なる言葉である。
その後の展開から察するに、単純にオアシスのようなVR世界を全否定し現実世界を尊重するという意味ではないらしい。
終盤では本作を締めくくるモノローグでウェイドが語っている。

『レディ・プレイヤー1』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

イースターエッグの数々

本作では80年代をはじめとしたあらゆる映画・TVシリーズ・アニメ・ゲーム・音楽などのポップカルチャーが至る箇所に登場しており、すべてを特定することは非常に困難。映像ではなくセリフなどで言及されたものも含めれば、約300作品のカメオ出演が確認されているという。
一部を以下に記載。

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