クリード チャンプを継ぐ男(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『クリード チャンプを継ぐ男』とは、2015年に製作されたアメリカ映画。シルヴェスター・スタローンを一躍スターダムに押し上げた『ロッキー』シリーズ初のスピンオフ作品で、『ロッキー・ザ・ファイナル』以来9年ぶりに新たな物語を描く。今は亡き伝説のボクサー・アポロの息子アドニスは、かつて父と歴史に残る激闘を繰り広げたロッキーを探し出してトレーナーを依頼。アドニスの純粋さと情熱にアポロの面影を見たロッキーは、彼を鍛え上げ自らのすべてを託し、セコンドとして共に世界タイトルマッチに挑む。
英国の不敗の現ボクシングチャンピオン。
3人の子持ちだが、素行が悪く、銃不法所持罪により収監が決まっていた。
最後の試合となるはずのタイトルマッチの会見場で、挑戦者のダニー・ウィーラーに怪我を負わせ試合が中止となる。
その後、マネージャー・ホリデイの利益目当ての策略により、自身最後の試合としてアドニスの挑戦を受けることになる。
トミー・ホリデイ(演:グレアム・マクタヴィッシュ)
英国のコンランのマネージャー。
コンランの最後の対戦相手を探している際に、アポロの息子であるアドニスの報道をTVで見て、ロッキーの店を訪れ、「クリード」の名を利用した興行収益を目当てに、明らかに格下であるアドニスへの対戦をロッキーに直接依頼する。
ダニー・ウィーラー(演:アンドレ・ウォード)
ロサンゼルスのアポロジムに所属するボクサー。
同ジムに所属していたアドニスがカッとなって勝負を挑んだボクサーであり、彼をコテンパンにして現実を突きつけた男。
その後、現チャピオンのコンランに挑戦するはずだったが、会見場で彼に怪我を負わされてしまう。
ピート(演:リッチー・コースター)
かつてロッキーが通ってトレーニングを積んだミッキージムの現会長。
アドニスが最初にジムを訪ねて来た時、”クリード”の名を隠していたためアポロの息子と知らずに会員にさせる。
ある日、ロッキーに、将来を有望視されている同ジムのレオというボクサーとアドニスを試合させるという提案をする。
レオ(演:ガブリエル・ロサド)
ミッキージムでピート会長が直接目を掛けている将来有望のボクサー。
ピートの提案により、アドニスと試合をすることになる。
アポロ・クリード(演:カール・ウェザース)
アドニスの父で、元ボクシング世界ヘビー級チャンピオン。
ロッキーとの試合に敗れた後は彼のサポートをし、家族ぐるみの付き合いもするほどの親友だった。
ソ連のドラゴとのエキシビジョン・マッチで強烈なパンチを浴び続け、リングの上で死んでしまう。
本作では回想シーンや写真のみでの登場となる。
『クリード チャンプを継ぐ男』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
(アポロは)“時”に負けたのさ。時には誰も逆らえない
プロのボクサーを目指し、かつて父と歴史に残る激闘を繰り広げた父のライバル・ロッキーに会うためフィラデルフィアに来たアドニス。
夜、ロッキーの経営するレストラン「エイドリアンズ」を訪ねると、閉店間際で客は無く、アドニスは店内に飾られているたくさんの写真を見ていると、そこへロッキーが現れた。アドニスを客だと思い閉店だと告げるロッキーに、アドニスは飾られているロッキーとアポロの試合の写真を見ながらアポロのことを聞く。「強かったか?」という問いにロッキーは「アポロか?強かったぞ。史上最強のボクサーだ」と答える。「でも、負かした」と言うアドニスに、ロッキーが返したセリフ。
ロッキーは今でも、かつてのアポロが死ぬ羽目になってしまった試合を止めることが出来なかったことを悔やんでいる。だが、それは“時”がそうさせてしまったのであり、誰も逆う事は出来ない。
このセリフは、ここではアポロのことを語っているが、本作を見終わった後、癌との闘いを強いられることになるロッキー自身の人生をも暗示していたことに気付く重要な言葉でもある。
(鏡に映るクリードを指して)ここにお前を睨んでいる奴がいるだろ?最強の敵だ。お前がリングに上がるたびにこいつが立ちはだかる。それはボクシングでも人生でも同じだ。
ロッキーにコーチを断られたアドニスは、かつてロッキーが通ってトレーニングを積んだミッキージムに入会した。クリードの名を隠して練習に打ち込むが、忙しさを理由に満足にコーチングをしてもらえないことに不満なアドニスは、再びロッキーを訪ねてしつこく食い下がると、やっと基礎練習のメニューを教えてもらう事に成功する。次第にアドニスのことが気になりだしたロッキーは、ある日ミッキージムを訪ね、ジムの現会長を務める幼馴染のピートに、ジムの使用を許可してもらうと、アドニスにコーチをすることを告げた。そのトレーニング中に、大きな鏡の前にアドニスを立たせてシャドーボクシングをさせるときにロッキーが言った言葉。
かつて息子のロバートに自分の人生哲学を叩きこんだロッキー。ここでも親友の息子に対し自分の息子のように接するが故に、長きに渡りボクシング人生を送って来たロッキーならではのセリフである。
あなたはアポロの息子。ならば名乗って
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目次 - Contents
- 『クリード チャンプを継ぐ男』の概要
- 『クリード チャンプを継ぐ男』のあらすじ・ストーリー
- 『クリード チャンプを継ぐ男』の主な登場人物・キャラクター
- アドニス・ジョンソン(演:マイケル・B・ジョーダン)
- ロッキー・バルボア(演:シルヴェスター・スタローン)
- ビアンカ(演:テッサ・トンプソン)
- メアリー・アン・クリード(演:フィリシア・ラシャド)
- リッキー・コンラン(演:トニー・ペリュー)
- トミー・ホリデイ(演:グレアム・マクタヴィッシュ)
- ダニー・ウィーラー(演:アンドレ・ウォード)
- ピート(演:リッチー・コースター)
- レオ(演:ガブリエル・ロサド)
- アポロ・クリード(演:カール・ウェザース)
- 『クリード チャンプを継ぐ男』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- (アポロは)“時”に負けたのさ。時には誰も逆らえない
- (鏡に映るクリードを指して)ここにお前を睨んでいる奴がいるだろ?最強の敵だ。お前がリングに上がるたびにこいつが立ちはだかる。それはボクシングでも人生でも同じだ。
- あなたはアポロの息子。ならば名乗って
- お前が次のチャンプだ。その名前に誇りを持て!
- 絆を確かめ合う感動のラストシーン
- 『クリード チャンプを継ぐ男』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 9年ぶり『ロッキー』シリーズの製作過程
- クーグラーの恐るべきアイデアはスタローンを驚かせた
- 結末を3パターン撮影していた
- アドニスの対戦相手は現役ボクサー
- 『クリード チャンプを継ぐ男』の受賞歴
- 『クリード チャンプを継ぐ男』の主題歌・挿入歌
- 挿入曲:ジョン・レジェンド&ザ・ルーツ 「The Fire」
- 挿入曲:テッサ・トンプソン 「GRIP」
- 挿入曲:ミーク・ミル「Lord Knows ft Tory Lanez」
- エンディング曲:ルードヴィッヒ・ヨーランソン「Waiting For My Moment/クリード組曲」
- 『クリード チャンプを継ぐ男』の関連映像
- 予告編映像
- 『ロッキー』伝説復活!特別映像
- 『クリード チャンプを継ぐ男』の関連サイト