
『聖剣伝説2』とは、1993年にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたアクションRPG。
「モーションバトル」や「リングコマンド」といった新たなシステムを搭載した意欲作で、音楽においても評価が高く、この後のシリーズ化に繋がった作品である。
主人公ランディは、偶然聖剣を引き抜いてしまい、旅の途中で出会った仲間たちと共に世界を支える「マナ」を巡る帝国との争いに巻き込まれていく。
マナの要塞
古代の人々がかつて建造した巨大な兵器・空中要塞ギガントのこと。
大量のマナを動力源とするため、マナの要塞と呼ばれる。
古代の人々はマナの力を利用して文明を築き、繁栄していた。だがそのためにマナを消費しすぎて、マナが減少してしまった。すると、今度は残り少ないマナを巡って世界中で紛争が起こる。
そんな戦乱の時代の末期に、大国によって生み出されたのがマナの要塞である。
マナの要塞は大量のマナを消費する破壊の象徴であり、神々の怒りに触れる原因となった。
神々の怒りによって呼び出された神獣は、マナの要塞と激しい戦闘を繰り広げ、世界中に破壊と毒を撒き散らす結果となった。
その要塞と神獣の戦いの最中、当時の聖剣を持つ勇者によってマナの要塞は落とされ、海の底へと消えた。
それと同時に神獣も消えたという。
しかしヴァンドール帝国は、世界征服という目的のため強大な力を欲し、海の底からマナの要塞を復活させようと企む。
ポトス村
ランディの住んでいた田舎の小さな村。
村の西側には立ち入り禁止区域になっている滝があり、滝つぼの付近の中州の岩には村の守り神とされる聖剣が突き刺さっている。
内向的な村で、よそ者に対しては排他的なところがある。
パンドーラ王国
ガイア台地にある王国。プリムの故郷。
パンドーラの王や王妃が住むパンドーラ城を中心に、城下町が広がっている。
大臣の娘であるプリムもパンドーラ城にいる。城下町にはプリムの親友パメラが住んでいる。
パンドーラの東にはプリムの恋人ディラックの故郷のキッポ村がある。
城下町の南にはパンドーラ古代遺跡がある。
タスマニカ共和国と同盟を結び、世界征服を企むヴァンドール帝国に対抗している。
マタンゴ王国
四季の森の北西の洞窟の先にあるキノコ型の種族であるマタンゴ族の王国。
出会いの挨拶は「マタンゴ」、別れの挨拶は「ゴンタマ」。
彼らは戦闘民族ではないため、先代の王・マツケタンもグレートボアという魔物に殺されてしまった。
後を受けて即位した現在の国王はトリュフォー。
マタンゴ族はかつて白い竜を操り乗り物として使役していたというが、現在ではその白い竜たちの生息を確認することはできなかった。
だが、ランディたちの来訪により、先代の王の仇グレートボアを打倒し、さらに伝説の白い竜の子供フラミーまで見つけてもらうこととなる。
タスマニカ共和国
マンテン山の西に位置する大国。
パンドーラ王国と同盟を結んでヴァンドール帝国に対抗している。
ランディの父親のセリンやジェマの出身地でもある。
共和国だが、レムリアン城内に国王や国民がいる。
かつてヴァンドール帝国との戦の際、セリンがレムリアン城内に国民を避難させたため、それ以降城が国民の住処となった。
本来は海洋国家だったが、マナの減少により海が荒れて出航できなくなり、現在国民は城内でそれぞれの仕事をしている。
巨大戦艦「サンドシップ」を所有し、カッカラ砂漠の火の神殿にヴァンドール帝国が近づかないよう偵察している。
ヴァンドール四天王のシークがスパイとして潜り込み、タスマニカ王に成り済まして帝国に降伏し、さらに本物の国王を暗殺しようとしたが、シークの化けた偽物の国王に影がなかったことに気付いたジェマに正体を見破られてしまい、計画は失敗してしまう。
タスマニカ共和国は、海底から古代大陸が浮上した時には、真っ先に軍隊を派遣している。
ヴァンドール帝国
ヴァンドール皇帝の治める帝国。
元は平和な国家だったが、15年前、タスマニカ共和国に侵攻し戦争を仕掛けて敗北した際、ヴァンドール皇帝が魔界と契約したことから変わり始めた。
世界征服を企み、軍事力を強化するため、国民に重い税を課している。そのため帝国領土内では今の皇帝に異を唱えるレジスタンスが組織された。
さらに皇帝は戦闘に参加させるため魔界より魔物を呼び出している。
皇帝は、邪魔なパンドーラ王国とタスマニカ共和国を倒すためにより強力な力を手に入れようと、世界中のマナの神殿にあるマナの種子の封印を解き、マナの要塞を復活させようと企む。
首都のノースタウン、サウスタウン、帝国古代遺跡寺院、黄金島、ゴールドシティーなどの領土を持つ。
『聖剣伝説2』のサウンド

『聖剣伝説2』のサウンドは当時のスクウェアのサウンドコンポーザー菊田裕樹が担当した。
菊田氏にとってはスクウェア入社後、初めて担当する作品となった。
当時のスクウェアのサウンドはほぼ1人で担当することがほとんどであり、この作品も菊田氏がほぼ1人で作り上げた。
何度も試行錯誤して時間をかけたという楽曲の数々は、ゲームの楽曲ながら透明感のある美しい音色を奏で、今なお多くのファンを獲得している。
オリジナルサウンドCD『聖剣伝説2 オリジナル・サウンド・ヴァージョン』、アレンジCD『聖剣伝説2 シークレット・オブ・マナ』が発売されている。
『聖剣伝説2』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
他機種への移植
携帯電話アプリ版

携帯電話向けサイト「聖剣伝説MOBILE」にて、2009年10月26日にFOMA903i/703iシリーズ以降、2010年6月24日にWIN BREW対応端末向けに、SFC版がそのまま移植された携帯アプリ版が配信されたが、2011年3月3日にサービス終了。
その後「スクエニMOBILE」にて、2011年5月18日よりiアプリ版、2011年5月19日よりBREW版の配信が再開。
SFC版で確認されたバグは全て修正されている。
オートセーブが採用され、これを含めてセーブデータは2つ。
レベル9以上の武器に専用グラフィックが追加されたり、地名に漢字が使用されるなど、細かい修正がなされている。
スマートフォン版

携帯アプリ版を元に制作されているため大きな相違はない。
リングコマンド表示時には、キャラクターの顔が表示されるようになった。
スマートフォンに対応した高解像度化により美麗なグラフィックは時代を感じさせず、タッチパネルの追加など、ユーザーに親切なインターフェースの新規追加がなされており、原作の出来を損ねていない良移植となっている。
Wii・Wii U・ニンテンドーSWITCH
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目次 - Contents
- 『聖剣伝説2』の概要
- 『聖剣伝説2』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- 聖剣を手に
- 聖剣に力を取り戻せ
- ディラックを追って
- マナの種子と精霊
- 帝国へ
- 賢者を求めて
- マナの聖域とマナの木の秘密
- マナの要塞へ、最終決戦
- 『聖剣伝説2』のゲームシステム
- モーションバトル
- リングコマンド
- 魔法
- 熟練度
- 大砲屋
- 宝箱
- 『聖剣伝説2』の登場人物・キャラクター
- ランディ
- プリム
- ポポイ
- ルサ・ルカ
- ディラック
- パメラ
- クリス
- フラミー
- ジェマ
- スコーピオン団
- セリン
- 賢者ジャッハとジーコ
- ニキータ
- ワッツ
- ヴァンドール皇帝
- シーク
- ゲシュタール
- ファウナッハ
- タナトス
- 神獣
- 『聖剣伝説2』の用語
- マナ
- マナの木
- マナの種子
- 精霊
- ウンディーネ
- ノーム
- サラマンダー
- ジン
- ウィル・オ・ウィスプ
- シェイド
- ルナ
- ドリアード
- マナの剣
- マナの要塞
- ポトス村
- パンドーラ王国
- マタンゴ王国
- タスマニカ共和国
- ヴァンドール帝国
- 『聖剣伝説2』のサウンド
- 『聖剣伝説2』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 他機種への移植
- 携帯電話アプリ版
- スマートフォン版
- Wii・Wii U・ニンテンドーSWITCH
- フル3Dリメイク版『聖剣伝説2 SECRET of MANA』
- バグ問題
- 『FFIV』が元ネタではない