聖剣伝説2(SECRET of MANA)のネタバレ解説・考察まとめ

『聖剣伝説2』とは、1993年にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたアクションRPG。
「モーションバトル」や「リングコマンド」といった新たなシステムを搭載した意欲作で、音楽においても評価が高く、この後のシリーズ化に繋がった作品である。
主人公ランディは、偶然聖剣を引き抜いてしまい、旅の途中で出会った仲間たちと共に世界を支える「マナ」を巡る帝国との争いに巻き込まれていく。

ランディたちは、木のマナの神殿へと向かうが、ヴァンドール帝国四天王の1人シークが立ち塞がる。
シークを倒し木のマナの神殿の祭壇へ向かうと、そこにはタナトスに力を封じられた精霊ドリアードがいた。
この神殿のマナの種子から聖剣に力をもらおうとするが、既にタナトスによりマナの種子の力が開放されてしまっていて、力をもらうことができなかった。
精霊ドリアードによると、この神殿を最後に、すべての神殿のマナの種子が帝国によって開放されてしまったため、この木の神殿の海底にある古代の大陸が浮上してくるという。
精霊ドリアードを味方にし、ランディたちはフラミーで一旦この神殿を離れる。

すると海底から古代大陸が浮上し、木のマナの神殿の下には古代の大神殿が現れた。
ランディたちが、浮上した古代大陸に降りると、そこにはジェマの姿があった。
ジェマの話では、ヴァンドール帝国の野望を止めようと、タスマニカ共和国は軍隊をこの古代大陸へ派遣し、レジスタンスたちも来ているという。
目の前に見える大神殿は封印されており正面から入ることはできなかった。
地下の古代遺跡から地底都市を経由すれば大神殿の地下に入れるとジェマに言われ、古代遺跡から大神殿を目指す。

大神殿へと入り、奥の祭壇へたどり着くと、ランディたちは皇帝の遺体を発見する。
祭壇の奥の部屋に行くと、ヴァンドール帝国の四天王のタナトスとファウナッハがおり、ファウナッハが皇帝を殺したという。
マナの要塞が復活する今、皇帝は邪魔な存在でしかないと言う。
ファウナッハはタナトスの力に心酔しており、タナトスの部下として皇帝を手にかけたのだった。
ファウナッハはランディたちに襲い掛かり、その間にタナトスは一足先にマナの要塞へと向かうのだった。
大神殿の奥にはマナの要塞へと続く区画があるのだ。
ランディたちはファウナッハを倒し、更にタナトスによって魔法機械生物として甦らされたゲシュタールをも倒して、タナトスを追うが、一歩遅く、マナの要塞は浮上してしまう。
マナの要塞が浮上すると、古代大陸は再び海の底に沈み、元の木のマナの神殿だけが残された。
フラミーで大神殿から脱出したランディたちは、木のマナの神殿前に降り立つ。
そこには古代大陸が海に沈む直前に大神殿から脱出してきたジェマやレジスタンスのクリスもいた。
そしてパメラも来ていた。
パメラはクリスが医者に診せたおかげでタナトスの術から覚め、プリムにひどいことを言ったことを謝罪するためにやってきたのだった。
彼女は幸せそうなプリムが妬ましかった、と素直に言う。
プリムは、親友だから、とパメラを許した。

ジェマは、マナの要塞が復活したとなれば、伝説の神獣が現れるだろう、と言う。
マナの要塞と神獣が争えば、古の伝説と同じく世界が滅びてしまう。
その前にマナの要塞を止めなければならない。
かつてマナの要塞を止めたのは聖剣を持った勇者だった。
だが、今聖剣を持つのはランディで、彼の持つ聖剣は、ヴァンドール帝国がマナの種子を開放してしまったことによりまだ完全に元の力を取り戻せていない。
ジェマは、マナの聖域にあるマナの木から直接力をもらえば聖剣は力を取り戻すかもしれない、と言う。
マナの聖域は普段は分厚い雲に覆われていて行くことはできないが、マナの要塞が復活した今なら、マナの聖域を覆うマナの減少の影響で、雲も晴れているはずだと、ジェマは教えてくれた。

ランディたちはマナの聖域へと向かう。
ようやくマナの聖域にあるマナの木へたどり着くが、その時タナトスがマナの要塞からマナの木を砲撃し、ランディたちの目の前でマナの木は吹き飛ばされてしまう。
砲撃のショックで気を失ったランディたち。
ランディが目を覚ますと、マナの木が無くなっていた。
途方に暮れるランディにマナの木は、姿は無くなったがマナの木の心はランディたちと共にある、と語りかけてくる。
聖剣はマナの一族と呼ばれる精霊の血を引く一族によって受け継がれてきた。
本来ならこの聖剣はマナの一族の血を受け継ぐ騎士セリンが持つはずだった。
だが15年前、セリンは魔界の力を得たヴァンドール帝国の皇帝と戦い、刺し違える形で倒したが、後に皇帝は復活してしまう。
セリンは皇帝に対抗するべく聖剣を求めてポトス村までたどり着いたものの、力尽きてしまった。
そのセリンこそ、ランディの父であった。
そして今ランディたちに語り掛けているマナの木は、セリンの妻、つまりランディの母親であると名乗る。
マナの一族の女は子孫を残すとマナの木になる運命で、一族の男はマナの聖剣を取り、世界の平和と秩序を守るのが使命だという。
ポトス村近くの滝でランディに剣を取るように語り掛けたのは彼の父セリンだったのである。

マナの木である母は、最後の力で聖剣に力を与え、ランディは聖剣の勇者となった。
マナの木の母は、ランディに、マナの要塞に行って世界を救えと言う。
更に彼女は要塞の復活により、マナの神獣が現れるだろうと言う。
マナの神獣は、失われたマナを回復できる唯一の存在だと教えてくれた。
しかし、急速にマナが失われると、神獣は暴走して狂ったように暴れ始め、狂った神獣が要塞とぶつかり合うと世界は滅んでしまうと言う。
これを回避するためには、ランディの持つ聖剣で神獣を倒すしかないと語る。
そして最後に、母親らしいことを何もしてあげられなかったことをランディに謝り、消え去った。

マナの要塞へ、最終決戦

フラミーに乗って空に浮かぶマナの要塞へ乗り込むランディたち。
マナの要塞ではタナトスとディラックが待ち構えていた。
タナトスはもうじき自分の肉体が朽ちると言い、ディラックの体に乗り移って新しい体を手に入れようとしていた。
タナトスは、古代の魔法使いで、永遠の命を求めて魔界と契約し、不滅の魂を得た不死の存在であった。
しかし精神は不死でも肉体は朽ち果ててしまうため、他者の肉体に乗り移っては生きながらえてきた。
だが、誰にでも乗り移れるわけではなかった。
数十年に一度生まれるという「闇の血」を持つ者のみがタナトスの力に耐えられるといい、タナトスは闇の血を持つ者に憑依してきた。
そしてディラックはタナトスにとって待望の闇の血を持つ者であり、彼に乗り移れば更なる巨大な力を得ることができるはずだった。
そうしている間にもタナトスの体は朽ち果ててしまい、ディラックの体に乗り移った。
だがディラックはタナトスに体を乗っとられても、彼の精神は同化を拒んでいた。

ディラックは、タナトスが魔界に魂を売り渡し、永遠の命を得ようと他人の体に乗り移ることを繰り返しているうちに精神がむしばまれ、やがて怨念の塊である魔物ダークリッチへと変貌したことをランディたちに告げる。
ディラックはプリムのことをランディに託すと、ダークリッチを追い出すために自らの体を消滅させた。
ディラックの体を失ったダークリッチは悔しがり、今度はイチかバチかランディたちの体を狙い、戦いをしかけてきた。
苦闘の末、ダークリッチを倒したランディたち。だがディラックはもう戻らない。プリムは泣きながらディラックの名を叫ぶ。

マナの要塞から外に出てみると、フラミーに似た神獣が要塞に攻撃をしかけてきていた。
マナの木の言った通り、神獣は暴走しており、見境なく攻撃を続けている。

しかしランディは、神獣を倒すことはできない、と言う。
なぜならマナの木が無くなった今、神獣を倒せばマナを回復させることができなくなり、世界からマナが消えてしまうことになる。
ランディは、マナが無くなるとポポイが消えてしまうということを思い出したのだった。
しかしポポイは、自分は死ぬわけじゃない、自分たち妖精族の住む世界がランディたちの住む世界と別れ、会えなくなるだけだ、と言う。
それよりも今神獣を倒さないとその世界すべてが滅んでしまうことになる。
そしてその神獣を倒せるのは聖剣を持っているランディだけなのだ。
ポポイは、マナの木の母親にも誓ったことなのだから、自分に構わず使命をやりとげろ、とランディを励ます。

マナの要塞のてっぺんで神獣と対峙するランディたち。
神獣はマナの塊なので、マナの聖剣でしかダメージを与えられない。
そのとき、力を封印されていた精霊ドリアードのマナの力が戻り、ポポイとプリムの魔法にマナのパワーが加わった。
ランディが聖剣を掲げると、ポポイとプリムのマナの魔法のパワーを吸収し、聖剣は完全に力を取り戻した。
ランディはポポイやプリムの魔法の援護と聖剣の力で神獣を倒した。
マナの要塞も機能を停止し、神獣と共に消え去った。
そしていつの間にかポポイもいなくなっていた。
消えた神獣の欠片が雪となって世界中に降り注ぐ。
その雪にまぎれて精霊や妖精たちもこの世界から姿を消していった。

ランディとプリムはポポイとディラックのことを決して忘れず、自分たちは強く生きていくことを誓う。
2人は各地を巡り、戦いの終わりを報告するため、ジェマやレジスタンス、ルサ・ルカらに会いに行く。
そしてプリムと別れたランディはポトス村へ帰還し、聖剣を元の滝へ戻す。

やがて雪がやむと、故郷の森にポポイが姿を現す。
マナが消えたことで世界は2つに別れ、ポポイとランディたちはお互いの姿を見ることはできなくなったが、それぞれの世界で生きていくのだ。

『聖剣伝説2』の登場人物・キャラクター

ランディ

本作の主人公。
16歳。身長174㎝・体重62kg。 CV:小野賢章(聖剣伝説2 SECRET of MANA)
幼い頃、母親と共にポトス村に来たが、まもなく母親が失踪してしまい、残されたランディは、村長に育てられる。
気弱な性格な上、よそ者であることから、村ではあまり良く思われていない。
ランディが不思議な声に導かれて聖剣を抜いたことから、村を追放され、聖剣を鍛えるための旅に出ることとなった。
実はランディはマナの一族であり、マナの聖剣を持つ資格があったため、聖剣を偶然引き抜いたわけではなかったことが終盤明らかになる。
旅を通して、気弱な性格だったランディは勇者にふさわしい男に成長していった。
聖剣を使える唯一のキャラクター。魔法は使えない。

プリム

パンドーラ王国の大臣の娘でパーティキャラの1人。
17歳。身長165㎝・体重48kg。CV: 山本希望(聖剣伝説2 SECRET of MANA)
幼い頃に母を失くし、父親の男手1つで育てられたせいか気が強くお転婆。
騎士であるディラックとは恋人同士だが、プリムの父は彼が田舎出身の兵士であることが気に入らない。
それでプリムからディラックを引き離すために、彼を魔女エリニースの討伐に派遣してしまう。
その間にプリムはお見合いをさせられることになり、父親と大喧嘩してしまう。
そして家を飛び出してディラックの後を追う途中に、ランディと出会い仲間になる。
ゲームの進行次第で仲間になるタイミングが変わる。
戦闘では主に回復と支援魔法を担当する。

ポポイ

妖精族の村の生き残りでパーティキャラの1人。
年齢不詳、身長95㎝・体重32kg。CV:加藤英美里(聖剣伝説2 SECRET of MANA)
ランディと出会ったときはドワーフの村長に保護されており、ドワーフの村の見せ物小屋にいた。
洪水で流されてきたせいで記憶を失っており、故郷の村への帰り方がわからなくなっていた。
ポポイという名もランディがつけた名前である。
自分のことをオイラと呼び、少年に見えるが実は両性である。
ランディの仲間になって旅をするうち記憶を取り戻し、故郷の村へ帰還するが、村は帝国に襲われて壊滅していた。
戦闘では攻撃魔法を主に使う。

ルサ・ルカ

水の神殿の巫女。
CV:釘宮理恵(聖剣伝説2 SECRET of MANA)
少女に見えるが200歳を超えている。一人称は「ワシ」。
水の流れを通じて世界のあらゆる出来事を知ることができるという。
その情報により、ランディたちを導いてくれる。

ディラック

プリムの恋人で、パンドーラ国の騎士。階級は少佐。CV:佐藤拓也(聖剣伝説2 SECRET of MANA)
パンドーラの片田舎のキッポ村の出身。
正義感が強く優しい性格。
プリムの父で大臣のエルマンは、彼が片田舎の一兵士であるという身分を快く思っておらず、プリムとの仲を裂こうとする。
そのエルマンの策略によりディラックは魔女討伐に向かわされることとなり、帝国四天王のタナトスに囚われることとなってしまう。
タナトスの術にかかりにくかったことから、ディラックの正体が何十年かに生まれるという「闇の血」を持った存在であることが判明する。
「闇の血」を持つ体を自らの器として求めていたタナトスは、ディラックに乗り移ろうとするが、ディラックは自らの精神力で抵抗し、タナトスの正体を暴いて自らの体を消滅させてしまった。
その際、プリムのことをランディに託していた。

パメラ

プリムの親友。
実はプリムの恋人と知りながらディラックに想いを寄せている。
プリムに対する嫉妬心が強く、その心をタナトスの術によって利用され、操られてしまう。
術が解けた後はプリムと和解している。

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