『ポケットモンスター(ポケモン)』を産んだゲーム『MOTHER』
任天堂が産んだ大人気ゲーム、『ポケットモンスター』。その誕生には同じく任天堂が開発した『MOTHER』というゲームの存在が深く関係していることはご存知だろうか。今回は『MOTHER』と『ポケットモンスター』の関係について詳しく解説していく。また『ポケットモンスター』のゲーム中の『MOTHER』の元ネタについても紹介する。
冒険の途中で、『MOTHER』では「じてんしゃ」を手に入れることができる。『MOTHER』では自転車に乗ると、BGMが自転車専用のものになる。また『ポケットモンスター』でも「じてんしゃ」を手に入れることが可能になり、『MOTHER』と同じように自転車専用BGMが存在する。
家にいる母、いない父の存在
『MOTHER』の主人公の家には、母親(ママ)と妹のミニー、ミミーがいるが、父親は不在である。『ポケットモンスター』の主人公の家も同様で、母親は家に居ていつも主人公の帰りを待っていてくれる。しかし父親は不在である。これは初代から続くシリーズでも同様である。『MOTHER』の父親はどこか遠くにいて、電話を通じてなら会話をすることができるが、母親は家にいて、旅の始まりから主人公を見守っていてくれること、そして父親が不在であることが二つのゲームに共通している。
ミュウツーのルーツは『MOTHER』のラスボス・ギーグだった?
『ポケットモンスター』に登場するポケモン、ミュウツー。アニメ映画にも登場し、有名なポケモンの一匹である。
ファンの間ではこのミュウツーは『MOTHER2』に登場するラスボス、ギーグをモデルにしていると噂されているのだ。
『MOTHER』のラスボスであるギーグは、主人公たちが冒険するきっかけになる超常現象の原因となった存在そのものである。まずギーグとミュウツーの見た目は大変酷似している。そしてミュウツーもギーグも使う技がエスパー系である。ミュウツーは「サイコキネシス」を使い攻撃してくるが、ギーグもまた超能力を使い攻撃してくるのだ。
しかし開発者側はミュウツーはギーグをモデルにして作ったのではないと言っているので、偶然の一致と考えられる。無意識のうちに似せていたのかもしれない、もしくは狙っていたのかもしれない。真相は当時のゲーム開発者のみぞ知るとも言えるだろう。
『ポケットモンスターブラック・ホワイト』のトラウマ、Nの部屋のルーツも『MOTHER』から?
Nの部屋
「Nの部屋」とは、『ポケットモンスターブラック・ホワイト』(以下『ポケモンBW』とする。)に登場する、主人公のライバル的存在であり、「プラズマ団」の幹部ゲーチスの息子である青年「N」の城にある部屋の事である。「N」というキャラクターと「Nの部屋」は『ポケモンBX』の中でのブラックな要素であるともいえる。
「N」はプラズマ団の幹部ゲーチスにより育てられたが、育った環境は異常で、人の手により虐待されたポケモンとともに外界とは隔離された環境で暮らしてきた。その場所というのが「Nの部屋」である。
「Nの部屋」を見てみると、青年の部屋であるにも関わらずミニチュアの電車などの幼児が遊ぶおもちゃしかなかったり、そのミニチュアの電車がバスケットボールのゴールに引っかかっていたり、大型の遊具にポケモンの引っかき痕などの異常に荒れている子供部屋のような光景が広がっている。またこの部屋の中央には、「ふしぎなアメ」というポケモンのレベルを任意で上げることができるアイテムが転がっており、このこともNが歩んできた人生の歪さを暗示しているようにも思える。
この部屋を見てトラウマを覚えたプレーヤーも少なくはないだろう。
そしてこの部屋が一部のファンの間で『MOTHER』に登場するポーキーの部屋と類似していると述べられている。
ポーキーの部屋
ポーキーは『MOTHER2』~『MOTHER3』に登場するライバル的存在である。ポーキーは主人公ネスの近所に住む意地悪で自己中心的な性格をした少年であり、2ではネスの冒険を幾度となく邪魔をしてきた。そして最終的にはラスボスのギーグ側につき、ギーグから与えられた重機械を用いてネス達と対峙する。敗北したポーキーは時空間の逃亡を繰り返し続けたものの、性格ゆえに誰にも受け入れてもらえず、心は子供のまま、体はどんどんと老いぼれていってしまう。この精神と肉体の成長が伴っていないポーキーは、『ポケモンBW』において心は子供のまま、体だけ成長させられたと考えられるNとの類似性を見ることができる。
そして『MOTHER3』におけるポーキーの理想都市、ニューポークシティにあるポーキーの部屋は、Nの部屋と同じような荒れ果てた子供部屋なのだ。そのため『MOTHER』のポーキーの部屋とポーキーは、『ポケモンBW』におけるNのモデルになったのではないかとささやかれているが、真偽の方は定かではない。
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