ユースタス・キッド（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

突然現れたカイドウに歯向かった結果、キッドはボロ負けしてワノ国に連れて行かれる。兎丼にある囚人採掘場でルフィや離れ離れになっていた相棒のキラーと再会した。ルフィがカイドウに手ひどくやられてもなおカイドウに再戦を挑むことを聞かされ、一緒にやるかと誘われたがキッドはこれを蹴った。スクラッチメン・アプーやバジル・ホーキンスに裏切られた苦い過去は思いの外キッドの中にトラウマとして残っている。キッドはルフィの勧誘を吐き捨てるように断り、キッドと共に兎丼を後にした。誰のことももう信じられない中でもキッドは「おれ達はおれ達の道を行く！！！」と歩みだした。キッドの不屈の精神が垣間見えるセリフである。

ルフィとローとの不本意な共闘

キッドは作中でルフィとローと何度か共闘している。一度目はシャボンディ諸島で、二度目はワノ国の常影港で、三度目は鬼ヶ島屋上でだ。しかしキッドもルフィもローもとても負けず嫌いであり、自身がライバル達に劣っていることを断固として認めない。同じ場に居合わせる度に子供のような喧嘩を繰り返し、お互いに「下がってろ」と命令し合ってはキレて喧嘩をしている。わちゃわちゃと言い合う姿はファンからも「かわいい」、「好き」など高評価を得ており、キッド、ルフィ、ローの3人を合わせて「3船長」と呼んだりもする。「二度あることは三度ある」ではないが、ここまで3人揃って戦うことがあるのであれば、今後の展開でも「3船長」が揃って戦う可能性もあるのではと期待を寄せるファンも多い。キッド、ルフィ、ローの「3船長」の不本意な共闘はお決まりの展開になっている。

ユースタス・キッドの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

名前の由来は海賊ウィリアム・キッドと海賊僧侶ユースタス

ユースタス・キッドという名前は、海賊ウィリアム・キッドと海賊僧侶ユースタスからきている。

ウィリアム・キッドは17世紀に実在した海賊。ユースタス・キッド同様、「キャプテン・キッド」という別名が世に広く広がっている。ウィリアム・キッドは私掠船（しりゃくせん）と呼ばれる政府から敵国の船を攻撃しその船や積み荷などを奪う許可を得た個人の船の船長であった（私掠船自体海賊の一種である）。その後本格的に海賊を生業として始め、最後は部下に裏切りにあい逮捕される。裁判を経て5つの海賊行為と殺人の罪で死刑となったとされている。

海賊僧侶ユースタスは13世紀に実在した人物。

初恋の相手はシルトン・ドルヤナイカちゃん

キッドと幼馴染であるキラーの初恋の相手は同じ女の子だったいう。名前はシルトン・ドルヤナイカちゃん。単行本98巻のSBSのコーナーでその容姿も明らかになった。ちなみにキッドとキラーは嫌いな食べ物も同じで、カレーうどんが嫌いだという。嫌いな理由は、「カレーうどんの汁で汚れたドルヤナイカちゃんを二人で笑ってしまい、ボコボコに殴られた挙句、フラれてしまった」という苦い過去があるからとのこと。同じ女の子を好きになり、同じ理由で同じ食べ物を嫌いになったキッドとキラー。その深い信頼関係は幼い頃から構築されていたことを感じさせるエピソードでもある。

集めた金属の中に描かれたポケットモンスターのメルタン

『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎は、スマートフォン・タブレット向けゲーム『ポケモンGO』の熱心なファンだと言われている。

『ポケモンGO』は『ポケットモンスター』を原作としたゲームであり、スマートフォン・タブレットでプレイすることが可能。現実の世界を歩いて移動することでさまざまなポケモンに出会うことができ、ゲットすることができる。ゲットしたポケモンは強くしてフレンドやNCPと戦闘することも可能。またフレンド同士でポケモンを交換することもできる。

キッドの使う技の一つ「磁気弦（パンクギブソン）」は、悪魔の実「ジキジキの実」の能力で周囲にある鉄くずなどを吸い寄せ巨大な手を作り、その手で攻撃をするというもの。その吸い寄せられた鉄くずの中に「メルタン」というポケモンが描かれている。メルタンは六角形のボルトのような頭をしており、真ん中に空いた穴の部分に目のような丸い物体があるポケモンだ。『週刊少年ジャンプ』本誌に掲載された時はファンの間で「今週の『ONE PIECE』にメルタンが出てる！」と話題になった。

キッドの失った左腕がシャンクスの左腕になっている説

詳しくは描かれていないが、キッドは新世界に入った後、四皇の一人・赤髪のシャンクスが率いる赤髪海賊団と抗争を行ったとされている。

シャンクスと言えば主人公モンキー・D・ルフィにトレードマークの麦わら帽子を託した人物であり、物語でも重要な役柄を担う人物だ。第1話でシャンクスは悪魔の実「ゴムゴムの実」を食べて泳げなくなったルフィを海から助ける時、近海の主にその左腕を食いちぎられ隻腕になった。ところがキッドも新世界編で、しかもシャンクス率いる海賊団との抗争で同じ左腕を失ったということから、「キッドの左腕はシャンクスがの左腕になっている」というややぶっ飛んだ考察が登場した。

だがこの説は第1029話で描かれたキラーとバジル・ホーキンスの戦いでやんわりと否定されることになる。

キッドの命をその身に宿したホーキンスにキラーは手も足も出なかった。それをいいことにホーキンスは自ら頭を柱に打ち付けてキッドにダメージを流すなどをしてキラーを精神的にも追い詰める。そこでキラーは一か八かの作戦に出た。ホーキンスの左腕を切り落としたのだ。キッドには左腕がないため、腕を切られたダメージがキッドに行くことはない。もし考察通りキッドの左腕をシャンクスがつけていたとしたらそのダメージはシャンクスに還元され、ホーキンスにダメージは通らないはず。しかしホーキンスにはしっかりとダメージがいっていた。これによって「キッドの失った左腕がシャンクスの左腕になっている説」は幕を閉じた。