チャッピー(CHAPPiE)のネタバレ解説・考察まとめ
“感情”や“意識”を持った人工知能内臓の学習型ロボット“チャッピー”を巡り、そのロボットの設計者、ロボットを強奪したギャング・グループ、設計者を妬む同僚などが入り乱れて、ユーモアを交えながら壮絶なアクションとサスペンスが展開する、2015年公開の近未来SF映画。監督は、独創的なSF映画「第9地区」(09)でデビューした南アフリカ出身のニール・ブロムカンプ。
テトラバール社の社員で、軍事用ロボット“ムース”の開発者。髭面でポロシャツにバミューダパンツとラフな格好をしていて、社内では一人浮いている。
以前は国防総省の防衛計画局で2年働き、豪州の特殊部隊に所属したこともあるらしい。
ディオンの生み出したスカウトが大好評のせいで自分の研究開発費がどんどん削られ、ディオンを深く妬んでいる。
何とかムースの実力を見せようと、すべての警官ロボット・スカウトのプログラムに悪質ウイルスを放ち機能停止に陥らせる。
機能停止したチャッピーをディオンが回復させるのを目撃し、後にムースを作動させてチャッピーを破壊しようとする。
最後には、社内に現れたチャッピーにコテンパンに痛めつけられてしまう。
アメリカ(演:ホセ・パブロ・カンティージョ、日本語吹替:江川央生)
ギャンググループのひとり。アメリカ出身のようで、たまにアメリカに帰りたいと口走ることがある。
ニンジャやヨーランディとは気心の知れた仲間で、チャッピーに対してもニンジャよりも親しみを感じた接し方をしている。
仲間内で波風が立たないよう要領よく立ち回っているが、最後には隠れ家に急襲したムースに体を引き裂かれ無残な死を遂げる。
ミシェル・ブラッドリー(演:シガーニー・ウィーヴァー、日本語吹替:日本語吹替:幸田直子)
テトラバール社の代表取締役。
収益を第一に考えており、ディオンの開発したスカウトが警察に大量購入されたことに満足しているが、彼が次に成功させた感情や意識をもった新しい人工知能に関しては、収益につながらないと採用を却下ししまうクールなビジネス・ウーマン。
ヴィンセントの策略とは知らず、ロボット警官スカウトが機能停止した時は会社の危機回避のためにやむなくムース作動を許可してしまう。
だが結局、南アメリカ警察はロボット警官の使用を止め、人間の警官が大量雇用されることとなる。
ヒッポ(演:ブランドン・オーレット、日本語吹替:天田益男)
強面のニンジャ達の大ボス。奇妙なヘアスタイルで、筋肉自慢なのか上半身はいつも裸。
強盗に失敗したニンジャ達に、大金を一週間で用意しないとをお前ら全員殺すと脅す冷血漢。
ニュースで現金輸送車強奪を働くチャッピーを見ると、ぜひ手に入れたいとニンジャ達の隠れ家を襲うが、銃撃戦を繰り広げた後にニンジャに命を絶たれる。
『チャッピー』の見どころ
感情を持ったロボットの心情を描く斬新な設定のSFムービー
誕生したばかりで赤ん坊のように無垢な人工知能内臓の学習型ロボットが、ギャンググループに育てられるという、それまでのSF作品になかった設定が斬新で、それが見どころの一つとなっている作品だ。
サイボーグのように表情があるわけでもなく、いかにもロボットそのもののマシン然とした姿なのに、戸惑い悩み哀しむチャッピーの心情が見ている側にストレートに伝わってくる。
また、ギャングを演じるダイ・アントワードのニンジャとヨ=ランディ・ヴィッサーが、自身のキャラをそのまま役柄に反映しているそうで、ファッションや隠れ家の装飾、それに小物など、細部にわたるまでダイ・アントワード・ワールドに染め上げており、そんなビジュアルも見どころだ。
本作のアイデアのヒントを与えてくれた二人だけに、監督は、彼らの意向をできるだけ作品に取り込みたいと考え、希望どうりに銃をピンク色や蛍光イエローに塗ったり、彼ら自身の車を登場させたりしているんだそう。もちろん、ダイ・アントワードの音楽も流れる。
個性的ミュージシャン「ダイ・アントワード」のプロフィール
チャッピーの“ママ”&“パパ”として、彼を育てるギャングという重要な役柄を演じた南アフリカ・ケープタウン出身のラップグループ「ダイ・アントワード」の夫婦ニンジャとヨ=ランディ・ヴィッサー。
プロムカンプ監督の「第9地区」を気に入っていた二人は、世界中で一番好きな監督だと言い、オファーを受けたときは夢が叶ったと思ったそうだ。
「ダイ・アントワード」は、リードラッパーのニンジャ(Ninja)、サイドラッパーのヨ=ランディ・ヴィッサー(¥o-LandiVi Vi$$er)、DJのDJハイテック(DJ Hi-tec)によって2008年に結成したグループ。09年にデビューアルバム『$O$』を発表。
ビビッドなファッションとアヴァンギャルドな音楽性、それに奇抜なパフォーマンスで世界的に人気を博し、日本にも来日している。
アフリカーナのプア・ホワイト文化である「ZEF」を提唱した一組でもあるそうだ。
映像にも関心が深く、10年に「スプリング・ブレイカーズ」のハーモーニー・コリン監督と組み、短編映画「UmshiniWarm」に本人役で出演したり、インパクトの強いミュージックビデオも、自分達で企画しニンジャが監督しているらしい。
彼らの代表曲「I FUNK U FREEKY」はYouTubeで再生回数が6400万回を超えるなど、ミュージックビデオの注目度も高い。
『チャッピー』の名シーン・名場面
ニンジャにスラム街に置き去りにされ、気が沈むチャッピーと野良犬
チャッピーが楽しげに絵を描いているのを見たニンジャが、自分たちの味方にするためには、街の状況を覚えさせなきゃいけないということでスラム街に連れ出して置き去りにする。チャッピーの見た目はロボット警官だけに、街のチンピラ達に暴力を振るわれてしまい、チャッピーはかろうじて逃げ出す。
なぜ自分に暴力を振るわれたのか訳が分からず丘の上でしょんぼりと石にへたり込んでいると、野良犬が親しげに近寄ってきたので、自然に手が伸び犬の頭を撫でてやる。
チャッピーと野良犬とのつかの間の交流が詩的に描かれる、ちょっぴりセンチメンタルなムード漂う胸にキュンとくる名シーンである。
この後ヴィンセントたちに襲われ、片腕を切断された挙句にガードキーを奪われる。チャッピーにとってはムゴイ出来事が起こるだけに、余計に印象深い場面となっている。
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目次 - Contents
- 『チャッピー』の概要
- 『チャッピー』のあらすじ・ストーリー
- 『チャッピー』の主な登場人物・キャラクター
- チャッピー(声&モーションキャプチャー:シャールト・コプリー、日本語吹替:川島得愛)
- ディオン・ウィルソン(演:デヴ・パテル、日本語吹替:羽多野渉)
- ニンジャ(演:ニンジャ<ダイ・アントワード>、日本語吹替:高木渉)
- ヨーランディ(演:ヨ=ランディ・ヴィッサー<ダイ・アントワード>、日本語吹替:新谷真弓)
- ヴィンセント・ムーア(演:ヒュー・ジャックマン、日本語吹替:山路和弘)
- アメリカ(演:ホセ・パブロ・カンティージョ、日本語吹替:江川央生)
- ミシェル・ブラッドリー(演:シガーニー・ウィーヴァー、日本語吹替:日本語吹替:幸田直子)
- ヒッポ(演:ブランドン・オーレット、日本語吹替:天田益男)
- 『チャッピー』の見どころ
- 感情を持ったロボットの心情を描く斬新な設定のSFムービー
- 個性的ミュージシャン「ダイ・アントワード」のプロフィール
- 『チャッピー』の名シーン・名場面
- ニンジャにスラム街に置き去りにされ、気が沈むチャッピーと野良犬
- 隠れ家を急襲したムースに立ち向かうチャッピーやニンジャたち
- 『チャッピー』の名言・名セリフ
- 「ボク生きたい、ママといたい、死ぬのはイヤだ」
- 「ボクたちは黒い羊だね」
- 『チャッピー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『チャッピー』の元ネタである架空の会社のロボット警官CM
- 日本劇場公開版では、人体切断描写がカットされていた
- 『チャッピー』の関連動画
- 『チャッピー』日本版・予告編
- 映画『チャッピー』特別映像 "ダイ・アントワード"って何者だ!?