食戟のソーマ(しょくげき)【基本情報・随時更新】

「食戟のソーマ(しょくげき)」は、『週刊少年ジャンプ』で2012年52号から連載され、原作・附田祐斗先生、作画・佐伯俊先生、料理研究家・森崎友紀先生の協力のもと、日本屈指の料理学校で主人公・幸平創真(ゆきひらそうま)を始めとする個性豊かな生徒達が、“一流の料理人”を目指し切磋琢磨しながら友情と絆を育む“新感覚料理バトル<食戟>”漫画。

概要

日本屈指の名門料理学校「遠月茶寮料理学園(とおつきさりょうりょうりがくえん)」を舞台に、下町の定食屋「ゆきひら」の息子で料理人の少年・幸平創真(ゆきひらそうま)の活躍と成長を描く料理・グルメバトル漫画。料理対決や料理の意外性に加え、登場人物たちが料理を食べた時にリアクションをとる“おはだけ”は今作最大の魅力の一つである。

またタイトルにもある「食戟(しょくげき)」とは、独自のルールに則った料理対決を意味する。(詳細は「基本用語」を参照)

本作の企画は、作者と編集者の他愛のない会話から偶然生まれた。集英社が出版する『少年ジャンプNEXT!』の2012SPRING巻頭カラーに50ページに及ぶ読み切り版が掲載された後、『週刊少年ジャンプ』2012年52号より連載を開始した。2013年4・5号合併号掲載の第5話以降は料理研究家・森崎友紀先生が協力しており、食のアイデアなどを提供している。お手軽なものから本格的なものまで紹介されるレシピも魅力の一つでもある。森崎先生の話によると、集英社の『MORE』と『週刊プレイボーイ』に料理の連載を持った繋がりで、漫画協力の話をもらったとのこと。
2015年2月より、ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』で本作のスピンオフ漫画を連載中。

単行本には作品に登場した料理のアレンジレシピやキャラクターのプロフィールが掲載されている。JC第1巻は発売直後から予想を上回る売れ行きを見せ、異例の速さで10万部の重版がかかり、発売から2週間で20万部を超す勢いとなった。2015年4月のアニメ化以降も順調に売上を伸ばし、2017年3月時点(第22巻)で累計発行部数は1200万部以上を誇る。

前述にもある通り、2015年4月から9月まで地上波でTBS『アニメイズム』枠で第一期が放送され、同年12月14日に第二期の制作が発表され、2016年7月から9月までBSで放送された。

あらすじ・ストーリー

下町にある「すみれ商店街」で経営している小さな定食屋「ゆきひら」の息子で料理人の幸平創真は、父・城一郎を越えるべく料理修業に励む日々を過ごしていた。ところが、中学卒業後は家業を継ごうと考えていた創真をよそに、城一郎から突然店を数年閉めると告げられる。そして、「自分の器を計ってこい」と超名門料理学園「遠月茶寮料理學園」の編入を勧められる。
高等部への編入を果たした創真は、持ち前の料理の腕を駆使し料理人として成長していく。

遠月学園への編入と初めての食戟(JC第1・2巻)

創真は、学園の次期総帥で“神の舌”を持つ実力者で高等部1年の薙切れりなが審査員を務める編入試験を受験する。試験内容は「卵料理」で一品作り、えりなの舌を唸らせた者が遠月学園への編入を許可するというもの。他の編入受験者が拒む一方、創真ただ一人試験を受けることになる。創真は「化けるふりかけごはん」を作り、えりなに鎌をかけながらも彼女の舌を唸らせたにも関わらず、彼女のプライドを傷つけ目をつけられ、私情で不合格判定を下される。しかし、現・遠月学園総帥でえりなの祖父・薙切仙左衛門がふりかけを試食し、ほくそ笑みながら彼の実力を認め、えりなの判定を取り消し創真を正式に編入を許可する。

来る入学式で、新入生代表として創真は「この学園に入ったからには、てっぺん取るんで」と、全生徒に“宣戦布告”とも取れる演説を行い生徒を完全に敵に回した。一方、落ちこぼれで辛くも進級試験を合格した少女・田所恵(たどころ めぐみ)は、進級後初の調理実習で創真とペアになり、料理界では知らない者はいない、“笑わない料理人”という異名を持つフランス人料理人ローラン・シャペルを講師に迎え、「ブッフブルギニョン~ブルゴーニュ風~」を作ることになった。しかし、目を付けられた創真は他の生徒に調理を妨害されてしまう。危機的状況の中、創真は機転を効かし他の生徒よりも早く料理を完成させA判定を貰い、恵は退学処分を免れる。

そして創真は、学生寮「極星寮」で寮母である大御堂ふみ緒(だいみどう ふみお)から“入寮腕試し”を試され、見事一発で合格し入寮する。そこには、個性的な極星寮生たちが暮らしていた。もちろん恵も寮生の一人(入寮まで3か月かかった)。極星寮に入寮した創真は、「遠月十傑評議会」の一人で高等部2年の一色慧(いっしき さとし)から、えりなが十傑第10席であることと、遠月学園伝統の料理勝負「食戟(しょくげき)」について知らされる。

創真は恵と共に、学園に多数存在する研究会の一つ「丼物研究会」(通称・丼研)の部室を訪れる。丼研は勢力拡大を続けるえりなの圧力によるものと、彼女の側近で“ミートマスター”の異名を持つ肉料理のスペシャリスト・高等部1年水戸郁魅の口利きもあり廃部寸前に陥っていた。創真は、丼研の部長で高等部2年の小西寛一(こにし かんいち)に代わり、郁魅を対戦相手にとり「食戟」を申し込む。条件は「郁魅が勝てば丼研は廃部、創真は退学」、「もし郁魅が負ければ丼研に入る」という条件で初めての食戟に挑む。開戦は3日後。創真たちは試行錯誤しながら、郁魅が得意とするA5ランク牛肉に対抗するため多くの試作を作るが、開戦前日なっても納得のいく品が出来ない。
食戟当日。やはり郁魅はA5ランク牛肉を使った「A5ランク和牛のロティ丼」を披露し、審査員の舌を唸らせた。そして創真は特売の牛肉を使った「ゆきひら流シャリアピンステーキ丼」を披露し、審査員の舌を唸らし完食まで至らせ、逆に郁魅の丼物は完食には至らなかった。
「丼物は“一椀”で完結する」
創真は完全勝利を収め、創真のその言葉と共に郁魅は敗れえりなに見捨てられ、条件通り丼研に入ることとなる。

地獄の宿泊研修(JC第3~5巻)

創真たち高等部の1年生たちは、課題に合格しなければ即退学という“地獄の宿泊研修”に臨む。合宿所である「遠月リゾート」で1週間研修が行われる。初日の挨拶に、遠月学園OBで元十傑第一席の四宮小次郎(しのみや こじろう)や元十傑第二席の乾日向子(いぬい ひなこ)、そして遠月学園第69期卒業生で元十傑第一席にして極星寮OBの現遠月リゾート総料理長県取締役会役員の堂島銀(どうじま ぎん)ら各地で活躍する卒業生たちが揃い踏みした。

迎えた合宿初日。初日は日向子が担当兼審査員を務め、課題内容は「敷地内にある食材で自分を満足させる」という内容。同じ課題に挑む生徒の中には、創真と同じくイタリアの大衆食堂で厨房に立っていた双子の兄弟の兄タクミ・アルディーニと弟のイサミ・アルディーニと出会い勝負を挑まれるが、日向子の優柔不断により勝負はうやむやに終わる。

合宿2日目。担当は四宮。しかし初めて一人で挑んだ恵は、レシピ通りに作るという課題で不測の事態に対処しようとレシピに手を加えたことで、四宮から退学を言い渡されてしまう。四宮の正論ではあるが、高圧的な態度に異を唱えた創真は、彼に「食戟」を申し込む。堂島の計らいで恵・創真ペアと四宮の非公式の「食戟」を行われることになる。創真のサポートもあり他の卒業生達の舌を唸らせるが、結果は四宮の勝利に終わった。がしかし、堂島の勧めで恵の料理を食した四宮が考えを改め恵の退学処分は取り消された。

合宿4日目の課題は、卵を使った朝食の新メニュー作り。ビュッフェ形式の審査で行われ、審査員は老若男女各世代問わずの宿泊客とリゾート従業員。制限時間は2時間。えりなは「エッグベネディクト」、恵は「朝食おでん」、タクミは「フリッタータ」と客の関心を煽り順調にノルマ200食を達成する中、ビュッフェに不向きな「ミニスフレオムレツ」をメニューに選んだ創真は、短時間で絞れてしまうスフレに悪戦苦闘し残り時間30分で僅か8食という窮地に陥る。しかし、父・城一郎から教わった“状況把握”と“洞察力”で、創真は客の目の前で調理を行う「ライブクッキング」を披露することで他の客の関心を集め、終了間際で200食を達し合格する。
そんな中、えりなの従妹で同じ高等部1年の薙切アリスは、残り時間を大幅に残し400食という偉業を達成し、他の生徒に度肝を抜かす。
そして合格者の中には、えりなの秘書を務める高等部1年・新戸緋沙子(あらと ひさこ)と、アリスの側近で同じく高等部1年・黒木場リョウ(くろきばー)の姿があり、アリスも遠月学園の頂点を狙う者だった。

合宿終了後、連休を利用して実家に帰省した創真は、すみれ商店街近くの駅の商業施設のリニューアルに伴い、衰退していく商店街の現状を目の当たりする。

唐揚げ夏の陣(JC第5巻)

宿泊研修終了後、創真は連休を利用し「すみれ商店街」にある実家の定食屋「ゆきひら」に帰省する。帰省した創真だったが、目の前に広がっていた光景は想像を超えるものだった。
最近商店街近くの駅ビルのリニューアルに伴い、唐揚げ専門店「もず屋」の併設により、その旨さと価格の安さを売りにしているもず屋に客を取られ危機感を感じていた商会のメンバーたち。その姿に端を発した創真は、同じ中学の同級生だった倉瀬真由美(くらせ まゆみ)と郁魅の3人で「もず屋」を偵察することに。店は噂通り客も賑わい繁盛している。もず屋の唐揚げを試食した創真たちは度肝を抜かれる。

偵察を終えた創真たちは、早速試作に取り掛かる。しかし、もず屋を越える品ができない。そこで創真は、自分が小さい頃から書き留めていたノートからヒントを得て再び試作に取り掛かり、さらに創真は“ある奇策”で客を再び商店街に呼び戻す作戦を立てる。

そして翌の夕方。すみれ商店街は全体を挙げての商戦に出た。そして創真の“奇策”とは、近くの中学校や高校に通う部活終わりの学生などをターゲットに、“商店街らしさ”を活かした食べ歩きができる「すみれ印のから揚げロール」を作り出し、そのおかげで商店街が活気づき、さらには他の定食屋や駄菓子屋も繫盛し賑わいを見せた。当然「もず屋」の売上は落ち、創真の奇策で活気を取り戻すことができた。

連休も終わり極星寮に戻ってきた創真は、「もず屋」の経営コンサルティングを担当していた遠月十傑第九席で高等部2年の叡山枝津也(えいざん えつや)から、自身の経歴を傷つけられたとして宣戦布告を受ける。

秋の選抜(JC第6~13巻)

1学期が終わり、1年生から優秀な生徒のみ出場できる「秋の選抜」に、創真をはじめとする極星寮の寮生全員や他のライバルたちも順当に出場を果たしたところ、極星寮に創真の父・城一郎が訪れる。その日の夜、極星寮生とアルディーニ兄弟、そして郁魅たちで選抜選出祝賀会が行われた。祝賀会で城一郎の料理が振る舞われた。
翌朝、城一郎から料理勝負を仕掛けられた創真は、かつて「修羅」と呼ばれた城一郎の“料理人”の腕前の前に敗北を喫した。負けた創真は城一郎から「頂点(てっぺん)取るまで誰にも負けんじゃねーぞ」と激励の言葉を貰う。
翌朝、「秋の選抜」のお題が入った封筒が送られる。予選のお題は「カレー料理」。創真と恵はカレー料理の参考として、汐見ゼミ教授・汐見潤(しおみ じゅん)を城一郎から紹介される。肝心の汐見の協力は得られなかったものの、彼女の助手でカレー料理を得意とし“匂い”を武器にする高等部1年の葉山アキラにはっぱをかけられ、創真は寝る間も惜しんで自己流のカレーを作り始める。
予選本番では各自が趣向を凝らすが、日本一のカレーメーカー「ハウビー食品」の千俵姉妹をはじめとする、あらゆる料理に精通する審査員たちにまるで受け入れられず、大半の生徒が低評価を叩き出す。そんな中、予選Bブロックではアリス、緋沙子、タクミ、恵の4人と予選Aブロックの葉山、創真、黒木場、そして美作昴(みまさかすばる)が高得点を出し本選出場を果たす。
本選第一回戦は創真とアリスによる「弁当」対決。絶対不利だと思われていた創真が、見事アリスを打ち破り準決勝進出を決める。第二回戦は恵と黒木場による「ラーメン」対決。格上相手に物怖じせず自分の持ち味を披露した恵は大健闘を見せ、その恵を黒木場は打ち破り準決勝進出。第三回戦は葉山と緋沙子による「ハンバーガー」対決。“匂い”を武器とする葉山に敗れた緋沙子は初戦敗退となってしまう。第四回戦はタクミと美作の「食戟」形式による「スイーツ」対決が行われ、タクミは美作が得意とする「パーフェクト・トレース」の前に成す術もなく、料理人としての形見だった「メッザルーナ」を奪われ初戦敗退となる。そんな美作と準決一回戦で当たる創真は、「負けたら料理人をやめる」と人生全てを掛けた大勝負に出る。

そして準決勝第一試合。洋食のメイン1品「ビーフシチュー」対決で、これもまた「食戟」形式で創真が美作を破り、美作が今まで奪ってきた包丁100本を生徒達に返された。準決勝第二試合は第一試合同様「洋食メイン1品」で葉山と黒木場が相対するが判定が拮抗し、堂島の提案で2人が決勝に上がり、史上初の三つ巴の決勝戦が行われることになった。

決勝のテーマは秋が旬の魚「サンマ」を使った料理。しかし創真は、目利きの時点で他の2人に差をつけられてしまう。それでも創真は、「ぬか漬け」することによって鮮度を保ちつつ旨さを中に閉じ込めることで、サンマの良さそのまんまを活かした料理を披露する。他の2人も負けず劣らず趣向を凝らした料理を作り出す。
結果は、“匂い”を活かし自分の「スペシャリテ(看板料理)」を作り出した葉山が優勝し、創真と黒木場は準優勝に終わった。

スタジエール(JC第13・14巻)

「秋の選抜」から数日後、高等部1年の生徒たちは園外の実施研修「スタジエール」へと赴く。「スタジエール」とは、毎年1年生たち選抜終わりに現場でも料理人として臨機応変に対応できるよう教育し料理の腕を向上させる、遠月学園恒例の研修行事となっている。しかし、現場監督である店長や店員の評価によって退学が決まる、1年生にとって“2回目の地獄”となっている。

創真の最初の研修先は、緋沙子と同じ洋食レストラン「洋食の三田村」で研修することになった。三田村は駅近というものあり、休日や連休は家族連れや地元の常連客などが殺到する“問題あり”の洋食屋だった。現状のままで満足する緋沙子と、このままではダメだと創真の意見の対立を経て自分達が去った後の店の現状を考えた末に、店のシステムを大幅に変更することで2人は本来の店を取り戻し、店を立て直した功績を称えられる合格となる。
一方えりな・恵ペアは、同じフランス料理店での研修を受け、えりなはあっという間に厨房を掌握し、恵は料理の改善点を指摘しえりなに認められ、こちらも合格となる。

創真が次に向かった研修先は、あの因縁の相手・四宮小次郎が新たに出店した「SHINO’S TOKYO」だった。四宮は「SHINO’S TOKYO」の開店準備のため日本に帰国していた。創真はプレオープンで膨大な仕事量ゆえに厨房の動きについてこれていなかったが、後にプレオープン最終日に新作コンペ(フランス語で競争の意)では料理が認められメニューに載ることが決まった。そして、他の1年生たちも全員合格となる。

月饗祭<げっきょうさい>(JC第14~16巻)

スタジエールから数日後、選抜本選に出場した1年生8名と現遠月十傑のメンバーが一堂に会する「紅葉狩り会」が開かれる。そこで創真は、十傑に食戟を申し込むが相手にされなかったが、高等部2年で第八席・久我照紀(くが てるのり)から「何か一つでも料理で勝てるものがあれば食戟を受ける」という条件を取り付ける。
「月饗祭」は、学園は「月饗祭」の準備期間に入る。各々が模擬店の開店準備に取り掛かる中で、中華料理研究会部長の久我が売りとする激辛麻婆豆腐に対抗するため、創真は何も知識のない四川料理を一から勉強し試行錯誤を繰り返す。
月饗祭当日、目抜き通りエリア、中央エリア、山の手エリアと3つの各エリアで売上順位を競い合い、極星寮やタクミ、郁魅らは上々に売上を伸ばしていく一方で、目の前に屋台を置き台湾の定番屋台料理「フージャオピン(胡椒餅)」で出店するも、豪華な四川料理を揃える久我に客足を奪われ、初日の売り上げで中央エリア最下位かつ赤字を出してしまう。その後も最終日まで中華研がトップを維持していたが、4日目に創真はフージャオピンと麻婆豆腐の素材を合わせた「時限式麻婆カレー麺」で久我に挑む。応援にアルディーニ兄弟や郁魅、そして美作らの協力でその日の売り上げ順位で中華研を抜き1位となった。
創真が中華研に勝利した翌日、十傑二席の高等部2年・小林竜胆(こばやし りんどう)は創真と恵を第一席・司瑛士(つかさ えいし)の店に招待する。2人は気弱な性格とは裏腹に、自分の料理に絶対の自信を持つ司の料理に圧倒的な力の差に驚かされる。
同時刻、えりなの店に父親・薙切薊(なきり あざみ)が現れる。えりなは過去の記憶が蘇り恐怖に怯えるが、店に突然現れた創真によって事無きを得る。店に駆けつけた仙左衛門は薊に学園から去るよう促すが、現十傑メンバーの過半数が薊に寝返り仙左衛門が総帥の座から引きずり下ろされ薊が新たな“王”となり、学園始まって以来の“恐怖政治”が幕を開けたー。

薊政権誕生、そして中枢美食機関(セントラル)発足(JC第16~18巻)

月饗祭から一夜明け、学園は異様な静けさに包まれていた。薊政権誕生後、新総帥着任式を終えた薊はえりなの秘書を務めた緋沙子を解任した。その夜、創真の元に仙左衛門が訪れ、自分が城一郎に遠月学園への入学を勧めたことや、薊がえりなに対して異常な“教育”を施した過去やその危険性を全て話し、えりなを救って欲しいと懇願する。
その頃、えりなは薊によって幼少期と同様に自由を奪われ追い詰めれていたが、秘書を解任された緋沙子から事情を聴いたアリスや黒木場らはえりなを屋敷から連れ出し、逃亡の末極星寮に辿り着き匿われる。

新政権樹立後、薊は遠月学園大改革の幕開けとして学園におけるゼミ、同好会、研究会などの自治運営を全て解体、総帥と十傑を頂点とし薊が選び抜いた生徒だけが集い新たな美食を探求する精鋭組織「美食機関(セントラル)」の設立を宣言。学園内に存在する自治勢力にセントラルから解散が通達される中、極星寮に第九席・叡山が部下を引き連れ解散及び退去を勧告。創真は食戟で勝利することで決定を覆そうとするが、反抗勢力の一人である高等部2年・串打ち研主将の甲山鉄次(かぶとやま てつじ)が叡山に食戟を挑むが、審査員を買収し八百長を仕掛けた叡山に敗北。これは叡山の“見せしめ”だった。叡山は他の生徒達に薊政権による食戟の形骸化を示した。寮の解散・退去の期日が迫る中、創真は自分や寮生達が料理を極めるための極星寮を守るため、圧倒的不利な状況下でも八百長策を破り見事勝利する。食戟後、創真はカメラに向かって「売られた喧嘩は買うし容赦なく蹴散らす。…たとえば十傑の誰が相手でも」とセントラルを完全に敵に回し宣戦布告する。

数日後、薊は一色、久我、そして高等部3年・十傑第三席の女木島冬輔(めぎしま とうすけ)の三名を十傑評議会から追放する。同時に学園内残る自治勢力を淘汰するべく、セントラルによる「残党狩り」が始まったー。

残党狩り(JC第18~20巻)

薊がえりなの様子を伺いに極星寮を訪れた翌日、創真達は「残党狩り」が行われる各会場に偵察に赴く。その頃、残党狩りにおいて薊政権に対する研究会・ゼミ等の解体撤回を賭けた食戟に関するルール、通称「一色ルール」の事項が伝えられる。その内容は

第一項(食戟の開戦)・解体撤回を望む研究会・ゼミ等(以下甲)はセントラル(以下乙)に対して食戟を挑むことが出来る。また、乙はそれを必ず受けなければならない

第二項(対決テーマ等)・お題、対決日時は事前に双方で協議

第三項(勝敗条件等)・甲が勝利すれば研究会・ゼミ等は存続又、乙が勝利した場合甲は解体し薊政権に従うものとする。※なお、この命令に従わない場合は退学とする

第四項(審査員の選定)・審査員は甲・乙どちらからも中立公正の立場にある遠月外部の者とする。国内の調理協会やフード関連理事会等の会員から奇数名を選定。また、選定されてから食戟当日までの間、審査員と甲・乙は接触してはならない。※仮に接触があった場合、勝負は無効・再勝負となる
という内容の趣旨だった。

各会場に偵察に赴いた創真達は、解体撤回を求む生徒達がセントラルに敗れていく姿を目の当たりにする。創真、恵、タクミが向かったD会場では十傑第四席・高等部3年の茜ヶ久保もも(あかねがくぼ-)と叡山を先頭に十傑予備軍の楠連太郎(くすのき れんたろう)らによって各研究会・同好会などが次々と敗北し解体を余儀なくされた。そして、D会場最後の試合では最先端技術研究会主将・アリスの代役として黒木場が出場。楠との対決テーマは「鮭」。両者の料理の出来はほぼ互角かと思われたが、葉山が得意とする「匂い」を活かし秋の選抜から成長を見せた黒木場が完封勝利を収めた。
残党狩りが終わった初日、薊の主導のもと敗北した32団体の解体が行われた。薊政権の誕生とセントラルの発足により学園の授業形式が変わっていった。元々授業には2種類あり、一つはお題の料理を制限時間内に完成させることと、もう一つは食材やジャンルの中で料理を創作する授業があったが、後者の授業が全て廃止されてしまった。
そんな中、創真は第一席・司が講師を務めた講義で彼のサポートに回り、スタジエールで四宮からしごかれた知識や経験を活かし完璧にこなす。その働きぶりを評価されセントラルに勧誘される。最初は断った創真だが、自身のセントラル入りと司の第一席の座を賭けた食戟を挑まれ、鹿肉をメインとしたフレンチ料理で対決する。対決中、創真は司からセントラル基薊の“目的”を伝えられる。その“目的”とは、日本中の料理店を潰すこと。司によると薊は、「料理とも呼べない『餌』を出している店は殲滅しなくてはならない。それは日本の美食を前へと進めるのに絶対に必要な行程なのだ。」と、薊の偏り過ぎな美食へのこだわりを話した。隠れて様子を伺ったえりなと緋沙子が審査員となり司の勝利となったが、彼は自分が扱うには破天荒すぎるという理由でカケは無効となる。

数日後、各会場で残党狩りが進む中、試合を観戦していた薊と司はある“違和感”を抱いていた。「―今年の1年生は例年と違う。その中心にいるのが幸平創真であるように見える」と司は言い薊も、以前楠から今年の1年生は何かがおかしいと聞いていた。

そして、1年生二学期最後の試練となる「進級試験」が始まろうとしていたー。

進級試験(JC第20~24巻)

司との勝負から数日後、残党狩りが2日目を迎え多くの団体や生徒達が解体・退学となっていく。そんな中、セントラルから来る「進級試験」についての概要が発表される。それはセントラルからの事実上の処刑宣告ともいえる内容に多くの生徒が気落ちする中えりなは、創真に城一郎との出会いや自分の迷いを話す。話しを聞いた創真は、編入試験のリベンジとして「ゆきひら」の味わさせるために「鶏卵の天丼」を披露。創真の料理を食べ今まで葛藤の中で生きてきたえりなは、何故こんな事を思いつくのかと疑問を彼に投げかける。創真は個人の意見として、「『正解』ひとつしか知らない奴は『もっとすごいもの』にはたどり着けない気がする。行き着く先がわかってたら楽しくないだろ」と悟られ、えりなは自分の奥底にある“料理への情熱”と“料理の楽しさ”を思い出す。創真の料理を食べて迷いを振り切ったえりなは翌日、気落ちする極星寮生達に進級試験において自らサポートすることを宣言する。

一週間後に控えた進級試験のために、えりなは試験会場である「北海道」についての講座を開く。創真達や他の生徒、セントラルの面々も進級試験の舞台である北海道に続々到着する。一次試験・二次試験ではセントラルの試験官から露骨な嫌がらせを受けるも、講義で仕込まれた北海道食材の知識を活かし、全員欠けることなく一次・二次を突破する。しかし三次試験は、「十傑との料理対決」というかつてない難所となり、さらには創真の対戦相手に送り込まれた刺客は、セントラルに恭順し十傑に加わった葉山だった。さらに堂島の立ち合いの下、「熊肉」を使った一品勝負となり両者が披露した料理は、偶然にも熊肉の揚げ物対決となった。

連隊食戟<レジマン・ド・キュイジーヌ>(JC第24~)

詳細収集中

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