乱歩奇譚 Game of Laplace(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

推理作家「江戸川乱歩」が書き上げた作品群の中から「人間椅子」、「影男」、「怪人二十面相」、「ラプラスの島」などを題材として、主人公のアケチ、コバヤシ少年を中心に現代の世界観で起こった怪事件を解決していくアニメオリジナル作品である。
2015年7月~9月までフジテレビ「ノイタミナ」枠で放送された。アニメーション制作はLerche(ラルケ)。

「ったく…子供は嫌いだ。猫も嫌いだ。変態も大嫌いだ」

アケチが探偵事務所に爆弾をくくりつけられた影男、苦手な猫、赤ん坊が一緒にいる状態でつぶやいた言葉。
しかし、赤ん坊はアケチに抱かれて笑っているし、猫も明智を気に入っていた。嫌い嫌いと言っている割にはアケチ本人が純粋なものたちに好かれてしまうようだ。
猫はこの話の後に探偵事務所のマスコットキャラになる。
影男は別である。

「俺たちもまあ一生懸命やってんだけどなー。なあカガミ。俺は今俺たち警察とお前のどっちが正しいのか分かんなくなってきたよ」

カガミに面会したナカムラがカガミに対してポツリと語った本音の部分。
ナカムラ自身も昔は熱血刑事だったが、心が崩れるほど現状に不満を持っていた。

妹を殺されて復讐者の二十面相になったカガミの事をわからなくもなかったのかもしれない。

「他人を完全に理解できる人間なんていないと思いますけど?」

ナミコシの作った暗黒星を解読しようと奮闘しているアケチが「俺はまだあいつの位置の事は完全に理解できないらしい」
という言葉に対してのコバヤシ少年の一言。
アケチの事を気遣っているのではない、彼なりの本音を語っていた。
この頃からコバヤシ少年は暗黒星に興味を持つようになり、ハシバや普通の生活から遠ざかるようになっていく。

「これでいいんだ。2人は仲直りできる。僕にしては最後になかなかいい考えだったんじゃないかな」

最終話のワンシーン。
コバヤシ少年はナミコシと一緒に暗黒星の完成のため、新宿タワーから自殺しようとしていた。

しかし、コバヤシ少年はそれだけを考えていたのではなかった。
ナミコシとアケチが仲直りできるように、自分に出来ることは、ナミコシと一緒に死のうとしてアケチがナミコシを助けるのを望んだのだ。
これは、アケチがナミコシと最初で最後の喧嘩をした、という言葉を聞いていたからこの行動をとったのだ。

「親友が死のうとしてんだ!絶対見捨てるもんか!死なせるもんか!!説教してやる。俺がどれほどお前を思ってるか朝まで説教してやる!」

コバヤシ少年が新宿タワーから飛び降りようとした時、ハシバが自分の身を挺してかばった時のセリフ。
ハシバにとってコバヤシ少年は唯一無二の親友だった、ハシバ自身が生命をとしてコバヤシ少年を助けたのだ。

この瞬間からハシバに興味を失い、影でしか見えていなかったコバヤシ少年の眼には、影からハシバ自体をはっきりと認識できるようになっていた。

伏線

登場人物・キャラクター以外の表現方法

コバヤシ少年は自分が興味のある人のみ人として認識する事ができ、興味がない人間たちはただの影として描かれている。
アケチも本人が興味のない人物に関してはデッサン人形のように、ナミコシの場合は顔がドクロとして描かれている。

コバヤシ少年が興味を持った瞬間から影の人物に色がつき顔が見える手法を使っており、
物語後半には「暗黒星」の解読に必死になっているコバヤシ少年に「学校に行こう」と促すハシバの姿が影になっていったことがあった(コバヤシ少年のハシバに対する興味が薄れていった)。
最終話にはハシバがコバヤシ少年を助けたことで再び影から戻ることになる。

死体くんの声

「三分間ショッキング」のミナミの相方、死体くんはCVが山口勝平さん。
これは、ミナミの亡くなった弟役の声優さんも同じ山口勝平さんである。

つまり、ミナミは死体くんを亡くなった弟と同じ存在として扱っていたのかもしれない。

『乱歩奇譚 Game of Laplace』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

舞台版乱歩奇譚

2017年4月に乱歩奇譚が舞台化されている。
コバヤシ少年の役は同じ声優の高橋季依さん。

ストーリーは人間椅子編の内容とその後のアフターストーリーを形にしたものだった。

第二弾が決定している。

takehockey106a7
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@takehockey106a7

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