乱歩奇譚 Game of Laplace(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
推理作家「江戸川乱歩」が書き上げた作品群の中から「人間椅子」、「影男」、「怪人二十面相」、「ラプラスの島」などを題材として、主人公のアケチ、コバヤシ少年を中心に現代の世界観で起こった怪事件を解決していくアニメオリジナル作品である。
2015年7月~9月までフジテレビ「ノイタミナ」枠で放送された。アニメーション制作はLerche(ラルケ)。
検視官のミナミと一緒に軽快なやりとりを交えた解説「3分間ショッキング」で、司法解剖の結果を分かりやすく教えてくれる。
その時の被害者役。
ハナビシ(CV:中原麻衣)
32歳。
人間椅子事件でコバヤシ少年たちのクラス担任が亡くなった後に担任となった女性。
性格はぶりっ子で、可愛さアピール全開になっているが、コバヤシ少年を助けるためにハシバと共に協力したり、暗い雰囲気をマシンガントークで吹き飛ばそうとしたりといい人ぶりを発揮する。
腕にリストカット跡がある、登場するたびに怪我が増えていく特徴を持つ。
ナミコシ(CV:福山潤)
アケチの中学時代の同級生で唯一の友人だった。
アケチとナミコシは二人で共にすべてを見通す全知の法則を見出だす数式「暗黒星」の研究をしていた。
その研究の果てに完成したのは「怪人二十面相」という全知全能の存在だった。
アケチからは「(暗黒星の数式には)計算上、致命的な欠陥がある」と忠告をされていたが、言葉には耳を貸さず計算式が完成した直後、焼身自殺で死んだと思われていた。
しかし、検視官ミナミの助力により焼身自殺のように隠匿されたのが真実で、その後も彼は身を潜め、最終目的へと活動を続けていた。
『乱歩奇譚 Game of Laplace』の用語
三分間ショッキング
検視官のミナミと死体くんの二人で検視、死体解剖結果を軽快な音楽(三分間クッキングの音楽をメタル系に編曲したもの)とやりとりで交えて分かりやすく解説してくれる内容のこと。
実際三分間で終わっていなかったり、あっという間に終わっていたりする。
暗黒星
ナミコシとアケチが知り合って間もなく、中学生の時にナミコシが作っていた「全知全能を見通すための法則を算出する数式」のことである。
いじめ、虐待、担任からの無視など周囲からのひどい仕打ちを受けていたナミコシにとって、この数式を使い「具体的に世界に介入することの出来る悪魔」を作り出そうとしていた。
その名前が黒い世界を照らすもの、暗黒星と名付けた。
アケチとナミコシはこの数式を作ることに時間を費やしていく、
世界にはびこる邪悪の全てを打ち倒す仮面の怪人、暗黒星から生まれ落ちた象徴そのもの、人形の現象。その名を「怪人二十面相」としたのだ。
暗黒星と二十面相は切っても切れない関係となったのだ。
アケチは途中でこの数式開発から離れることになる。
それは、この数式を完成させた時、数式を作り上げた人間は死に至るという法則を発見したからである。
しかしナミコシはアケチと二人で完成させた数式、暗黒星を完成させたかった。それが彼らの友情の証だと信じていたから。
結果、ナミコシは新宿で焼身自殺という結末になってしまうのだが、これさえもナミコシの手の内の中だった。
彼は生きていたのだ。
ナミコシが表舞台から姿を消した後も、アケチは二十面相を追い続け、暗黒星を解読し続けていた。
ナミコシは常に暗黒星のアップデートを行い続けて、その完成には「ナミコシとコバヤシ少年の死」が必要だという結論にたどり着く。
『乱歩奇譚 Game of Laplace』の名言・名セリフ
「その日初めて退屈じゃなくなった」
殺された担任教師がオブジェになっている姿を目の当たりにしたコバヤシ少年のモノローグである。
彼の心が今まで退屈だったのに対し、オブジェになった死体を見てコバヤシ少年は心が踊る気持ちになっているようだった。
「初めて…面白いなって思ったんです。いくら推理ゲームをしたり本を読んでも満たされない。何をやっても退屈だ。空虚だ。だけど先生が殺されて、僕が疑われていて…この状況が楽しいんです!」
コバヤシ少年のセリフ。
自分に犯人の疑いがかかっていてピンチなのに、彼はこの状況に楽しさを感じていた、生きている意味を見出していた。
アケチ「壊れるぞ」コバヤシ「壊れたいです…」
アケチ探偵が犯罪をゲームのように扱っているのをコバヤシ少年が非常に興味を持っているシーン。
コバヤシ少年の容姿は女性のように中性的なキャラクターが発したセリフなので、視聴者に対して少し違った意味にも捉えられるように描かれている。
「そう。先生は僕に好意を持っていたんだ」
コバヤシ少年が殺された元担任教師が自分に好意を持っていたことを告げるセリフ。
勘違いしないで欲しいのは、コバヤシ少年は男性であり、担任教師も男性だということ。
コバヤシ少年は女の子のような容姿をしているから仕方ないのかもしれない。
しかし、元担任はコバヤシ少年の容姿に惹かれたのではなく、生き方が似ていたこと、常に空虚だった点が似ていたところに惹かれていたようである。
「いらない少女などいない!全ての少女が幸せになる権利がある!!」
影男が犯人と対峙するときに叫んだ言葉。
危ない内容だが、その言葉には真摯に少女を愛する男の叫びだった。
この言葉は一番の名言として乱歩奇譚グッズのTシャツにも使われている。
Related Articles関連記事
江戸川乱歩の世界をアニメ化!?ノイタミナ「乱歩奇譚」が面白そう!
実験的でクオリティーの高いアニメ作品を生み出してきたフジテレビ「ノイタミナ」枠にて2015年7月から放送されるアニメ「乱歩奇譚」がかなり面白そうなのでまとめました。
Read Article
『PSYCHO-PASS(サイコパス)新編集版』追加シーンまとめ
【新編集版を見逃した方必見!!】サイコパス1期に無かったシーンが「新編集版」に追加されているのをご存知ですか?本編の補足を兼ねた追加シーンでは、分かりづらかったキャラクターの心理が細かく描かれています。狡噛と対峙する直前の槙島は何を考えていたのか?狡噛はどんな思いで事件捜査にあたっていたのか?などなど…。見れば見るだけ、本編の面白さが濃密に感じられる新規カットについて迫ります!
Read Article
PSYCHO-PASS(サイコパス)1係メンバーと声優陣まとめ
ノイタミナの大人気アニメ「サイコパス」「サイコパス2」を支える登場人物とは?主人公・狡噛慎也を筆頭に、公安局刑事課1係の監視官や執行官たちをご紹介。cvを担当する人気声優情報にも迫る。
Read Article
『劇場版 PSYCHO-PASS』狡噛復活!舞台は海外、熱い戦いが幕を開ける!
自らの正義を貫いた男は、殺人犯となり姿をくらました。彼は今何を思い、何を成そうとしているのか?一人前の刑事として成長した常守朱は、新たにシビュラシステムが導入された「シーアン」に足を踏み入れる。そして銃弾が飛び交う危険地帯で、1人の男と再開するのだった。
Read Article
「冴えない彼女の育てかた」 ハーレムアニメはここまで進化した(笑)!
フジテレビ「ノイタミナ」にて2015年1月に放送されたアニメ。このアニメはもともと丸戸史明によるライトノベルが原作。主人公がヒロインに囲まれ取り合いになるよくあるパターンのアニメかと思いきや...!
Read Article
主人公が謎!?今でも根強い人気の「モノノ怪」の魅力に迫る!!
2007年に放映された「モノノ怪」。この和製ホラーアニメは今でも人気が根強く人気があり、2016年3月には主人公の薬売りがフィギア化します。なぜこんなにも人気があるのか!?「モノノ怪」の魅力を今回ご紹介します!!
Read Article
アニメ『PSYCHO‐PASS』とは?人工知能が支配する近未来…凶悪犯罪を追う刑事達の物語をご紹介
平和なはずの社会に突如現れた凶悪な殺人犯たち。彼らは一様に「マキシマ」という男の名を口にする。しかしマキシマは、人工知能でも裁くことができないイレギュラーな存在だった…。人工知能が絶対正義となった社会で、刑事は葛藤する。コンセプトは「近未来SF・警察もの・群像劇」。ノイタミナの大人気アニメ『サイコパス』のあらすじや見所をご紹介。
Read Article
「甲鉄城のカバネリ」主人公の生駒の魅力に迫る!!
蒸気鍛冶師で顕金駅に住むただの青年、生駒 密かに収集したカバネの死体を用いて研究を行っており、顕金駅に侵撃したカバネと戦うも、その最中、人でもないカバネでもない存在になってしまう生駒。そんな彼の生い立ちや戦い方等、生駒の魅力をまとめてみました
Read Article
人工知能の支配は終わらない。シビュラの支配下で葛藤する刑事の物語『PSYCHO-PASS2』とは
一人前の刑事に成長した常守朱のみが知るシビュラシステムの秘密。人工知能と思われていたシビュラの正体は、凶悪犯罪者の脳だったのだ。恐ろしい事実を知りながら、それでも現状世界を維持することを決めた常守朱。しかし彼女の前に、新たな謎と事件が立ちふさがる。
Read Article
アニメ化直前! すべてがFになるの魅力大特集
フジテレビ系列でドラマ化もされた「すべてがFになる」が今度は、同じくフジテレビ系列のノイタミナ枠でアニメ化されます。 ドラマではいまいち、と思った方も、ぜひアニメの方を見てみてください。 今回はアニメ放映に先駆けて、その魅力をご紹介したいと思います。
Read Article
10月新作アニメ「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」まとめ(前編)
2015年10月より放送開始の「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」。放送まであと1カ月を切って事前情報も出揃ってきた事ですし、可能な範囲で作品の情報をまとめてみました。 今回は登場キャラクターが多いので前後編でそれぞれの魅力をご紹介。まずは前編からどうぞ!
Read Article
10月新作アニメ「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」まとめ(後編)
2015年10月より放送開始の「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」。放送まであと1カ月を切って事前情報も出揃ってきた事ですし、可能な範囲で作品の情報をまとめてみました。 後編では研究所や大学の関係者など、事件に関わる周辺人物についてご紹介していきます。
Read Article
目次 - Contents
- 『乱歩奇譚 Game of Laplace』の概要
- 『乱歩奇譚 Game of Laplace』のあらすじ・ストーリー
- 人間椅子(前後編)
- 影男
- 怪人二十面相
- 芋虫
- 地獄風景
- パノラマ島綺譚(前後編)
- 恐ろしき錯誤
- 変身願望
- 白昼夢
- 『乱歩奇譚 Game of Laplace』の登場人物・キャラクター
- アケチ(CV:櫻井孝宏)
- コバヤシ(CV:高橋李依)
- ハシバ(CV:山下大輝)
- カガミ(CV:小西克幸)
- ナカムラ(CV:チョー)
- 黒蜥蜴(くろとかげ CV:日笠陽子)
- 影男(かげおとこ CV:子安武人)
- ミナミ(CV:藤田咲)
- 死体くん(したいくん CV:山口勝平)
- ハナビシ(CV:中原麻衣)
- ナミコシ(CV:福山潤)
- 『乱歩奇譚 Game of Laplace』の用語
- 三分間ショッキング
- 暗黒星
- 『乱歩奇譚 Game of Laplace』の名言・名セリフ
- 「その日初めて退屈じゃなくなった」
- 「初めて…面白いなって思ったんです。いくら推理ゲームをしたり本を読んでも満たされない。何をやっても退屈だ。空虚だ。だけど先生が殺されて、僕が疑われていて…この状況が楽しいんです!」
- アケチ「壊れるぞ」コバヤシ「壊れたいです…」
- 「そう。先生は僕に好意を持っていたんだ」
- 「いらない少女などいない!全ての少女が幸せになる権利がある!!」
- 「ったく…子供は嫌いだ。猫も嫌いだ。変態も大嫌いだ」
- 「俺たちもまあ一生懸命やってんだけどなー。なあカガミ。俺は今俺たち警察とお前のどっちが正しいのか分かんなくなってきたよ」
- 「他人を完全に理解できる人間なんていないと思いますけど?」
- 「これでいいんだ。2人は仲直りできる。僕にしては最後になかなかいい考えだったんじゃないかな」
- 「親友が死のうとしてんだ!絶対見捨てるもんか!死なせるもんか!!説教してやる。俺がどれほどお前を思ってるか朝まで説教してやる!」
- 伏線
- 登場人物・キャラクター以外の表現方法
- 死体くんの声
- 『乱歩奇譚 Game of Laplace』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 舞台版乱歩奇譚