最遊記シリーズ(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『最遊記』とは、峰倉かずやによる漫画、及びそれを原作としたアニメ作品である。
最遊記はSTUDIOバックギャモン発行の同人誌から始まり、エニックスで1997年より連載が開始された。漫画、アニメ、映画、歌劇など様々なジャンルで展開されている。
人間と妖怪が共に暮らす桃源郷(とうげんきょう)の平穏を取り戻すため、玄奘三蔵は孫悟空、沙悟浄、猪八戒を連れて西の天竺国(てんじくこく)へ向かう。

声優:石田彰

天界西方軍元帥。セミロングの黒髪の男性。度のキツい眼鏡をかけている。理性的で優しそうな顔立ちがどこか猪八戒に似ている。
階級は捲簾より上だが、大将になる事はなく、戦の際は副官になっている。金蟬童子とは古い付き合いであり、親しき友人。読書が好きで、様々本を集めた書庫を持っている。読書を始めると止まらず、部屋は本の山となっている。下界の物に興味を持ち、わけの分からないものをコレクションしている。
マイペースな性格で、自身の風貌などは気にしない。それ故に、ヨレヨレの白衣とフケまみれの髪になっている事が多い。靴もちゃんとした物を履かず、便所サンダルで過ごしている。目上の者への気遣いは持っているらしいが、ネクタイさえしておけば問題ないと考えている。
普段は気の抜けた一面が多く見えるが、戦場では冷静沈着な洞察力を発揮し、戦闘能力を誇る。それ故に、上司である竜王には優秀な軍人として一目置かれている。捲簾との絆は固く、捲簾が解任されそうになった時は、抗議の末に相手を殴り倒したこともある。
悟空たちが謀反の罪を着せられ天界を追われた時は、悟空と金蟬を逃がし、回廊にて天界軍の前に立ちはだかる。多くの天界軍を一人で殺害した。

哪吒(なたく)

声優:幸田夏穂

天界で唯一殺生が許される闘神太子「哪吒太子」。李塔天の息子で、500年前は悟空の友達だった。子供のような容姿をしている。
その容姿のように、明るく無邪気な性格をしている。寝ている天帝に落書きするという子供のような悪戯をしたこともあった。その性格故に悟空とはすぐに打ち解けた。だが、父・李塔天には恐怖を抱いており、忠誠を見せる。
地上で牛魔王が暴走した際には、討伐しその一族を天竺国・吠登城に封印した。
母親から生まれたのではなく、李塔天が天界で実権を得るために「造成」された存在。李塔天から悟空の殺害を命じられるが、友達である悟空を殺せずに悟空の前で自害した。その後、意識がなくなり、椅子に座ったまま動かない状態になっている。

李塔天(りとうてん)

声優:磯部勉(テレビアニメ)/稲葉実(CDドラマ・OVA、RELOAD BLAST )
哪吒の父親。厳つい顔にドレッドヘアー、髭が特徴。
もともと天界での地位は高くはなかったが、哪吒を作り出して闘神太子にし、その立場を利用し、のし上がった。そして天帝の座を奪って天界の実権を握ることを目的とした。
悟空が哪吒に代わって闘神となることを恐れ、哪吒に悟空の殺害を命じるも失敗してしまう。その後、覚醒した斉天大聖により右目を抉られた。敖潤が捕まった後、天界西方軍の指揮を執る。
次空ゲートに辿り着いた悟空たちを追い詰めるが、暴走した「ナタク」が起こした落盤の下敷きになる。金蝉に右腕を切り落とされたが、最後の力を振り絞ってゲートを閉じることで金蟬を殺害し、死亡した。

烏哭三蔵(うこくさんぞう)/你健一(にいじぇんいー)

声優:大塚芳忠

五巻の経文を持つ「三蔵法師」の一人で、無天経文を操る。
你健一と名乗り、牛魔王蘇生実験に加担する唯一の人間。

十七歳の時に博士号を取得するほどの天才で、なんでも器用にこなせてしまうため、最も難しいと言われる「三蔵法師」を目指した。
玄奘三蔵の師である光明三蔵と面識があり、光明が死んだ今でも光明と交わした賭けを楽しんでいる。
「三蔵」の称号を得る時に不手際があり、三蔵法師の証であるチャクラを持たない。
なぜ牛魔王の蘇生実験に加担しているのかは謎だが、カミサマを操り、ヘイゼルを騙した悪人。

烏哭が持つ無天経文はすべてのものを無に返すことが出来る。
無天経文の力で「玄奘三蔵」が存在していたという事実を消そうとしたこともある。
空間すら無にしてしまうので、銃などの飛び道具での攻撃は一切当たらない。
三蔵一行の四人と、ヘイゼル、ガトを合わせた六人を相手に戦っても、余裕で六人を圧倒させるほどの力を持つ。

『最遊記』の見どころ

最遊記という作品は、タイトルの「最遊記」という言葉から物語がある。
モチーフにしているのは西遊記だが、作者が言うには「最遊記」は「最も遊ぶ西遊記」という意味があるらしい。

最遊記の一巻で「俺は生まれて死ぬまで俺だけの味方なんだよ」というセリフがある。
それは主役四人とこの物語がどれだけ破天荒なのかを表しているようにも見える。

最遊記シリーズには「須らく看よ(すべからくみよ)」というキャッチコピーがある。
ファンの方には最後まで見届けてほしい、という作者の想いがあるのかもしれない。
ちなみに名前で誤解されがちだが、作者の峰倉かずやは女性である。

最遊記シリーズは、初期の「最遊記」の続きとして「最遊記RELOAD」「最遊記RELOAD BLAST」が発売され、現在も連載されている。
最遊記五巻の第二十四話から第二十七話までは、三蔵一行四人の過去や出会いの話がある。
四人の過去はそのまま最遊記RELOADへと続いており、どの巻も見落とせない。
また、番外編で「最遊記外伝」と「最遊記異聞」も発刊。

最遊記外伝では玄奘三蔵、悟浄、八戒の前世である金蟬童子(こんぜんどうじ)、捲簾大将(けんれんたいしょう)、天蓬元帥(てんぽうげんすい)の三人と悟空の出会いから別れまでが描かれている。
悟空が封印されることになった五百年前の「大罪」とはなんなのか、そして最遊記の本当の始まりがわかる。
四巻で完結済み。
天界のキャラの中で悟空以外の金蟬、捲簾、天蓬は亡くなり、悟空だけが生き残る。
最遊記本編の伏線として、彼らと過ごした悟空の記憶は重要な手掛かりになるのではと思われる。

また、最遊記外伝で出てくる西海竜王・敖潤(せいかいりゅうおう・ごうじゅん)という、捲簾の上司のキャラが出てくる。
敖潤は外伝の最後で亡くなるが、最遊記本編に出てくるジープは敖潤の生まれ変わりなのではないか、という噂もある。

最遊記異聞では、玄奘三蔵の師である光明三蔵が主役で、峯明(ほうめい)という青年が「光明三蔵」になるまでの話が描かれている。
最遊記の本編では、光明三蔵は玄奘三蔵の師匠として少し出てくるだけだが、玄奘三蔵に負けず劣らず癖のあるキャラクターだ。
異聞は一巻が単行本で発売されており、現在も進行中。

最遊記の番外編としては「天上の蟻」という作品も出ている。
単行本としては発売されていないが、電子書籍として読むことは可能だ。
天蓬元帥と捲簾大将、そして彼らが率いる「天界西方軍第一小隊」に所属する、十四名の隊員たちの物語になっている。

天上の蟻は番外編のさらに番外編というような話だ。
「西遊記」をモチーフにして、ここまで大量のキャラを登場させ、個々のキャラの過去や性格も決められており、峰倉かずやの実力は計り知れない。

しかし、作者の峰倉かずやは大きな病気を患っており、最遊記の進行は、しばらく止まったり出版社が変わったり、と更新が不定期だ。
それでも長くに渡って追いかけるファンは多い。
最遊記の世界は漫画だけでなく、アニメ、小説、映画、舞台など様々な媒体で展開されている。
どの「最遊記」もそれぞれの魅力があり、とても奥深い作品だと言える。

『最遊記』の関連作品情報

漫画

・「最遊記」1~9巻
・「最遊記RELOAD」1~10巻
・「最遊記RELOAD BLAST」1~2巻
・「最遊記外伝」1~4巻
・「最遊記異聞」1巻

アニメ、映像

・TVアニメ「幻想魔伝最遊記」
・TVアニメ「最遊記RELOAD」
・TVアニメ「最遊記RELOAD GUNLOCK」

・映画「劇場版 幻想魔伝最遊記Requiem ~選ばれざる者への鎮魂歌~」

・OVA「最遊記RELOAD -burial-」
・OVA「最遊記外伝」

・新作のTVアニメ「最遊記RELOAD BLAST」が2017年7月から放送開始予定。

歌劇伝シリーズ

・2008年9月「最遊記歌劇伝 -Go to the West-」

・2009年2月「最遊記歌劇伝の世界」
・2009年3月「最遊記歌劇伝 -Dead or Alive-」

・2014年1月「最遊記歌劇伝 旅支度イベント」
・2014年5月「最遊記歌劇伝 -God Child-」

・2015年1月「最遊記歌劇伝 -Burial-」
・2015年9月「最遊記歌劇伝 -Reload-」

『最遊記』の主題歌・挿入歌

テレビアニメ『幻想魔伝 最遊記』

OP(オープニング):徳山秀典『FOR REAL』(第1話〜第26話)

OP(オープニング):徳山秀典『STILL TIME』(第27話〜第50話)

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