最遊記シリーズ(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『最遊記』とは、峰倉かずやによる漫画、及びそれを原作としたアニメ作品である。
最遊記はSTUDIOバックギャモン発行の同人誌から始まり、エニックスで1997年より連載が開始された。漫画、アニメ、映画、歌劇など様々なジャンルで展開されている。
人間と妖怪が共に暮らす桃源郷(とうげんきょう)の平穏を取り戻すため、玄奘三蔵は孫悟空、沙悟浄、猪八戒を連れて西の天竺国(てんじくこく)へ向かう。

声優:茂呂田かおる(幻想魔伝)/岡嶋妙(RELOAD)

三蔵一行の足になっている小さな竜。
車のジープに姿を変えることが出来る。
全身が白く、目が赤い。
漫画の中では「ジープ」と呼ばれているが、アニメ内では「白竜」と呼ばれることもある。

悟浄と同じような、科学と妖術を合わせて作られた禁忌の存在。
喋ることが出来ず「ピー」と鳴くが、人の言葉は理解している。

ジープと三蔵一行の出会いは、小説版最遊記の二巻「鏡花水月」で書かれている。
百眼魔王の城に宝物として封じられていたが、八戒が起こした殺戮事件をきっかけに封がとけ、彷徨っていたところを八戒が拾った。
車の姿の時は拾い主であり飼い主の八戒が運転しているが、運転手が居なくても多少の走行は可能。

紅孩児(こうがいじ)

声優:松田佑貴(OVA版)/草尾毅(テレビアニメ版)

牛魔王と羅刹女の間の一人息子。
牛魔王が討伐された時に封印されたはずだったが、玉面公主の策略のために封印を解かれた。
母の羅刹女を封印から救うため、嫌々ながら牛魔王蘇生に加担している。
李厘は腹違いの兄妹になる。

戦闘時に決まった武器はないが炎や煙を操り、体術は悟空と張り合う程の力がある。
「炎獄鬼(えんごくき)」という召喚魔を持っており、その威力は絶大。
部下の八百鼡や独角兕は、紅孩児の人柄の良さから紅孩児に従っている。
腹違いの妹の李厘を気にしたり、封印されている母を助けようとしたりと見た目以上に優しい。
いつも喧嘩で騒がしい三蔵一行とは真逆の、家族のような信頼関係でまとまっている。

妖怪のボスとしてのカリスマ性は確かだが、破天荒な三蔵一行には苦戦気味。
一時は共闘して悟空と共に戦ったこともあり、三蔵一行には「敵」として以外の感情も持っている。
その優しさゆえに三蔵たちに明確な殺意を持てず、それが後々、紅孩児の立場を揺らがせることになる。

李厘(りりん)

声優:野川さくら(OVA版)/茂呂田かおる(幻想魔伝)/川上とも子(RELOAD)

牛魔王と玉面公主の間に産まれた、紅孩児の腹違いの妹。
小柄な見た目に反して打撃は強く、戦闘能力も紅孩児に劣らない。
無邪気で好奇心旺盛であり、三蔵たちからは「女版の悟空」と言われたこともある。

兄の紅孩児が大好きで、八百鼡や独角兕も信頼している。
兄の力になりたいと思っているが、その想いが空回りをして紅孩児を振り回すこともしばしば。
母である玉面公主からは愛情を向けられていない。
そのため、封印されている紅孩児の母なら自分も愛してくれるだろうか、など子供らしい感情も併せ持つ。

独角兕(どくがくじ)

声優:菅原正志(CDドラマ)/松本大(幻想魔伝)/小杉十郎太(RELOAD)

妖怪をまとめる紅孩児に従っている男。
大きな体格と力を利用した接近戦を得意とし、片手持ちの青龍刀を使って戦う。

本名は沙爾燕(さ じえん)といい、悟浄の腹違いの兄。
妖怪同士の間に産まれた爾燕と違い、妖怪の父と人間の女の間に産まれた悟浄は義母に虐待を受けていた。
爾燕は母をなだめて悟浄を守ろうとするが、悟浄を殺そうとした母を殺してしまい、悟浄の前から姿を消す。

悟浄から離れた後、紅孩児の前に現れた爾燕は紅孩児に仕えさせてほしいと願い出る。
紅孩児も何かを感じたのか、過去の事情は聴かずに受け入れ、独角兕と名を改めた。
家族を捨てたはずの独角兕は、無意識のうちに紅孩児と弟の悟浄を重ねて見ていた。
孤独なのに強がっていたりする姿が悟浄と似ており、一人で戦おうとする紅孩児を放っておけなかったのだ。

やがて独角兕は紅孩児の兄のような存在になるが、敵として悟浄と再会する。
切れない家族の縁を感じながらも、今度こそ逃げずに守り切るのだと、紅孩児のことを何より優先させていた。

八百鼡(やおね)

声優:柊美冬・鶴野恭子(OVA版)/皆口裕子(テレビアニメ版)

紅孩児に仕える薬師。
美人を食らうという百眼魔王に献上される身だった。
しかし献上される前に紅孩児に助けられ、紅孩児に仕えることを固く誓った。

治療のための薬はもちろんのこと、毒薬や爆薬など、薬の名がつくものは何でも扱える。
槍を武器として所持し、けむり球などの爆薬を使って敵を翻弄させながら戦う。

優しく穏やかな性格で、紅孩児の妹の李厘からも好かれていた。
だがどこか天然なところもあり、敵である三蔵一行との別れ際に「お元気で」という言葉を残したこともある。

観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)

声優:玉川紗己子(CDドラマ)/渡辺美佐(幻想魔伝)/五十嵐麗(RELOAD・外伝)

天界を司る五大菩薩の一人。
慈愛と慈悲の象徴だが、胸をさらけ出すような破廉恥な服装から「自愛と淫猥の象徴」だと八戒に言われたこともある。
見かけは女性だが、実は両生体で、一人称は「俺」。
いつもそばに二郎神(じろうしん)が控えている。

最遊記本編では、玄奘三蔵を天竺に行くよう命じた人物。
天界では玄奘三蔵の前世である金蟬童子が甥にあたる。
いつも飄々としていてつかみどころのない人物だが、制御装置を外した悟空を倒せるほど強い。
天界にいたころの悟空を知る人物の一人。
普段は天界から三蔵一行を見守っているが、三蔵が重傷を負った時に手助けに来たこともある。

金蟬童子(こんぜんどうじ)

声優:関俊彦

観世音菩薩の甥。金髪に、垂れ目が特徴であり、どこか玄奘三蔵に似ている。
天界人として高い地位にある人物だが、仕事は書類に目を通すばかりの退屈なものだった。それにより、心を病んでいる。気が大きいが、体力や気力にかけるおぼっちゃま気質。悟空や天蓬、捲簾との出会いによって巨大な力に立ち向かう決意をする。悟空を「太陽」として特別に心を寄せている。

捲簾(けんれん)

声優:平田広明
天界西方軍大将。黒い短髪に三白眼が特徴の男性。どこか沙悟浄に面影が似ている。
酒と花と女を愛する。元は東方軍の大将だったが、上官の妻を寝取った事により左遷されてしまった。そして天蓬元帥の部下になった。子供や部下からは頼られる存在だが、上官からは煙たがられている。高所恐怖症故に、無事に降りられるところにしか登れない。
天蓬の親友であり、戦場やプライベートでよく行動を共にしている。
ナタクと戦った結果、死亡した。

天蓬(てんぽう)

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