最遊記シリーズの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『最遊記シリーズ』とは峰倉かずやによるアクション漫画である『最遊記』『最遊記RELOAD』『最遊記RELOAD BLAST』『最遊記外伝』『最遊記異聞』のことを指す。『月刊Gファンタジー』1997年3月号から『最遊記』を連載開始。
物語は桃源郷が舞台。500年前に倒された大妖怪「牛魔王」を蘇生しようと目論む者が現れた影響で桃源郷全体で妖怪が凶暴化してしまう。事態を収めるため天玄奘三蔵法師は、孫悟空、猪八戒、沙悟浄と共に西にある天竺国を目指す。

『最遊記シリーズ』の概要

『最遊記シリーズ』とは峰倉かずやによるアクション漫画『最遊記』『最遊記RELOAD』『最遊記RELOAD BLAST』『最遊記外伝』『最遊記異聞』のことを指す。エニックス(現・スクウェア・エニックス)社発行の『月刊Gファンタジー』1997年3月号から『最遊記』を連載開始。『西遊記』をモチーフに、斬新な設定とキャラのビジュアルで人気を博して『月刊Gファンタジー』の看板作品となる。2002年に連載終了するとエニックスのお家騒動を受けて、一迅社に移籍。『コミックZERO-SUM』にて2002年5月から2009年6月まで『最遊記RELOAD』を連載。その後、2009年12月より最終章にあたる『最遊記RELOAD BLAST』が連載開始された。

1999年に本編の500年前を舞台にした『最遊記外伝』が本編と『Gファンタジー』にて同時連載されていたが、一迅社への移籍に伴い『コミックZERO-SUM増刊WARD』に連載の場を移して、2009年7月に連載終了。その後、本編より少し過去が舞台の『最遊記異聞』が2009年9月から『コミックZERO-SUM増刊WARD』にて連載が開始されたが、作者闘病のために連載休止となっている。また、『最遊記RELOAD BLAST』も作者の体調を見ながらのため不定期連載になっている。

アニメ、ノベライズ、ゲーム、ドラマCD、ラジオ、ミュージカルなど様々なメディアミックスが行われており、長くファンに愛されている作品となっている。

『最遊記』『最遊記RELOAD』『最遊記RELOAD BLAST』の物語は人と妖怪が共存している桃源郷が舞台。500年前に闘神・哪吒(なたく)太子によって天竺国にある吠登城で倒された大妖怪「牛魔王」を彼の妻・玉面公主(ぎょくめんこうしゅ)が禁忌の術「化学と妖術の合成」によって復活を目論んだ影響で、桃源郷全体に「負の波動」が蔓延してしまう。「負の波動」に当てられた妖怪たちは凶暴化して、人々を襲うようになってしまった。事態を収めるべく、天界の三仏神から指名を受けた玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)法師は、孫悟空(そんごくう)、猪八戒(ちょはっかい)、沙悟浄(さごじょう)と共に、西にある天竺国を目指す。

『最遊記外伝』の物語は、本編より500年前の天界が舞台。岩から生まれ、災いをもたらすと言われている金晴眼を持つために天界に強制的に連れてこられた幼い悟空。天界で退屈に過ごしていた金蟬童子に育てられることになり、そこで兄のように接してくれる捲簾(けんれん)大将、天蓬(てんぽう)元帥と絆を育み、さらに友人・哪吒ができる。しかし、天界の裏でうごめく陰謀によって、楽しい時間は崩れ去ってしまう。

『最遊記異聞』の物語は、本編より少し過去が舞台。玄奘三蔵の師である光明が、三蔵法師になるまでの過程が描かれる。

暗く重い過去を背負っているキャラが多く、様々な経験を得ているからこそ放たれるエッジの効いた名言の数々は、ファンの心を掴んでいる。

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玄奘三蔵の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

三蔵が悟空を五行山から連れ出すシーン

五行山の頂上に500年間封印されていた悟空の声を聞いた三蔵は、険しい山道を登って悟空の元にたどり着いた。やってきた三蔵の姿にぽかんとする悟空に三蔵は「うるせーんだよいい加減にしろ」と言ったあとに「連れてってやるよ…仕方ねーから」と手を差し出して、悟空を封印から解き放った。

『最遊記』の物語冒頭にて描かれた三蔵と悟空の出会いであり、『最遊記外伝』への伏線となっている。『最遊記外伝』にて、金蝉が死に際に悟空に言った「次は必ず…俺が、俺がお前に手を差し出すから。きっと差し出すから。」と繋がっており、金蝉の転生体である三蔵が約束を果たすという名シーンとなっている。

「人生なんざ元々死ぬまでの悪あがきだろ」

村を妖怪から守るために自身の恋人であり姉である花喃(かなん)を妖怪に生贄として差し出されたことをきっかけに、村人の大半と妖怪一族千人を虐殺した八戒と、妖怪と人間の混血児で、真っ赤な髪と眼を持ち、母親から虐待されていた悟浄。複雑な事情とトラウマを抱える2人は紆余曲折を経て、自身の中にある感情とトラウマと向き合った。そして、自身の中の感情と向き合った悟浄は長かった髪を切り、三蔵の元を訪れた。三蔵が「ケジメを付けたつもりか?」と悟浄に言うと、「ただの悪あがきだよ」と返された。そして、「人生なんざ元々死ぬまでの悪あがきだろ」と三蔵は言った。

自身の中に根付いたトラウマも過去も消したり忘れることはできないが、それでも自分なりに生きることを肯定する名言となっている。

「俺が何よりも捕らわれていたのは『無一物』という言葉そのものだったんだ。迷いはない。俺には俺の生き方が玄奘三蔵の称える『無一物』がある。」

三蔵法師を師に持つ謎の僧侶・カミサマと戦うことになった三蔵一行。しかし、カミサマに手も足も出せずに負けてしまった。重症を負った三蔵にカミサマは仏教の教えの一つである無一物という物事に執着するなという意味を持つ言葉にについて口にする。そして、三蔵を指して「勝ち続けること」や「生きること」に執着しているから三蔵法師の資格はないと、カミサマは言い放ち、三蔵法師の証である経文を奪った。
どうにもならない状況に一旦撤退を選択して、三蔵たちは体制を立て直してカミサマと再戦。そして、連携プレーによってカミサマに致命傷を負わせることに成功した三蔵はカミサマへの意趣返しとして、「俺が何よりも捕らわれていたのは『無一物』という言葉そのものだったんだ。迷いはない。俺には俺の生き方が玄奘三蔵の称える『無一物』がある。」と言った。

自身の師匠から教わった「何事にも執着しない」という無一物という言葉に縛られて、仲間である悟空たちにも執着しないようにとどこかで制限をかけていた三蔵が、カミサマとの戦いを経て信頼して執着するものとしないものを分けるという考えにて、自分なりの解釈の無一物にたどり着くという、三蔵の生き方がより固まった台詞となっている。

「今ここにいるのはただの子供達だ。あんたらの村にいる人間のガキどもと何ら変わらんな。…それが判っていて尚このガキ達を始末できるというなら、てめぇらは妖怪でも人間でもねえ」

猛吹雪の山を超える最中に遭難した三蔵一行は、「負の波動」の影響を受けていない妖怪・耶雲(やくも)に出会う。耶雲は、同じく異変の影響を受けていない子供たちと共に雪山に隠れて生活をしていたが、妖怪に襲われることを懸念した人間が、耶雲と子供たちを殺しにやってきた。
その光景を見た三蔵は、人間たちの言い分に理解を示しつつ「今ここにいるのはただの子供達だ。あんたらの村にいる人間のガキどもと何ら変わらんな。…それが判っていて尚このガキ達を始末できるというなら、てめぇらは妖怪でも人間でもねえ」と言った。

いつ襲われるかわからない恐怖に怯える人間たちの考えは状況的に適正であると判断しつつ、それでも人間の子供と変わらない妖怪の子供を殺すことに躊躇しない様子の人間を、蔑むような三蔵の台詞は、物事は理屈だけではないと思わせてくれるものとなっている。

「俺は確かに外の世界を知らないがそれでも分かる事がある。命ってのはひとつふたつと数えるもんじゃねえよ」

異国からやってきた司教・ヘイゼルとそのお供・ガトーと共に、近くの町から女性たちを誘拐したという妖怪を倒しに行くことになった三蔵一行。ヘイゼルとソリが合わないことから、少々ぶつかりながらも妖怪たちのもとにたどり着く。三蔵たちを見た妖怪は人質として女性を盾に使い、逃げようとする。しかし、妖怪の魂を使って死んだ人間を生き返らせる力を持つヘイゼルは、「魂をみっつ回収して、三人蘇らせてもプラマイ0や」と言い、人質の女性ごと妖怪を殺そうとする。ヘイゼルのやり方に賛同できない悟空と八戒が人質に銃を向けるガトーを制止し、悟浄は女性を傷つけないように錫杖で、妖怪のみを切り裂いた。
悟空がヘイゼルのやり方を批難するが、ヘイゼルは軽い口調で「ハッタリに決まっとるやないどすか」と返し、さらに「何をそないの怒っとりますのん?」と煽るような態度を見せた。そんなヘイゼルに対して三蔵は「俺は確かに外の世界を知らないがそれでも分かる事がある。命ってのはひとつふたつと数えるもんじゃねえよ」と言った。

ヘイゼルの国では妖怪(モンスター)は人間とは相容れない存在であり、そんな妖怪である悟空たちと共に旅をしている三蔵を外の世界を知らないと見下していた。三蔵は他所の国での妖怪の扱いなどは知らないし興味はないが、人の命を軽んじるヘイゼルの態度は気に入らないという様子を見せた。普段は酒に博打にタバコと高僧に見えない言動が目立つ三蔵の、僧侶の面が垣間見える発言となっている。

孫悟空の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「人間の味方だ?俺は生まれて死ぬまで俺だけの味方なんだよ」

左上から八戒、悟浄、悟空。左下が三蔵

牛魔王蘇生計画によって桃源郷を覆った「負の波動」によって、凶暴化した妖怪たち。そのなかでも、半分妖怪である悟空、悟浄、八戒たちは影響を受けず、正気を保っていた。その姿を見た妖怪に「無力で傲慢な人間の肩を持つ裏切り者ども」と呼ばれた際に「人間の味方だ?俺は生まれて死ぬまで俺だけの味方なんだよ」と返した。

自身が妖怪であることや、三蔵が人間だから味方であるといった基準はなく、あくまでも自分自身の信念に従って道を選んでいるという、彼らの生き方を示す台詞となっている。

「ただ飯がうまかったんだ、そんだけ!!」

peche3m0m03
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@peche3m0m03

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