ばらかもん(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ばらかもん』とは『ガンガンONLINE』でヨシノサツキが連載した漫画、及びそれを原作としたアニメ・ドラマ作品。「ばらかもん」という語句は、長崎県五島列島の方言で「元気者」を意味する。都会育ちで神経質な若き書道家・半田清舟は、書道界の重鎮を殴ってしまった罰で日本西端の島で暮らすことになる。慣れない田舎暮らしと個性豊かな島民との交流の中で、書道家として、人として成長していくハートフル日常島コメディ。半田清舟の高校時代を描いたスピンオフ作品として『はんだくん』が『月刊少年ガンガン』にて連載された。

半田やなる達主要人物達が暮らす村・七ッ岳にある病院の名前。育江が看護師として働く病院でもある。清舟が倒れた時もこの病院に運ばれた。どのような診療科があるかは不明。

書道関連

鳴華院展(なるかいんてん)

鳴華院展の会場に立つ清舟。壁にかけられた書が、鳴華院展に出品された作品達である。

半田や康介などの書道家達が応募するコンテスト。書道家の間では有名なコンテストのようで、例年の順位によって業界から回ってくる仕事量が変わるほどの大きな賞である模様。作中では、1位を取った際にいくつもの仕事を担当していた半田が、ランキング圏外に落ちた事で仕事がなかなか手に入らずに苦節しているシーンも描かれた。

川藤美術芸術舎(かわふじびじゅつげいじゅつしゃ)

半田の友人である川藤の父が社長を務めている画商の名前。川藤自身の勤め先でもある。半田のような書道家の作品を取り扱う。川藤自身が海外で絵画の勉強をしているシーンもあることから、書道以外にも手広く作品を取り扱っている事が窺える。

その他

ばらかもん

長崎県五島列島の方言で「元気者」を意味する。

このもん

大根を砂糖、酢、醤油などでつけた漬け物。食べるとぽりぽりと良い音がし、ついつい食べてしまう食べ物。
なるの祖父がビニール袋いっぱいに持ってきたが、それがあまりにおいしかったことから、清舟はすぐに食べ切ってしまった。

『ばらかもん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ヤスバ/半田 清舟「どうぞお先に」

島に来て初めての書道のコンテストで順位がさがった事に落ち込む清舟に、ヤスバが言った言葉。この時、ヤスバと清舟は島で行われている餅まきに参加している最中だった。餅まきとはその名の通り餅をまくイベントのこと。七ツ岳では、新品の船を手に入れた記念に行われる事があり、村民であれば誰でも自由に参加して船の上から降らされる餅を取ってよいという。
取り慣れている村民に対して、こうしたイベントに出た事がなかった清舟は、村民達に後れを取ってしまう。なかなか餅が拾えずにいた時、彼は餅まきのスペシャリストであるヤスバに出会う。餅が取れない自分を書道のコンテストで順位が下がった自分に重ねて落ち込んでいた清舟は、ヤスバにこういう時にどうすればいいのかと訊ねる。そこでヤスバが返したセリフが、この「どうぞお先に」である。
老人で体力のないヤスバは、上から降ってくる餅をそのまま受け取る事が難しい。そのため、地面に落ちている物をいつも拾っていた。しかし時々、同じように地面にある餅を拾う者と遭遇する。そういう時、無理やり餅を奪い取るのではなく「どうぞお先に」と相手に譲るのだという。
無理して頑張ったり奪い取ったりするのではなく、あくまでも自分のペースで餅を拾っていくヤスバの姿勢に胸を打たれた清舟。またこのセリフは、後々清舟自身が自分の書道活動で悩んだ際にも、彼自身が口にしている。
主人公の中に強く刻み込まれたセリフであると同時に、自分のペースで焦らず無理せずに続けていく事の大切さが身に染みて伝わる名セリフだ。

ヤスバ「人に取られたものを欲しがる必要はなか。諦める必要もなか。譲ってやってもっと大きな餅ば狙え。」

餅まきに参加するヤスバが清舟に言ったセリフ。
餅まきを自らの人生そのものに重ね、もしも自分より上の存在がいたら、という疑問を投げかける清舟に彼女は「人に取られたものを欲しがる必要はなか。諦める必要もなか。譲ってやってもっと大きな餅ば狙え。」と返事をする。そう答える彼女の手には、自身の言葉を裏付けるかのように大量の餅が入った袋が握りしめられていた。
この餅まきで清舟がヤスバの姿勢から得たものは大きく、後に何度もこの時の彼女の言葉を思い出している。
餅まきで大量ゲットのためのコツと見せかけて、人生において大切な極意を伝授している名場面だ。

半田 清舟「フツーが一番ですね」

書道のコンテストに参加するために一度東京に戻った清舟が、島に帰ってきた際に再会したなるの祖父に向かっていった言葉。
自分の字を「普通」と評された事にトラウマがある清舟にとって、「普通」という言葉は彼に劣等感を抱かせるものとなっていた。だが、この「フツーが一番ですね」となるの祖父に返した時の清舟は非常に落ち着いた様子で、そこには過去のトラウマの面影は一切感じられない。
これは、島民との交流を通して清舟が「結果に拘らなくてもいい」「自分なりの書道を目指す」という心境の変化を起こしていた事が、主な理由となっている。
また、このやり取りは『ばらかもん』の第1話を模したものとなっている。第1話では東京から来たばかりの清舟がなるの祖父と出会い、彼の乗っていたトラックの荷台に乗せてもらう形で、これから暮らす村へと向かう。この時、灰色に澱んだ海を見た清舟は、自分が落ち込んでいるからそう見えると考える。だが、その清舟の心境をなるの祖父は空が雲っているからそう見えるだけだと一蹴する。
「フツーが一番ですね」と清舟が返した時とはまったく違う心境だが、このセリフを言った時も清舟は海を見ていた。当時と違い、空が晴天な事もあり海は綺麗だったが、それをなるの祖父は「普通」だと一蹴する。それを受けた清舟が返したのが「フツーが一番ですね」だ。第1話と似た環境下での会話でありながらも、まったく違う心境、違う言葉で返されるセリフには清舟の成長を深く感じられる。主人公の変化が大きくわかる名セリフだ。

半田 清舟「必要なのは確信じゃなくて覚悟だろ」

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