ばらかもん(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ばらかもん』とは『ガンガンONLINE』でヨシノサツキが連載した漫画、及びそれを原作としたアニメ・ドラマ作品。「ばらかもん」という語句は、長崎県五島列島の方言で「元気者」を意味する。都会育ちで神経質な若き書道家・半田清舟は、書道界の重鎮を殴ってしまった罰で日本西端の島で暮らすことになる。慣れない田舎暮らしと個性豊かな島民との交流の中で、書道家として、人として成長していくハートフル日常島コメディ。半田清舟の高校時代を描いたスピンオフ作品として『はんだくん』が『月刊少年ガンガン』にて連載された。

進路で迷う男子高校生・ヒロシにむかって、清舟が述べたセリフ。
初登場時は特になりたいものもなかったヒロシ。しかし清舟や周囲の者達と関わっていく内に、料理人になりたいと考えるようになる。そこで料理の技術を磨こうと奮闘を開始。しかし一朝一夕で上手くなるわけもなく、なかなか結果が出せない事に苦悩する。さらにこの時点ですでに高校3年生であった事が災いし、ヒロシは今さら進路を見つけたところで遅かったのかもしれないと考えるようになってしまう。そんなヒロシのぼやきを聞いた清舟が言ったのが、この「必要なのは確信じゃなくて覚悟だろ」というセリフである。
書道家になるべく、幼い頃からその道を歩み続けていた清舟。しかし、彼にも一度は違うものを夢見た時があったという。だが、その夢を叶える自信がなく諦める。しかし逆を言えば、自信があり、今まで歩んできた道を捨てる覚悟さえあれば、夢を叶える努力をしようとしていた事に他ならない。
夢を目指すというのは大抵が厳しいものであり、その厳しさを前に頓挫する者が多い。だがその厳しさを前にしても夢を叶える努力を続ける覚悟さえあれば、道を拓ける事もある。本セリフは、一度夢を諦めた経験を持ちながらも、書道家として歩む覚悟を続けている清舟清舟の生きざまを体現した名セリフだといえるだろう。

琴石 なる「この壁を越えなきゃ何も見えないぞ」

島へ来て早々、天真爛漫でいたずら好きななるに目をつけられた清舟は苛立ちのままに彼女に八つ当たりをしてしまう。
その後自己嫌悪に陥る清舟を追ってきたなるは素直に清舟に謝罪。
仲直りした二人は堤防沿いを歩くのだが、その際になるが堤防を上がって夕日を見よう、と清舟に提案し、色々な理由をつけて断る清舟に対して放ったのがこの「この壁を越えなきゃ何も見えないぞ」である。
この一言で自分が頭でっかちに物事を捕らえ、平凡という壁を超える努力をしていなかったことに気が付いた清舟は堤防を登り、そこで見えた夕日の美しさに圧倒されるのであった。
どこか鬱屈した感情を持って島へやってきた清舟の心を、なるの素直な心が動かした名セリフである。

子どもたち「まっちょっけんねー」

書道店への出品と、殴ってしまった館長への謝罪のため、東京へ向かった清舟。
そこで、東京からもう戻ってこないのではないかと心配してしまい、しびれを切らした島の子どもたちは彼に電話をかけ、「まっちょっけんねー」と声をかける。
共に過ごしたのは短い時間であっても、清舟が島民たちにとってなくてはらない、大切な存在になっていることがわかるシーンだ。

なるの顔芸

本編中、何度もコミカルな顔芸を披露して島民たちや読者を笑顔にしてきたなる。アニメ版でもその顔芸の才能は輝かしく発揮されている。

『ばらかもん』の裏話・小ネタ・トリビア/エピソード・逸話

ヨシノサツキの短編集に登場する成長した美和とタマ

高校生になったタマと美和が登場するヨシノサツキの短編集『みしかか!』の表紙。画像左の赤髪の少女が高校生になった美和で、画像下の文庫本を持つメガネの女子が高校生になったタマである。

2010年に発行された『ばらかもん』の作者・ヨシノサツキの短編集『みしかか! ヨシノサツキ短編集』に、高校生に成長した美和とタマの姿が描かれている。高校生になった2人の見た目は、タマこそ『ばらかもん』本編の姿に近しいものの、美和の方は本編では短かった髪が伸びていたりピアスをしていたりと、容姿がだいぶ異なる。しかし、中身は本編2人のままなため、ファンからは2人の未来が読める貴重な短編集として好評だ。
なお、描かれているのは未来の美和とタマだが、短編集そのものは『ばらかもん』以前に発行されている。時系列としてはこちらの方が先に描かれた作品という事になる為、『ばらかもん』の前日談を読んでいるように感じるファンも多い模様。
また本作にはヨシノサツキのデビュー作も収録されているため、ヨシノサツキの漫画家としての歴史を感じられる1冊としても話題を集めている。

アニメ版『ばらかもん』作中の「書」を書いているのは実際の書道家

実際の書道家が手掛けたという、アニメ『ばらかもん』作中の清舟による書。

書道家が主役の『ばらかもん』では、作中にて主人公が自身の作品を作る瞬間が多く存在する。本作がアニメ化された際、アニメに登場したこれらの作品のすべてが、実在する書道家が制作したものであった事が明かされた。
制作を担当したのは、原雲涯(はらうんがい)という名の書道家。プロの書道家として社名や雑誌などのロゴ、『ばらかもん』のような漫画のタイトル制作といった仕事を行い、活躍している。
また本アニメでは、エンディングのスタッフロールで使用されたフォントも、彼がデザインしたフォントであったとのこと。「あったか文字」という名のこのフォントは、原雲涯の個人サイトや各書体販売サイトにて購入する事ができる。

最終話掲載後に寄せられた著名人作家達のイラスト

『ばらかもん』最終話掲載後にヨシノサツキのXにて公開された、漫画家・枢やな(とぼそ やな)によるイラスト。

『ばらかもん』最終話掲載後、本作の最終回公開を祝うイラストが多くの漫画家から送られてきた事が、Xのヨシノサツキ公式アカウントにて判明している。
イラストを送ったのは『黒執事』の作者・枢やな(とぼそ やな)、『不機嫌なモノノケ庵』の作者・ワザワキリ、『PandoraHearts』の作者・望月淳(もちづき じゅん)など、『ばらかもん』が掲載されていた漫画雑誌『ガンガン』に関わる人気漫画家達ばかりだ。図らずも人気作家同士のコラボのようなイラストが次々と公開されていく形となり、『ばらかもん』ファンはもちろん、各作品のファンや『ガンガン』購買者達を歓喜させる事態となった。
当初イラストは、『ばらかもん』最終回を記念した特設ページとXにて公開されていた。だが後に特設ページが閉鎖されてしまった為、以降はXのヨシノサツキ公式アカウントのみで確認できるようになる。

『ばらかもん』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):SUPER BEAVER「らしさ」(第1話 - 第10話、第12話)

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