はんだくん(ばらかもんスピンオフ)のネタバレ解説・考察まとめ
『はんだくん』とは、漫画家・ヨシノサツキによるネガティブ青春ギャグコメディ漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。漫画『ばらかもん』のスピンオフ作品として制作された。連載先は漫画雑誌の「月刊少年ガンガン」。2013年11月号から、2016年10月号までの約2年間連載が行われた。2016年に7月に夏アニメとしてアニメ化もしている。自分の事を嫌われ者と勘違いしている男子高校生・半田清と、彼の事をクールで孤高な男と勘違いして慕っている周囲の勘違いから始まる愉快な日々を描く。
『はんだくん』の概要
『はんだくん』とは、漫画家・ヨシノサツキによる青春ギャグコメディ漫画である。主役のネガティブさが売りの青春コメディであることから、公式で「ネガティブ青春ギャグコメディ」とジャンルづけがされている。
本作は同作者が描いてる漫画『ばらかもん』のスピンオフ作品となっており、『ばらかもん』の主人公・半田清舟(はんだ せいしゅう)の高校時代を描く。なお、「清舟」の名は書道家として活躍する彼の雅号であり、本名は「清」(せい)という。『はんだくん』では、本名の方で描かれているため、清舟の方は時折登場する程度になっている。
連載先の漫画雑誌は『月刊少年ガンガン』。2013年11月号から連載を開始し、2016年10月号で連載を終了した。コミックは7巻まで刊行。5巻が発売された2016年2月にテレビアニメ化を発表する。同年の夏アニメとして、7月8日から9月23日まで放送された。アニメは全12話、1クールで終了。また最終回から5日後の9月28日にDVD&Blu-ray第1巻が発売される。第1巻には2話目まで収録。その後、1枚に2話ずつ収録される形で定期的に発売を続け、2017年2月24日に発売された6巻でもって発売を終了した。
「灰校」という略称の都立高校に通う主人公・半田清(はんだ せい)。書道家として有名な父のもとに生まれ、自身も書道家となるために道を歩んでいた彼は、元来の顔の良さもあわさり、周囲の人々に近寄りがたい孤高の人間として羨望を集めている。しかし実は、半田は過去のトラウマから極度のネガティブ思考の持ち主となっており、周囲の人間が全員自分を嫌っていると考えていた。本作は、そんな半田と周囲の人間、両者の勘違いから巻き起こる愉快な青春を描く。
『はんだくん』のあらすじ・ストーリー
日常編
有名な書道家の息子であり、自身も書道家としての道を歩んでいる男子高校生・半田清(はんだ せい)。他人を寄せ付けようとしないクールな姿勢や顔立ちのよさから、男女問わず人気を集める彼だが、実は自分のことを「嫌われ者」として勘違いし、日々周囲に怯えながら暮らしていた。
彼がこうなったのは、中学時代の出来事が原因だ。友人の川藤鷹生(かわふじ たかお)から先輩が自分の悪口を言っていた事を教えられた半田はショックを受け、以来人の事が信じられなくなってしまった。川藤のこれはただの嘘だったのだが、そうとは知らない半田は嫌われ者として人を寄せ付けないように自分の周りに見えない壁を張って過ごすようになってしまう。
だがそんな半田の意図とは異なり、日々の半田の行動を見た者達は彼をクールで孤高の男と勘違いし、慕うようになる。いつの間にか半田軍を名乗る取り巻きも誕生し、半田の人気はどんどんと上がっていくのだった。
修学旅行編
周囲に慕われている事に気づかないまま、半田は半田軍のメンバーと共に修学旅行を過ごす事になる。さらにそこで、彼は隣町の高校・白服(しろふく)で王として人気を集めている生徒・一宮旭(いちみや あさひ)と対峙する。
一宮は自分と同じ人に慕い、崇められている存在の半田を同類の者とみなす。実は一宮は、王であるが故に周囲と親しい付き合いができずにいる事を悩んでいた。彼は自分と同じような悩みを持つであろう半田に、胸の内に抱えているものを明かすように訴え、友になろうと提案する。だが、一宮をただの友達が多い人気者と見ていた半田は、嫌われ者の自分と一宮が友達になってはいけないと、彼の提案を断る。一宮は驚くも、半田の言葉によって自分の周囲にいる者達が友達と呼べる存在であった事に気づく。
一宮は自分の取り巻きであった一宮軍との付き合い方を改めようとするが、軍の1人であった小路司(こみち つかさ)がそれに反発。事の原因となった半田を襲おうとするが、それを半田軍のメンバーであった近藤幸男(こんどう ゆきお)に止められ、事態は収集。だがその時、半田は自分の前に飛び出してきた近藤にはじかれて近くの川に落ちてしまう。これにより半田軍の活躍を目にできなかった半田は、自分は嫌われ者なのだという認識を改められないまま修学旅行を終えるのだった。
文化祭編
散々な修学旅行を終えた後、半田達を待っていたのは文化祭という新たなイベントだった。半田を慕う生徒会長・天王寺佐和子(てんのうじ さわこ)によって、半田の字を使ったという名をつけられる事になった文化祭。これに半田が所属するクラス・2年7組は大盛り上がりとなり、文化祭で優秀だったクラスに与えられる最優秀クラス賞を取りに行く事を決める。
半田もクラスメイトとして彼らと共に準備をしようとするが、彼を慕うクラスメイト達は半田には手伝わせまいとする。はぶかれたと勘違いして落ち込む半田。だが、それにしては定期的に自分の事を気にしてくれるクラスメイト達の姿に、もしかしたら自分は大切にされているのかもしれないと気づき始める。
文化祭当日、予定通り『ロミオとジュリエット』をイメージした喫茶店をする2年7組。その傍ら、半田を探す不良高校・黒服(くろふく)の生徒達が文化祭に訪れる。黒服達は近頃巷で名を馳せている半田のせいで不良高校として弱くなってしまっており、そこで半田の傘下に下ろうと考えていた。しかし、そうとは知らない半田軍と文化祭に来ていた一宮と彼を取り巻く一宮軍が、黒服達と衝突してしまう。だが、大事になる前に偶然その場に居合わせた半田が彼らを一喝する。半田は午後からクラスで行われる劇の練習をしている最中だった。一喝したのも、劇の本番でいうはずだったセリフを口にしただけ。しかしこれにより場が落ち着きを取り戻し、半田軍と一宮達は黒服と和解する。
そうして文化祭が終わり、迎えた後夜祭。2年7組は無事に賞を取り、半田はクラス代表としてステージにあがる事になる。半田は晒し者にされると勘違いして震えながらステージにあがるが、それを見た川藤が場に割り込む。半田を慕う生徒達は川藤への抗議を開始。半田は自分といたら川藤までもが嫌われてしまうと考えるが、川藤に促されてステージ上から生徒達を見下ろし、全員が自分の事を思って抗議している事に気づく。そこで彼はようやく、自分が本当は嫌われ者などではなく、皆に慕われている半田くんなのだと知る。
自分の立場を自覚した半田は、少しだけ周りに対する怯えがなくなる。そうして、自分を慕う周囲の者達と共に学生生活を送っていくようになるのだった。
『はんだくん』の登場人物・キャラクター
主要キャラ
半田 清(はんだ せい)
CV:島崎信長
『はんだくん』の主人公である男子高校生。有名な書道家の息子であり、自身も書道家としての道を歩んでいる。人を寄せ付けないクールな佇まいや顔立ちから、「孤高の男」として周囲の者達に慕われている。
だが実は、本人はただの人見知りであり、周りからは嫌われていると思い込んでいるだけ。内心は常に周りから悪口を言われていると怯えている。普段は半田ウォールという見えない壁を自分の周囲に張り、周囲を意識しないように心がけて過ごす。
唯一心を許せる相手は、中学からの友人である川藤鷹生(かわふじ たかお)だけである。なお、川藤と出会った当時は人懐っこく、明るい性格であった。川藤とも入学早々に仲良くなった模様。だが、川藤が「先輩がお前の悪口を言っていた」と嘘をついた事をきっかけに、周囲の事を信じられなくなってしまう。
川藤とは同じ高校に通うも、嫌われ者の自分の知り合いと知られては彼もいじめられると思い、校内で話す事はほとんどない。放課後は川藤と喫茶店に行くのが定石となっている。
成績優秀で運動能力もそこそこある。英語で話す事も可能。反面、テストに名前を書き忘れるといったミスをやらかす事も多い天然キャラである。
川藤 鷹生 (かわふじ たかお)
CV:興津和幸
半田の中学時代からの友人であり、唯一半田が心を許している同年代の男子高校生。周囲に嫌われていると思っている半田の事を気にかけつつ、その半田の勘違いが巻き起こす様々な騒動を面白がっている。
実は、半田が周囲に嫌われていると自分の事を卑下するようになった原因の人物でもある。中学時代、女子の先輩から半田への橋渡しに使われてしまった事にショックを受け、軽い気持ちで半田に「先輩が半田の悪口を言っていた」と嘘をつく。根が純粋だった半田はその言葉を信じ、以来、周囲の者全員に嫌われていると勘違いするようになってしまった。
一応、川藤本人はこの事に対して、少なからず罪悪感はある模様。ただ、それ以上に半田が巻き起こす騒動が面白いため、半田の勘違いを放置している。しかし、日に日に増す騒動を前に思うところがあったのか、物語終盤に半田が周囲の者が自分を慕っている事に気づくきっかけを与えた。
川藤と半田の友情は大人になっても続いており、本編『ばらかもん』でも友人キャラクターとして頻繁に登場している。
半田軍(はんだぐん)
相沢 順一(あいざわ じゅんいち)
CV:広瀬裕也
半田が所属するクラス・2年7組の副委員長を務める男子生徒であり、半田の取り巻きである半田軍の1人。全国模試で1位を取るほどの学力を持つ生徒で、作中でもその頭脳を用いて、個性豊かなクラスメイトや半田軍をまとめている。
もともとは自身の実力に自負があり、2年7組の学級委員長になろうとしていた。だが半田が持つ人望や彼の人としての出来具合に己の未熟さを認め、改心。委員長の座を半田に渡し、副委員長の座に収まった。とはいえ、半田は忙しいからという理由で、委員長の雑務のほとんどは彼が自ら背負っているため、実質の2年7組のリーダーともいえる。
頭脳派な反面、暴力的な手段で訴えようとする事も多い。半田軍イチ常識人の近藤から、過激派と言われるほど。
二階堂 礼緒(にかいどう れお)
CV:柿原徹也
半田が所属するクラス・2年7組の男子生徒であり、半田の取り巻きである半田軍の1人。初登場時は読者モデルとして仕事をしており、自身と同じく顔立ちがよく、周囲の女子からの人気も高かった半田をライバル視していた。だが、街中で自分の事務所のスタイリストが半田をスカウトしようとしているのを見て止めに入った結果、逆に醜態をさらしたあげく、半田に助けられるという顛末を迎える。
スタイリストの機嫌を損ねた事で読者モデルをやめる羽目にはなったが、自身を助けてくれた半田の心の清らかさに惚れ、彼に心酔。半田軍の1人になった。
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目次 - Contents
- 『はんだくん』の概要
- 『はんだくん』のあらすじ・ストーリー
- 日常編
- 修学旅行編
- 文化祭編
- 『はんだくん』の登場人物・キャラクター
- 主要キャラ
- 半田 清(はんだ せい)
- 川藤 鷹生 (かわふじ たかお)
- 半田軍(はんだぐん)
- 相沢 順一(あいざわ じゅんいち)
- 二階堂 礼緒(にかいどう れお)
- 筒井 あかね(つつい あかね)
- 近藤 幸男(こんどう ゆきお)
- 半田軍以外で半田を慕う者達
- 金城 美代子(きんじょう みよこ)
- 比良山 かすみ(ひらやま かすみ)
- つぐみ
- 花田 慶(はなだ けい)
- 東野 光太郎(ひがしの こうたろう)
- 天王寺 佐和子(てんのうじ さわこ)
- 桜目 ねお(さくらめ ねお)
- Dr.サイコ(ドクターサイコ)
- タコヤキ君(たこやきくん)
- 森 麻衣子(もり まいこ)
- ジュリ
- 真木 ヨリコ(まき よりこ)
- 白服の生徒達
- 一宮 旭(いちみや あさひ)
- 小鹿 宗介(こじか そうすけ)
- 永正 惣一(ながまさ そういち)
- 条本 友弘(じょうもと ともひろ)
- 小路 司(こみち つかさ)
- その他
- 半田 えみ(はんだ えみ)
- 長谷川(はせがわ)
- 力丸(りきまる)
- ライくん
- 岡山 ひでお(おかやま ひでお)
- 『はんだくん』の用語
- 半田くん周りで生まれた用語
- 半田軍(はんだぐん)
- HND症(はんだしょう)
- 半ザワ(はんザワ)
- 半田ちゃん(はんだちゃん)
- 登場する高校
- 灰校(はいこう)
- 白服(しろふく)
- 黒服(くろふく)
- 『はんだくん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 半田清「お前らなぁ… 友達なんてなかなかできるもんじゃないから 大切にした方がいいぞ」
- 近藤「ほっといてって言ったよね 半田くんはキズつきやすいって 言ったよね」
- 川藤「いつも通りの半田くんでいろよ ただ壁を外すだけだ それだけで世界は変わるさ」
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