働きマン(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『働きマン』とは、2004年に講談社『モーニング』で連載を開始し2008年まで連載した安野モヨコによる仕事漫画である。雑誌『JIDAI』の女性編集者・松方弘子(まつかた ひろこ)は28歳独身。上司や同僚、後輩たちと「よい雑誌」を作るために日夜奮闘中だ。一旦仕事モードになると寝食を忘れ、恋人よりも仕事を優先する。そんな彼女の痛快お仕事ストーリーである。20006年にアニメ化、2007年にテレビドラマ化された。ドラマの主演は菅野美穂が務めた。

弘子が「今の『JIDAI』はパワーが無いと思います。それって時代のせいですか」と酒の席で梅宮に言った。弘子は梅宮がかつては「攻めた」仕事をしていたことを成田から聞いていたので「今は守り責任とかあって守りに入っているのか」と聞く。梅宮は弘子の言葉を聞き、すこし間を置いてからこう言った。「いいか松方。勢いだけがこの世の中で必要とされてるわけじゃない。侘びしい夜も侘びしい人もあっての世の中だ。特に今は」と弘子に説いた。実際は、梅宮は昔と変わらない熱量で仕事をしているのだが、このように時代を冷静に俯瞰することも必要である。梅宮の編集長としての視野の広さが読み取ることのできる名言だ。

松方弘子「結局好きな事をやるためには目の前の課題をやるしか無いのか」

弘子は『JIDAI』編集部で働き続けて9年になった。年齢も30歳に近づき、今のままでいいのかと悩む時期である。そんな中、実家に帰省した弘子は父から「お前が編集長になってちゃんとしたやつ作れ」と、『JIDAI』へのダメ出しを食らう。弘子の夢は編集長になることだが、『JIDAI』の体質的に女がなることは難しいのだ。弘子が「女はなれない」と言うと父は「じゃあ作ればいい」とシンプルな答えを出す。『JIDAI』をやめて、新雑誌を作ること。だがそれには今いるところで結果を出さなければならない。「結果って何?部数をあげること?そんなの編集長にならないとムリじゃん」と弘子の頭の中で悶々とする。弘子は一晩中考えて、「結局好きな事をやるためには目の前の課題をやるしか無いのか」という結論に至る。これは、目の前の仕事を一つずつきちんとやっているとそれが大成し大きな仕事に繋がるという大事な名言である。

『働きマン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

イギリスの新聞『タイムズ・オブ・ロンドン』において取り上げられた

この作品は、英国の『タイムズ・オブ・ロンドン』で「『働きマン』は日本の男女不平等を覆せるか」というテーマで取り上げられた。弘子は、仕事モードになると「男スイッチ」が入る。すると身なり、寝食、恋愛を忘れて猛烈に働く。この漫画では「働くとはなにか」「働く意義」についてをテーマにしているが、もっと深い主題は「一生懸命働く人にとって、男女の性差は関係ない」ということである。しかし弘子の猛烈な働きぶりが、「女は男の3倍働かないと認めてもらえない」ということが日本の象徴であると、イギリスでは解釈されたのである。

キャラクター表記に誤字アリ

『JIDAI』の編集部員に、「野川由実」という名のキャラクターがいる。彼女の名前は「野川由実」なのだが、漫画のコマによって「由実」が「由美」になっている。どちらが本当なのか混乱するところだ。一般には「野川由実」なので、正しくは「由実」である。

『働きマン』の主題歌・挿入歌

アニメ『働きマン』

OP(オープニング):PUFFY「働く男」

作詞、作曲は奥田民生である。この曲は、もともと奥田民生が1990年にリリースした楽曲だ。歌詞は会社員の悲愴感をテーマについて歌っている。2006年にPUFFYがカバーし、アニメ『働きマン』の主題歌として起用された。

ED(エンディング):チャットモンチー「シャングリラ」

チャットモンチーの、3枚目のシングル曲である。作詞は高橋久美子で、作曲は橋本絵莉子である。この曲でオリコンシングルチャートで初のトップ10入りし、チャットモンチー最大のヒットシングルになった。『シャングリラ』というタイトルの意味は恋人の名前であり、地上の楽園を意味する「シャングリラ」とは関係ない。

挿入歌:サンボマスター「思い出は夜汽車にのって」(第1話~第8話・第10話~最終話)

recochoku.jp

作詞、作曲ともに山口隆である。曲は汽車に乗って町を出て行く主人公が、今まで傷つけあった恋人との別れを悲しむ歌である。最後の歌詞は、2人の思い出を夜汽車にのせて、列車が走り出すところで締めくくられている。

挿入歌:サンボマスター「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」(第9話)

作詞、作曲ともに山口隆である。2005年のフジテレビ系列ドラマ『電車男』のエンディングテーマとして書き下ろされた。その後、2006年のアニメ『働きマン』の挿入歌として起用された。シングル曲としては初のオリコントップ10入りを果たした。

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