三杉淳(キャプテン翼)の徹底解説・考察まとめ

三杉淳とは、高橋陽一のサッカー漫画『キャプテン翼』の登場人物の一人。小学生編では主人公の翼に勝る技術を持ち、キャプテンとしても優れた能力を発揮していたが、心臓病によって数分しかピッチに立つことができなかった。そのため、「フィールドの貴公子」などと呼ばれていた悲劇の天才マルチプレイヤーである。中学生編では病気の治療に専念し、ジュニアユース編ではコーチ兼選手として活躍した。

コーチ兼選手として全日本に参加したジュニアユース編

出典: gamy.jp

ジュニアユース編では、片桐の勧めにより、三杉は全日本ジュニアユースにコーチとして参加。全国大会には出場できなかったものの、その実力は誰もが認めるところである。監督の見上に、MF松山の粘り強さとキープ力はDFにも向いているとしてDF転向を提案し、それが採用されている。
本大会には選手登録もされ、アルゼンチン戦では値千金の勝ち越しゴール、フランス戦では決死の守備とPK戦のゴールで勝利の貢献した。
決勝トーナメント進出をかけたアルゼンチン戦の終盤に出場。ベンチに座っていながらもアルゼンチン選手のプレイの癖は把握済みで、蝶が舞い蜂が刺すかのような華麗なドリブル突破と、オーバーヘッドによる勝ち越しゴールを決めた。
翼、岬、日向に「心臓病というハンデが無ければ日本一の選手になっていた」と言わしめる。

準決勝のフランス戦にも後半途中から出場。ピエールと一対一の互角の激突を演じる。
試合は延長にもつれ込むが、日本は交代枠すべてを使い切っていた。許可された30分のみの出場時間を超える事になった三杉に対して、監督の見上は「構わないから辛くなったらその場で休め」と提言するも、三杉自身は最後まで死力を尽くしてプレイした。
雨の降る中、泥まみれになって日本ゴールを死守。PK戦では4人目のキッカーとして見事ゴールを決めた。

心臓病が完治し、ポジションをDFに移したワールドユース編

出典: gamy.jp

ワールドユース編では、恋人の青葉弥生の献身もあってか、三杉の心臓病はついに完治。思う存分サッカーができる体となって全日本ユースへ帰って来た。
前線や中盤にはタレントが豊富という理由から、自身はDF(リベロ)を希望。そして翼の得意とするドライブシュートをもマスターしていた。

日向や岬らが鎬を削る高校サッカーでの三杉の動向は作中描写が無い。中学編以上に心臓病の治療に専念していたものと思われる。
オランダユース親善試合にはメンバー入りしていないものの、勝利への戦略を提言するアドバイザーとして日本チームに協力。なお、この時点では医大受験で忙しいという設定だった。

全日本ユースのメンバーは日向や岬、松山に若島津ら選抜された面々に加え、腕に覚えのある者の志願というシステムが設けられた。三杉は後者としてチームに参加。
全日本復帰時にはチームメイトたちから手厚い歓迎を受けた。
ドライブシュートをも体得。三杉曰く、中学時点の翼のドライブシュートは脅威だったが、この年齢でこのシュートを打つのは決して珍しい事ではないらしい。

なお、RJ7の弓倉もドライブシュートを扱える。ポジションはMFからDFへ。これ以降は三杉、石崎、早田、次藤が全日本ユースのスタメンDFとして固定された感がある。
松山はボランチ的なポジションに落ち着いた。アジア予選ではサウジアラビアのマーク・オワイランに対して、「どちらが優れたリベロかはこの試合で証明して見せるぜ」とライバル心を燃やすシーンも。
アジア最優秀DFにはオワイランが選ばれている。

しかし作中では天才らしい活躍描写はあまりない。むしろ松山共々相手チームのエースに抜かれる場面が目立つ。
片桐が言うにはDFは不慣れなポジションらしいが、それでも試合をこなすたびに慣れつつあるとのこと。一応GKの若林は三杉(と松山)を「俺の前に出来た頼もしい壁」と評価している。

ワールドユース決勝のブラジル戦ではシュートブロックのシーンがあるが、その際にチームメイトたちは三杉に対して「ブロックはやめろ」「お前の心臓が…」と気遣っていた。
三杉本人は「優勝できるならこの試合で死んでも構わない」と気迫を見せる。

Jリーガー選手となりFC東京でプレイするROAD TO 2002

札幌ドームで行われた三杉(FC東京)と松山(コンサドーレ札幌)の試合は、魅惑の黄金世代対決と呼ばれた。三杉は松山の執拗なマークをかわし、フライングドライブシュートで見事先制ゴールをあげる。
松山の鉄砲水タックルでボールを奪われるシーンも。この時点で作中の三杉の実力は松山とほぼ互角と位置付けられる。
なお試合自体は1-1で引き分け。FC東京でのポジションは右MFである。

岬、松山とともに3Mを形成したGOLDEN-23

翼や日向、葵たち海外組を未招集で臨んだマドリッドオリンピックのアジア予選。3MはMF岬、ボランチ松山、リベロ三杉の縦並びパターン、3人をMFにコンバートした横並びパターンの2種類。それを前にしたデンマーク、ナイジェリアとの親善試合で日本の主軸を担ったフォーメーションである。
デンマーク戦は3Mとダブルボランチの立花兄弟によって中盤を完全に支配。しかしナイジェリアのスーパーテクニシャン・オチャドには松山共々あっさり抜かれるというWY編の再現と思しき描写も。
オチャド対策として3Mを中盤の三角形に配したこのフォーメーションは、しかし不発に終わる。

オールラウンダー井川、雑草男曽我といった新DFキャラが追加されたが、三杉もまたオールラウンダーであるためかスタメン落ちはしていない。G23で三杉のポジションはリベロ、右MF。
オーバーラップしてドライブシュートでゴールを狙うシーンもあるが、いずれも得点には結びつかず。
守りを固めたナイジェリア相手にゴールを狙うも、堅い守備に阻まれた模様。
3点差以上の勝利が必要なオーストラリア戦でも前半終了間際にドライブシュートを放つが、無情にもゴールバーに阻まれた。

三杉淳の関連人物・キャラクター

大空翼(おおぞら つばさ)

本作の主人公。「ボールは友達」が信条で、「サッカーの申し子」と呼ばれる。三杉と翼はライバル関係であり、小学生編では三杉は大会前から翼との対戦を望んでおり、準々決勝まで力を温存していた。中学生編でも最後の全国大会での翼との再戦を強く望んでいた。

青葉弥生(あおば やよい)

小学校時代から三杉のことをマネージャーとして支えてきた女性。昔は三杉の事を「キャプテン」と呼んでいたが、中学のころにはすでに「淳」と親し気な呼び方に変わっている。
三杉の心臓病が完治した際には弥生を抱きしめており、中学生編の頃から交際関係に進展した模様。
中学の頃から南葛のマネージャーの早苗と文通をしており、三杉との仲良さげなツーショット写真も添えてラブラブぶりをアピールしている。
ちなみに弥生は、翼が南葛に転校する前の小学校のクラスメイトだった。その後、弥生も転校し、三杉に出会っている。

中学編決勝の試合観戦のシーンでは、いつ知り合ったのか松山にもフレンドリーに話しかけている。
その後、松山の恋人の藤沢と仲良くスタンド観戦するシーンもチラホラ。
ちなみに石崎の母の事も知っている模様。WY編で日向の母が倒れた時にはその介護に向かうなど、三杉以外であっても献身的である。

三杉は心臓病は完治したものの、やはりまだ不安を抱えているらしい。弥生を一生守ると約束できないため、プロポーズはしていない。

三杉淳の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「やっぱりボクはサッカーをやめないよ もし1分や2分しかプレイができなくても ボクはかならずグラウンドにたつ そしていつかこの心臓病にも うちかってみせるよ」

「やっぱりボクはサッカーをやめないよ もし1分や2分しかプレイができなくても ボクはかならずグラウンドにたつ そしていつかこの心臓病にも うちかってみせるよ」とは、中学編で三杉淳が心臓病を抱えながらもサッカーを続ける決意を表明する場面での名セリフ。病と闘いながらも、サッカーへの情熱を失わない彼の強い意志が感じられる。

天才らしい活躍を再び見せ始めたライジングサン

kurota1
kurota1
@kurota1

Related Articles関連記事

キャプテン翼(キャプ翼)のネタバレ解説・考察まとめ

キャプテン翼(キャプ翼)のネタバレ解説・考察まとめ

『キャプテン翼』とは、1981年より高橋陽一が週刊少年ジャンプ、週刊ヤングジャンプ、グランドジャンプで連載されたサッカー漫画およびそれを原作としたアニメ作品シリーズ。主人公大空翼がチームメイトとの友情、ライバルたちとの激闘を通して活躍・成長してゆき、主に彼のサッカー人生が描かれている。単行本のシリーズ国内発行部数は7,000万部を超え、またフランス、イタリアなどおよそ20の国・地域で出版されており、国内外を問わず人気を誇る大ヒット漫画。

Read Article

キャプテン翼(キャプ翼)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

キャプテン翼(キャプ翼)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『キャプテン翼』とは、高橋陽一によって描かれたサッカー漫画である。アニメ化もされており、世界中のサッカーファンに人気がある。主人公の大空翼がサッカーで世界に挑戦していく姿が描かれている。新しいサッカー仲間と出会い、ライバルと切磋琢磨して成長していく姿が見どころである。持ち味が違う個性的なキャラクターが次々と登場する。必殺技で相手を翻弄し、最後まで勝敗が分からない試合展開が読者の心を掴み、『週刊少年ジャンプ』での連載開始から、長きに渡って愛されている作品である。

Read Article

翔の伝説(高橋陽一)のネタバレ解説・考察まとめ

翔の伝説(高橋陽一)のネタバレ解説・考察まとめ

『翔の伝説』とは、原作者高橋陽一によるテニスを題材にしたスポーツ漫画。集英社の『週刊少年ジャンプ』にて、1988年から1989年にかけて連載された。ジャンプコミックス単行本は全3巻。大ヒット作『キャプテン翼』の次に高橋陽一が発表した期待作であった。 高見沢翔という名の日本人が、テニス史にその名を深くきざみつけることになる半生を描いた物語という壮大なスケールで連載開始し、テニスに賭ける翔と父親との関係が描かれたストーリーであったが、あっという間に打ち切りとなってしまった。

Read Article

「名作」とはもういえない…?「キャプテン翼」が駄作に成り下がってしまった理由まとめ

「名作」とはもういえない…?「キャプテン翼」が駄作に成り下がってしまった理由まとめ

サッカーに励む少年たちの友情と成長を描いたことで知られる名作漫画『キャプテン翼』。まだJリーグが無かった時代に登場した本作は、その後の国内のサッカーブームの火付け役になりました。日本はもちろん、海外の選手たちの中にも愛読者が多いとされる本作ですが、それだけの人気を誇っていたにもかかわらず、いつの頃からか「つまらなくなった」という声が聞かれるように…。一体なぜなのでしょうか。この記事でまとめたので、その理由を知りたい方はこのままお進みください。

Read Article

味方になった途端に弱体化したジャンプキャラまとめ

味方になった途端に弱体化したジャンプキャラまとめ

味方になった途端に弱体化するキャラクターは、当然あるあるネタですよね。アニメや漫画、ゲームでも、裏での調整が入った結果、下手をすれば主力メンバーから干されて、永遠に待機キャラor回復専用なんてことも多々あります。そんな事実がある中、今回はジャンプキャラにしぼって、その悲しい現実をイラストつきでまとめてみました。

Read Article

『キャプテン翼 ライジングサン』マドリッドオリンピックの日本代表23人のキャラクター紹介!大空翼など

『キャプテン翼 ライジングサン』マドリッドオリンピックの日本代表23人のキャラクター紹介!大空翼など

ここではサッカー漫画『キャプテン翼』のシリーズ作品『キャプテン翼 ライジングサン』作中で開催されるマドリッドオリンピックの日本代表23人をまとめた。主人公の大空翼、ゴールキーパーの若林源三、フォワードの日向小次郎などを紹介している。

Read Article

伝説のサッカー漫画『キャプテン翼』の画像まとめ!あり得ない頭身や技が満載で”ギャグマンガ”との意見も

伝説のサッカー漫画『キャプテン翼』の画像まとめ!あり得ない頭身や技が満載で”ギャグマンガ”との意見も

日本にサッカーブームを巻き起こし、プロ選手の中にもファンが多い伝説のサッカー漫画『キャプテン翼』は、実はギャグ漫画でもある。キャラの極端な頭身やありえないシュートなど、キャラが真剣なのにも関わらず笑ってしまうシーンがたくさん登場する。ここではそんなキャプ翼の画像をまとめた。

Read Article

『キャプテン翼』の扱いが不遇なキャラクターまとめ!カール・ハインツ・シュナイダーなど

『キャプテン翼』の扱いが不遇なキャラクターまとめ!カール・ハインツ・シュナイダーなど

ここでは歴史に残るサッカー漫画『キャプテン翼』の作中で、扱いが不遇なキャラクターをまとめた。ジュニアユース編のラスボスだったカール・ハインツ・シュナイダー、「敵の間は強いが味方になるとショボい」キャラクターの代表格と言える若島津健などを紹介している。

Read Article

『キャプテン翼』原作のブラジルユースの強さまとめ!『キャプテン翼II スーパーストライカー』のイメージが強烈

『キャプテン翼』原作のブラジルユースの強さまとめ!『キャプテン翼II スーパーストライカー』のイメージが強烈

ここではサッカー漫画の金字塔『キャプテン翼』のブラジルユースの強さについてまとめた。ファンの間ではファミコンソフト『キャプテン翼II スーパーストライカー』のブラジルユースの強さが印象深い。原作でも、ラスボスに近い位置づけのブラジルユースは別格の強さを誇っている。

Read Article

②《vol.16〜30》「アメトーーク」DVD別《アニメ・漫画》ネタ芸人まとめ

②《vol.16〜30》「アメトーーク」DVD別《アニメ・漫画》ネタ芸人まとめ

「アメトーーク」DVD別《アニメ・漫画》ネタ芸人まとめですが、今回はvol.16〜vol.30までをまとめてみました。15巻までで、とりあえずガンダムネタは一段落ですが、まだまだたくさんネタは存在しますよ。ちなみにDVDは全て2枚組、さらにテレビでは放送されていない完全限定特典映像などもついてきますb

Read Article

【キャプテン翼】ツッコミ所満載!?パロディ画像をまとめてみた

【キャプテン翼】ツッコミ所満載!?パロディ画像をまとめてみた

サッカー漫画の金字塔『キャプテン翼』。現役プロサッカー選手の中にもファンが多い世界的人気作品であると同時、展開や描写にツッコミ所が多いことでも知られている。 ここでは、そんな『キャプテン翼』の二次創作パロディ画像集を紹介する。腹筋崩壊レベルの破壊力を堪能してほしい。

Read Article

『キャプテン翼』フェイクの達人・オランダのブライアン・クライフォートのプロフィール・来歴まとめ

『キャプテン翼』フェイクの達人・オランダのブライアン・クライフォートのプロフィール・来歴まとめ

ここでは伝説的サッカー漫画『キャプテン翼』に登場する「オランダユース真のキャプテン」にして「フェイクの達人」、ブライアン・クライフォートのプロフィール・来歴などをまとめた。作中では謎めいた伏線が多かったが、連載が打ち切りになったためその実力の全貌が明かされることはなかった。

Read Article

『キャプテン翼 GOLDEN-23』や『ライジングサン』に登場した強豪国まとめ!デンマークなど

『キャプテン翼 GOLDEN-23』や『ライジングサン』に登場した強豪国まとめ!デンマークなど

ここではサッカー漫画『キャプテン翼』のシリーズ作品『キャプテン翼 GOLDEN-23』や『キャプテン翼 ライジングサン』に登場した強豪国をまとめた。ブラジル最強の構図は変わらないが、デンマーク、ナイジェリア、パラグアイ、タイ、サウジアラビアなどの強敵が現れる。

Read Article

目次 - Contents