アウトブレイク・カンパニー(萌える侵略者)のネタバレ解説・考察まとめ

『アウトブレイク・カンパニー』とは、榊一郎によるライトノベル、及びそれを原作とした漫画・アニメ作品である。原作小説は本編+外伝の全19巻、漫画は全4巻が刊行された。アニメは2013年に全12話放送された。引きこもりで自宅警備員だった加納慎一が、就職した先の異世界でオタク知識を活かしてオタク文化を広める異世界ファンタジーである。漫画やアニメに出てくるような種族のキャラクターたちが、オタク文化について学ぶカオスな状況や他作品のパロディ要素も多くあり、オタクだからこそより楽しめる作品となっている。

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ロミルダの父親が経営し、マリノスでも最大規模の工房である。武器や食器、燭台など様々なものを製造している。
フェイドラをエルダント帝国の新たな兵器として活用するための研究もしている。

憂国士団による籠城事件

慎一が設立した学校にて、開校初日に起こった事件。
慎一がオタク文化を広めようとする行為は、これまでのエルダント帝国の文化を壊す侵略だとして、過激派のテロ集団が慎一たちや生徒数人と視察に来ていたペトラルカを人質に取り立て籠った。
慎一の機転で犯人は捕まり事件を解決することができたが、ペトラルカが狙われた際にミュセルが庇い、怪我を負ってしまう。
ミュセルが身を挺して自分を守ったことで、ペトラルカはミュセルに対する考えが少しずつ変わっていく。
憂国士団が持ち込んでいた「駆逐する炎(イマルフェ・ビスルペグゼ)」という魔法兵器は、少数派組織が用意できるものではないため、裏で何者かが協力していることが示唆されている。

サッカー御前試合

神聖エルダント帝国にてアミュテック社が主催となり行われたスポーツの祭典。
種族同士の衝突や学校内であまり人気がないスポーツ漫画やアニメの布教、下級種族の地位構造などを目的に慎一が提案し、エルダント帝国に了承され開催された。
魔法の使用を禁止されていたが、種族間で身体や特性の差によって魔法を使わなければ勝てない種族もいたため、魔法が解禁される。その結果ほぼ試合とは言えない乱闘状態になってしまった。

映画撮影

サッカー御前試合を記録として撮影していた映像がどこかから流出し、動画サイトやSNSで拡散されてしまったことで、それを何かのプロジェクトの一環だと誤魔化すために映画を制作することになる。
主演はペトラルカが務めた。完成した映画はエルダント城や城下町の数カ所で上映されたが、出演者たちが自分たちの演技を客観的に見て苦しみ耐えられなかったため、上映は中止され映画は封印された。

腐の七日間

美埜里がBLの摂取不足により引き起こした事件。
ある時美埜里が注文していたBL本が事故により届かず、自室の鍵を部屋に置いて閉じてしまい部屋にも入れなくなったことでBLに触れることができなくなり、美埜里の精神が崩壊してしまった。
ミュセルやエルビア、ガリウスはBLの洗脳を受け、慎一や光流はコスプレをさせられるなどの被害を受けた。

ペトラルカ影武者作成計画

皇帝であるペトラルカの身の安全を守るためにエルダント帝国とアミュテック社が共同で行っているプロジェクト。
籠城事件があって以来、ペトラルカの安全保障が急務となっていた。しかしペトラルカが主演を務めた映画によりペトラルカの顔は国民に知られており、少し似ているだけではバレてしまうため身代わり探しは難航する。
そこで慎一はペトラルカの等身大フィギュアを作り魔法で動かすことを提案し、採用された。

慎一暗殺未遂事件

日本政府により慎一の命が狙われた事件。
政府がオタク文化を利用してエルダント帝国を文化的に侵略しようと企んでいたことを知った慎一は、政府に反発して行動を起こす。その結果日本政府は邪魔になった慎一を消そうと動き出した。
暗殺しようとする自衛隊と慎一を守ろうとするエルダント帝国の軍が全面戦闘を行うまでに発展する。最終的には自衛隊が全員捕まったことで事態は収束した。
しかしその後も日本政府はどうにかして慎一を引き摺り下ろそうと暗躍を続ける。

憂国士団による誘拐事件

憂国士団ベイドゥナが主犯で起こした誘拐事件。
人質を解放する条件に身代金、アミュテック社の取り潰し、慎一の処刑、罪人の解放などを要求した。事件にはバハイラム王国が関係していることが示唆されている。

神聖エルダント帝国魔力低下事件

エルダント帝国で起こった魔法が使えなくなってしまった事件。
最初は一時的に魔力が低下する程度だったが、ある日突然魔力が完全になくなりエルフやドワーフが一斉に眠ってしまった。これと同時期に超空間通路の上に巨大な柱が現れ、魔力を吸い込む渦が発生していたのである。
調査の結果、超空間通路を通じて日本に魔力が流れていることが判明し、慎一が「駆逐する炎」を柱に向かい投げたことで消滅し、解決した。

『アウトブレイク・カンパニー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ペトラルカ・アン・エルダント三世「何しに来たのよ!別に妾は慎一のことなぞ待っておらんのじゃからね!」

慎一はある日突然ペトラルカに呼び出された。突然のことで理由も分からず不安になる慎一だが、ペトラルカの元に到着するとペトラルカは「何しに来たのよ!別に妾は慎一のことなぞ待っておらんのじゃからね!」と言われてしまう。さらに「汝のことなぞ嫌いなのじゃからね!」と続けた。
訳がわからず戸惑っていると、しびれを切らしたペトラルカがこれは「ツンドラ」だと怒る。呆れながらツンデレだとツッコミを入れつつ、早く呼び出した理由の本題に入るように慎一が言うとペトラルカはとぼけた顔をするのだった。
慎一を呼び出したのは本当にツンデレを見せるためだけだったのである。
それだけの理由で呼び出すという皇帝らしい気ままな振る舞いと、ペトラルカの容姿や性格に合ったツンデレが可愛らしいシーンである。

ゴールを決め喜び合うペトラルカとミュセル

派閥争いを起こすエルフとドワーフをスポーツを通して和解させようと、慎一がサッカーの親善試合を開催する。エルフの魔法とドワーフの身体能力によりもはや試合は乱闘状態で、決着は付かないまま崩壊してしまった。
試合終了後、観戦に来ていたペトラルカが誰も立っていられなくなったコートにやってきてシュートを決める。ゴールに入ったボールを見て、ペトラルカはミュセルと一緒にはしゃいで喜ぶ姿を見せた。
2人が初めて出会った時は、エルダント帝国の種族差別の文化によりペトラルカはハーフエルフのミュセルのことを毛嫌いしていた。しかし慎一が来てから何度も関わるようになり、少しずつ考え方も変わっていったのである。
国の象徴である皇帝と差別対象のハーフエルフが仲良くはしゃぐ姿は微笑ましく、エルダント帝国が変わり始めている様子が分かるシーンであった。

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