獣王星(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『獣王星』とは1993年から2003年にかけて樹なつみが『LaLa』『メロディ』で連載した長編サバイバルSF漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。
テラフォーミングが完了し、もう一つの星系・バルカン星系に人類が移住して太陽系との二大星系時代が到来した未来。エリート階級の暮らすコロニーで生まれ育った少年トールは両親を殺され、異形の植物が跋扈する死刑星・キマエラに追放されてしまう。真実を知るべく、トールが過酷な運命に翻弄されながらキマエラのトップ「獣王」を目指す姿を描く。

『獣王星』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

トール

「ぼくは3週間前まで人間だった 確かに そうだった だけどー 今はただの獣(けだもの)だー」

弟ラーイを追いかける男を殺害するトール。キマエラへ追放された当初、誰かを殺してでも生き延びることを拒んでいたトールだったが、足手まといの弟と共にキマエラで生きるために殺人を犯すようになる。生き残るために人間から獣(けだもの)に堕ちてしまった自分にトールは「ぼくは3週間前まで人間だった 確かに そうだった だけどー 今はただの獣(けだもの)だー」と複雑な感情を抱く。

「オーディン!! ラーイの血と肉に誓う きさまののどを喰い破るまでぼくは死なない!! この地獄をはいずりまわってでも生き抜いてみせる…!!」

ラーイの死をザギから聞かされたトールは、ラーイを見捨てたのは自分だと責める。しかし、一緒に地球に行こうというラーイとの約束を思い出したトールは自分達をキマエラへ追放したオーディンへの怒りと憎しみを露に「オーディン!! ラーイの血と肉に誓う きさまののどを喰い破るまでぼくは死なない!! この地獄をはいずりまわってでも生き抜いてみせる…!!」と復讐を誓う。

「そ…おだった… ここは獣王星(キマエラ)なんだった 人の死はとるに足らない出来事なんだ 自分を守れない奴は死ぬしかないんだ そんな簡単な”正義”をまだぼくはわかってない」

サードは自身に嫉妬する頭(トップ)の放った刺客に襲撃されるも、防弾チョッキを服の下に着ていたことで一命を取り留める。キマエラでは常に生死が問われ、ちょっとでも油断すれば命を失うことなど日常茶飯事の出来事。自分を守れない人間は死ぬしか無い。長年コロニーで平和な暮らしを送って来たトールはキマエラで生き残るには、「そ…おだった… ここは獣王星(キマエラ)なんだった 人の死はとるに足らない出来事なんだ 自分を守れない奴は死ぬしかないんだ そんな簡単な”正義”をまだぼくはわかってない」と自分の身を守ることが何よりも優先されることを痛感する。

「頭(トップ)だって輪の部下を守る義務もあるんだろっ そんな奴頭(トップ)の資格なんかないぞっ 何度でも言ってやるよっ あんたなんか頭(トップ)じゃないよっ あんたに頭(トップ)がつとまるならぼくにだって出来るよッ」

トールが来た頃の茶・輪(オークル・リング)の頭(トップ)は自惚れが強く、自分よりも目立つサードの存在を苦々しく思っていた。好意を寄せていたチェンがサードと密会していることを部下から告げ口された頭(トップ)はサードを殺そうとするもサードは防弾チョッキを着ていたため一命を取り留める。サードへの嫉妬心から頭(トップ)はサードに水を引っ掛けグラスを持ってくるよう命令する。そんな頭(トップ)の姿にトールは怒りを現し、頭(トップ)失格だと言い放ち「頭(トップ)だって輪の部下を守る義務もあるんだろっ そんな奴頭(トップ)の資格なんかないぞっ 何度でも言ってやるよっ あんたなんか頭(トップ)じゃないよっ あんたに頭(トップ)がつとまるならぼくにだって出来るよッ」と叫ぶ。結果、トールを頭(トップ)にしようと目論んでいたサードによって挑戦(トライ)をすることになる。

「ぼくはー初めて獣王星(キマエラ)での自分が現実で良かったと思った ティズやサードと一緒なら ここでも生きていける」

挑戦(トライ)の後、大怪我を負って生死の境を彷徨っていたトールは、弟ラーイの夢を見る。キマエラへ追放されたトールは、生き残るために殺人を犯すようになり弟のラーイを失ってしまう。しかし夢から覚めたトールは、自分を心配するティズとサードの姿を見る。この時、コロニーの常識が何一つ通用しないキマエラで信頼できる「仲間」を得たことに気づいたトールは、「ぼくはー初めて獣王星(キマエラ)での自分が現実で良かったと思った ティズやサードと一緒なら ここでも生きていける」と初めて安心を覚える。

「甘ったれんな!!顔を上げろ!!立て!!自分で選んだんだろうその生き方を!!おまえに今泣く権利も時間もない!!選んだ人生の決着(ケリ)くらい自分でつけてみろ!!」

「ワルキューレ」が明かした「地球は既に消滅していた」という事実に、地球に憧れていたヘザーはショックを受ける。「一体何のために自分の存在を消してまで生きてきたのか」と絶望し生きる気力を失いかけた彼に、トールは「人生を消されたのはヘザーだけじゃない」と言い放つ。そして、彼の髪を掴み顔を上げさせ「甘ったれんな!!顔を上げろ!!立て!!自分で選んだんだろうその生き方を!!おまえに今泣く権利も時間もない!!選んだ人生の決着(ケリ)くらい自分でつけてみろ!!」と一喝する。このトールの一喝が終盤のヘザー、サードの行動に繋がる。

「名がないならやろう ”ティズ”だ いい名だろう…”希望”という意味だ」

「名がないならやろう ”ティズ”だ いい名だろう…”希望”という意味だ」

ラスト、植物に襲われた孤児の少女を引き取るトール。ティズの面影を持つ名前の無い彼女にトールは「名がないならやろう ”ティズ”だ いい名だろう…”希望”という意味だ」と少女に希望の意味を込めて「ティズ」と名づける。

ティズ

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