花咲ける青少年(漫画・アニメ・舞台)のネタバレ解説・考察まとめ

『花咲ける青少年』とは、白泉社の『LaLa』で1987年から1994年の間に連載された樹なつみによる少女漫画作品。およびそれを原作としたテレビアニメ、舞台作品。世界的大企業バーンズワース財閥の会長ハリーの一人娘である、主人公花鹿の夫探しゲームが軸となり、花鹿が恋と運命に立ち向かうロマンチックサスペンス。純粋で恐れをしらない美少女花鹿に、夫候補である男性はみな惹かれていく。夫候補には王子に財閥と華やかな男性達が登場する。

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『花咲ける青少年』の概要

『花咲ける青少年』とは、白泉社の月刊少女漫画誌『LaLa』にて、1987年4、5月号、1989年10月号から1994年10月号に連載された樹なつみによる少女漫画である。また、白泉社の隔月少女漫画誌『MELODY』の2009年8月号に番外編が掲載され、2010年6月号から2014年4月号まで特別編が連載された。単行本全12巻、白泉社文庫全6巻、愛蔵版全6巻、特別編全5巻が出版されている。2009年4月から2010年2月までNHK BS2でテレビアニメが放送された。また、2010年4月1日から2011年3月まで、毎週木曜日(水曜深夜)午前1時00分〜1時30分の枠でNHK総合テレビでも放送された。2010年4月から2010年10月には舞台『花咲ける青少年〜The Budding Beauty〜』が上演され、2011年2月に舞台『花咲ける青少年~The Budding Beauty in The Oriental Blue Wind~』が、2012年1月には、『花咲ける青少年 ファイナル The Blooming Princess』、また「ラギネイ革命」編、「恋と宿命」編 と視点を変えた2作も上演された。主演は、モデル・女優・歌手として活動するAKIRAが務めた。
物語は序章と本編に分かれている。序章の舞台となるのは、1939年のニューヨーク。訪米中のラギネイ王国皇太子マハティが主人公となり、陰謀からの逃亡、そして逃亡中の出会いと恋が描かれる。恋の相手となるキャスリーンはマハティの前から姿を消し、マハティの子を出産。産まれた子供はハリー・バーンズワースと名付ける。
本編では、マハティの実子ハリー・バーンズワースは、一代で世界的大企業バーンズワース財閥を築き上げている。主人公はハリーの1人娘で、2歳から12年間カリブの離島で育った花鹿(かじか)。花鹿は、父ハリーより夫探しゲームを持ちかけられる。ゲームの内容は、花鹿がハリーの選んだ夫候補3人を見つけ出し、その中から自分を守ってくれる男を選ぶというもの。花鹿は、自分自身の力で、運命の相手と、背負うべき宿命を探しだしていく。
主人公である花鹿は離島で育ったため、財閥の娘でありながら先入観に囚われずに真理を見極める力を持っている。また夫候補は、フランスの貴族、ラギネイ王国の王子、バーンズワース財閥と敵対関係にあるローゼンタール家の長男と個性的な面々。ストーリーの面白さもさることながら、それを引っ張るキャラクター達が、この作品の大きな魅力となっている。

『花咲ける青少年』のあらすじ・ストーリー

序章

1939年、ラギネイ王国皇太子マハティ・シェイク・ダイ・ラギネイはニューヨークを訪れていた。突如襲われたマハティは、逃亡。その最中、現地のクラブ歌手キャスリーンと出会い、恋に落ちる。マハティはキャスリーンにプロポーズしアメリカを去るが、キャスリーンは姿を消す。マハティの逃亡時に手助けをした、キャスリーンの友人フレドリック・バーンズワースは、キャスリーンのお腹にマハティの子供がいる事を知り、父親役を買って出る。キャスリーンは産まれた子供にハリー・バーンズワースと名付けた。

夫探しゲーム

話は現代へ。成長をしたハリーは、一代でバーンズワース財閥を築き上げ、世界的事業家となっていた。ハリーの1人娘花鹿・ルイーサ・陸深・バーンズワース(かじか・ルイーサ・くがみ・バーンズワース)は、14歳になったある日、ハリーから「夫捜しゲーム」を持ちかけられる。それは、ハリーが選んだ3人の男を見つけ出し、その中から花鹿のことを生涯守ってくれる夫を選べという内容だった。ハリーは、ゲームが終了したら「花鹿が生まれながらに背負っている重い宿命」について話すと約束する。

3人の夫候補

1人目の夫候補はユージィン・アレキサンドル・ド・ヴォルカン。ユージィンの父オーギュスト・ド・ヴォルカンは、美しい弟アラン・ド・ヴォルカンを溺愛し、オーギュストを嫌った母親とアランへの復讐のため、死んだアランの精子を凍結保存し、アラン以上に美しい人間を作ると決意。オーギュストは、18歳のクリスティンと強引に結婚。そして、死んだアランの精子を人工授精し、クリスティンにユージィンを産ませた。クリスティンは出産後に自殺。その事を知ったユージィンは、母親の死の原因である自分も同じように死ななければならないと思い詰め、自殺しようとするが、花鹿が阻止した。それによってユージィンは解放され、同時に花鹿を愛するようになる。

2人目の夫候補はラギネイ王国の第2王子、ルマティ・イヴァン・ダイ・ラギネイ。ルマティはバーンズワース家にやってきて、花鹿にプロポーズする。そこに、ラギネイ王国国王陛下ウールド(ルマティの父)が死去し、同時にルマティがルマティの兄である皇太子ソマンド・イリヤ・ダイ・ラギネイの暗殺及びクーデターを計画し、発覚寸前に国外逃亡、また国王陛下の死にも関与という内容の報道がある。そのままバーンズワース家でルマティを匿う事となる。王位継承者は、第1王子のソマンド、第2王子のルマティ、続いてウールド国王の弟の長男イズマル、マハティの第2夫人の孫にあたるナジェイラ・イサ・シャドリの4人となる。そして、ソマンドが国王となった。

3人目の夫候補は、カール・ローゼンタール。バーンズワース家と対立関係にある、名門財閥「ローゼンタール家」の長男。カールは、閉所・暗所恐怖症だが、花鹿がそばにいると発作が楽になり、花鹿に惹かれていると確信を持つ。

クーデター

ソマンドが国王になって1年経ち、国王の独裁政治が行われている国を憂いたルマティは、1年前のクーデターは冤罪で、ルマティの追放令を撤回すればラギネイ王国に戻り力になるが、ソマンド王が和解を受け入れず、独裁をやめないのであれば、正統な王位継承者としてラギネイに戻ると宣言した。
また、カールは花鹿にプロポーズした。
揺れるラギネイ王国に、花鹿は行こうとするが、花鹿のお目付け役で、倣一族の総帥でもある倣立人(ファン リーレン)に反対される。そんな中、立人に、立人の花嫁が、立人の従妹にあたる倣玲莉(ファン リンリー)に決まったと知らせが入る。花鹿は邸をこっそり抜け出し、ラギネイ王国に向かう。
花鹿がラギネイ王国の空港に着くと、空港では立人が待ち構えていた。するとクーデターが起き、軍人が空港を占拠した。立人は爆撃から花鹿をかばって負傷。花鹿を迎えに来ていたラギネイ王国の元近衛士官イザック・ノエイ少尉に救われ、花鹿と立人はアジトに行く。花鹿は立人と過ごす中で、自分の幸せは、立人との時間にあると気付く。

花鹿の宿命

アジトに手入れが入り、ノエイ少尉を残したまま、花鹿と立人は脱出。しかし、ノエイ少尉は王宮内に捕らわれ、処刑が決まった。花鹿はノエイ少尉を助けに行くと言う。立人は、花鹿が行くのなら、自分は倣一族の総帥を退いて共に行くと決断。一行がノエイ少尉を救出し、王宮を抜け出そうとしたところ、昔ルマティを可愛がっていた大祭司とナジェイラの母に見つかる。ナジェイラの母は、花鹿は第1王位継承者である事を打ち明ける。花鹿は自分の宿命を知った。

ルマティの戴冠式

元ルマティの侍従で、今はソマンド付きであるクインザ・ハフェズはルマティの入国を拒否していたが、ルマティは入国出来ずとも、着陸するだけでも意味があると強行する事を決めた。
一方クインザは、花鹿を殺そうとするが、立人が銃でクインザを撃ち助かった。花鹿は、死ぬと思った瞬間、会いたかったのは立人だけだったと打ち明ける。二人はキスを交わし、お互いの強い思いを確かめ合った。
そして、ルマティはラギネイ王国の新しい王となった。ルマティが花鹿にプロポーズの返事を聞くと、花鹿はそれを断った。
一方立人の側近、曹望青(ツァオ モンチェン)は、立人が倣に戻り玲莉と結婚しなければ、花鹿を殺すと立人を脅した。立人は花鹿を守るため、その条件を飲むと曹に伝えた。
花鹿は、ニュースで立人が玲莉と婚約したと知った。

立人の救出

1度は曹の言いなりになった立人は冷静さを取り戻し、倣の五長老会の1人に曹の持つ裏ルートの繋がりを全て断ってくれるよう依頼し、見返りとしてその息子が総帥になれるよう手配すると約束した。後日、玲莉が立人の家に来て、曹に、立人は結婚を止め、一族と絶縁するという話だと伝える。曹が次の手を打とうとしたところに、銃を持った男たちが立人の邸に乗り込んだ。すると、邸の窓が開きヘリコプターが横づけされ、そこから花鹿が身を乗り出し、自分と来るよう立人に呼びかけた。立人は、そのまま花鹿の乗るヘリコプターに乗りこんだ。

『花咲ける青少年』の登場人物・キャラクター

主人公と周辺人物

花鹿・ルイーサ・陸深・バーンズワース(かじか・ルイーサ・くがみ・バーンズワース)

CV:遠藤綾
演:AKIRA(DISACODE)
主人公。世界的財閥バーンズワース家の一人娘で、自由奔放で率直な性格。光にあたると銀色に見える灰色の瞳をした美少女。初登場時は14歳。実は、ラギネイ王国の第1王位継承者であるという宿命を負っている。父の意向で、幼い頃から10年あまりをカリブ海の孤島ギヴォリで世間から隔離されて育った。言霊や生まれ変わりについての考え方など、ギヴォリの土俗信仰の影響が大きい。母親は日本人で、陸深は母方の姓。

倣立人(ファン リーレン)

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