セッション(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

2014年、撮影当時28歳で全く無名だったデイミアン・チャゼル監督初の長編映画。サンダンス映画祭 W受賞を皮切りに驚異の記録で賞レースを席巻。名門音大に入学したドラマー(マイルズ・テラー)と伝説の鬼教師(J・K・シモンズ)、究極の師弟関係を狂演VS怪演で演じきり、狂気のレッスンの果ての衝撃のセッションは、誰も観たことのないクライマックスへと展開する。映画史上に残るラスト9分19秒は圧巻。

才能あふれる若きドラマー、アンドリュー・ニーマンを演じたマイルズ・テラー。
彼は元々10年以上ドラムの演奏経験があるが、ジャズの経験は無かったそうだ。
伝統的なジャズでは、スティックの握り方なども違うので、そういったところから指導を始め、この映画のための特別レッスンを受けたそうである。
監督のチャゼルは「今回はただのジャズではなく、複雑な楽曲を演奏してもらわなければいけなかった。しかも登場した時は迷いのあるミュージシャンで、どんどん腕を上げていかなければいけない。難しい行程だったと思う。最終的に、彼の演奏はヤバいぐらい上手くなったよ!」とテラーのプレイを絶賛する。
劇中のドラムはほぼテラー本人が演奏しており、サントラでも彼の演奏が4割ほど使われているとのこと。
ラスト9分19秒のシーンは、音楽を先に決め、絵コンテもすべて用意して3日間で撮ったそうで、2日目に彼の指には水ぶくれができたが、それでも演奏し続け水ぶくれがつぶれ、ドラムセットに血が付着した。だがテンションが高く過酷な挑戦でもあり、すごく楽しくもあったそうである。

ラスト9分19秒の衝撃

9分19秒の衝撃のラスト。フレッチャーはシェイファー音楽学校をクビにされた原因がニーマンの匿名での証言であることを知っていた。 だからニーマンにだけ彼の知らない曲を演奏させ、自らの公演を失敗させる事によってニーマンに復讐する。それに対してニーマンは凄まじいドラムの独奏によってフレッチャーの指揮を従わせる。フレッチャーがニーマンに行った復習に対して、ニーマンの行動はフレッチャーに対する復習なのか?
観客からは、誰も観たことがないという恐ろしいほど痛快なエンディングに、「大胆」「危険」「熱すぎる」とほとんど悲鳴に近い絶賛のコメント寄せられた。
クライマックスのシーンについては、とりわけフレッチャー役のJ・K・シモンズとチャゼル監督で話し合われたと言う。
どこまでやったらやりすぎなのか、それは価値あるものなのか、こういう虐待は軍隊ならともかく音楽の世界では必要なのか、そういったことを熟慮による熟慮の上、ラストシーンは作られた。

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