冷たい熱帯魚(COLD FISH) を解説!R18+指定の園子温監督作品!
「冷たい熱帯魚」は監督・脚本園子温の、実際にあった事件をもとに作られた映画だ。ここでは「冷たい熱帯魚」のあらすじ・ストーリーや登場人物・キャラクター、魅力を解説していく。ネタバレあり、エロ、グロ描写あり。
あらすじ
熱帯魚店を営む社本(演・吹越満)は、妻の妙子(演・神楽坂恵)と娘の美津子(演・梶原ひかり)と三人家族。
ある日、遊びに出かけた娘の美津子が万引きをして、スーパーに美津子を迎えに行ったのがきっかけで、その場を救ってくれた村田(演・でんでん)と知り合う。
村田は、社本と同じく熱帯魚店を営んでおり、「アマゾンゴールド」という大型店舗の店長だという。
店に招待された一家は、村田の提案による娘、美津子の社会復帰をということで住み込みのアルバイトをすることに…。
娘の美津子も嫌がってる様子はないので、そのまま世話になることとなる。
その後、村田は熱帯魚の養殖のビジネスに社本を誘う。このビジネスの話題がきっかけで、社本の人生が大きく狂う事になってしまうことになろうとは思わなかっただろう。
村田は、明るい性格の男だが、金のためなら次々に人を殺してしまう凶悪殺人犯だったのだ。
そんな村田の一面を知ってしまい、犯行の手伝いまでさせられてしまった社本は恐怖心を感じ、妻にも娘にも真実を打ち明けられずにひとり抱え込んでしまう結果となる。
ついに、精神的に追い詰められた社本が爆発し、おこした行動とは一体…。
登場人物
社本信行(演:吹越満)
社本は、小さな熱帯魚店の店主である。
性格は、気弱で大人しく物静かで、妻にも娘にもガツンとは言えない性格ではあるものの、星や宇宙が好きでプラネタリウムにデートしに行くロマンチストな一面もある。
初めて、犯行の手伝いをさせられた時は、おどおどビクビクしていたものの、ストーリー後半には最初とはまったく違った性格になってしまう。
ビジネスには、あまり興味が無くマイペースともみれるところも。
社本妙子(演:神楽坂恵)
家庭で出すほとんどの食事をインスタントか冷凍食品で済ませてしまう社本の二番目の妻。
生活に不満を感じるも、村田と知り合って肉体関係をもってからというもの、ビジネスの話を持ってくる。
美津子からは、暴力をうけていたりした。
社本が店にいない時は、妙子が店番をしている様子。
社本美津子(演:梶原ひかり)
反抗期の信行の娘。
ある日の万引きがきっかけで、村田と知り合い、村田の店で住み込みのバイトをしている。
実母を失った寂しいさからか、義母の妙子に手をあげることも…。
村田幸雄(演:でんでん)
明るくて声が大きく陽気な雰囲気の男性。
彼は「アマゾンゴールド」という店の店主であるが、本当の顔は金のためなら周りの人に次々と手をかける殺人犯。
人の心を掴む巧みな話術と人柄で、一気に距離を縮める。
村田愛子(演:黒沢あすか)
村田の妻で、村田には基本逆らわない。
露出の多い服装で、村田の指示あり気で、誰とでも寝る。
殺しや遺体の始末については、悪びれる様子も焦りを見せる様子もない。
ストーリー終盤は、社本に惚れてるともとれる描写がある。
筒井高康(演:渡辺哲)
村田の顧問弁護士で、強面な男性である。
基本的に犯行の手伝いはしないが、犯行自体は知っている。
村田の妻、愛子と肉体関係を持っていたが、金銭面的にも立場的にも欲をかいていたことが発覚してしまい、筒井宅にてお楽しみ中に愛子により「いつもの」方法で殺害されてしまう。
筒井の車の運転を担当していた男性も、愛子の手によって弱らせられるが、あとから到着した村田と二人で首を絞め殺害される。
吉田アキオ(演:諏訪太朗)
村田のビジネスパートナーであり、この作品の一番最初の被害者。
見た目は、優しそうな男性。
作中登場する弟分の様に声を荒げたりはしない。
「冷たい熱帯魚」名台詞と用語について
用語「ボディーを透明にする」
作中登場する村田による台詞だが、こちらは犯行そのもをさすキーワードとも言える。
作中にも何度も登場する、殺害から処理までのことを言っている。
犯行と処理の方法についてだが、殺害後に毛布で包んだ遺体を山中の山小屋の風呂場まで運び作業をする。
その後、骨と肉に分けて肉は出来るだけ小さく切り刻み、醤油をかけて骨はドラム缶でしっかり焼却し灰にする。
肉は川へ流し捨て、灰は山林に散布してしまうという方法だ。
実話では「遺体なき殺人」と呼ばれていたそう。
名言「人生ってのはな、痛いんだよ」
社本が娘の美津子に残した一言。
この言葉を残して、社本は娘の美津子の前で自殺をし、映画はクライマックスなのだが、メッセージ性を感じる一言だ。
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